福井火力発電所の玄関口 北陸電力 北庄変電所(福井県福井市高屋町)

福井県福井市高屋町にある北陸電力 北庄変電所は東からの九頭竜川と南からの日野川の合流地点にある154kV/77kVの変電所です。

北陸電力 北庄変電所 概要

福井県送電線接続図(154kV以上)

ほとんど情報が見当たりませんが、北陸地方電気事業百年史の系統図においては平成9年版には記載され、昭和29年版にはありませんのでその間に建設されたものと思われましたが、北陸電力30年史には記載があり設置年は1973年(昭和48年)とありました。

北庄変電所銘板

ちなみに北庄は「きたのしょう」と呼びます。この辺りはちょっと変わった読み方の地名が多い地域ですね。

北陸電力北庄変電所

場所は福井市北西部、九頭竜川を東側に渡ってすぐ横にあります。中央でブロックが分けられ、東側が77kV、西側が154kV系統が接続されます。

北陸電力北庄変電所 77kVブロック

77kV側は田園が広がり、隣接する鉄塔数は2本ととてもシンプル。簡単に配線を目で追えます。

77kV側の配線

向かって左側は4回線で上部2回線が引き留め、下部2回線は右側の鉄塔から来ている様です。

銘板も簡単に確認できました。まずは右から

南福井連絡線(接続図茶色)

南福井連絡線1番銘板

右側の鉄塔は「南福井連絡線1番 昭和48年7月」とあります。丁度この北庄変電所が設置された時と一致します。

南福井連絡線1番

隣の鉄塔からの送電線を受けて回しこむ様に引き留めています。ということは左の鉄塔は1番2番混在の併架とうことでしょうか。

福井線(接続図黄色)

南福井連絡線2番福井線1番 昭和48年7月

ビンゴでした。南福井連絡線2番福井線1番。

南福井連絡線2番福井線1番

この2つのペアは一番違いでこの際ずっと連れそうことになります。別れるのは日野川上流、足羽川との合流地点となります。ここが日野川と九頭竜川の合流地点なので覚えやすいですね。

北陸電力北庄変電所 154kVブロック

次は九頭竜川側、西方向を見てみましょう。

九頭竜川の堤防上の道から見える

西側は九頭竜川堤防の道路があるのでさらに中がよく見渡せます。

北庄変電所154kV側 配線

どうやらこちらも似たような構造になっており、引き留め鉄塔→引き留め兼併科合流のパターンをとっています。

基本的に北庄変電所は南方向のみに送電線が出発しているのはこのこの為の(というかその為の)配置ということですね。

手前北側から見ていきましょう。

北庄線(接続図緑)

北庄線1番1972年(昭和47年)

その名も北庄線。1972年設置とありますので、この変電所の設置年1973年よりやや前になりますが、ほぼ同時と考えてよさそうです。

背が低めの北庄線1番鉄塔

敷地内だからだと思いますが、154kVにしては背が低め。先程の南福井連絡線と同じく約90度の角度鉄塔です。

北庄線1番鉄塔 横から見ると角度鉄塔なのがわかる

さて右隣を見ていきましょう。

福井火力線(接続図水色)

北庄線2番 福井火力線40番

おっと、先程の福井線とは違ったパターンでした。北庄線を併架している引き留め鉄塔は福井火力線の最終鉄塔40番。

北庄線2番 福井火力線40番

真っ赤な頭のクチバシのあるニワトリ鉄塔です。上段は直進、下段は角度鉄塔となっています。最初の大まかな接続図にあった福井火力に続いている154kV線がこの福井火力線というわけです。ちなみに何故か新小松変電所からの第2福井火力線は同じ154kVで単導体なのにこちらは2導体。昇圧を見越しているのかも知れませんね。あと、同じ図の新福井変電所に向かっているのが同じ鉄塔の北庄線となります。(火力線とはすぐ南で別れ、鯖江の辺りで金津線と共になります)

77kVエリアのもう一つの鉄塔

さて、最後に一番右、南側の4回線です。

2番だがよく見えない

ちょっと堤防から距離があって2番というのはわかるのですが、ちょっと系統名が判別できません。

下段は77kVエリアから

こちらも先の2つと同じく引き留め角度兼直進鉄塔なのですが、違うのは下段の先の鉄塔が敷地内77kVエリアからでていること。

名前を探るため、九頭竜川を少し上ってみました。

ニワトリ型2基

同じ形の4回線赤頭クチバシ付きのニワトリ鉄塔が並んでいます。この手前と先ほどの4回線が接続されている様です。ちなみに奥は77kV系の福井連絡線と福井線のペア。

北庄丹生線4番と小西線の4番

付近まで近づけたので銘板を読み取ります。北庄丹生線4番と川西線の4番でした。

川西線(接続図紫)

ということで最初の敷地内77kV鉄塔は川西線の1番鉄塔でした。川西線は北庄丹生線と併架で先程のニワトリから九頭竜川を渡った後にすぐに北西の海の近くの工場地帯へ向かいます。経路的にはむしろ福井火力線に近い感じです。

北庄丹生線(接続図赤)

そして川西線と別れた北庄丹生線は南下し福井市西南の乙坂山の丹生変電所(にゅうへんでんじょ)へ。そこから新武生丹生線で新武生変電所へと繋がります。最初の図では丹生変電所が省略されていましたが、実際はその様になっています。

まとめと北陸電力 北庄変電所 接続図

北陸電力 北庄変電所 接続図 左が154kV、右が77kV

そんな感じで比較的シンプルな配線構造の北庄変電所。福井火力線の最終地点となっており、福井火力探訪への拠点として、また、北庄→丹生→新武生→新福井→北庄の福井市を中心としたの154kV系送電環状線探訪の石川富山方向からの入り口として、まずは訪れたい変電所です。

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