鉄塔回線札の読み方 北陸電力 金津変電所(福井県あわら市)


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鉄塔に書いてある情報は主に3つあります。一つは頂点の番号札、一つは若番方向左足に付いている銘板(プレート)そしてもう一つが「回線札」と呼ばれる板です。(主な3つの他にも塗装履歴などもあります)

鉄塔探訪の時、回線札まで見る必要があることはそんなにないのですが、ここ金津変電所の場合、この回線札が役に立ちます。

今回は北陸電力 金津変電所をそんな回線札の見かたに交えて紹介します。

目次

  1. 概要
    1. 周辺鉄塔
  2. 北陸電力 金津変電所 西側
    1. 回線札の位置
    2. レンゴー金津線(接続図 緑)
    3. 矢地線(接続図 オレンジ)
    4. 剱岳線(接続図 コバルトブルー)
  3. 北陸電力 金津変電所東側
    1. 向かって左側4回線鉄塔
    2. 向かって右側3回線鉄塔
    3. 坂井線1番(接続図 青) 金津西日本線1番(水色) 三国線1番(紫)
    4. 金津線(接続図 茶色)
  4. 北陸電力 金津変電所 周辺接続図
  5. 参考リンク

概要

北陸電力金津変電所銘板 昭和34年3月1日

「金津」とはかつての金津町の名前の由来でかつては宿場町として栄えたそうです。現在はあわら市に合併されて名前だけが残っています。

金津地区には変電所は2箇所、しかも至近距離に存在します。一つがこの「金津変電所」、もう一つが「東金津変電所」です。

東金津変電所のほうは剱ヶ岳方向東側に位置する高圧変電所で加賀東金津線・新福井東金津線の敦賀火力からの275kVが接続された巨大な変電所なのに対して、こちら「金津変電所」は芦原温泉駅の近くの工場地帯にある配電用の77kV変電所となります。

周辺鉄塔

北陸電力 金津変電所 隣接鉄塔は3本

周辺鉄塔3は西側(裏山の方)に4回線が1本、東側、向かって左に4回線が1本、向かって右に3回線が1本となります。

まずは西側から見ていきましょう。周囲はぐるっと回れます。

北陸電力 金津変電所 西側

金津変電所 西側鉄塔

4回線なのに3系統?

銘板をみて驚く事があります。通常は2回線(3本1組x2で6本)で1系統なので、当然銘板も2つかなと思うのですが、この鉄塔はなんと3つ。どういうことでしょう?

ありえるのは2回線一組ではなく1回線の系統が含まれること。1+1+2のタイプです。

書いてあるのは「矢地線1(1995年12月)」「レンゴー金津線11998年12月」「剱岳線27(1996年4月)」。

さて、こういう時に役に立つ情報、それが「回線札」なのです。

回線札の位置

回線札は一般的に「腕金の根本」に付けられています。腕金とはその名の通り鉄塔から横に伸びている腕の部分のこと。人間で言う脇腹部分ですね。実際は2回線1組の系統が多いとしてもそれぞれの回線は区別する必要があるため、XX線1,XX線2のような形で記されているのです。

さて、金津変電所西側鉄塔の回線札を見てみましょう。

腕金根本の回線札  矢地線とレンゴー金津線1回線づつ

予想通りでした、上部2回線はそれぞれ別の系統で1回線 矢地線とレンゴー金津線1回線づつだったというわけですね。ちなみに下は2回線とも剱岳線でした。

レンゴー金津線(接続図 緑)

レンゴー?どこかでみたような。そう、隣の工場です。

レンゴー線はその名の通りとなりのレンゴー工場へ

つまり隣の工場専用の高圧線ということですね。実際目で追うと1本先で道路を渡り分離、工場敷地内に入り更に2本め(つまりレンゴー金津線4番)で引き留められているのがわかります。

矢地線(接続図 オレンジ)

東の裏山を越えていく矢地線。すぐの降りて工場へ

矢地線も実は同じです。先程のレンゴー線が分岐した鉄塔でレンゴー線とは反対側、変電所の裏山を超える様に1回線だけが分離していきます。その先、裏山の南側の工場に直接引き留めです。番号でいうと矢地線5番となります。

剱岳線(接続図 コバルトブルー)

