シベリア鉄道で北京からアフリカモロッコまでユーラシア大陸横断する日記(北欧編完)

Wikipediaより

北欧編

7日目 第二の寝台列車

秋のモスクワ。昼の日差しの熱さとは対照的に朝夜の冷え込みは厳しく寒さが日本の冬の様に身体に刺さります。

モスクワからヘルシンキへは深夜から寝台列車トルストイが出ています。

レニングラード駅の周辺は昼間とはうって変わってちょっと危険な雰囲気。深夜に列車を待つ外国人の心を緊張させます。

荷物をロッカールームで引き取り待合ベンチで待ちます。電光掲示板にはトルストイが表示され出発が近くなるとプラットホーム番号が出ます。30分程前から乗車できるのでパスポートとチケットを用意しておきましょう。

時間にな列車の周りには人が集まってきます。ルームメイトが気になりまた新学期気分になります。

トルストイはやがて発車時刻になります。高校生くらいの少女がタバコをふかしながら巨大なスーツケースを持ち上げるのに苦労していたので手伝ってあげたらニイハオと挨拶してくれたのでニイハオと返してあげました。ロシアで見るほとんどのアジア人が中国人なのでしょうね。

また部屋には僕一人。列車は走り出します。貸し切りかなと思っていたらドタドタと廊下を歩く音。いつものパターンです。

シエスト?シエスト?

50歳くらいのおじさん。どうやら寝台の番号を聞いてるみたいです。エトーエトーと指差します。ロシア語以外は通じなさそう。

10分くらい個室に二人で沈黙。気まずいです(ーー;) 今こそ持ってきた指差しロシア語の本を使う時。沈黙をやぶって名前は何ですかをカタカナ読みすると、おじさんはびっくりしましたがニコッとして名前を教えてくれました。おお。

調子に乗って職業や出身地を指差してみます。むこうも面白がっているみたい。おじさんはエストアニア出身でなんと北海道にも漁師?をしていた時に来た事があるらしいです。

指差し会話本は実戦では役に立たないという批判もありますが、無いよりははるかにいいです。職業や出身地を交換するだけの本当に簡単なコミュニケーションですが、部屋はさっきの葬式の様な雰囲気から居心地のいいリビングに変身します。

人と人の距離には3種類あると思います。1.コミュニケーションしてない人、2.コミュニケーションした人、3.理由が無くても会う人。人間の縄張り本能からか1の人と個室で二人でいるのはややストレスになります。

2から3へ距離を縮めるのは簡単ではありませんが、1から2へは言葉は通じなくてもちょっと挨拶と自己紹介出来ればすぐに移行できます。

トルストイはロシアの寝台列車です。とても近代的な設備に驚かされます。

トイレは清潔でシャワーも横についており自由に使う事が出来ます。2等寝台は上下2つづつ、4人のシェアで同性しか一緒にはなりません。

ベッドは下段も折りたたみ式で降ろすと柔らかく寝心地のいいベッドが現れます。電源も個別にあり充電にも困りません。

サービスで軽食とコーヒーもあるので特に朝食も買い込まなくてもよかったみたいです。

昨日までのシベリア鉄道K3から比べると大正から平成にタイムスリップした様な気分。

狭く臭いのする硬いベットと薄い毛布でシャワーもなく乗客を叱りつける乗務員を気にしながら早朝に汚れてない使えそうなトイレを探し回っていたK3の日々。なかなか過酷な体験でしたが、人々とサモワールの暖かみは一生の思い出です。モンゴルの草原の夜空に響く重いドアのバタンバタンという音を思い出しながら北欧に向かう寝心地のいいトルストイの布団で眠りにつきました。

8日目 フィンランド国境

ビボーグはロシア最後の駅です。パスポートの確認がありロシア出国です。ビザは空バウチャーの場合は何日でもいいので30日にして結局数日しかいませんでしたが特にはなにもつっこまれませんでした。

やがて列車は進み出しフィンランド側に入ります。ユーロマークの係員がいきなり麻薬犬を連れて列車に入ってきたのには驚きました。大体の滞在期間を聞かれたくらいで中国ロシアの公務員に比べたらとても礼儀正しく感じました。

ここから先はユーロ圏です。これで全く言葉が通じないエリアはなんとか脱出出来たので一安心です。

青々とした木々に囲まれた農地と湖、森の国が窓の外に広がります。鉄道はVRフィンランド国鉄の車両が目立ってきました。中国モンゴルロシアと簡体字とキリル文字ばかりだったので車体のアルファベットの文字が懐かしく感じられます。

