適切な土寄せで軟白部を長くするのがコツ ネギ
ポイント
- アルカリ性(pH7.4)~やや酸性(pH6.0~6.5)を好む
- 乾燥に強いが、加湿による酸素不足には弱い
- 春まき秋冬どりで加賀太ネギ、東京冬黒ネギが作りやすい
- 生育適温15~20℃で、冷涼な気候を好み耐寒性が強い
- 土壌適応性が広く、耕土の深く排水性のある膨軟な土を好む
育苗用種まき準備(3/20~30)
種まき20日ほど前に、乾燥鶏糞300g/平方メートル、苦土石灰70g/平方メートルを施し耕しておきます。10日ほど前、1平方メートル当たり固形30号40g、燐硝安加里604号20g、溶燐30g(または〔N* P・K=15・15・15〕の化成肥料10g、〔8・8・8〕の同60g、骨粉25gを施し耕した後、高さ12㎝以上、幅90㎝程の畝を作ります。透明マルチをかけておくと地温確保、適湿保持がしやすくなります。前日、薄く耕して整地しダイシストン粒剤を5g/平方メートル散布するとハモグリバエの予防になります。
種まき(4/5~15)
春は地温が10度を超えないと発芽しないので、急ぎません。早くまきたい時はポリエチレンでマルチをしておき、10度以上を保つようにします。まき方はばらまきでうすく均一になるよう注意します。覆土の厚さは0.4㎝ほどで、まいた後、切りワラかもみがらをかけ、たっぷりかん水します。透明マルチをかけると発芽が揃いやすくなります。
育苗(4/20~6/15)
種まき後7~10日で発芽します。草丈7㎝ほどの時、ダイアジノン粒剤5g/平方メートルを散布するとネキリムシの予防になります。草丈10㎝ほどのとき、1.5㎝ほどの間隔を確保するように間引き、あわせて液肥200倍を与えます。この後、生育の様子を見て2回ほど与えます。
(6/10~20)
植え付け20日程前に、乾燥鶏糞2㎏/平方メートル、苦土石灰100g/平方メートルを施し 耕し、10日程前にー,m当たり固形30号100g、燐硝安加里604号40g、溶燐50g(または〔15* 15・15〕の化成肥料20g、〔8・8・8〕の同150g、骨粉50gを散布し耕し、植え付け前日に畝幅90~100cm、深さ15cm以上の植え溝を掘ります。
植え付け(6/20~30)
苗床から苗を取り、大中小に分け植えます。小の苗から太くて大きいものはできないのでなるべく避けます。植え溝の片側に、苗を真っすぐに立てて並べ、根もとに5㎝ほど土をかけます。この後ダイシストン粒剤5g/平方メートルを与え、エコ堆肥を施すと害虫駆除、乾燥、到伏防止に効果があります。
土入れ、追肥、植え溝ふさぎ(7/1~15)
茎の太さが8㎜ほどのとき、化成肥料(燐硝安加里604号10g/平方メートル)を溝の全面に施しかるく耕して、根もとに5㎝ほどの土を、葉身の分岐点を越えない程度にかけます。これで倒伏を防止し根の生育を促進します。同時にダイアジノン粒剤を5g/平方メートルを与えると害虫駆除に効果があります。この後、葉身の分岐点を越えない範囲で梅雨あけの豪雨までに植え溝をふさぎ水平に近づけます。
追肥、土寄せ(8/1~10/10)
第1回は溝ふさぎ後、20日ほどたって茎の太さが12mmほどの時、化成肥料(尿素化成日の本2号30g/平方メートル)を溝の全面に施し軽く耕して、葉身の分岐点を越えない範囲で5cmほど土寄せします。作業は朝涼しいうちに軽く耕し、夕方土寄せすると負担が少なく雑草駆除に効果的です。
第2回目追肥、土寄せ…1回目の後20日ほど、茎の太さ約18mmの時、日の本2号40g/平方メートルを与え、土寄せします。肥やけを起こしやすいので、多量の肥料が根もとへいかないよう気をつけます。
土寄せ第3回…2回目の20日前後からは収穫時期を考えて全部一緒に行わず、計画を立てておこないます。肥料は日の本2号40g/平方メートルとしますが生育がよい場合は減らします。土寄せはネギの白く軟らかい部分を長くするためですが、茎の軟白までの日数は20日程かかるので、最終の土寄せは収穫予定日を決めてから、逆算して行います。方法は、第2回目までとはちがい、葉身の分岐点を6㎝越えるほど土をかけ、軟白部分が40㎝前後になるようにします。
収穫(11/15~12/20)
収穫適期幅は15日前後なので、最終土寄せから25日を目安として決めます。まずクワで畝の底部の土をよけます。 根が見えてきたら手前に倒すようにしてグイッと引っ張り収穫します。貯蔵する場合は掘りとった後、土つきのまましばって屋内に取り込み立てておきます。
病害虫対策と注意点
病気は春秋にベト病が、晩秋から初夏にかけてサビ病が発生しやすくなります。ネギの仲間では丈夫で作りやすいワケギがあります。8月下旬~9月に種球を植えます。幅1.2mの畝に条間30cm、株間15cmで種球の上部がわずかに見える程度に植えます。草丈10cmのころから2,3回液肥の400倍液で追肥します。耐寒性が強いので11月から4月にかけて必要に応じて収穫できます。