絶対に行ってはいけない白山登山ガイド 裏戸室山北側ルート(8.4km+403m/石川県金沢市清水町)
戸室山キゴ山といえば医王山の手前に仲良く並んでいる2つの小高い山の1つです。
ちょうど同じ高さのため、どこからでもよく見えとても目立ちます。
子供向けムードのキゴ山と異なり、階段も少なくやや傾斜も急、だけどパワースポット的なムードが強いオトナの山です。
戸室山は正面の医王山寺の階段から入るか、金沢市側手前の売店どんぐりの裏から入り、戸室権現と山頂を周回するのが定番コースです。
そんな戸室山、国土地理院地図を見ていたら、上の2つ以外にも北西側からのルートが出ているのを見つけました。
国土地理院の点線は八割方がすでに存在しない鉄則がありますが、さすがに石川県ではメジャーな山なのできっと整備されているだろうと淡い期待でアプローチしてみました。
スタート地点は山の北西、清水田島トンネルが開通し旧道となった清水町からです。
下の道は戸室の埋立場がありトラックがよく往来していますが、こちらの上の道は眺めもよく散歩にちょうどよい道です。
途中八幡神社があり、それを過ぎたあたりで地図では左に分岐していますのでそちらへ。(ちなみにここを真っ直ぐ行くと戸室新保まで行けます)
すぐに農業用の溜池が見えるので、その北側の点線へアプローチします。
はい、全く整備されていない廃登山道でした。道は形で確認できますがクマザサがびっしり。
藪こぎのスタートです。
幸いクマザサが主でかき分けるだけで進めそうです。倒木もありますがツルやトゲが無い限りは大丈夫です。
暫く進むとクマザサが減りました。「藪は一部だけでここからはきっとまともな道なんだろう」と楽観的になってしまうのが登山心理の怖い所です。
そんな考えも甘く増える一方の枝系の藪。374m地点で一瞬だけ展望が良いところがありました。宝達山が見えたので北側の様です。能登幹線も見えました。
地理院の道は分岐していますが、片方はツルでとても侵入できなさそうなので消去法で西側のルートへ。
途中道が書いていいない所に赤いマーキングがあったので、新しい道がつくられているんだと期待で行くも行き止まり。結局は地理院地図の点線に逆戻りです。
そしてやがて道は無くなります。
コルになった部分があり、たしかにそこに点線はあるのですが。とりあえずトラバースしてその点線に向かいます。そこにあったのは・・
下手したら沢にしか見えない尾根と尾根の間の凹み。それが上方に伸びています。間違いなく国土地理院の点線はここに沿っています。
しかし目の前にあるのはツルの壁。
ここまでくるとクマザサや倒木は何もないのと同じと感覚が麻痺してきますが、ツルはどうしようもありません。
せめてポケットボーイでも持ってくるべきでした。地図を見ると山頂までは登り80m。その先は整備された夏道があるのは確かです。
覚悟を決めてツルをくぐります。
430m地点。尾根に出ました。先程の道はすでになく、4月なので見通しはよい状態でどこからでも山頂に向かえそうです。もちろんどこから行っても藪ですが。
コンパスの方向を頼りに頂上の方向に進みます。これがもし下りだったら遭難状態ですね。
やがて遠くに人の手で書かれた看板が!。助かりました。医王山側の展望台にたどり着いたようです。
プールでよく見かける気がする部材のベンチ。ちょっと違和感がありますが今はとても気の休まる場所です。
見慣れた医王山も過酷な藪こぎ状態から脱出した後でみるとまた格別。風が気持ちいいです。
後ろには綺麗に整備された登山道が。天国はここにあったんですね。
暫く進むといつもの戸室権現に到着。
この日は天気がよく金沢市街の眺めは最高でした。
さて帰りはもちろん南側の夏道です。売店どんぐり側に向います。
戸室の道は独特のぬかるみの急坂ですが今はとても歩きやすく感じます。
やがてどんぐりにたどり着きました。出発地点へは湯谷原からの道を使います。有名な無人魚屋さんまで車道をおりて右へ。
ちょっといい感じに朽ちたレトロカーを眺めながら再び森の中へ入ります。
この道からは今通ってきた戸室山がよく見えます。崩落箇所を見ると山の構造がよくわかります。
オリエンテーリングのポストをよく見かけます。かなり広範囲で面白そうでまだオリエンテーリング地図が存在するなら手に入れてみたいものです。
やがて農業用溜池にでるので右折し戸室新保と清水町を結ぶルートに合流します。
最初に書きましたがこの道は眺めもよく散歩にはとてもオススメです。おとなしく往復するのが吉でしたね。
ということで絶対に行ってはいけない白山登山ガイド、戸室山北側ルートでした。