ヘルシンキに近づくにつれ、建物は増えて行きますがそれでも緑は多く、自然との共存の方針を感じられます。

時刻は昼過ぎ。天気は良好です。間も無くヘルシンキに到着です。

8.5日目 セレナーデ

ヘルシンキ駅は首都の駅とは思えないくらいに小さくまとまった駅です。いくつかのレストランと手荷物預かり、チケットオフィスがあります。

ユーレイルパスは使う前にバリデーションという手続きが必要になります。手続きと言ってもハンコを押すだけなのですが、加盟国の駅で行う必要があります。(日本でも出来ますが、手数料を取られます)

ストックホルムからの列車を予約しようと自動販売機に触ってみたのですがどうも国内の予約しか出来ないらしくチケットオフィスでバリデーションのついでにしてもらいました。整理券制で並ぶ必要はありませんでした。

ヘルシンキの路面電車は時間制です。切符を買うとその時から1時間乗り放題です。

ストックホルムへのフェリーまで3時間あったので路面電車で街並みを見だ後、海岸沿いのマーケットの屋台で海鮮を食べてみました。なんと屋台なのに支払いは約2000円。物価の高さも思い出の一つです。

ストックホルム行きのシリアラインは路面電車の駅からすぐの所にあります。中央駅からは15分くらいの直通です。

豪華客船セレナーデはまるてショッピングセンターの中のような華やかな作り。入り口ではバンドの演奏、夜はディナーショー、巨大な免税店もあります。税金が高いこの地方では地元の人がお酒を買う為だけにこの船に乗ったりするそうです。

とはいえ所詮は船の中。30分ほどぶらぶらしたらする事が無くなります。

同じくする事が無くなった人たちが船のあちこちにあるカジノゲーム機で時間を潰しています。

たまにアナウンスがあり中央広場でショーも行われたりしますが人によってはシベリア鉄道より退屈かも知れません。

カジノは向学の為一回だけやってみました。2ユーロが3ユーロに成りました。一度勝ったギャンブルは二度とやらない主義なのでもうする事はないでしょう。僕はこれをビギナーズラック法と名付けています。

僕が予約した一番安いシェアルームには他に二人。ロシア人とニュージーランド人が乗り込んでいました。例のロシア語の指差し会話本はさすがにもう使わないだろうとヘルシンキで捨てましたがまさかまたロシア人と同室になろうとは。後悔しつつも辞書でなんとか自己紹介だけは出来、彼がヨットマンでスウェーデンに仕事で行く事だけは何とかわかりました。日本人の僕が後からニュージーランド人にロシア人を紹介する妙な展開。

ちなみに僕らの一番安い部屋は船の奥底にあり、そこに行けるエレベーターは一つのみ。他のエレベーターからはそんな部屋存在しない事にされています。窓のない部屋は例の北京の穴蔵ホテルを思い出させられます。

それでもトイレシャワーはちゃんもありベッドも寝台列車よりは広いので価格を考えたら良い選択だった思います。船内はwifiもありチケット番号を入力すると自由に使えます。

時刻は夜7時。外はまだまだ明るいですが列車と違い景色も変わらず退屈なので今日は早めに寝る事にしました。

9日目 フェリーのラッシュアワー

闇。

瞼を開けたつもりなのですが目には一寸の光も入ってきません。視力を失ったのではと寝ぼけた思考の中で焦ります。

ああ、ここは船底のキャビンなのでした。窓のないそれは灯りを落とすと本当の闇になります。

昨日の記憶を頼りに慎重にバンクベッドから降ります。真下にはニュージーランド人のマーチンさんが寝ています。

時計は朝の5時。フィンランドからスウェーデンへは更に時差が1時間戻るので自然と早起きになってしまいます。

こうやって東から西へと旅するのは寝坊を防げて良いかもしれませんね。

早朝のデッキからの眺めはとても幻想的。ストックホルム周辺には無数の島々が浮かびバルト海の海水が流れ込んでリバークルーズをしてる様な地形。船の後方東側が朝焼けに染まります。

ちょうど船の後方にはビュッフェがあり夜は40ユーロ近くしますが朝は12ユーロ程度なので景色も良くおすすめです。朝食12ユーロが安く感じる様になった自分に驚きます。それほど北欧の物価は高いです。

このブュッフェは到着時間まで開いているのでコーヒーを飲みながらのんびり時間を過ごせます。この区間はたくさんのフェリーが運行しているので窓の外には他のフェリーがまるで車の様に直列に並んで進んでいます。島々には段々と建物が目立ってきました。もうすぐ北欧一の都市、ストックホルムです。

9.5日目 ジェットコースター

ストックホルムの港は独特の油の匂いがが漂っていました。どこから食べ物の香りも混じっているようです。

マーチンさんも地下鉄でホステルに向かうので途中まで一緒に行くことにしました。

地下鉄のチケットは港の出口で買うことが出来ます。係員の人に一日パスを勧められたのでそちらにしました。スウェーデンのクローネ表示でしたがユーロも使えました。お釣りはクローネなので両替ついでにユーロを使います。

