神域とされ切られることのなかったブナ林 医王山寺と戸室山(2km+166m/石川県金沢市湯谷原)

金沢市内から医王山方向を見るとその手前にコブの様に2つの山が並んでいます。

金沢城の石垣や辰巳用水の石管に使われた安山岩は戸室石と呼ばれ,左手の戸室山周辺の石切り場で採掘されたことが由来です。戸室山は50万年前の噴火活動で向かいのキゴ山と共に形成された火山です。

どちらも低い山で金沢市の代表的な里山として気軽な山登りが楽しめます。とはいえその雰囲気は対称的。スキー場も隣接され階段や案内板、展望台も整備された明るいキゴ山とは対称的に向かいの医王山寺を含む戸室山は古くからの霊場とされどこか神聖な雰囲気が漂う場所です。

医王山寺案内図

登り口は2つありますが、ここでは医王山寺をスタートとした周回コースを紹介します。

イワナ無人販売所

金沢市内田上から県道209号線を医王山方面に走ります。途中には名物のイワナの無人販売所もあります。お金を水槽の中に入れてイワナやヤマメ、ニジマスを生きたまま持って帰れます。1匹200円。帰りのお土産にしてもよいでしょう。

キゴ山駐車場周辺

キゴ山には研修施設や天文台もあり駐車場も整備されています。しばらく進むと左手に鮮やかな赤の医王山寺が見えてきます。

天台宗医王山寺よりスタート

医王山寺は主祭神として医王山大権現、本尊として阿弥陀如来。薬師如来、聖観世音菩薩、如意輪観世音菩薩、地蔵菩薩、不動明王、毘沙門天、大黒天、弁財天、宇賀神天、三宝荒神をあわせ祀る天台宗のお寺です。

駐車場があるのでそこからスタートします。目の前の階段を登れば戸室山方向なのですが、せっかくなので境内を見学しながら登るとよいでしょう。

三世の鐘からの展望

手前の最勝寺本堂は金沢市内の東山から移築したものです。上段の護摩堂の前の右手には三世の鐘。そこから医王山方面への展望が広がります。

神廟

君がため惜しからざりし我が命 永遠に祀れる日の中に 再びこの世に生きて 仕えまつらむ(最勝王院順照大阿闍梨 祈りの詩)

世の中の暗闇払い福招く 通風仙人吾こそは 医王に輝く永遠の月となるらん(光明心院貴龗大阿闍梨 誓いの詩)

階段に合流

この塔碑は医王山開基泰澄大師を始め歴代の先徳ならびに助護の功徳衆など医王山開発に縁のありし人どもが遺蹟を顕揚してそのみ魂を供養せんが為、中興開山龗阿闍梨七年忌祭りにあたり造建せるもの也(碑より)

狐薮の由来からか

昔、このあたり一帯を狐薮といった。加賀の国司富樫氏歴代が国府をここ野々市に定めて治世500年間、菩提寺、三昧場(墓地)があった所と言い伝えられている。昭和にいたり9年、前面の鶴来街道とり広げ工事の際、地中から多数の塔片、骨片類を発掘したので、村人「無縁供養塔」を建てた。

馬頭観音像

昭和36年、東和織物株式会社この地に新工場を建て操業するにあたり山本康二社長は医王山三千日修行者井上行照僧正の指示を仰いだ。同師は医王山大権現の霊告にもとづき富樫氏歴代の菩提を弔い、周辺に眠る諸精霊を供養し、合わせて諸人の安穏を祈念するため、馬頭観音像の建立をすすめた。山本氏その意を体し、ここに石像を建立して祀る。(碑より)

400段の長い階段

大山権現と大師堂薬師堂前を抜けると戸室山への階段に辿り着きます。段数は400段。果てしなく続きます。振り返ると向かい側のキゴ山の姿。

突き当たり左手に登山道

突き当たりの鳥居の左手から水平に道が伸びます。

戸室山頂へ山道が伸びる

この先には戸室権現が祀られた祠があります。

戸室権現

祠前の奥に道は続く

祠前の奥にはさらに山道が続きます。

植林されていない自然

神域とされ植林されていないこの戸室山には典型的なこの地方の里山のブナ林が残っています。

赤土は滑りやすいので注意

医王山寺側の斜面は急で足元も赤土で滑りやすいので雨上がりの時は注意してください。ほどなくして踊り場に辿り着きます。

踊り場のモニュメント懐には観音像が

踊り場には戸室山548メートルの札がありますが三角点はまだ先です。振り返ると木の幹の先に顔があしらわれたモニュメントと目が合いびっくりします。幹の懐には観音像が安置されています。

戸室山頂548メートル

稜線をしばらく歩くと三角点です。お地蔵様と金の石が置かれています。

お地蔵様を左へ

周回コースなのでそのまま進みます。分岐のお地蔵様を左、しばらく進むと視界が開けます。

戸室大権現 瞑想の広場

瞑想の広場とされたこの場所からの金沢市内の展望はとてもよく海岸線沿いに内灘町や白山市の方向まで一望できます。

金沢市内を一望

向かいのキゴ山の展望もすばらしいですが戸室山からの市内の景色には近距離感があります。

招福開運殿

鳥居をくぐって奥にすすむと招福開運殿とされる建物があります。

井戸の跡?

殿の手前には丸い穴が空いていて水が溜まっています。まるで井戸の様に見えます。

建物の裏手に道が延びる

ここからの道はわかりにくいですが建物の裏手を巻くように登山道が通っていますその先は戸室大神です。

戸室大神

ここからは徐々に高度が下がります。道は一本道なので迷うことはありません。

横の灯籠

戸室山の山名由来は、白山を開山した泰澄大師が、硫黄山での修業時代に外室を置いたというのが一説。また、弟子の臥行者が沖を行く舟に托鉢を請うたが断られ、立腹して舟の櫓を飛ばし(飛ぶ櫓)落ちてきた山という節もある。

戸室山は白山と同時期の500万円ほど前に形成された火山であり、山全体が角閃安山岩で成り立つ。切り出された石は戸室石と呼ばれ、金沢城や兼六園に多用されている。

不思議な金色の石

かつての戸室山登山の表道は戸室別所からの道だった。(石川県の山より)

食堂どんぐり横へ降りる

やがて車道が見え、キゴ山前の食堂どんぐりの横に辿り着きます。アイスや飲み物も買えるので休憩していっても良いでしょう。しばらく車道を登ると元の医王山寺に戻ります。

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