金沢市内からでも手軽に登山できるちょっとマイナーな山 兜山(8.3km+442m/石川県金沢市)
金沢市内から時間をかけずに気軽に登れる山といえばキゴ山や戸室山、高尾山あたりを思いだしますが、今回はちょっとマイナーだけど市街からアクセスがよい山、兜山を紹介します。
その名の通り兜の形をしているから兜山なのでしょう。城山、鞍掛山、丸山、尖山的な感じで全国よくある山名のトップ10くらいに入ってそうです。
ちなみに兜山は石川県小松市にもあり全く同じ名前なのでこちらは金沢甲山とします。
金沢市山川町の埋蔵文化財センターから虹の橋を渡って左手に山川町に入る道があります。町内を抜けてしばらく走ると左に新内川ダムに降りる道があるのでそちらに。内川まで降りきると新内川ダムの施設の広場があります。
ここが最下部なので今回はここから登り切るルートを紹介しますが、この先も舗装路なので、距離を稼ぎたい場合はそのまま車で橋を渡ってもよいでしょう。(たまに通行止めになっていますので注意)
まず、内川の橋を渡ります。
蛇行する舗装路を登ると、眼前に新内川ダムが見えます。小さなダムですがちゃんとダムカードもあります(内川ダムでもらえます)。
林道カブト山線。なぜかカタカナでカブト。
左手に新内川支線2番鉄塔が見えます。右手には梅林。春先は梅の花が綺麗です。新内川支線は内川ダムの南部から南北に連なる新内川第2線と接続され、上寺津発電所からの上寺津線に合流しさらに新辰巳発電所に向かいます。
右手に小原の森の表示があります。木々には木の名前があります。ちょっとした樹木公園なのでしょうか。
ここを左折します。(まっすぐ行って送電線巡視路から一気に上るルートもあるようですが未確認。)
舗装路はここまでです。車が通行止めにっていない場合はここからスタートでも良いと思います。その場合は上り+300m程度の更にお手軽なコースになります。
ここからは未舗装路です。
車では入れてもクロカン車でないとちょっと厳しそうな感じです。
しばらく進むと高圧線が目の前に現れます。東西に走る南加賀線です。125kvのスペーサーが間近に迫り迫力があります。後で見える加賀変電所に接続され、四十万の南加賀変電所まで伸びています。
路面は緑色の岩盤。山全体がこの地質なのでしょう。帰ると靴に色がついています。
広場になり車が旋回出来るようになっています。車道はここで終わりのようです。道は林の中に伸びています。
292メートル地点。右側から急な登山道が接続されています。地図によれば先程の西側からまわるルートとつながっている模様です。
309メートル地点。ここを左に折れます。真っ直ぐ行くと行き止まりになっていますので見落とさない様に注意してください。
手入れのされた杉林の間からは東側の景色が見えます。朝日の時間帯に登っても綺麗そうです。
広い尾根にでます。道がわかりづらいですが、踏み跡を探して進みます。方向的にあっていれば迷うことはなさそうです。勾配がきつくなります。
東側が開けて医王山の方向が見えます。下方の山の上には加賀変電所が。右手に500kvの巨大な鉄塔が伸びています。
421m地点。金沢市街が開けて見えます。手前は大乗寺、奥には河北潟や港まで展望できます。
勾配は続きます。ストックと登山靴は必須です。
途中に見えた巨大な岩。これも緑色です。
背後には先程の2つの景色がつながり大きなパノラマが広がります。
一部崩れて痩せた箇所があるので注意してください。
459メートル地点からは稜線になります。人とすれ違うのはちょっと怖そうな幅です。
兜山の頂上は諸説あり、国土地理院上では534mが書かれています。少し南側には615.4mの三角点が。参考リンクによるとどちらも藪がありなかなか到達は困難な様で、ここでは地理院登山道のルート沿い521メートルをピークとしました。
林の奥から北西に見えるのが534メートルのピークです。
どちらにしても頂上は展望が悪いので、少し進んで送電線巡視路まで出ましょう。
巡視路まで出ると樹木が減り景色がとても良くなります。(巡視路に出る分岐は後で見失いやすいので気をつけてください。)
遠くには先程からおなじみの新内川第2線がならんでいます。単回線(3本線)が目印です。内川ダム南部の菊水まで繋がっています。
左右に大黒部幹線の大きな鉄塔が。番号は63と64番です。左の63番に進みましょう。左からキゴ山、医王山、富山方向は高清水、高落場山が広がります。晴れた日には鉄塔の向こうに剱岳や立山も顔をのぞかせています。右手はるか向こうに見えるネコ型の鉄塔は中部電力越美幹線の6導体回線でしょうか。
銘板を見ると昭和38年10月とのこと。関西電力管理でこの辺りでは最長の距離の送電経路の高圧線です。
開けて景色もよいので、兜山は頂上よりも、この地点、もしくは63番鉄塔の下であたりで休憩するのがおすすめです。
帰りは勾配で滑りやすいので気をつけて戻りましょう。