あとで考えたらほぼ全ての場所でクレジットカードが使えるのでわざわざ両替はしなくて良かったと思います。

地下鉄の駅は500メートルとやや離れた場所。迷いながらもなんとか到着し中央駅に向かいます。

マーチンさんに別れを告げ、中央駅からは1人です。一日パスは地下鉄の他にバスでも使えます。

オスロへの列車は16時なので持ち時間は6時間。とりあえず定番の観光スポット、ガムラスダンに地下鉄で向かいます。

ガムラスダンは王宮や大聖堂があり観光客で賑わいます。ノーベル賞で有名なノーベル博物館があったので入ってみました。10分で飽きました。大聖堂もあったので入りました。5分で飽きました。前知識や興味がないとこういう所は楽しめませんね。王宮前ではパレードがあり人だかりが出来ています。兵隊のマーチがありみんな写真を撮っていました。ここは15分くらいはもちましたがやっぱり飽きて途中で抜け出しました。

どうも僕はこういう所は向かない様です。ただ地元の住民と一緒にバスやトラムなどに乗って使って景色や人々を見ている方がお金もそれほどかからずよっぽど楽しめる気がします。

ストックホルムのバスは運転席側から乗ってパスをかざし、降りる時はストップボタンを押して後ろから降りる方式です。つい日本の癖で後ろからのってしまい、他の乗客に注意されました。恥ずかしかったですが、失敗と学習は同じ意味です( ̄ー ̄)

使い方を覚えたバスを使いスッセンを散歩してから中央駅に戻ります。バスは地下鉄よりも上り下りが少ないので楽ですね。

まだ時間があったので同じパスで乗れるコミュータートレインを使って郊外に足を伸ばしてそのまま戻ったりしていました。博物館や聖堂よりもよっぽど楽しめます。

ストックホルム駅のトイレは有料で10クローネ必要です。なんとクレジットカードでも払えます。明細になんで書かれるのでしょうね。さっきのコインを使って入ってみました。若い女性や女の子が個室から出て手を洗っています。

??女性??

まさか北欧に来て変態行為で逮捕かと焦っていると別の個室からはおじさんが出てきました。そう、なんと男女共用なのです。カルチャーショック。

ストックホルム駅の地下にはスーパーマーケットもあるので食料を買い込んで駅のラウンジで電車を待ちます。

ユーレイルパスはユースでない限り1等車の権利があるのでラウンジが利用できます。入る時にパスを見せればオッケーです。フリードリンクに軽食、電源とWiFiと一日中居たくなる位の快適さです。

やがて夕方になり今日乗る列車が到着します。スウェーデン随一の高速列車、X2000です。メタルボティのデザインが昭和生まれの男の子心をくすぐります。

列車は驚くほど滑らかに線路を滑り出します。X2000は振り子式列車といい、なんとコーナーで傾きます。まるでバイクに乗っている様です。平均時速200キロでのバンクはまるでジェットコースター。400キロ先のオスロはそう遠くなさそうです。

9.6日目

ゴホッ

・・・

ゴホッ

さっきから隣のコンパートメントのアラブ系の人がずっと咳をしています。こんな所で風邪をうつされたくないのでマスクで自衛してますが、手元にはオスロまでに食べようと楽しみにしていたコープで買った美味しそうなサラミパイとビール。こんな所で食べたら感染必至です。

X2000は完全指定席なので基本的に席替えは出来ません。困りました。

停車駅。彼のコンパートメントの向かい側の親子がしびれを切らして空いたシートに勝手に席替えします。その手がありました。僕も早速他の車両の空いてそうな席に移動します。

ところがしばらくすると車掌さんが来て早速チェック。確かに途中乗車の人と被るかも知れませんものね。それでも事情を話すと空いてそうな席を教えてくれてそこに座ってていいよとのこと(°_°) ありがたやです。

ノルウェー近くになると数分おきに湖の横を通ります。地図を見ればわかるのですが、まるでチーズの様に地形に水が浸食しているのです。

山間の風のない鏡の様な水面に映る夕日は最高です。この路線を乗る方は是非進行方向左側の窓側を予約してみてください。

ノルウェー国境を過ぎると景色は黄色に変わります。なだらかな丘陵に敷かれた麦畑に点在する林の緑色が映えます。家々は一戸一戸が大きく、一見してここが豊かな国である事を物語っています。

