鉄塔マニアになって送電鉄塔探訪ファンになるとお得なこと3つ(架空送電線入門)


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送電鉄塔

高圧鉄塔を見たことない人はそういないでしょう。でも高圧鉄塔に興味を持っている人はそれほど多く無い様な気がします。そんなものを好きになって何が面白く、一体なんの得になるのか。ここではそんな記事を書こうと思います。

目次

  1. 鉄道旅行やドライブが数倍楽しくなる
  2. GPSがなくても現在地や方角がだいたいわかるようになる
  3. 登山や山歩きの幅や目的が広がる
  4. 鉄塔を好きになるには
  5. 知っておくと面白い要素
  6. 更に知るともっと楽しくなる要素
  7. 送電鉄塔を楽しむのに便利なツール
  8. 鉄塔メディア
  9. 必携アプリ
  10. 資料性高めのWebサイト
  11. 北陸地方の鉄塔送電線資料
  12. 北陸地方系統図関係
  13. 北陸鉄塔関係ブログ

鉄道旅行やドライブが数倍楽しくなる

鉄道やドライブは目的地に向かって移動します。もちろんその移動過程で綺麗な渓谷や海があれば感動しますが、そんなに良い景色の場所がたくさんあるわけではありません。

大抵の移動中は流れる景色を無心で眺めているものです。

ところが鉄塔好きは違います。

次から次へと視界に入る送電鉄塔を見て

「あ、あれは〇〇線だ。ここを通っているんだ」

「3番鉄塔ということは変電所が近いな」

「レアな形の鉄塔じゃないか、止まってみよう」

「下の銘板によれば昭和初期のレガシー鉄塔じゃないか、写真でシェアだな」

などなど、その楽しさに息つく暇もありません

もちろん送電経路の1番鉄塔や最終鉄塔、変電所を目的地に旅行できるのも面白さの一つです。

GPSがなくても現在地や方角がだいたいわかるようになる

あとで書きますが鉄塔には送電経路名と番号があります。例えば「大黒部幹線63番」の様な感じです。

この例の「大黒部幹線63番鉄塔」は全国に1箇所しかありません。つまり目の前の鉄塔の送電経路名と番号がわかればGPSがなくても現在地がわかるということです。

しかも面白いことに繋がっている鉄塔は基本的に連番になっています。63番鉄塔には64番鉄塔と62番鉄塔が接続されているというわけです。

つまり鉄塔の接続方向と番数から方角がわかるということです。

山中のドライブや山歩きなど目印が少ない時はもちろん、街中においてもこの鉄塔の知識はとても役に立ちます。

登山や山歩きの幅や目的が広がる

送電鉄塔は電力会社が定期的に点検しています。ヘリで点検もありますが、基本的に人力で到達してメンテナンスが行われるよう「巡視路」と呼ばれる道が存在しています。

この巡視路は舗装された林道もあれば獣道?といったものまで様々です。

山歩きのルーティングでこの巡視路を利用するのは一つの方法です。ちょっと変わった経路と鉄塔探訪が楽しめます。

(もちろん一般的な登山道とは異なり多少危険が伴いますのでご留意ください)

また藪で迷った場合に鉄塔を目指して巡視路から抜けるという手もあるのも覚えておくとよいかと思います。

山頂での景色に入る鉄塔を嫌がる人もいますが、鉄塔好きにとってはそれも楽しみの一つになります。

鉄塔を好きになるには

まずは「鉄塔武蔵野線」を読む

まずは小説「鉄塔武蔵野線」を読みましょう詳しくは下の方。これで十分、鉄塔が大好きになります。

またHasegawaHidekiさんのスライド 送電鉄塔をたどる 送電鉄塔鑑賞学入門もとても為になります。

双眼鏡を買う

鉄塔探訪には双眼鏡は必須です。鉄塔の番号や銘板を見るのはもちろん、構造を立体的に観察できます。

携帯性のよいNikonスポーツスターあたりがオススメです。

車での移動が基本なら高倍率のモナーク5の20倍タイプがもう一つあると遥か向こうにみえる鉄塔の番号まではっきりと確認することができます。

もちろん望遠カメラでも確認だけならできますが、重なった送電線をたどる時に片目では繋がりを認識しにくいこと、なにより迫力でやはり双眼鏡に分があります。ちなみにホームセンターなどに売られている50倍や100倍などの安い双眼鏡は暗すぎておすすめしません。

