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関西電力 高島変電所 北陸幹線の終着点 (滋賀県高島市)


北陸幹線は戦前に建設された富山県と関西地方を結ぶ歴史ある送電線です。その北陸幹線の終着点である関西電力高島変電所を紹介します。

目次

  1. 高島変電所の場所と地図
  2. 高島変電所の周辺
  3. 高島変電所の構成
  4. 高島変電所77kVブロック
    1. 安曇線
  5. 関西電力 比良変電所
    1. 比良支線
    2. 高島線
    3. 高島堅田線
    4. 比良変電所北側の接続
  6. 比良変電所周辺接続図
  7. 再び関西電力高島変電所
  8. 高島変電所154kVブロック
    1. 北陸幹線と高島線
  9. 関西電力高島変電所接続図
  10. コメント

高島変電所の場所と地図

関西電力 高島変電所

関西電力 高島変電所は琵琶湖の西岸、比良山地との間にある滋賀県高島市の南方、近江高島駅の近くにあります。

鉄塔群が見えてきた

JR湖西線から小中学校が立ち並ぶ小高い丘を上ると鉄塔群が目に入ってきます。高島変電所です。

高島変電所の周辺

関西電力 高島変電所(クリックで拡大)

大抵の変電所は立入禁止で柵に囲まれた物々しい雰囲気なのですが、ここ高島変電所の前には旧街道の標識がたっており細い街道が南北に走っています。

高島変電所前の西近江路の案内標識(クリックで拡大)

街道の標識には西近江路とあります。西近江路は古代からある街道で現在の滋賀県である近江から福井県である越前へ琵琶湖の西岸を抜ける道です。琵琶湖東岸の北国街道の脇道でもあります。

高島変電所の構成

関西電力 高島変電所(クリックで拡大)

高島変電所の周りには4本の鉄塔が立ち並びます。手前、南西方向が154kVブロック、奥が77kVブロックとなります。

高島変電所77kVブロック

高島変電所北側77kV鉄塔2本

手前は西近江路が走っており自由に鉄塔に近づけますが、奥の77kVブロックは残念ながら裏山への道もフェンスされており近づくことはできません。

街道を少し北に進むと墓場の手前に裏山への登山道があるのですが、こちらも途中からゲートがありました。

緑色の鉄塔で南北に分岐しているのがわかる

もう一度戻って北方向から見ると、両方共、引き上げ鉄塔で右側の系統はすべて左側の鉄塔で受けて4回線となり次の鉄塔に、そこから南北に分かれていってるのがわかります。

南側は山の中に入っていってすぐには追えなさそうですが、北側はすぐに平地に降りているので簡単に確認できそうです。行ってみましょう。

安曇線

高島線南側77kVは安曇線だった(クリックで拡大)

分岐の緑鉄塔から南側、田んぼの中に確認できる鉄塔がありました。銘板を見ると「安曇線6番」とあります。北の安曇川手前、同じ高島市にある安曇変電所への接続でしょう。

安曇線1番

ちょうど77kVの右側の鉄塔から数えて6番目となりますので、この右側の引き上げ鉄塔は安曇線1番で確定となります。

さて、左側の方ですが、こちらはすぐにはわからなさそうです。航空写真で見ると湖西線比良駅近くの比良変電所の近くを通過しています。行ってみましょう。

関西電力 比良変電所

関西電力 比良変電所

比良駅の北西、国道161号線沿いの田園の中に比良変電所はありました。引き留められている鉄塔は1本のみの小さな変電所です。

比良支線

比良支線3番プレート昭和49年9月

繋がれている鉄塔は「比良支線3番 昭和49年9月」とありました。支線ということは付近で分岐している可能性が高いということです。

比良支線3番

発電所に繋がれている送電線は真っ直ぐ山の方への向かっています。そちらに目をやりましょう。

比良支線1番のドラキュラ鉄刀

2本先。非常に目立つ形の鉄塔が比良支線に接続されています。いわゆるドラキュラ鉄塔です。変電所の引き留めによく使われている形ですが、こんなやや離れた場所でどうしてこの形なのでしょう。

比良支線に分岐しているドラキュラ鉄塔65番

答えは、次の鉄塔。こちらもドラキュラ型。南北に走っている送電線がここで分岐して高さを下げ、同じく南北に並走している手前の送電線を潜らせているわけです。

ここからわかるのが、その上の線はこの比良支線よりも先に作られたこと。先程の比良支線3番が昭和49年とありましたから更に古い系統というわけです。

残念ながらこの2つの間は入ることが出来ませんので、農道を迂回して周辺鉄塔を確認してみましょう。

高島線

道をまわりこむと高島線35番 昭和61年1月 建設昭和4年7月

すこし北側に回り込むと、上を通っていた送電線が繋がった鉄塔の下までたどり着けました。「高島線35番」とあります。年月は昭和61年1月。おかしいですね。先程の下を迂回していた比良支線が昭和49年なのでそれより古くなければ不自然です。それはプレートをよく見ると謎は解けました。上張りされたプレートにはさらに古い年代が書いてあります。それはなんと昭和4年7月。北陸幹線の建設時期と一致します。そう、実はこの高島線、元々は北陸幹線だったのです。