剱岳線は他の2系統と違い最終鉄塔で27番でしたね。先ほどの分岐は真っ直ぐ西へ。国道8号線を越え27本数えた先にあるのは西の「東金津変電所」です。実際は用地の都合かやや北回りになっているので27という本数ほど距離はありません。

敦賀火力からの275kVを東金津変電所で減圧して77kVに、剱岳線を通じて金津変電所でこの工場地帯に分配しているということですね。(実際はもっと複雑な融通ですがイメージとして)

北陸電力 金津変電所東側

金津線62番最終と周辺鉄塔

東側には2本、4回線と3回線の鉄塔がたっています。しかもその2つ、どうも1回線だけ相互に接続されているようです。

銘板を確認してみましょう

向かって左側4回線鉄塔

西日本金津線・坂井線、2つの回線が書かれた特殊なタイプのプレート 1975年3月

西日本金津線・坂井線が並んで書かれた珍しいタイプのプレートです。ということは上が西日本金津線、下が坂井線なのでしょうか? 一応腕金の横の回線札を確認してみましょう。

腕金根本の回線札 三国線1と2とある

回線札を見るとそこには「三国線」の文字が。上の腕金の回線札には

腕金根本の回線札 坂井線と西日本金津線1回線づつであることがわかる

ここに坂井線と西日本金津線とありました。つまり三国線の2回線のプレートは向こう側にあって見えないか、そもそも貼り付けてない可能性があります。そして坂井線と西日本金津線はそれぞれ1回線系統であるということが、この回線札をみてわかります。

さて、右側の3回線鉄塔に目を移しましょう。

向かって右側3回線鉄塔

西日本金津線1番 金津線62番銘板 1970年10月と11月

こちらは独立した銘板。西日本金津線1番と金津線62番とあり1970年10月と11月設置であるようです。もうおわかりの様に、この2つの鉄塔を結んでいる3本1回線、それは「西日本金津線」であり、こちらが1番というわけですね。

さてまた左側に目を戻します。

坂井線1番(接続図 青) 金津西日本線1番(水色) 三国線1番(紫)

坂井線1番 金津西日本線1番 三国線1番

先程確定した。坂井線1番 金津西日本線1番 三国線1番鉄塔です(三国線の番号は以前に三国変電所で老番の最終鉄塔26番を見たことから)

このようにまとまって4回線になって南西に伸びています。

南西に伸びて2本めで三国線が右に、西日本金津線はその先、竹田川の向こうで引き留め、坂井線はそのまま直進

その先には2019年現在建設中の新幹線の下駄がみえました。2本めで三国線が右に、西日本金津線はその先、竹田川の向こうで引き留め、坂井線はそのまま直進しているのがわかります。

番号は2番だが西日本金津線3番を含む

西日本金津線はその名の通りJR西の工事もしくは施設で利用されてそうですね。坂井線は南西にある兵庫川横、春江町西長田の変電所まで伸びている様です。三国線はその名の通り、以前紹介した三国変電所行きです。

金津線(接続図 茶色)

さて、最後になりましたが変電所向かって右、1回線系統の西日本金津線1番の下側の金津線を紹介して終わりましょう。

独特の形状の金津線61番 上2回線腕金がない?

南西に伸びたその先、金津線61番ですが、なかなか異型鉄塔です。

異型と言ってもどこかで見慣れた形。そう、4回線鉄塔の上の腕金を外しただけに見えます。それだけなのにまるで東京タワーの様に先端が長く独特の形になるものなのですね。

もともと上に何が乗っていたのかは手元の資料ではわかりませんでした。歴史的な経緯が気になります。

さて、この金津線、じつに興味深い経路で。出発は松岡変電所なのですが一旦新福井変電所を「かすめて」こちらに来ています。あくまでかすめてるだけで接続はされていません(新福井は77kV対応していない)。また出発点にしてもなぜか中途半端な番号で地中から現れるというキワモノ。この辺りは松岡変電所と新福井変電所の記事に書いてありますので興味があればみてください。

北陸電力 金津変電所 周辺接続図

北陸電力 金津変電所 周辺接続図

ということで接続図です。77kVだけの小さな変電所ですが、回線札を見なければ配線解析出来ないなどなかなか楽しめる場所です。回線札はとても小さいので高倍率の双眼鏡かカメラは必須です。

配電用電柱引き上げ部

参考リンク

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