知っておくと面白い要素

鉄塔には番号と送電線名がある

鉄塔を見かけたらまず一番上の天辺(頂点)を見てください。ほぼ必ず「63番」などの番号が書かれています。これがこの鉄塔の番号です。

ランダムで割り振られているのではなく、「63番」の横には「64番」、次には「65番」と連番になっています。つまり「起点から63番目の鉄塔」という意味ですね。

銘板の例

次に下の方の足の部分を見ます。一般的な鉄塔は4面ありますが、どこかの1面に上のような銘板が打たれています。(大抵は若い番号の鉄塔方向の左側)

これで「送電線名」がわかります。そして例えば上の写真の大黒部幹線63番だと隣に接続されている62番、64番鉄塔もおなじ大黒部幹線というわけです。

ちなみに鉄塔の銘板は若い番号の方向につけられています。例えば6番鉄塔なら5番鉄塔側という具合です。

(銘板からはその他に管理会社や建設日、改修日なども読み取れだんだん楽しくなってきます)

男と女

鉄塔は「男鉄塔」と「女鉄塔」に区別されます。これは「鉄塔武蔵野線」から来た用語ですが、もっとも簡単な分け方なのでまず覚えるとよいでしょう。

鉄塔の腕の部分をよく見ると、送電線が直接鉄塔には触れていなく、白い数珠のような部分を介して繋がっています。この数珠のような部分を「ガイシ」といいます。

この数珠が真下に降りているのが「男鉄塔」、2つに別れているのを「女鉄塔」といいます。

回線数

街の電柱をよく見てください、同じ太さの線が3本あるのがわかります。(他にも太さの違う線も繋がっていますがここでは無視します)

大きい高圧鉄塔も同じで、基本的に3本で1組(三相交流)です。それが2組6本ある場合、3組9本ある場合もあります。この1組を「回線」といいます。

太い線が3本の鉄塔は「1回線鉄塔」、6本の鉄塔を「2回線鉄塔」、9本の鉄塔を「3回線鉄塔」と呼びます。これが鉄塔の形を決める一番大きな要素です。

ちなみによく見ると頂上にはそれらとは別に細い先が1本か2本繋がっています。これらは架空地線(がくうちせん)と呼び、避雷針の役目をなします。これが1本の場合は鉄塔は尖った形に(とんがり鉄塔)、2本の場合は一般的に逆三角の頭に(コックさん鉄塔)なります。

その他、四角い形をした矩形鉄塔や門型鉄塔、頭の部分がない鉄塔(ジャミラ鉄塔)、一つの腕に2本支えている鉄塔(ドナウ鉄塔)などなど、形だけでも様々な分類があります。 HasegawaHidekiさんのスライド 送電鉄塔をたどる 送電鉄塔鑑賞学入門がとても良くまとまっています。

ガイシと導体数と電圧

白い数珠のような部分を「ガイシ」と呼びました。これは電気が鉄塔自身に流れ込まないように絶縁するパーツです。高圧な送電線ほどたくさんのガイシが必要になります。つまりガイシの玉の数から電圧を推測できるということです。ガイシは10個ごとに黒玉が入っていますので数えるのは容易です。(玉数-2)x20kvが絶縁性能になります。例えば30個以上なら28x20で560kvといった具合です。大抵の高圧鉄塔は「66kv(77kv)」「154kv」「275kv」「500kv」のどれかです。大きいほど鉄塔のサイズも大きくなります。

ちなちに66KVと77KVは電力会社によって決まりますが、北陸電力だけは混在となります。下の方の空き容量系統図のリンクで確認できます。

電線をよく見ると1本に見えても2本や4本で一束になっているものがあります。これを「導体」といいます。4本一束になっているものを「4導体」と呼びます。6導体になると六角形になりまるで星が散りばめられている様にみえます。

電圧は高ければ高いほど効率よく電気を送ることができます。反面、安全性配慮する必要がある為、設備は巨大になります。

変電所に接続されている

例えば66番鉄塔から辿り1番まで行ったらその先はなんでしょう。そこには「変電所(開閉所)」があります

変電所の例

その名の通り電圧を変えて最終的には各家庭に電気を届けます。一般的な電柱は6.6kvでそこでさらに小型の変圧器で家庭用の100・200vに変換されます。

変電所には名前がありそこに接続されている送電線名であることもしばしばあります。当然立ち入る事はできませんが、引き込み部分には送電経路の名前も書いてありそこで送電線名の判断もできます。もちろん先程書いたように3本一組で引き込まれ、出入り口部分には一本ごとにR/S/Tの文字が書かれています。(これは特別な頭文字ではなくアルファベット順なのだそうです)

