倉ヶ岳トレイルラン内川ダム風吹峠コース(18.47km+642m/石川県鶴来町倉ヶ嶽金沢市側より)

倉ヶ岳といえば金沢市南部や鶴来町から林道ドライブのコースとして有名です。道は細いですが30分くらいで山の下の大池にたどり着き、そこから15分程度で山頂にたどり着けます。

山頂の「のぞき」と呼ばれる絶壁部分からの真下の大池や加賀平野の景色は絶品です。また大池を南側から入ればロープがはってありアスレチックのような岩登りが楽しめます。

そんな倉ヶ岳、大池からではちょっと短すぎて山登りというにはちょっと物足りない面もあります。

そこで今回はトレイルラン二ングでも山歩きでも楽しめる18km獲得標高642mのボリューム満点、内川ダムの湖畔景色も楽しめる内川墓地公園からの大周回コースを紹介します。

ちなみに山の名前は「倉ヶ岳」で「倉ヶ嶽」は正確には町の名前なのですが、この記事では「倉ヶ嶽」で統一します。

倉ヶ嶽トレイルラン地図(GPXトラックログ)

スタート内川ダムへ

内川墓地公園スタート(駐車場は7-19時で閉鎖なので注意)

内川墓地公園は金沢市の別所からの坂を内川ダムに向かって行った右手にあります。墓地公園といっても墓地だけではなく展望台もあり景色や散歩も楽しめる憩いの場所?です。

ただし駐車場は駐車場は7-19時で閉鎖なので注意してください。時間外は敷地外脇の空き地の隅あたりが空いてます。

左に見える町は小原町

車道から内川ダムに向かいます。東側の谷間は入るので朝方は日の出が遅れるので、多少寝坊しても朝日が楽しめます笑

南金沢線13番と14番

左手から巨大な鉄塔と送電線が内川を渡っています。向かいの山の稜線に見えるのが南金沢線14と13番です。この山の向こうの加賀変電所より内川、伏見川、倉ヶ嶽を超えて南金沢変電所に至ります。

送電線は写真の下にある15番に降りてきており、そこから内川を横断しています。154kVの中規模送電線で2本1束の2導体になっているのがわかります。

南金沢線のスペーサーが間近にせまる

大迫力の巨大なスペーサー(送電線間の絶縁支持用の棒)の間近を潜って坂道をおります。内川の谷を渡った頭上には南金沢線16番があるはずです。このはるか先、33番鉄塔の南金沢変電所への接続部分は後ほど山頂から見ることができます。(双眼鏡があるとよく見えます)。南金沢線のこう長は12.2kmなので、平均すると約381mおきに鉄塔がある事になりますね。

内川ダム到着、下りはここまで

ここまで下りなので時間的にはそんなにかからないと思います。ダムの堤方向に行く道の横に登り坂があるのでそちらへ。

ちなみに内川ダムは堤高81m堤長172m、容積210km3の金沢市最大のダムです。また金沢市が周辺施設で発電事業を行っています。自治体が発電事業をしているのは全国でも珍しいそうです。ダム記号はFNWP。Wがついているので水道用としても使われています。Pは発電用という意味です。(Fは洪水調整、Nは流量調整)。その場でダムカードを貰えるので、事務所が開いていたら立ち寄ってもいいでしょう。

内川ダム湖畔の気持ちのいいラン

ダム湖をみながら坂道を登り始める

巨大なダム湖を眺めながら坂道を登り始めます。朝もやが水面に降りて綺麗です。

ここはダム湖沿いにまっすぐ(この位置スタートエンドの周回にしてもいい)

大きな石が積んである地点。右からの林道の合流地点です。(倉ヶ嶽からこの右の林道に戻ってくることもできるので、ここからスタートで一周というコースも可能です。)

今回はそのまま左へ向かいます。

ダム湖畔の気持ちいい道

内川ダムは南側の内川第2発電所まで東側に綺麗な道が整備されており景観も抜群です。周回路でないのが残念ですね。

倉ヶ嶽方向へ

ここを右に登れば倉ヶ嶽方向へ

やがてまた林道の入口が見えてきます。今回はここからアプローチします。

舗装路だがなかなかハード

一応舗装路ですが、落石が多い道で、ロードバイクや車では出来れば通りたくない林道です。のんびり歩いたり走る分には景観もよくおすすめです。

沢を見ながら谷を上がっていく

左手の沢、上下に人が住めそうな小屋がみえます。すごい所に住んでるなと感心します。

峠道を登る

傾斜はゆるいのでトレイルランでも楽に走れます。MTBでも楽しいのですが、この先の風吹峠からは本当の登山道になるのでちょっとむずかしいと思います(担いで登られる猛者もいらっしゃいますが)

左手に後高山(獅子吼高原)

左手に無線鉄塔がある山が見えます。道はそこに続いているように見えますが、今回は行きません。後高山、いわゆる獅子吼高原の裏手になります。

425mくらいから未舗装路に

途中から未舗装路になります。轍はあるので車の通行は不可能ではなさそうですが・・。

杉林が気持ちいい

やがてあたりは杉林に。造林用の道路なので、上からの通行は未舗装ですがよく整備されてそうです。

今登ってきた谷を振り返る

ずいぶん登ってきました。内川ダム標高249mからなので約200m程度です。

ここを右折(反対に行くと獅子吼高原)

