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関西電力 北大阪変電所 大黒部幹線の終着地(大阪府高槻市)


関西電力 北大阪変電所はこう長245kmの日本最大級の長距離送電線、大黒部幹線の最終地点です。

大黒部幹線は昭和38年10月に黒部第四ダムの運行にあわせて敷設されました。名前から大阪から黒部に直接繋がっていそうですが実際は富山県南砺市の城端開閉所がスタート地点で、黒部水系の変電所である愛本とはそこから新北陸幹線で結ばれています。

目次

  1. 関西電力 北大阪変電所の場所
  2. 北大阪変電所南西154kVブロック
    1. 豊崎線
    2. 北大阪小曽根線と小曽根変電所
  3. 北大阪変電所77kVブロック
    1. 北大阪富田線
    2. 淀川北大阪線
    3. 西院線
    4. 北大阪高槻線
  4. 北大阪変電所275kVブロック
    1. 荻谷総合公園内
    2. 北大阪線
    3. 大黒部幹線の最終鉄塔???
    4. 新生駒線
    5. もう一つの新生駒線
    6. 淀川線
    7. 大黒部幹線最終鉄塔へ
  5. 関西電力 北大阪変電所 接続図
  6. 参考リンク
  7. コメント

関西電力 北大阪変電所の場所

関西電力 北大阪変電所

北大阪変電所は大阪府北部の高槻市、萩谷という場所にあります。北は北摂山系の丘陵地帯、南は京都市と大阪市のベッドタウンが広がります。

関西電力 北大阪変電所

北側は全面が275kVブロックなのですが谷間になっており、そちらに回り込むことは出来ません。

北大阪変電所 南西より東に続く道沿いの鉄塔群

南側は府道115号線が東西に走っており各引き留め鉄塔が並びます。南側は南西の154kVブロック、南東に77kVブロックに別れます。

北大阪変電所南西154kVブロック

北大阪変電所 南西側2本

まず、道路から確認できる南側から見ていきましょう。南西側、道を挟んで2本の鉄塔が並んでいます。どちらも小高い丘の上に建っており道からだと頂点の番号が両方共1であることくらいしかわかりません

ガイシの数は10玉ありますのでこの2基が154kVであることがわかります。

豊崎線

あいだには林道が南に向かっています。

すこし林道を上ると2番鉄塔の下にアクセス出来る。豊崎線2番だった昭和57年5月

少し林道を上ると右側の鉄塔の2番鉄塔の真下にまでたどり着けます。1番鉄塔と異なり結界にまでアクセスできますのでプレートの確認ができました。名前は豊崎線で昭和57年5月敷設であることがわかります。淀川の南岸、北区の豊崎変電所へと接続されます。

北大阪小曽根線と小曽根変電所

北大阪小曽根線1番 昭和37年8月

左側の同じく154kV鉄塔は1番鉄塔の下まで登れます。フェンスはありますが、ちょうど上り坂側にプレートがあり名前が確認できました。「北大阪小曽根線1番 昭和37年8月」とあります。

北大阪小曽根線1番

小曽根(おそね)は大阪府豊中市の地名で、この北大阪小曽根線が接続される小曽根変電所は大正からある歴史のある変電所です。手元の資料によれば大正13年に日本電力が富山県の笹津変電所からこの小曽根変電所、当時は大阪変電所間に313.2キロメートルの大阪送電幹線を敷設したとあります。最初は89kVだったのが翌年に154kVに昇圧。現在は北方変電所をはさみ旧飛騨幹線と東海幹線に名前を変えています。東海幹線は滋賀県近江八幡市の新八幡変電所までとなります。

北大阪変電所77kVブロック

北大阪富田線

北大阪富田線 平成6年5月

そのまま府道115号線を東に歩くと右側のフェンス越しに次の鉄塔のプレートが確認できます。「北大阪富田線 平成6年5月」とあります。上貼りされた下の建設年月は昭和38年10月と書かれています。

