実際にくつろげてしまう昭和民家と圧巻のコレクション群 氷見昭和館
氷見昭和館は和倉と並ぶ北陸2大昭和館の双璧です。どちらも個人コレクションからスタートですが、それぞれ色合いがあり、また梯子するのにもちょうど良い位置にあります。
氷見昭和館は高岡方向より国道160号線を七尾に向かい東海老坂交差点を氷見駅に向かう途中にあります。遠くから見るとガラクタ系リサイクルショップと見間違えますが大きな看板に「氷見昭和館」と書いてあるので間違えることはないでしょう。横の縦看板にはなぜか「似顔絵喫茶」の文字もあります。
ガラス引き戸を開けるとまるで理容美容院の様に左右に分かれた入り口が出現します。左は展示コーナー、右は似顔絵喫茶だそうです。たいていは、奥からテンションの高い館長が出てきて歓迎してもらえます。とりあえず「展示コーナーで」と言えばOKです。入館料はなんと300円なので満足度で軽く元は取れます。
展示コーナーはまるで昭和の街。タバコ屋を初め文房具屋、駄菓子屋雑貨屋本屋などが軒を連ねます。当時のお店らしくびっしりと商品が中に陳列され、カウンター越しに眺める事が出来ます。
入って左手のジュークボックスはなんと本当に動作します。まずは百円を投入してレトロな音楽を流しながら街を歩くと雰囲気も一段と盛り上がります。
商品はまさに当時のままの状態です。バーコードが印刷されていないパッケージは今では見る事がなくなりました。中の商品だけではなく、窓枠や入れ物の棚や瓶も当時の物が使われているこだわり様です。
奥の玩具店には今では価値の高いブリキのおもちゃが肩を並べます。中には数十万円のものも。主要な物には説明書きもしてありポイントを押さえることができます。
街は2Fにも続いています。古い民家を思わせる木の階段とギシギシ音をたてる床が雰囲気を盛り上げます。上階の店はカメラ屋を初め時計屋酒屋電気屋など。階段の横には映画のポスターがところ狭しと掲げられています。
何気なく商品が飾られている様に見えますが、よく見るとコレクション的なの色合いが強い2階です。映画看板を初め、レトロカメラ、振り子時計、アイドル看板、酒飲料に到るまで非常に多様な種類がそろえられています。切手宝くじのコレクションの量も圧巻です。
1Fに戻りましょう。入り口右の棚にはミニチュアの車がたくさん飾られているのがわかります。
これは浦田修のフルスクラッチのミニカー群です。浦田さんはその道では超有名人で、なんと1枚の板を整形して精巧なモデルを作るのだそうです。浦田さんも館長と同じ氷見の方で、ここに展示しているのだそうです。実際に見てみるとわかりますが、そのクオリティは量産品を圧倒的に凌駕します。サイズはこれもこだわりでぴったり1/32に調整されているとのこと。当時の車両のサイズ感がリアルに伝わります。
順路に従い、受付の奥を進むと喫茶コーナーが、そしてその奥にはなんと一般民家が再現されたスペースが広がっています。部屋だけではなく屋根や二階も作られています。
暗い裸電球にブラウン管の足付きテレビ。ちゃぶ台にペナントとツボをとらえたリアルな昭和民家の部屋は、なんと実際に座ってくつろぐことができます。まるで子供の頃に帰った様に錯覚する空間。棚には当時の本がびっしりとならび、実際に読む事もできます。さりげなく飾ってある紙幣や小判コレクションも見逃せません。
しばし、タイムスリップを楽しんだあとは暖かい喫茶スペースで休むのもよいでしょう。コーヒー300円とリーズナブルで、館長と昭和談義することもできます。
館長の苦楽多(くらた)みきよしさんは、現役の似顔絵作家さん。芸能人を初め今まで書き上げてきた似顔絵の数は1万枚を超えるのだそうです。穴なし五円を手に入れたのをきっかけにレトロコレクションに火がつき、看板コレクションから最後には昭和系の店を店舗ごと買うほどの熱の入り様。その人脈を活かし多方面からアイテムを仕入れるのだとか。
展示コーナーは次々に拡張中で、ミゼットなどの実物車両も展示予定とのことです。スペースが足りなくなり、別に「氷見平成館」も準備中です。こちらはやや新しめの年代の物が中心で日本でも珍しいスポットになりそうです。
まるで生き物の様に日々変化するこの氷見昭和館&平成館。何度、足を運んでも新しい発見がありそうです。
ちなみに似顔絵はなんと500円で書いてもらえるのでおみやげに是非どうぞ。
名称 | 氷見昭和館(ヒミショウワカン) |
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定休日 | 毎週水・木曜日GWは休まず営業 |
営業時間 | 9:00~18:00 |
駐車場 | あり(13台) |
住所 | 〒935-0031富山県氷見市柳田526-1/detail/93/access.html |
TEL | tel:0766-91-4000 |