先ほど見えた夕日は右側に移り、オレンジ色の夕焼けが木々のシルエットを作ります。間も無くノルウェーの首都、オスロです。

9.9日目 北欧の西の果てへ

オスロ駅に着くと往来する人種がとても多様になった事に気づきます。アフリカ系アラブ系アジア系とまるでアメリカに来た様な感覚。

これはノルウェーが過去から多くの移民を受け入れてきた事が背景にあります。

駅の外に出るともう時刻は21時を過ぎているのに空は夕方過ぎの様に明るんでいます。北方の国の9月はまだ北側に回り込んだ太陽の光が空を照らす様です。

ストックホルムの様にラウンジは無いので人がたくさん往来する待合ベンチで深夜の列車を待ちます。多様な肌の色の人種に囲まれてモスクワとはまた違った緊張感を感じます。

オスロからベルゲンへは夜行列車が出ています。人気のある列車で寝台はすぐに 売り切れてしまいますが、座席でなら直前でも乗る事が出来ます。

シートには毛布とアイマスクと枕が用意されリクライニングとフットレストで一応は寝る事が出来ます。耳栓まで付いてきます。

寝台と比べると快適とは言えませんが贅沢は言えません。今日は船の中で早朝に起きた上、日本は既に朝の7時。疲れでなんとか眠れそうです。ベルゲンへは明朝到着です。

10日目 クレジットカードを持ったホームレス

9月のベルゲンの6時はまだ薄暗いです。波の無い湖に霧がかかり鏡になった水面に映ります。

車内にアナウンスが流れ乗客達が慌ただしく降ります。

ベルゲン駅は売店とチケット売り場のシンプルな作り。トイレは有料10クローネでクレジットカードをかざすとロックが開きます。

ノルウェーナッツシェルは定番のフィヨルド観光ルート。バスとフェリーと鉄道を三角形に乗り継ぎます。

それぞれのチケットはベルゲン駅のチケット売り場で買う事が出来ます。ユーレイルパス割引で700クローネ位。ここから昨日通ったVoss駅に戻ってからバスでGudvangen、フェリーでフラムへと乗り継ぎます。

出発まで1時間ほど時間かあります。チケット売り場の人のおおすめの散歩コースを歩いてみました。

ベルゲンは港町です。浸食した海と急な山々。その山肌に家々が貝のようにへばりついています。海の横で無料でコーヒーが振る舞われていたので貰って持ってきたビスケットで朝食にしました。

朝のボス、ミュルダール行きの列車は非常に混み合います。なるべく早くに乗車して眺めの良い左側の席に座ると良いと思います。

ボスに到着すると既にグトヴァンゲン行きのバスが待っています。こちらも湖畔がよく見える右側が良いでしょう。トイレはコイン10クローネしが使え無いのでなるべく列車の中で済ませておきます。

バスに乗り込むと運転手の挨拶があり飛行機の様にPlease fasten seatbeltと言い笑いが起こります。しかしこれは後から冗談じゃなかった事に気づく事になります。

バスは乗客を満載して発進します。湖畔沿いの道を北へ。風の無い湖は山々を反射し、乗客達のカメラのシャッターの音は鳴り止みません。

徐々に渓谷は急になりバスはやがて最後の停留所であるスタルヘイムに辿り着きます。この先には車一台なんとか通れそうな細い道しかありません。引き返すのでしょうか。

グォン

バスはなんと前に進みだしました。どうらなこの細い急勾配を降りる様です。道は七曲に曲がりくねりバスは前に傾斜して体が持って行かれそうになります。これは確かにシートベルト必須です(°_°)

たまに運転手が気を利かせて撮影の為に滝の前でバスを停めてくれますが滝よりもそのドライビングテクニックの方を撮影したい位です(´・_・`)

グトヴァンゲンに来るバスの乗客はほぼ100パーセント、フェリーに乗り継ぎます。トイレはまた有料なのでみんなお土産屋さんの中のトイレを利用していました。

フラムへのフェリーの中はたくさんの人。軽食を提供するカフェや無料のトイレもあります。室内の席の他に屋根のある半屋外にも簡易的に席が置かれていました。空が映る水面に浮かびまるで空を飛んでいる様な気分になります。途中で何箇所か停泊し、数時間のフィヨルドクルーズはあっという間に終わります。

フラムは駅の周りにカフェがある位でその周りには何もない場所ですが、散歩して自然を楽しむにはよい所です。

フィンランドスウェーデンも物価が高く、屋台の焼き海鮮2000円とびっくりしたものですが、ここノルウェーはさらに高い。駅前の似たような屋台の焼き海鮮はなんと一皿4500円。恐ろしい場所です((((;゚Д゚)))))))

それでもお腹は空きます。裏側のスーパーがあるのでそこでパン2つとコーラを買ってベンチで食べました。支払いは約1000円なり(´・Д・)」

この日の夜はBrekke Guard Hostelという所を予約していました。ほとんどが1万円超えのこの地域で3500円位。やや場所は郊外ですがペンション風の相部屋で清潔なキッチンやシャワートイレがあり快適です。