北大阪富田線1番

北大阪富田線1番はもともと4回線鉄塔だったようですが現在は上側の2回線しか使用されていません。茨木市にある富田変電所へと向かいます。

淀川北大阪線

引き上げ鉄塔39番

北大阪富田線1番と同じ敷地には引き上げ鉄塔が建っています。番数は39番。これはゲートの奥になっており道からは系統名確認はできません。

航空写真を見ると送電線は南東方向に関西大学高槻キャンパス内の1本で東方向に曲がり府道115号を横断、摂津峡青少年キャンプ場へと入り1本、さらに先へと続いています。この地点まで行けば確認できそうです。

キャンプ場内淀川北大阪線36番 平成6年5月

キャンプ場道路から少し入った所にそれはありました。「淀川北大阪線36番 平成6年5月」とあります。先程の引き上げ鉄塔が39番だったので航空写真では間に2本ありますのでぴったり39となります。ということで先程の鉄塔は「淀川北大阪線39番」でした。埋設ケーブルの先は、名前からしておそらく北大阪変電所敷地内と思われます。

同じ高槻市内、淀川北岸の淀川変電所への接続となります。

西院線

西院線1番プレート昭和41年

さて、再び北大阪変電所南側道路に戻りましょう。一本東に進んだ鉄塔。これは関西大学高槻キャンバス敷地内にあります。敷地フェンスの外側からでもプレートは確認できました。西院線1番昭和41年とあります。

西院線1番

西院線は北東に進み桂川を渡り京都市右京区の西院変電所へと向かいます。

北大阪高槻線

西院線1番のさらに南側にもう一本鉄塔があります。

北大阪高槻線1番(右)

こちらは完全に学校の敷地内にあるため直接は確認できません。航空写真を使ってたどると3番目の鉄塔が荻谷月見台住宅にあるのがわかります。

北大阪高槻線3番 捻架鉄塔

荻谷月見台住宅は北大阪変電所のすぐ東側の住宅街です。そこに3番鉄塔はありました。1番と同じく異型の捻架鉄塔です。

北大阪高槻線3番 昭和41年3月

「北大阪高槻線3番」昭和41年3月建設とありました。こちらは同じ高槻市内南東の高槻変電所まで接続です。

北大阪変電所275kVブロック

北大阪変電所 北側254kVブロックは谷になっており観察困難

さて、これで南側の154kVと77kVボルトブロックの系統はわかりました。次は問題の北側の275kVブロックです。ざっと見るかぎり5本は建っているのがわかります。

しかしながら北大阪変電所の北側は谷になっており立ち入りは不可能。

そこで谷の向こう側、荻谷総合公園内から観察してみることにします。

荻谷総合公園内

荻谷総合公園は北大阪変電所から谷をはさんだ反対側

北大阪変電所の北側、荻谷総合公園は遊歩道や遊具、テニス場や野球場もある大きな公園です。ちょうど遊歩道から北大阪変電所側をみることができそうです。

北大阪線

北大阪線1番と2番

まずは駐車場からすこし野球場側に進んで右手に入ります。農園に降りる道があるのでそのまま谷間に進むと北大阪変電所の北西の鉄塔が目に入ります。

これが北大阪線1番と2番です。西方向の兵庫県、宝塚開閉所へと接続されます。

農園からは北大阪線の左側の鉄塔は見えますが、残念ながら番数やプレートが見えるくらいまでは接近できません。少し戻ります。

大黒部幹線の最終鉄塔???

荻谷総合公園内 遊歩道へ入る

農園と駐車場への道の脇道にある遊歩道に入ります。すぐに観測装置がありますのでそのまま直進します。

草木が生い茂る道の先に

草木が多いですが遊歩道なのでちゃんと整備されています。やがて目の前に鉄塔の柵が見え始めます。

鉄塔発見

フェンスの「はいらないでください」のマークから、関西電力の送電鉄塔であることがわかります。そしてそのプレートは・・・

大黒部幹線723番プレート

大黒部幹線723番。昭和38年10月。とうとう目的の大黒部幹線を目の当たりにしました。送電鉄塔の番数が700番台というだけで驚異的なものを感じます。

大黒部幹線723番

大黒部幹線は城端開閉所から245キロメートル724本です。ということは最終鉄塔にはもう1本あるはず。北大阪変電所側に目をうつします。

大黒部幹線723番から北大阪変電所側

奥にはたしかにもう一本、大黒部幹線723番に接続されています。さらに右手にも鉄塔が。番号札は無く、腕金を見ると4導体。しかもガイシが黒で10個おきに白の通常と逆の色。何者でしょう。

724番ではなく90番?