手元資料によると戦前の北陸幹線は富山県笹津変電所から大阪府八尾変電所間とあります。現在の北陸幹線は笹津変電所から高島変電所。そしてこの高島線は高島変電所から東大阪変電所。そして東大阪変電所から八尾変電所までは同じく154kVの八尾線で繋がれています。

つまり元々あった北陸幹線が構成変更により現在の高島線になっているというわけです。

さて、奥にあったもう一つの並走線も確認してみましょう。

高島堅田線

道のはずれに高島堅田線66番の老番を発見

こちらも同じ道を進むとすぐに見つかりました。「高島堅田線66番 昭和60年12月」とあります。先程と同じく上張りされており建設年月は更に古い昭和3年12月。ガイシ数から77kVであることがわかります。

比良変電所北側の接続

高島堅田線からの比良支線が高島線をくぐる(クリックで拡大)

ということで、比良変電所北側の接続はこのようになります。77kVの高島堅田線が分岐、154kVの高島線をくぐり比良支線に、比良変電所への接続というわけです。

比良変電所周辺接続図

関西電力 比良変電所 接続図(クリックで拡大)

さて、これで、もう一つわかることがあります。先程の高島変電所から南側に伸びていた77kV系統、それが航空写真で繋がってきている先、それがこの眼の前の高島堅田線なのです。そして老番方向は北。

高島堅田線 最終と安曇線2番併架鉄塔

つまり不明であった高島変電所の77kVの左側鉄塔は高島堅田線最終鉄塔ということになります。

さあ、高島変電所に戻りましょう。

再び関西電力高島変電所

緑色の鉄塔で南北に分岐しているのがわかる

これで謎がとけました。高島変電所77kV引き上げ鉄塔右側は「安曇線1番」、左側は「高島堅田線最終鉄塔と安曇線2番の併架」

高島変電変電所北の緑色の環境調和色の丁字分岐鉄塔

そして緑色の環境調和色鉄塔は「高島堅田線の最終マイナス1番鉄塔と安曇線3番」ということになります。高島堅田線の最終番数は航空写真で見るかぎりは115番と思われますが見落としで前後している可能性もありますのでここでは最終としておきました。

高島変電所154kVブロック

高島変電所手前が154kVブロック(クリックで拡大)

さて、次はいよいろ154kVブロックに注目しましょう。このどちらかが、北陸から追ってきた歴史ある送電系統、北陸幹線のはずです。

北陸幹線と高島線

高島線1番プレート 昭和61年1月 建設昭和6年6月

まずは手前左側のプレートを確認。前に旧街道が通っているので簡単に確認できます。「高島線1番 昭和61年1月 建設年月昭和60年6月」とあります。これが先程、比良変電所付近で見た高島線の1番鉄塔というわけですね。次は右手の鉄塔。

北陸幹線349番 昭和61年1月 建設昭和60年

「北陸幹線349番」とうとう見つけました。富山の笹津変電所から福井の松岡変電所まで300番、そして北陸幹線(松)となり349番、総計649本の最終地点です。でもちょっと待ってください。この高島線と北陸幹線の引き留めかた、何か変です。

トリッキーな高島変電所154kV系引き込み

よく見ると北陸幹線349番から直接引き留められているのは1回線のみ、もう1回線は高島線1番を経由して高島変電所に引き留められています。高島線も然り、1回線は直接変電所に、もう1回線は北陸幹線349を経由しての引き留めになっているではありませんか。

つまり双方1回線を交換しあって変電所に接続される構造になっています。そういった意味ではこの「高島線1番」が本当の「北陸幹線の最終鉄塔」、つまり「北陸幹線(松)350番 高島線1番 併架鉄塔」と言えなくもなさそうです。頭の番数は1ですが。

関西電力高島変電所接続図

関西電力 高島変電所接続図(クリックで拡大)

ということで、前回の「大黒部幹線の最終地 北大阪変電所」の時と同じく、最終鉄塔を見に来きたのに、なんだか腑に落ちない、もやっと感がありますが、とりあえず達成したのでよしとしましょう。

富山笹津へ旅立つ北陸幹線

北方向へは松岡・富山笹津変電所に向かい北陸幹線が平野部を安曇川方向へ真っ直ぐと行進を初めています。さあ長旅の始まりです。

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