ドラキュラが棲む場所 北陸電力 織田変電所(福井県丹生郡越前町)

前回、丹生変電所でどうしてもわからなかった最後の1系統、その先を西に追った時の記録を紹介します。

国道417号線を西へ

丹生変電所は山の中の変電所で鉄塔までたどり着くのは難儀で1系統だけわからない鉄塔がありました。その送電線は越前町の西、国道417号の北を山間部を通って伸びていっています。

この国道417号、岐阜県大垣と福井県を繋ぐ国道なのですが、本来南条までのはずなのですが地図上はこの先で途切れている(他の国道と一緒になっている)、ちょっとわかりにくい国道です。

織田変電所

問題の送電線の先はすぐに分かりました。山の中にぽっかり空いた盆地、旧織田町にある「織田変電所」です。

織田変電所

北陸電力 織田変電所

77kV専用の配電用変電所なのですが、隣接鉄塔は2つ。左のバルコニー付きの角度鉄塔がとても目立ちます。

織田変電所内鉄塔

変電所の周りは、廃工場や農協があり牧歌的な雰囲気ですが国道を挟むとコンビニや商業施設もあり福井中心部から越前海岸へ抜ける時のオアシス的な場所のように感じます。

さて、気になる追ってきた送電線は西側。隣接と言ってもちょっと高台の上にあります。

織田変電所西側鉄塔

31番

こちらからは銘板が確認できませんが、番号は「31」というのはわかります。あの丹生変電所から31番目ということですね。銘板は若番方向にあるのでこちらからは見えません。ちょっと車では行けそうもないので歩いてみました。

結界内は木が

なかなかいい運動です。問題の鉄塔は土台だけ岩のように持ち上がって下に木が茂っています。裏側に回ってようやく銘板を確認。

織田線最終銘板

その名も織田線でした。ちなみに織田は「おた」と呼びます。

まあちょっと地図を見れば半分わかるような話ではありますが、こうやって足を使って眼の前で実際に確認するのが鉄塔探訪の醍醐味なのです。

さて、変電所側に戻ってみましょう。先程の異型鉄塔が気になります。

蒲生線

織田変電所のドラキュラ

見れば見るほどすごい形をしています。基本はドラキュラ鉄塔ですね。大きく伸びた上腕部からコウモリの様にテラスに送電線を引き上げています。出発は90度曲げて写真向かって左から。敷地を稼ぐ合理的な形で、どこか関電分け(本サイト用語集参照)を思わせます。

名前を知るには裏手に回る必要がありそうです。左側から道が続いており奥に向かっています。

なんだろう

変電所のフェンスにはなにか御札のようなものが等間隔で取り付けられていました。

ヘビよけ!

ヘビよけみたいです。なるほど、へびならこのフェンスでも通過してしまいますね。高圧線に触れたら大変なことになりそうです(お互い)

蒲生線36番銘板 1982年12月

銘板は簡単に確認できました。「蒲生線36番」でした。

蒲生線36番 下から見ると大迫力

蒲生は「がもう」と呼びます。この先36個先には越前海岸沿いの「蒲生発電所」があります。

この蒲生発電所、全国でも珍しいダムからの取水を直接海に放流しているダムです。直接海に放流というとなにか悪いことの様に聞こえますが、もちろんまったく問題ありません。

奇石断崖が続く地形の越前海岸だからこそ、そんな発電所もありなのでしょうね。また、機会があればレポートします。

丹生変電所からの系統図

系統図

参考リンク

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