クリアトーン入れたらクラシックギターの音質が1.3倍くらい向上した

クラシックギターの弦の端につけるスーパーチップ。その廉価版である現代ギターのクリアトーンのレビューです。

スーパーチップとは

現代ギタークリアトーン

ギターの弦はヘッドのペグという部品で引っ張り、音程を調整します。反対側はギタートップ板に取り付けられたブリッジに固定されます。

アコースティックギターやエレキギターの場合は球がついていたりピンで固定されています。

ところがクラシックギターの弦はなぜかブリッジの穴に通し自身の弦で結びつける構造になっています。

この構造、取り付けるのが面倒なのはもちろんのこと、結び目が弦を押し上げてしまい、ブリッジの上の音を伝えるサドルとの角度が浅くなってしまう欠点があります。

ブリッジの上の音を伝えるサドルとの角度が浅いと当然サドルへの圧力が下がってしまい、それだけブリッジへの音の振動伝達量が少なくなり、実際に音を出すトップ板の振動が減ってしまうというわけです。

その問題を解消するのが「スーパーチップ」という部品。これは弦を結ばずに弦の先に固定部品をつけることで結び目による弦のせりあがりを抑えるというパーツです。

なかなか好評なのですが、1セット4500円以上となかなか高い値段なのが問題。

そこで互換品でよいのがないかなと見つけたのがこの「クリアトーン」。スーパーチップが牛骨製なのに対してこちらはアルミ製。2000円と廉価な上に牛骨製よりも強度が高そうです。

そして発売元はなぜかクラシックギター専門誌である現代ギター社。

現代ギタークリアトーン

クリアトーン

クリアトーンは弦のような薄い四角形のパッケージに入っており開けると小さいアルミパイプが6つ。スーパーチップより安いとはいえ正直ホームセンターで一つ30円とかで売ってそうな雰囲気です。

中央には穴が空いており弦を結びつけられるようになっています。

弦と違い消耗品ではないことと、自分でパイプをカットして穴を開ける手間を考えると一つ333円は妥当かもしれません。

クリアトーンのクラギへの取り付け方と注意点

弦の入れ方に注意

さあクリアトーンをつけてみようと片方にクリアトーンをつけてブリッジ側から弦を入れようとするとまず失敗します。この様に弦がサドルに接触してしまい通らなくなるのです。

正解はネック側からまず弦を通してからその先でクリアトーンを結びつけること。

この結びつけ方も4パターンあります。4パターンというのは弦の先をどちらから出すか。大きく分けてトップ板側に出すか、反対側に出すか。またギターを構えたときに上側に出すか下側に出すか。

トップ側下に出す方法

使い勝手がいいのはトップ側の下。これが弾いた時に服などに引っ掛かからずに使い勝手がよくなります。デメリットはトップ側に弦が向くので結び目からの遊びが長いとギターに接触しやすいこと。ここで短くしすぎると今度はチューニング時に引っ張られるので、ペグを巻いていると抜けてしまう可能性が出てきます。

そういう意味では慣れるまではトップ板と反対側に多めに出すのがオススメです。説明書でもこちらが推奨されています。

クリアトーンでクラシックギターの音は向上するのか

クリアトーンでクラシックギターの音は向上するのか。結論から言えば、「鳴りがかなり良くなる」です。

ギターの音は弦の振動をサドル、ブリッジを通してトップ板を振動させて鳴らされます。そこで弦のサドルからの角度が深くなることで振動の伝わり方が強くなる、すなわち「鳴り」がよくなるというわけです。

これはサドルを下げて弦高を下げてある場合は弦の角度が減っているため特に顕著になります。

また、もともと、トップ板が薄い高級ギターよりも、ややトップ板に厚みがあるギターの方が音質の向上を感じやすいです。

スーパーチップと比べてクリアトーンはどうなのか

スーパーチップとの違いは2点。材質と穴の数です。スーパーチップは牛骨で3穴なのに対してクリアトーンは1穴に横穴。

まず金属製であることでギターとの接触が気になる人はいるでしょう。特にクリアトーン取り付け時に斜めになりトップ板に接触しやすいので注意しましょう。

取り付け後もスーパーチップが「面」で当たるのに対してクリアトーンは「線」での接触となるのでブリッジの下部の凹みがやや気になるところですが、今の所は問題なさそうです。

穴の数ですが実質2穴である為、比較的細い4弦と1弦は抜けやすいので注意しましょう。説明書には2度巻きが推奨されていますが、弦の遊びを多めに取れば1度巻きでも今の所問題なさそうです。

まとめ

ということで、現代ギターのクリアトーンは弦高を下げている方や、やや硬めのトップ板の(高級ではない)ギターに特に効果があります。

スーパーチップと比べて(気をつければ大丈夫ですが)、多少ギターを傷つけるリスクがありますのでそこは値段と覚悟を加味して選びましょう。

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