海に浮かぶ島だったお寺 妙観院の七不思議(石川県七尾市)
妙観院は石川県七尾市にある真言宗のお寺です。なんとこのお寺、明治末の干拓までは海に浮かぶ孤島だったそうです。
駐車場の横は切り立った岩壁になっており、木々の根がむき出しになっています。波に削られた跡なのででしょう。横にはかつての小嶋山へと登る階段が伸びます。七不思議の順路はこちらから辿ります。
第一 観世音菩薩の不思議
その昔、ここは未だ海に囲まれた小さな島でした。諸国巡礼中の幸房大使が、能島に流れついていた観音経の書かれた一本の流木で聖観音様を御彫刻になりました。三十三年に一度の開帳秘仏です。
第二「竹に虎」の釣り鐘の不思議
約三百年前のこと、願いがかなわず入水した女性が龍に化け、釣り鐘を何度も海へ引きずりこむので「龍虎相打つ」の故事にならって、全国にただ一つの「竹に虎」の釣り手の鐘になりました。哀れな女性は、七日七夜の手あるい追善回向を受け、安らかに成仏したと言います。
第三 弁財天の不思議
およそ三百年ほど昔、敦賀の「気比の宮大社」の弁財天が大波にさらあれ、弁天さまがこの地に流れ着き、それ以来大切にお祀りしています。弁天様は元々、音楽・芸術・財宝を司る女神ですが、この弁天様にはとくにある家のお嫁さんとお姑さんを仲直りさせた「嫁入り化導」の伝説があります。
第四 そうめん不動尊の不思議
お寺の忙しい時に身を変えて、お参りの人々に「そうめん」をふるまったという言い伝えがあります。お不動さんにはめずらしく、柔和な表情をされています。お不動さんの右手の剣(羂策)は煩悩を切り払い、左手の綱は迷える人々を救済するといいます。
第五 夫婦岩の不思議
山門の横に左右から迫る岩がすき間をつくっています。この二つの岩が仲良く寄り添っていることから恋愛成就・家庭円満・子孫繁栄のご利益があるとされます。大正中期の詩人、野口雨情は「七尾名所の妙観院は七つ不思議と巌の門」と詠っています。
第六 底なし池の不思議
この池の中央には、龍に身を変えた女性が引きずり込んだ釣り鐘が入るくらいの縦穴が開いています。そして、この穴はそのまま七尾湾へ通じているとも伝えられています。数十年前まで、境内横の県道のあたりに海岸線があり、穴を通ってこの池に海水魚が迷いこんだとも言います。
第七 獅子岩と鼓石の不思議
手前の獅子岩が、奥の鼓石の音色に合わせて喜び舞うといいます。また鼓石を手でたたき、その音を聞くと、頭痛が治るともいわれています。姿形をかえてごく近くにあるのがおもしろいのです。石橋の右横のこんもりとした岩が獅子岩、その左奥の板状の岩が鼓石です。
名称 | 妙観院(ミョウカンイン) |
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駐車場 | 有り |
料金 | 無料 |
住所 | 〒926-0852石川県七尾市小島町ヌ63甲 |
TEL | 0767-52-1019 |