そして番号。当然「724番」と書いてあるはずの大黒部幹線723番の先の鉄塔の頂点には「90」の文字が。謎は深まります。

あれが大黒部幹線最終鉄塔

大黒部幹線723番に接続されている鉄塔の全容です。上部に2回線、たしかにこの鉄塔から接続されています。そして下部にもなにか接続されていますがこの角度からではよくわかりません。

新生駒線

大黒部幹線の脇道をさらに進む

遊歩道は大黒部幹線723番の右手に続いています。行ってみましょう。

さっき右に見えた鉄塔の足が

しばらく進むと先程見えた謎の鉄塔の足が見えます。早速プレートを確認してみます。

新生駒線91番 昭和55年5月

「新生駒線91番 昭和55年5月」とあります。ということは先ほど見えた大黒部幹線の最終鉄塔の「90」はこの鉄塔の若番ということでしょうか。この鉄塔からの送電線は北側の山に伸びています。番数的には次は92番で最終というほうが自然なのですが。番号が小さくなって変電所に向かっているのが不思議です。

もう一つの新生駒線

大黒部幹線720番

腑に落ちぬまま遊歩道を引き返します。そのまま野球場方向へ向かいます。正面には大黒部幹線が山を超えて公園内に入ってきています。

野球場側に見える無番号鉄塔。下まで行け、新生駒線89番と確認

野球場方向へ少し歩くと右手にまた鉄塔が見えてきました。先程と同じく頭には番数が無く、4導体、黒ガイシです。足元に近づきプレートを確認すると、なんと「新生駒線89番」。なんとなく謎がわかってきました。

淀川線

野球場側遊歩道。淀川線24番発見

そのまま野球場南の遊歩道に入ると茶色に塗られた淀川線24番がありました。その先、北大阪変電所へは1本。

北大阪変電所との引き留めは淀川線25番

番数は25です。つまりこれで最終で引き留めですね。淀川線は先程の淀川北大阪線と同じく同じ高槻市内淀川北岸の淀川変電所に向かいます。淀川北大阪線が77kVなのにたいしてこちらは254kVなのが違いですね。

ここからは例の大黒部幹線幹線の引き留め鉄塔がよく見えます。

大黒部幹線最終鉄塔へ

90の番号は新生駒線の番号だった。これが大黒部幹線最終鉄塔724番

もうおわかりですね。実は新生駒線は北大阪変電所へは接続されておらず。この鉄塔を経由して北東から北西へ折り返しているのです。なので北東の鉄塔が89番でこの鉄塔が90番、北西が91番というわけです。

関西電力の公開資料によれば、新生駒線は大阪市から東側、生駒市の生駒変電所から西の宝塚変電所を結ぶルート。4導体ということもありおそらく500kV設計の275kV運用なのでしょう。ここを経由するのは将来の拡張用かもしれません。(新生駒線は前身が丸山幹線π引き込み線で、北大阪が終点だったという情報もあり)

大黒部幹線を追ってきた気持ちからすれば、是非、頂点の番号は大黒部幹線の「724番」であって欲しかったのですが、こうやって新しい設計の系統により時代の流れに上書きされる存在なのは避けられないことなのですね。

大黒部幹線 北陸へ

ということで今回は、北陸地方では馴染みの深い長距離送電線「大黒部幹線」の最終地点である関西電力 北大阪変電所を訪ねてみました。

724本の長旅を追えて北摂山系を超えて来た大黒部幹線は、どこか達成感のある誇らしげな表情をしていました。

関西電力 北大阪変電所 接続図

関西電力 北大阪変電所 接続図(クリックで拡大)

最後に北大阪変電所接続図を掲載します。記事よりダウンロードしてみてください。

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