絶縁用のガイシや経路スイッチ、ガスの遮断器が散りばめられた変電所の中は巨大な電気回路。入ってきた送電線の接続をたどるだけで面白く時間が過ぎていきます

ちなみに変電所ではなく発電所がある場合もあります。日本では水力発電が多く、たいていはダムになっています。そこからダムの世界にも興味が広がります。

更に知るともっと楽しくなる要素

鉄塔の色と電灯

鉄塔を見ているとたまに赤白で塗られたものとそうでないものがあります。

これは航空法という法律である程度高い建築物は赤白で色を塗らなければいけない為で、送電鉄塔の場合は赤白7色に塗られています。

つまり赤白7色の鉄塔があればそれは地上から60m以上の大きな鉄塔であることがわかります。

また夜間赤い光を発する鉄塔を見たことがあると思います。これも航空法によるもので60m以上は赤い光、90m以上は赤い光の点滅、120m以上は白のフラッシュと決まっています。

これらは例外もあり、山岳地などで周囲に同じ様な高さの地面や同じ赤白鉄塔があれば必要ないとみなされて免除されたり、逆に地面が高くそれと合わせて60m以上とみなされて色づけしなければいけなかったりと様々。そういった観点で色の塗り分けの有無を考えるのもまた鉄塔探訪の楽しみの一つです。

送電鉄塔を楽しむのに便利なツール

鉄塔探索を楽しむ為に便利なツールを紹介します。

Webツールや資料

塔マップ

全国数十万の鉄塔のデータベースです。鉄塔ウォッチングの必携サイトです。送電線名、番号が確認できます。送電線名で検索もできるので1番(0番)鉄塔探しもできます。

残念な点は、鉄塔同士の接続の情報がないこと。そこで下の国土地理院のサイトで接続経路を確認します。

国土地理院地図

国土地理院地図では送電線の経路が上のように確認できます。「:」は鉄塔の位置にもみえますが、実際は関係ありません。あくまで経路の確認ができます。ただし、線上で「折れ曲り」がおきている箇所については必ずそれを支える鉄塔がありますので覚えておくとよいでしょう。

Google Map航空写真

GoogleMapの航空写真でも鉄塔の存在や接続を目視確認できます。ただし場所によっては光の当たり方や解像度でわかりづらい場合もあります。

送電線系統図や発電所についての情報が公開されています。

空き容量表ではある程度の系統の名前が確認できます。

株主向けの有価証券報告書なんかも重要な資料です。主要線のこう長などがこれで確認できます。

スマートフォン

GoogleMapと国土地理院を切り替えたり3D表示できるのでオススメのアプリです。塔マップのアプリ版があればいいのですが、2019年時点ではないのでブラウザの塔マップを併用します。(iPhoneモードが便利です)

鉄塔メディア

鉄塔武蔵野線について

鉄塔マニアの入門書とも言えるのが「小説 鉄塔武蔵野線」です。ジャンルはファンタジーとなっていますが、二人の少年が現実にある武蔵野線の送電線をたどるドキュメンタリー風の物語です。

興味のない人にとってはすべて同じに見える送電鉄塔。少年はその目から見た比喩的な名前をつけて行きます。そのネーミングが面白くネットの鉄塔用語の主な語源になっています。淡々と鉄塔をたどっていくだけなのですが、この連続した番号のついた送電線の先には何があるのだろうと日常の何気のない送電鉄塔をテーマで一冊の小説仕上がっています。

この鉄塔武蔵野線、いくつかバージョンがあります。新潮文庫版が安く出回っていますが、残念ながらせっかくの鉄塔写真が巻末にまとめられているなどあまりおすすめできません。

おすすめはソフトバンク版。こちらはちゃんと鉄塔写真が文の流れに挿入されておりライブ感があります。おまけの地図もついています。

映画版も存在します。

ちなみに初版では結末が異なるのだとか。

鉄塔写真集

こちらは写真集になりますが「東京鉄塔」。変わった鉄塔や写真のとり方の参考になります。(著者のサルマルヒデキさんは、残念ながら2017年6月11日逝去されました。サイトはまだ残っていますので是非ご来訪されてください。紹介させて頂いたスライドのHasegawaHidekiさんは同一のご人物です)

ヤフオクで売られている同人誌、安川製作所さんのTHE TETTOもオススメです THE TETTO。2もあります。一部ですが北陸の鉄塔も掲載されています。

必携アプリ

資料性高めのWebサイト

北陸地方の鉄塔送電線資料

北陸電力系統図(クリックで拡大/電気主任技術者・実務情報様より) 関西電力系統図(クリックで拡大/電気主任技術者・実務情報様より)

北陸電力空容量

北陸地方系統図関係

北陸鉄塔関係ブログ

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