同じ部屋には別々に来た韓国人2人とベトナム人、下の部屋には日本から来た家族連れかいました。なんと0歳と2歳のお子さん連れで3ヶ月北欧を回っているそうです。パワフルですね。

夜になって周りに何もないので韓国人の2人とさっきのスーパーまで戻り夕飯を買い出しに行きました。お互い値段を慎重に見ながら比較的安いピザとビールをそれぞれ買ってキッチンで酒盛りしました。

二人とも仕事をやめてヨーロッパを旅しているそうです。1人はなんと元軍人。しかも僕と同じくシベリア鉄道でリスボンに向かっているとのこと。彼が使ったのはウラジオストクからのシベリア鉄道で、そちらもなかなかの過酷さだった様です。お互いの健闘を誓い乾杯しました。

11日目 フロム鉄道

目を開けると目の前には韓国人のジェンさんの寝顔。近いっ(゚o゚;;

ホステルのベットは超過密状態。三人ともまだ寝ている様です。時刻は朝の7時。フロム鉄道の発車は1時間半後なので距離を考えるともう起きた方が良さそうです。

彼もミュルダールまでは僕と同じルートなので起こしてあげて一緒に朝食を食べました。旅慣れた彼は朝から卵を焼いて料理。関心しながら僕は持ってきたカロリーメイトとコーヒーで済ませます。

朝のフロム駅は昨日よりも静か。列車はもう待機しています。

800メートルを一気に登る一般方式では世界一の勾配のフロム鉄道の登りは基本的には右側がいいと思います。自由席なので早めに並びましょう。

観光列車らしく車内にはガイドが表示され、途中の滝では撮影の為の停車もあります。一箇所だけの複線区間での列車のすれ違いも見ものです。この付近だけはもし空いてたら左側に移るとよいでしょう。

ミュルダール駅はカフェとお土産屋さんのみのシンプルな駅。チケットオフィスは朝やっていないので、もしベルゲンに戻るなら車内で支払い出来ます。

ジェンさんはこれからベルゲン経由でノルウェーの北の方に飛びオーロラを見に行くそうです。韓国の若者達が意外と日本の文化や食べ物に興味を持ち日本語も学んでいる事にすこし驚きました。

彼に別れを告げオスロへのベルゲン急行に乗り込みました。この列車は混むので予約した方がよいです。昨日は深夜に通った路線ですが、昼間の景色はまた格別です。ミュルダールからは日本の高山の頂上付近のような水と岩の景色が続きます。席は左右それぞれですが僕は右にしました。

今日はオスロ経由でまたスウェーデン。南のスウェーデン第二の都市、ヨーテボリに向かいます。

11.5日目 ヨーテボリへ

オスロからヨーテボリへの列車は予約不要の特急列車。ユーレイルパスだと一等車のNSB Comfortに乗れます。昼はキヨスクで買ったサンドイッチとコーラで1100円なり(°_°) フィヨルドももうお腹いっぱい観れたので早くこの国から出たいです。

この列車の一等車は途中で切り離されてしまうので残念ながら途中で他の車両へ移動してと言われましたが、広いコンパートメントにサービスコーヒーが付き、少しの間ですが快適な時間を過ごせました。ユーレイルパスはユース以外は1等パスのみで勿体無いという意見もありますか、ラウンジや空いてる席など得られるものは多いので今思えば一等で良かったなと思います。

ヨーテボリの駅は港の近くにあります。明日からのチケットを予約しようとするも、ここでは他の国のチケットは扱えないとのこと。明日の寝台は早めにとりたかったのですが、コペンハーゲンまでお預けです。

前の日に予約したユースホステルSlottsskogens Youth Hostelに向かわなければいけません。スウェーデンのライトレイルはストックホルムで乗ったので楽勝と思ってると、、、なんとヨーテボリの案内板は全て現地語表示。全くわかりません(°_°)

それでもライトレイルのチケットはストックホルムと同じく1時間券で車内で買えるとネットに書いてあるので思い切って飛び込んでみます。

初めて乗ったヨーテボリのトラムには確かに自販機があります。1回券のボタンを押すと、クレジットカードをスワイプしてと出ました。そこで日本から持って来たカードを通すと、、、

無効とでます(; ̄ェ ̄)

違うカードでも同様。なんで!?

