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福井火力発電所と三国変電所は実は繋がってなかった!(福井県坂井市)


福井火力発電所は九頭竜川の河口付近にある石油系の火力発電所です。近くには小さいながらも三国変電所もあり一緒に見に行くことができます。

竹田川との合流地点ということもあってか、送電線もやや複雑に配線され面白みもあるこの地域を今回は紹介します。

福井火力発電所と巨大煙突

目次

  1. 概要
    1. 福井火力発電所と福井共同火力発電所
    2. 送電系統
    3. 福井火力線(接続図水色)
    4. 第2福井火力線(緑色)
  2. 南西側のデルタ配線
    1. 三国臨港線(接続図黄色)
  3. 三国変電所
    1. 竹田川対岸の6回線赤白鉄塔
  4. 福井火力・三国変電所周辺接続図
  5. 参考リンク
  6. コメント

概要

福井県電力系統図

福井火力発電所は現在の名称は福井火力発電所三国1号機で出力は250MkWです。

上の系統図には福井火力と福井共同火力と記されていますがこれはどういうことでしょう。

福井火力発電所と福井共同火力発電所

経緯としては福井火力発電所が1973年、福井共同火力発電所が1978年運転開始とどちらも似た時期のものです。共同とあるのは古河アルミニウムと北陸電力の共同出資であり、アルミ製錬としての電力需要を賄う事が目的での共同出資であることが伺えます。最終的にはアルミ需要の減衰と共に出資割合は北陸電力に売却されることになり、現在の福井火力発電所三国1号機は共同火力の方で、元の福井火力発電所はすでに2004年に廃炉となりました。廃炉となった方の方が出力は大きく350MkWだったとのこと。

元々北陸は水力資源が豊富だったのですが、それで足りないくらい当時、電力需要が見込まれており、北陸電力としても火力発電所の建設を急いでいたとのことです。同時期に富山の方にも火力発電所が建設されており、なんと金沢市内灘町にも火力発電所を作る案があったのだとか。(住民の反対で中止)

福井火力と燃料タンク。曇りの日は煙突が見えないほど巨大

昔は重油燃料は昔は日本海側では精製できず、遠距離を運ばなければいけないので大変だったそうです。その後富山の方に精製会社が設立されました。

送電系統

福井火力への送電系統は2つ。福井火力線と第2福井火力線で両方共154kVです。

市街の方から向かうと九頭竜川の河口に向かって2本の送電系統が集まってきて最後に福井火力の正面にたどり着いているのがわかります。

正面 福井火力線と第2福井火力線 最終鉄塔

並んでいる左側が第2福井火力線、右側が福井火力線となります。

福井火力線(接続図水色)

福井火力線1番番号札

もちろん番号札は1番。この2つの違いは第2福井火力線が単導体であるのに対して福井火力線は2導体であることです。おなじ154kVなのですがキャパ的には異なるのかも知れません。

2番鉄塔の上段へ

角度的にはこちらのほうが回り込みがきつく、なかなかスパルタンな角度鉄塔ですね。赤白の2番鉄塔の上段へ接続されているのが見えます。

ここから九頭竜川と日野川の合流地点、北陸電力 北庄変電所へ向かいます。最終鉄塔は40番とそれほどの距離はありません。

第2福井火力線(緑色)

第2福井火力線1番

こちらは第2福井火力線1番。新小松の第2福井火力線128番まで長い旅路のスタートです。

第2福井火力線1番

形的にもなかなか面白く、一番上の腕金が全体的に右にずれ、中段右側オフセットされいない様な形状です。下段はアールの部分が下に来ており、上段と対称しています。いわばハンバーガー鉄塔です。

南西側のデルタ配線

2番鉄塔銘板 1978年3月

さて、流れとしてはこの2番鉄塔から2系統が併架され分岐していくのですが、南側の交差がやや複雑なので説明しておきます。

福井火力線2番 第2福井火力線2番

南側デルタ交差

ざっとこんな感じです。

福井火力線5番 第2福井火力線5番 鳥の巣付き

手前の鉄塔は5番。

福井火力線6番と?

次は6番ですが、5番で下段の第2福井火力線がそれていってしまっており、別の送電線が6番の下段に、そのまま直進して林の上を越えていっています。

気になるのでグルっと回って見てきましょう。

三国臨港線(接続図黄色)

林の向こうの鉄塔

これが先程の6番から林を越えた海側の鉄塔です。銘板は・・

三国臨港線15番2013年

三国臨港線15番とあります。このまま南の工場密集地域を行進しているようです。2013年と新し目。

ということで、さっきの福井火力線6番の下は三国臨港線14番もしくは16番ということですね。謎を解くために行くのは近くの三国変電所。

三国変電所

三国変電所

三国変電所と引き留めキャンドル鉄塔

三国変電所は福井火力のすぐ近く。九頭竜川を渡った先にある77kV変電所です。横には鉄塔が1本のみ。6回線全引き上げ型のキャンドル鉄塔です。ここにさっきの三国臨港線がありました。

三国線26番 三国臨港線24番

三国臨港線は24番。老番ですね。ということはさっきの福井火力線6番の下は三国線16番で確定というわけです。

竹田川対岸の6回線赤白鉄塔

三国変電所の横の川は竹田川と呼ばれ、このすぐ先で九頭竜川で合流しています。

竹田川対岸の6回線赤白鉄塔

その竹田川の対岸に見えるのが6回線赤白鉄塔。そこにこのキャンドルが接続されています。

番号札は26番

ちなみに番号札は26番。26?三国線26ならこのキャンドルですが。

もう一度よく見てみましょう。三国線と三国臨港線は共に竹田川を渡って、6回線鉄塔の中段に三国線が、下段に三国臨港線が接続されており、そのまま左右に分かれて行っています。で、一番上には右方向からの2回線がそのまま三国変電所にはよらずに直進。 こいつがたまたま26番だということに違いありません。

そう、答えは第2福井火力線。たまたまですが先程の5番鉄塔から分岐して九頭龍側を渡ってここにたどり着いたのが26番目ということですね。ここから新小松変電所に向かいます。

ということで上記の赤白6回線は「第2福井火力線26番・三国線25番・三国臨港線24番」となります。

ちなみに三国線の24本先の1番鉄塔は「金津変電所」となります。

福井火力・三国変電所周辺接続図

福井火力・三国変電所周辺接続図

ということで接続図です。福井火力発電所南側のデルタと三国変電所の対岸の6回線鉄塔がポイントです。

見ての通り、意外なことに福井火力からの154kVはそのまま周辺の三国地域では使われずに、三国変電所の配電や臨港線へは金津変電所からの電力を供給していることがわかりました。重油や原油を燃やしたエネルギーは一旦、新小松・北庄を経由して石川や福井市内に供給されている様です。

社史や事業史を見てると時代背景ごとに発電エネルギー源が水源から石油重視になったたり石炭重視になったり、はたまた原子力だったりと電力会社も世の中の動きに振り回されて苦労しているのがよくわかります。そんな、紆余曲折に思いをはせながらこうやって送電線を追いかけるのもまた深い味わいがあるものです。

結局この日は煙突の先は見えなかった

参考リンク

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