やがて丁字路に。ここを右折して倉ヶ嶽方向に向かいます。反対に行くと獅子吼高原方向です。

492m地点。西側の平野と海が見える

平坦な道を歩きます。左手には西側の加賀平野の景色と海が見えます。

よく見ると加佐ノ岬の灯台まで

よく見ると加賀の加佐ノ岬の灯台まで見えました!このコースは景色がいいところが多いのでぜひ小型双眼鏡をお持ちください。(防水のニコンスポーツスターがオススメです)

風吹峠登山口

風吹峠登山口、左からは鶴来町に降りれる

左手に古い標識が。かすれて文字が見にくいですが、左側は「市街地」と読めます。鶴来町からの登山道です。そして右が今から登る風吹峠登山口です。

倉ヶ嶽風吹峠登り口

細い登山道が上に続いています。まるで獣道のような細さですが緊張しますが、この先はしっかり整備されているので大丈夫です。

杉の枝でふかふかの登山道

枯れた杉の枝がふかふかして、舗装路で疲れた足を癒やしてくれます。

像がたくさん

右手に像がたくさん。地蔵ではなさそうですが、なんか意味があるのでしょうか?

かすれて見えないが奥の案内板に従い左へ

さて、おなじみのかすれて見えない案内標識です。その先に新しい標識がありますのでそれに従い左折します。

むき出しの岩がゴロゴロした急坂を登る

この道は国土地理院の地図に出ていない道です。左右に約540mのピークがありそのコルの部分を縦走する様に登山道が通っています。

案内板が見えないが左が正解

案内標識かすれ具合が半端ない案内板に突き当たり。なんとなく方向的に右で上り傾向なのでそっちに行ってしまいそうですがここはぐっと我慢して左の下りへ。

稜線で気持ちいいが標高はやや落ちる

多少登り返しますが良い道です。

ここだけえぐれてる

と思ったらここだけえぐれていました。足を取られない様、反復横跳び式で駆け下ります。

水平で気持ちいいラン

ここで3分岐。左は大黒部幹線の巡視路です。眺めが良いのでちょっと寄り道しましょう。

大黒部幹線74番

大黒部幹線は北陸では最長の送電線です。スタートは富山県城端市の開閉所。そこから74番目の鉄塔というわけですね。

大黒部幹線74番の下に寄り道。景色良し

大黒部幹線74番鉄塔結界下より。加賀平野がよく見えます。真ん中のは手取川ですね。

大黒部幹線74番銘板

銘板は鉄塔の若番方向左手についています。そう、大黒部幹線は関西電力管轄なんですね。このあたりでは北陸幹線とこの大黒部幹線が関西電力の送電経路です。どちらも石川は通過しているだけですが、山歩きでは良い目印になります。

大黒部幹線74番結界

結界内に入れました。横には巡視路が見えます。国土地理院ではここから鶴来まで降りれそうですが・・・下から見る限りはちょっと無理そうに見えます。

さて、先程の道に戻りましょう。

杉の枝でふかふか。水平でトレラン向け

枯れた枝でふかふかした杉林はフラットトレラン向けで気持ちよく走れます。

理想的なトレイル

まるでトレいるらんにんく入門の写真の様な理想的なトレイル。至福の時です。

一本だけ赤松

一本だけなぜか赤松が混じっていました。

木が生えた謎の石と標識。大池は目の前

やがて木が生えた謎の石が見えてきます。奥には例の矢印だけ標識。右を見れば大池と階段が見えますのでおそらく左は駐車場方向と書いてあるのでしょう。

木の隙間から大池が見える

ちょっと見にくいですが大池です。あとで「のぞき」からたっぷり見れます。

左手の膨らみが倉ヶ岳

左手の膨らみが倉ヶ岳です。車できたらこれだけなんですけどね。

この階段を上がっていく

この階段を登っていきます。

またフラット

やがて道はフラットに。

徐々に傾斜が上がり・・・

と思いきやだんだん傾斜はきつくなり。

倉ヶ嶽の岩登り

ここが有名な岩場。ロープがしっかり整備されている

はい、ここが有名な倉ヶ嶽の岩場です。ロープがしっかり整備されており足場もきちんとあるので落ち着いて登りましょう。

岩場の途中より

岩場の途中。座れるくらいのスペースがあります。

向こうには高野山、鷹落山の能美系の山。奥は富士写ヶ岳

見上げれば能美市方向が見えます。高野山、鷹落山。奥の高いのは富士写ヶ岳でしょうか。天気が良ければ左の大日も見えそうです。

なかなかの高度感

岩場は続きます。こういうのは体重が軽い子供のほうが得意そうですね。

登りきりました

登りきりました。下が見えないくらいの高さです。降りる必要はないので安心してください^_^

DANGERの看板の先は有名な「のぞき」

とつぜんDANGERの看板。クマかと思ったら「のぞき」について。

柵があるので安全

またDANGER。でも柵を超えなければぜんぜんDANGERじゃなさそうですね。

倉ヶ嶽のぞき。池の向こうは小松白山金沢の大パノラマ

大池には戦国時代に加賀国の守護の富樫政親が一向一揆の兵に追われて落ちて死んだという話が伝わるのだそう。

素晴らしい眺めです。左は小松、右は金沢まで見渡せます。新幹線の線路が真ん中を走っています。

南金沢変電所(クリックで拡大)