この自販機、スウェーデンのクローネで支払えるのですが、手持ちはユーロのみ。あたふたしてる内に目的地前。思わず飛び降ります。

・・無賃乗車してしまいました( ̄◇ ̄;)

罪悪感にさいなまれながらホステルに到着。遅いからか入り口が空いてなかったので他の宿泊客にまみれて進入。とても大きなホステルでシャワールームもたくさんあり快適そうです。寝袋は残念ながら断られシーツを有料で借りる事になりました。

4人部屋はすでにいっぱい。ガーナ人の学生さんはここに住み込んでいるとのこと。ブラジル人のツーリスト、インド人の留学生と昨日よりさらにインターナショナル。

ただ、この大きなホステル全体にいえるのですが、お互いに気を使って必要以上に干渉しあわない雰囲気。キッチンも意外と静かで各々、自分の時間を過ごしていました。

トラムの件、ホステルの人に聞いたらチケットはセブンイレブンでクレジットで買えるとのこと。また無賃乗車する訳にはいかないので買いに行くことにします。

同室のインド人留学生も街を散歩すると言うので付き合ってもらいました。セブンイレブンで1時間券を2つ買ってすぐ利用。これで会計上は無賃乗車にはならない?はずです。貧乏旅人はコンビニでビールを買って飲みながら繁華街をぶらぶら。モニュメントの写真を取り合ったりして遊びました。それにしても出会う人々みなとても賢く自分なりの考えをもっていていつも関心させられます。ただ長く生きているだけの自分が恥ずかく感じます。彼らには追い付けませんが、遅れながらも向学に勤めたいものです。

さて、これで明日の朝のトラムチケットも手に入ったので後は明日の朝、早起きするだけです。

買ってきたサンドイッチとビールの夕食で初めての大規模ホステルの雰囲気を楽しみました。

12日目 朝のエクササイズ

早朝5時30分。目覚ましは5時40分にセットしてあったのですが不思議と直前に起きることが出来ました。皆を起こさぬ様、すぐに目覚ましをオフ。ホステルの朝はなかなか気を使います。

昨夜、酔っ払った人々で賑わっていた繁華街の朝はとても静か。ヨーロッパの情緒を感じます。

駅までは昨日買ったチケットを使いトラムで移動します。朝のトラムは一時間に3本程度。コペンハーゲン電車は50分後。もっと余裕を持てば良かったなと思うも丁度、駅への1番トラムは五分後に来そうです。

なんとか間に合いそうでほっとして電光掲示板を眺めます。掲示板には僕が乗る1番トラムと6番トラムの表示。その横にはあと何分で到着するか表示されています。さらに横には何かの数値、マークからしてハンディキャップ用の表示みたいです。さらに横にはアルファベットのAとC。それぞれ1番と6番の横に表示されています。なんだろう?と思いますがわからないので気にせずにおきます。

なんとなく見た視線の先には停留所の案内板。そこにはなぜか6番のみが掲示されておりその上にはCの文字。

!!!この停留所じゃない!!!

そう、ヨーテボリのトラムは一つの場所に4つくらい散らばって停留所があるのです。それぞれABCDとアルファベットがつけられていて、電光掲示板にはその停留所によらず全ての発着が表示されているのです。

時間はあと1分。Aの停留所はどこ??

慌てて見渡すと離れた向こうの交差点にトラムが到着。その停留所にはAの文字。

大荷物を抱えて全力ダッシュ。これに乗り遅れたらコペンハーゲンに行けず後の予定が将棋倒しになってしまいます。

あと10メートル。トラムの扉は無情にも閉まります。

それでもダメ元で運転席前に回り込んで必死にジェスチャーヽ( ̄д ̄;)ノ

プシュー

おお、扉が開きました。ご迷惑おかけしました(~_~;)

と言うことでヨーテボリのトラムの停留所には気をつけましょう。

朝のヨーテボリの駅は早くからキオスクやバーガーキングがオープンしていたので、今日の昼ごはんを買い込みます。ノルウェーから帰ってくるとスウェーデンのコーラペットボトル300円が安く感じるから不思議です。

コペンハーゲン行きの特急は予約不要。1等車は一番後方にあり他に乗客はおらず貸し切り。ホステルより気が休まる場所です。ユーレイルパス最高です( ´ ▽ ` )

12.5日目 綱渡り

トラブルは重なりあって事故になります。

コペンハーゲンからは13時43分のハンブルク行きのICEに乗るので持ち時間はたった2時間。出来れば有名ながっかりスポットである人魚像だけでも抑えたいものです。

その前に今夜から3連続続く夜行列車を予約しないといけません。チケット売り場は端末で国際か国内かのボタンを押して整理券を取って待つ方式。国際チケットで対応できる人は少ないのなかなか順番がまわってきません。人魚像は諦めなけれぱいけませんね(´・_・`)

ようやく順番がまわってきました。本当は昨日のヨーテボリで早めに予約したかったのですが、コペンハーゲンへ行ってくれと言われたので仕方ありません。

間違えが無い様に紙に4つの列車を書いて係りのお兄さんに渡します。ところが、、、

「ここでは予約出来ません」

なぜっ∑(゚Д゚)

