展望スポット手取川開発記念館と桑島のタイムトンネル(石川県白山市桑島)
手取川ダムのすぐそばにあり無料で手取湖展望&水資源博物館が楽しめる穴場スポット、手取川開発記念館と桑島化石壁のタイムトンネルの紹介をします。
目次
手取川開発記念館へのアクセスと駐車場
定休日 | 冬期(12月〜3月)、木曜日、祝日の翌日(木曜日が祝日の場合はその翌日) |
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営業期間 | 9時00分〜16時30分 |
駐車場 | あり |
料金 | 入館無料 |
住所 | 〒920-2502石川県白山市桑島9-24-30 |
TEL | 076-259-2701 |
公式HP | http://www.pref.ishikawa.lg.jp/tedori/kinenkan.html |
手取川開発記念館は国道157号線沿い、手取川ダムの堤体を見ながら福井勝山方面に向かう途中にあります。真っ赤な桑島大橋が目印。
桑島大橋を渡ったらホテル八鵬がありますので回り込むように左に進みます。
鉄塔くん
ちなみにホテル八鵬の温泉は日帰りもできて展望バツグンなのでお帰りの際に立ち寄るのもオススメです。
まるでおとぎの国にあるような円筒状の目立つ造りの建物が手取川開発記念館です。
駐車場には恐竜が。この地域には桑島化石壁 と呼ばれる地層があり、植物化石とともに1986年には恐竜化石が発見され話題になった場所です。
駐車スペースは未舗装ですが10台程度は停められます。奥には桑島化石壁を発見したドイツ人のライン博士の記念碑があります。
鉄塔くん
最初に見つかった恐竜は地域にちなんでカガリュウと名付けられたそうです。
手取川綜合開発記念館のエントランス
レンガ調のヨーロッパに来たかのような美しい設計の階段を上ると手取川開発記念館のエントランスがあります。
無料ですが受付には係の人が常駐していますので丁寧に説明をしていただけます。
外も独特のつくりですが内側も2重の円筒になっており大きな螺旋階段が2階に巻いています。真っ白な太い柱が印象的で建築的にも見応えがあります。
手取川綜合開発記念館の一階
手取川綜合開発記念館の一階は手取川ダムを中心とする水資源関係の展示。
手取川開発とは石川県、建設省、電源開発株式会社、北陸電力株式会社が共同でおこなった手取川ダムを中心とする治水事業・電源開発事業の総称です。
その事業費はなんと3369億円。
鉄塔くん
一万円札を積み上げると3369メートルとなり白山の高さを超えるそうです。
水道管の展示を回り込むと開発事業についてのパネル展示があります。
もともと手取川は暴れ川とも称されるほどの洪水被害が多かった川です。
年表をみてもその洪水の回数の多さが伺われます。
また灌漑・飲料用水としても年間総流量2 5億9千万立方メートルのうち約2/3が使われすに日本海に流れている状態でした。
そこで利水発電を目的とした手取川綜合開発事業として開始されたのが昭和46年3月。
手取川ダムの底に沈んだ旧桑島町
手取川ダムの建設により石川県の総需要量の半分の水道用水と3分の1相当の電力を供給できるようになりました。
旧桑島町はそんな手取川ダムの底に沈んだ町です。
回廊の先には巨大な模型が展示されており現在の手取湖に半透明でダムに沈んだ村の様子や道路の形をうかがい知ることができます。
また、当時の家屋は以前紹介した白山麓民俗資料館にいくつか移設され、現在も見学することができます。
鉄塔くん
沈んだ桑島町は西桑島と東桑島に分かれていましたが、現在もその名残で西桑島と東桑島という地名で分かれているのだそうです。
手取川の流域の変遷のパネル展示もあります。ボタンを押すと過去の手取川の位置を知ることができます。徐々に東側から移動して現在の位置になっているのがわかります。
手取川綜合開発記念館の2階
2階の展示は桑島化石壁とライン博士についてです。
明治初期にドイツ人ラインが白峰村桑島部落の 「化石壁」 から植物化石を採集し、 彼の友人ガイラーが世界に初めて紹介したところから桑島化石壁が有名になりました。
地層としては白亜紀の1奥4000年前。恐竜全盛期です。ライン博士が採取したのは植物化石でしたが1984年に福井県の女子高生が肉食恐竜の歯の化石を初めて発掘しました。
西側は手取湖に面しておりベンチからは素晴らしい眺めが楽しめます。
鉄塔くん
横には資料や図鑑も置いてありますので景色を見ながらのんびり読書もいいですね。
2階の中央には映写室もあり係員さんに言えば15分程度の映写を見せてもらえます。貴重な旧桑島町の様子や手取川ダムの建築途中の映像を見ることができます。
手取川綜合開発記念館の少し先にある桑島化石壁
手取川綜合開発記念館を訪れた後は少し進んで桑島化石壁も見ていきましょう。
記念館の前の道路を北側に進むとトンネルが見えてきます。トンネルの名前はその名も「ライントンネル」。もちろんライン博士にちなんだ名前です。
トンネルを抜けてすぐに左手に窪んだ土台があり、その先に桑島化石壁があります。残念ながら落石の危険があり付近は立ち入り禁止ですが離れた位置からでもその雰囲気を見ることができます。
よく見ると壁面には当時の説明書きの銅板も見えます。
この地層が形成されたジュラ紀から白亜紀には日本海は存在せず、ここは中国大陸と一緒の大きな大陸の縁辺部だったそうです。
今くぐってきたライントンネルはそんな時間を超えた壁を貫いて作ったトンネルで掘削中には多数の貴重な化石が出土され学術的にも注目を浴びた、まさに「タイムトンネル」なのだそうです。
裏手には滝もあり夏でも涼しげな風が流れてきます。この道はこれで行き止まりですが、まるで長い年月を超えてきたかのような感覚になれる不思議なスポットです。
まとめ
ということで、手取湖の素晴らしい展望と手取川開発の歴史、ダム底に沈んだ桑島町の様子、そして恐竜時代の化石壁を貫くタイムトンネルのあるおすすめスポット、手取川開発記念館と桑島化石壁の紹介でした。