先程内川ダムに降りる時にくぐった南金沢線が接続されている南金沢変電所が手前に見えます。そこから綺麗に松任笠間線鉄塔群がが出発しているのがわかります。

あまりに眺めが良すぎて時間を忘れてしまいそうです。

戻り

緩い下り階段

さて、今回のコースはここで中間地点です。先程の道からまっすぐ階段をおります。ゆるい階段なので楽に進めます。先程の岩場が嘘みたいです。

ここは階段がなくやや急なので足元注意

と思ったら階段なしの急斜面。ストックなしの場合は歩幅を狭めて慎重に。

舗装路に降り立つ。後ろは池なので寄り道するのもいい

すぐに舗装路に降り立ちます。後ろは大池なので寄り道してもいいのですが、さっき「のぞき」でお腹いっぱい見たので先に進みましょう。

風合いのあるアスファルトを下る

まるで手で張ったような風合いのあるアスファルトを下ります。

西側はこれで見納め

西側の景色はこれで見納めです。

ここを右折でスタート地点に戻り方向

ここを右折。つい真っすぐ行ってしまいそうなので注意してください。内川方向に帰れなくなりますので。

すこしだけ能登側の宝達山がちらっとみえました。

伏見川が流れる谷を見ながら

今渡っているこの谷は真ん中に伏見川が流れます。源流はここ、倉ヶ嶽です。

山頂が石川県金沢市に属する倉ケ岳を水源とし、住吉、別所と山間部を流れ山科で金沢市街地に入る。石川県立金沢錦丘中学校・高等学校の校庭脇を流れ、金沢市立米泉小学校脇で高橋川が合流する。石川県立金沢伏見高等学校正門前を経て糸田新町で北陸新幹線をくぐり、黒田で木呂川が合流する。古府西で北陸自動車道をくぐった直後、石川県産業展示館4号館正面で犀川へ合流する。(Wikipediaより)

向かい側の山。造林路が蜘蛛の巣の様

道はフラットで走りやすいです。向かい側の山の造林路が蜘蛛の巣の様に張り巡らされてるのが印象的でした。

ここを右折(まっすぐでも墓地公園には帰れるので疲れた方はそちらへ)

やがてたどり着く住吉町手前の丁字路。ここを左に行きます。(まっすぐでも町中を通り墓地公園には帰れるので疲れた方はそちらへどうぞ)

もうひとのぼり

さてもうひと登りです。方向は東側。元来た内川ダムに向かっています。

金沢方向の景色。卯辰山が見える

ここまで来ると主な景色は金沢市内になります。右に卯辰山が見えますね。

ここを左(まっすぐで内川ダム。内川ダムスタートした場合はそちらへ)

この丁字路も重要です。内川ダムスタートした場合はまっすぐ、内川墓地公園スタートした場合は左折です。

真っ直ぐ行くと内川ダムの先程の石が積んである写真の箇所まで降りれます。

今回はトレイルランなのでフラット林道がおおい墓地公園側に戻ります。

すかさず右折し林道へ

ここをすかさず右折で未舗装路に入れます。

フラットな未舗装路へ。ここを走りたかった

フラットな未舗装路。これで最後です。よく考えたら墓地公園からこの帰り道往復でもいいのですが、今回は内川ダムのダム湖も楽しめる大周回コースにしました。

途中南金沢線の巡視路があります。また寄り道してみましょう。

南金沢線17番

南金沢線17番鉄塔。内川墓地公園から内川ダムに降りる時15番と16番鉄塔の下をくぐりましたから、そのすぐ次の鉄塔というわけですね。

南金沢線17番結界銘板

1975年とあります。

南金沢線17番結界

天気がよくて結界も美しいです。さて戻りましょう。

フラットで気持ち良し

ここは造林路と鉄塔巡視路も兼ねているので草はよく整備されています。気持ちのいい林道です。

ひたすら直進

ここはひたすら直進。

狭いが直進。左の線はイノシシ避けの電線なので慎重にすぐに道は広くなる

ここも狭くてちょっと躊躇しますが直進です。左の線には絶対に触れないように。狭い区間はわずかです。

カタクリの群生地4/9でこんな感じでした

実はここにカタクリの群生地があります。4/9で一部綺麗に咲いていました。

ここから先車道に入れば墓地公園はすぐ

建物が見えたら車道はすぐです。車道は車通りが多いので気をつけて。内川墓地公園までの距離はそんなに長くないです。

内川墓地公園に帰ってきた

参考リンク

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