ヨーテボリでここに来てくれと言われたから来たのですが。

「ここではデンマークと接続する列車しか予約できないのです。ハンブルクで予約してください」

・・・このたらい回し感( ̄◇ ̄;)

ユーレイルの場合はネットで予約出来ないのでハンブルクで予約するとしたら1時間しかない上にオフィスがやってるかどうかも怪しいです。

とはいえしかたがないので駅の周りを散歩する事にしました。

スウェーデンの「青」の雰囲気に対してコペンハーゲンの雰囲気はまさに「黒」。建物も黒ければ看板も黒、人々服装まで黒がほとんど。デンマーク人は黒がとても大好きみたいです。

戻った駅の中には難民支援のボランティ アが衣類を集めており、今までとは違う雰囲気。ストックホルムよりホームレスも多く、ちょっと休憩していると5分に1回くらい集金にまわってきます。考え深いものがあります。

逃げる様に駅の隣にあるチボリ公園をぐるっと回ってみます。コペンハーゲンは自転車が本当に多いです。まるで昔の中国に来たかの様。形も多様で見ていて飽きません。

駅に戻ると13時過ぎ、そろそろハンブルク行きの列車のプラットホームが表示されるはずです。が、、、、

ない∑(゚Д゚)

嫌な予感がしてレイルプランナーのアプリでみてもそんな列車出てきません。確かにトーマスクック時刻表にはあった筈ですが、、、持ってきた時刻表を開きます。

確かに13時43分には列車はあります。ん?なんかマークが付いていて端に注意書きがあります。

「この列車は8月まで」

( ̄◇ ̄;)

完全に見逃していました。次のICEは15時43分。これではハンブルクで予約しようとしていたウィーン行きの夜行列車が先に出てしまいます。

緊急事態です。駅のベンチで時刻表を開き、ホームレスに絡まれながらリカバリプランを練ります。

ます、15時43分のハンブルク行きに乗った場合は直通てそのままウィーンに行くのは不可能です。とにかく明日の午前中にウィーンに行けばいいのでミュンヘンに朝までに辿り着ければレイルジェットでなんとかウィーンまで行けそうです。しかし、ミュンヘン行きの夜行列車まではハンブルク到着から1時間ありますので、到着の20時12分にはチケットオフィスが開いていれば滑り込めるかも知れません。

教訓:注意書きちゃんと読みましょう

代替案も出来、ほっと一息。出発が2時間遅れたので時間はまだあります。ラウンジは土曜日なのでやってなさそう。

あ、人魚。

時間はあと1時間強。像があるカステレット要塞まではエスカーと呼ばれるローカル列車があります。国鉄運営なのでパスホルダーは乗り放題。間に合わなかったら帰ってくればいいやととりあえず乗ってみました。

エスカーはどこかの地下鉄みたいに落書きだらけ。なかもスプレーされており、なんだか安全では無さそうな雰囲気。エスターポートまでは2駅でした。

そこから人魚まではなかなかの距離。砦を回り込む様に港にたどり着くと時計はすでに15時。あと43分後にハンブルク行きは発車します。すぐにでも戻らなければいけないのに肝心の人魚は見当たりません。諦めきれず目を凝らすと、、、ありました。水辺にポツンと座る姿。期待通りのがっかりさ加減です。

残り時間あと35分。重いバックパックを背負って駆け足で戻ります。行きは気がつかなかったのですが、駅までは緩い上り坂。列車の旅でなまった身体でヒーヒー言いながらエスターポートに到着。多分来たときの向かい側だろうと待つも、待ってる人に違うホームだよと言われさらに階段をアップダウン。コペンハーゲンに戻る列車は15時18分発。これに遅れたらウィーンはおろかハンブルクまでも行けなくなるところでした。

なんか綱渡り感でいっぱいですが、なんとかICEに乗り込めました。この列車は前後で違う行先なのでセクション番号を間違えない様に気をつけましょう。

一等車はキャンピングカーの様な木を基調とした立派な作り、なんとコンパートメントはパーティションされ個室になっています。

この路線、ヨーロッパ鉄道の本には必ず書いてある有名な路線です。通称「渡り鳥ライン」。なんとデンマークからドイツまで、列車ごとフェリーに乗せてしまうのです。シベリア鉄道の台車交換も豪快ですが、こちらもすごいですね。

ワクワクしながら歩き疲れた身体を一等車の立派なシートに沈めました。

12.6日目 海を越えて

Roedby Faergeは渡り鳥ラインのフェリーに乗る前の最終駅です。ここで向かい側から来るICEと入れ替えとなります。時間待ちで乗客は散歩したりストレッチしたりして過ごしていました。

