奇石千体地蔵と曽々木海岸の絶景 岩倉山(4.3km+341m/石川県輪島市曽々木)
石川県の加賀地方にはよい里山が沢山ありますが、美しい海を眺めながら登れるという意味では能登の山々にはかなわないでしょう。
岩倉山は石川県輪島市曽々木にある、そんな能登の海岸絶景を背中に眺めながら登れる山です。
自動車の場合は曽々木ポケットパークに駐車します。バスの場合は曽々木本町です。本数が少ないので曽々木口でもOKです。パワースポットで有名な曽々木海岸のすぐそばの八世乃洞門トンネル横に登山口はあります。
少しのぼると三叉路になります。2014年現在、左手のルートは落石で通行出来ないので直進して千体地蔵へ向かいます。やや薮が多いので慎重に進みましょう。
急斜度の階段を進みます。無骨な石造りの階段が歴史を感じさせます。晴れた日は木漏れ日が美しい模様を写し出します。
やがて岩倉寺からの遊歩道に合流します。このルートでは右の道は使わないので左折し千体地蔵方面へ進みます。急坂が続きます。
振り返ると曽々木海岸の断崖美と窓岩が一望出来ます。この先に展望台があり景色は十分に楽しめますのでそのまま進みましょう。
立派な千体地蔵展望台が見えてきます。ベンチもあり昼食休憩をとるには丁度よい場所です。この場所がこのコースで展望・広さ共に一番の場所となります。
展望台の背後には自然が作り出した無数の地蔵が並びます。
千体地蔵は、流紋岩の柱状節理が異常に発達し、その先端が長年の風化によって地蔵様の頭の様になり、そこに板状の鮎質層が何枚もはさまり、あたかも帽子やよだれかけ、台座のごとき形状にみえます。全国でも例のない、自然が造った芸術・奇跡の地蔵群です。
千体地蔵の存在はそのむかし、曽々木が揚げ浜塩田で賑わっていた時代、土地人のあいだでは知られていました。夏の製塩期間中、浜士(塩野生産労務にあたる人)らは、毎日のように塩焼き用の薪(塩木ともいう)をとりに山に入り、薪を背にして下山したと言われています。その折り土地人たちは、千体地蔵を見ていたのでしょう。
山頂へは展望台の奥の道を進みます。切り立った岩肌に細い道が刻まれ、とてもスリルがあります。この先は急な下りになっていますので、慎重に進んでください。
三叉路がありますので右に折れ山頂に向かいます。こちらの斜面は日あたりが少なく、薮が多めです。足下を確かめながら進みます。
やがて山頂付近にたどり着きます。左に折れます。後ほどこの場所には戻ってきます。
案内板には山頂からの眺めは絶景のあるのですが、残念ながら2014年現在では頂上は三角点のみで展望はありません。
石仏が目印です。ここから下のコースは多種の石仏が点在しており、その造形も見物です。
石仏の先の三叉路を左で三角点です。前述の通り、展望はないので、先ほどの三叉路まで戻り、左へ降りていきます。(ちなみに三角点前の道を進んでも岩倉寺までたどり着けます)
先ほどとはうって変わって明るい開けた道が下に続きます。舗装路が見えてきたら岩倉寺はすぐです。
岩倉寺はこの岩倉山由来のお寺で山の中にあり独特の雰囲気です。参道は下に伸びており、ここを下ると時国家がならぶ道へ降りることができます。多少スタート地点からは遠いので、今回はここは使わずに三叉路へ引き返し遊歩道を窓岩方向へ降りていきます。
舗装路はやがて遊歩道に変わります。窓岩方向へ降りていきましょう。歩きやすい道が続きます。右手のはるか先には先ほどの千体地蔵展望台が見えます。
国道が見えてきたら窓岩登山口はすぐです。今回は国道をスタート地点まで戻ります.
窓岩登山口とスタート地点の曽々木登山口との間には曽々木名水が湧いています。とても美味しい水なので是非立ち寄ってみてください。 案内板を右に80メートル程度です。
お地蔵様の横に冷たい水が湧き出ています。昭和や江戸の偉人も絶賛したこの水。山登りの後の乾いた喉にはまた格別です。
名水を楽しんだあとは元来た道を国道にもどり、スタート地点に戻ります。
+341メートルですが、海の絶景を眺めながらの山歩きは能登ならではの登山と言えるでしょう。周りにはパワーゾーンとも呼ばれる曽々木海岸を始め、時国家、窓岩、千枚田、塩田など盛りだくさんの観光地もあります。能登地方でハイキングをしてみたい方には、まずオススメしたい岩倉山です。