触ると切れそうなスパルタンな外観 南福井変電所(福井県福井市)

福井市南西部、足羽山公園の東、狐川沿いにある街中の変電所です。

概要

近代的?な銘板

北からは北庄変電所、南からは丹生変電所、それぞれの高圧変電所から接続を受けています。

スパルタンな門が特徴

立地的にも面白く、東西に走る狐側と同じく東西に走る県道28号線に挟まれる形で、放射状に4系統、南北にそれらを越えて送電線を走らせています。

県道28号線の南側は農協の葬祭会館がありその中に2基、狐川を挟んだ北側は住宅街ですが鉄塔の周りを囲むように道路が配置され景観に配慮された作りであることが伺われます。

南福井変電所南側

江守線(接続図 水色)

江守線1番1978年12月

乙坂山の丹生変電所(にゅうへんでんじょ)へ向かう系統です。

JAの敷地内にあり周りは当然フェンスで囲われています。

南福井花堂線(接続図 黄色)

南福井花堂線 1番1958年12月

南福井花堂線 1番

同じくJA敷地内の南福井花堂線(はなんどうと読みます)。先程の江守線と似ていますが、こちらは角度が付いていなく腕金がピンと真っ直ぐになっていますね。

その名の通り、福井中央南の花堂変電所へ。

さて今度は北側にまわってみましょう。

南福井変電所北側

この南福井変電所、引き留めの門がそれ自体腕金をもっておりなかなかスパルタンな風体です。裏側も同じ設計でトゲトゲしい腕金が外側に飛び出ています。

この放射状の鉄塔配置に対応するための作りなのでしょうか。

南武生連絡線(接続図 オレンジ)

南福井連絡線31番最終 1973年7月

残念ながら北側の鉄塔は狐川を挟んでいるので大通りから渡らないと見えません。まずは北西側。これは南福井連絡線31番でした。

北の九頭竜川と日野川の交わる北庄変電所から接続されています。

南福井連絡線31番

ご覧の通り、住宅内の設置で街路樹の上に乗るように街と調和された設置となっています。

橋南線1(接続図 赤)

橋南線1番昭和51年(1976年3月)

もう一方、北東側は橋南線1番でした。南福井連絡線は最終鉄塔だったのに対して橋南線は出発点の様です。

橋南線1番

こちらも同じく街路樹と並べられていました。東に見える足羽山の向こうにある橋南変電所へ向かうものと思われます。

南福井変電所接続図

南福井変電所接続図

ということで複雑な交差も埋設もない南福井変電所。それでもその独特の造形と周辺鉄塔の配置の美しさは一度見に来る価値ありかと思います。また同時に作られたかのような放射配置ですがそれぞれ年代が異なり、南武生花堂線については1958年となかなかの年代物。こうなった移り変わりにも興味がわきますね。

配電用の引き上げ部分がみえました

福井中心部を囲む77kV変電所のつながり

福井中心南側は東から北庄・丹生よりこの南福井変電所・花堂変電所・成和変電所、そして松岡変電所へと接続配置されています。

では福井中心北側はというと、北庄変電所より三郎丸の福井変電所を東に、北福井変電所・開発変電所・そして松岡変電所へと繋がります。

こうやって見てみると大きな154kV環状線を東西に繋ぐように77kVの配電用変電所が南北2本、福井市内を通っている構成がよくわかりますね。

街中の配電変電所は小さく、154kV以上のマンモス高圧変電所の様なパズル的な複雑さはありませんが、歴史ある系統や鉄塔に出会えることも多く、それがまた楽しみの一つです。

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