時刻が来ていよいよフェリーに乗ります。列車はゆっくりとスムーズに格納されていきます。フェリーの中は線路が敷かれ前方のカーブに沿う様にICEは格納されていきます。

アナウンスが流れ乗客は降り、列車は鍵がかけられます。荷物は置いていっても大丈夫そうです。

船の甲板はちょうど夕日の時刻。ドイツ側はまだ霞んで見えません。

前方にはビュッフェがありドイツ側を見ながら食事をする事が出来ます。時間はそれほど無いのでやや急いで食べる事になりますが。価格は20ユーロでした。

フェリーの中には免税店もありお酒や化粧品などを買う事もできます。

デッキ後方にはデンマーク国旗が、前方にはドイツ国旗がそれぞれ掲げられているのが印象的でした。

やがて対岸には沢山の風車と象徴的な塔の影が浮かんできます。

下のICEはもうすでに解錠されています。乗り遅れない様に戻りましょう。列車はまたゆっくりと滑り出し、ドイツの地を踏みます。

12.7日目 ルーズさと正確さと

ハンブルグ到着は20時12分。チケットオフィスは運が良ければ21時頃までやっています。走りこめばなんとか間に合い、ミュンヘンへの寝台が取れるかもしれません。

ところが現在20時20分。列車はどこかよくわからないところでずっと停車しています(; ̄ェ ̄)

どうやら大幅に遅れてプラットホームの空き待ちの様です。気ばかりが焦ります。

時刻は20時30分。列車はまだ動きません。ハンブルグの方向に走り出したい気分ですが、列車の中でそれをしても意味がありません。

まずいです。オフィスが閉まったら明日の朝までにウィーンに行く手段が無くなります。

時刻は20時40分。動き始めました!!ハンブルグまでは20キロメートル。急げ急げ!

ハンブルクはドイツ北部最大の街であると共に貿易を軸とした国際都市です。

その名の通りハンバーガー発祥の地としても名高く、駅にはマクドナルドとバーガーキングが対面して看板を掲げています。

ようやく到着したのは20時58分。全速力で見知らぬ駅のチケット売り場を探します。DBの表示があるけとあれはラウンジだし、、、ありました。まだ灯りがついてます!ガラスのドアを開け駆け込むと、、、、

「今日はもう終わりました」ガチャ

有無を言わせず窓口を閉められました( ̄◇ ̄;)

寝台列車で泊まる計画はこれにて破綻です。

仕方ないのでネットでハンブルグの宿を探します。駅前にホステルが1件ありそうです。駅を出て飛び込みで入ると、、

「今日は土曜なので予約でいっぱいです」

まさかここに来て行き止まりの宿無し( ;´Д`)

周りには難民っぽい人たちや奇声をあげて歩き回る若者が溢れかえっています。こんなところにいたら骨まで強奪されそうです。

とりあえずマクドナルドが空いてたのでコーヒー一杯で場所を確保し時刻表を広げます。

ます、本来の予定では明日の朝にはウィーンでその後午後にプラハに行く予定でした。ところがウィーン行きの夜行列車には僕の勘違いで間に合う列車は無く、その後のミュンヘン行きの夜行列車も予約出来ずもう出てしまいました。ホテルも満室。

選択肢は1.別ルートの夜行列車に乗って朝まで安全に過ごす、か2.明け方6時半のユーロシティに乗って直接プラハに行く、かのどちらかです。

2の場合はほぼオンスケジュールまで復帰出来ますか、ここハンブルグで朝まで夜明かししないといけません。マクドナルドにずっといる訳にもいかず、かなり不安です。1の場合はフランクフルト行きの夜行列車が予約なしで乗れる上、朝ら7時までは車内で過ごす事が出来ます。

その後の大幅な軌道修正が必要ですが、やはり安全な1を選ぶ事にしました。

発車時刻を見ると22時41分、現在時刻は、、、22時39分(´Д` )

ホステルに行ったりしているうちに結構時間が経っていたみたいです。慌ててコーヒーを飲み干しホームへ。さっきからこのアジア人は何走り回っているのだろうと思われてそうです。

フランクフルトへの列車は発車準備されており、乗客はもう乗り込んでいます。階段を駆け下ります。あと30メートル。あと20メートル。

プシュー

先程のチケット売り場の様にきっちり時間通りにドアを閉めて走り出すドイツの列車を見送りながら、宿無しのアジア人は日本から9000キロ離れた見知らぬ深夜の駅で1人、呆然と立ち尽くしました。

第4部 欧州編につづく

この記事を見た人がよく読んでいる記事

カナシスコム > 節約ラボラトリ > シベリア鉄道で北京からアフリカモロッコまでユーラシア大陸横断する日記(北欧編完)