配達用スーパーカブで日本一周中!(後半西日本編)

前半の積算

走行距離:(積算:7171.9km) 食費:(積算:35581円) フェリー:(積算:25280円) 燃料:(積算:21150円/115.57l) 宿泊:(積算:13326円) メンテ:(積算:13032円) 観光:(積算:5400円) 入浴:(積算:2400円) 洗濯:(積算:1900円) 用品:(積算:14228円) 通行料:(積算:30円) その他:11740円(積算:20440円) 総合積算:152767円

10月11日(25日目)

朝の通勤ラッシュの中を走っていました。

場所は名古屋の手前、東海市の国道です。今日は名古屋沿いに伊勢湾をぐるっとまわって三重県に入ります。

東海市には有名な巨大大仏があります。聚楽園大仏と名付けられたその仏像は聚楽園公園の敷地内にあり、無料で拝観できます。なんでも実業家の方が作られた私設の像なのだそうです。

コンクリートとは思えない質感のその仏像は僕に「なんでそんなことしてるんだ」という顔で語りかけます。なんででしょう。

正直、この日本一周は本当の日本一周で海岸線をトレースするだけ。内陸部の観光地にも立ち寄らず、ただただ左が海、右が陸の同じ様な景色が続くのみ。正直楽しいかというと、あまり楽しくは無かったりします。じゃあなぜ日本一周するのか?しなければいけないのか?自分でもよくわかりません。

ちなみにこの仏像、もともとは後ろから胎内巡りができたのですが、仏の尻から入るなどけしからん、と誰かが言ったみたいで、その部分は閉鎖されていました。

仏像に語りかけられ自問自答しながらも先に進みます。先に行きたいわけではなく、そこに海岸線が続いてるから行くのです。

名古屋市内の沿岸の国道は125cc以下NGなので、ひとつ内側の道を進みます。渋滞を予想していたのですが、意外とあっさりと名古屋を抜けてしまい、無事三重県に入る事ができました。

先ほどから火力発電所がらちらほら見えます。知多第一、知多第二、西名古屋と火力発電所の銀座です。川越にも川越火力があり、展示館があったので立ち寄ってみました。子供向けの部分が多かったですが、上層階の展示パネルは大人向けでLNG火力の仕組みや種類が学べました。最上階の展望フロアからは鈴鹿山脈が一望でき、大きなLNGタンクのその先には今通って来た伊勢湾沿いの発電所や長島スパーランドが見えました。

これから日本最大の半島、知多半島をアタックするのに、今日やらなければいけないのはチェーン交換です。チェーンは準備してあるので後は交換するだけなのですが、万が一失敗した時のことを考えて、四日市にあるイエローハット系のバイク用品店である2りんかん横で作業をすることにしました。ここなら何があってもお店に駆け込めます。

手慣れてしまいましたが、手早くチェーンカバーを開け、シャフトとチェーン引きボルトを緩めます。あとはギアをニュートラルにいれ、クリップを外すだけです、、が、クリップがない。まさかのカシメチェーンです。これは困りました。流石にクリップだろうとチェーンカッターは持ってきていません。2りんかんに聞いたら、カットだけというのはやっていないとのこと。近くのホンダウィングに行ったら「グラインダーで切るか?」という謎対応をされた上に別のことで忙しそう、近くの自転車屋を紹介されるも定休日、スズキの店に行くと「うちはセットでしかやってないよ、セットの場合は2万以上するよ」とすごい価格。

諦めかけて最後に行ったのが、ホンダショップヒナガさんというところ。快く受けてくれて手際良く30秒ほどでチェーンのピンを抜いてくれた上に、場所も貸してもらえ、交換の仕方のアドバイスも貰えました。プラグ交換1000円だったのでそちらはお願いしました。そしたらなんと、ピン抜きの分はサービスしてもらえました。とても良心的なバイクショップで本当に助かりました。

プラグを交換したからか、なんだかエンジンが軽快になった気がします。そういえばそろそろオイルも換えなければいけないなと、ついでにDCMで買っておきました。

やがて三重の県庁所在地、津市へ。時間はお昼ですが、いつも混雑を避けて15時ごろ食べる様にしているのでここはスルー、松坂を抜けて伊勢市までつきました。

伊勢神宮は外宮と内宮があります。まずは外宮へ。そのまま入ろうとすると警備員さんにメットとってねと言われました。なかなか厳しいですね。本宮へは歩いて5分くらいでした。

その後立ち寄ったのがソウルフードとされている唐揚げ丼のお店、まんぷく食堂。渋い店内ですが、評判の良いお店です。伊勢うどんも唐揚げ丼のセットを頼みました。

ご主人は気さくな方で、僕が日本一周していると言うと、いろいろお話して頂けました。そしてなんと「ガソリン代にでもしてね」と、定食代を無料にして貰えました!とても嬉しかったです。

「でも、そんなことどうしてしてるの?」

朝の大仏の問いがご主人からも来ました。実はそんなに楽しいわけではないんですよーと冗談っぽく言って二人で笑っていました。

「俺は今までお金だけを目標にして来たんだよね。でもこれからは考え方を変えて、お金を稼ぐだけじゃなくて幅広く目標を持ちたいと思ってるんだ」

とご主人の言葉。「その後になって、こうやって日本一周してた人と会ったことがなんか意味があったんだなって思う時も来ると思うんだよ」

心に響きました。確かにそうです。今は別に楽しくもなく無意味かもしれませんが、それを達成して、その後何年もしてから、この経験に意味を感じることが出来る、そう信じたいです。

ご主人に別れを告げてお店を出た後は伊勢神宮の内宮です。平日で人が少なかったので、正宮の誰もいない写真を撮ろうと待っていたら前に同じ様な人が。一緒に並んで人がいなくなったら同時に写真。目を合わせてニヤリ。こんなコミュニケーションも面白いものです。

さあ夕暮れになってきました。今日は晴れなので野宿しようと思います。海沿いに良さそうな場所を見つけたのですが、水の入手できる公園がなくて苦労しました。とりあえず歯と顔を洗う分は確保できたので、シャワーは明日にお預けですね。

澄んだ鳥羽の空の星が綺麗でした。

走行距離:170.4kn(積算:7342.3km) 食費:393円(積算:35974円) 燃料:866円/5.02l(積算:22016円/120.59l) メンテ:2097円(積算:15129円) 小計:3356円 積算:156123円

10月12日(26日目)

寒い!

こんなに寒いのは利尻島以来です。ちゃんと起きて寝袋を2重にすれば良いものを、眠さが勝ってしまいそのまま寝てる様な起きてる様な状態で起き上がれません。

そんなことを続けていると時刻は午前4時半。出発の時間です。外に出てみると夜露でアウターはベチャベチャ。インナーと接触している部分は中まで濡れています。雨でも降ったのではと言うくらいの水量です。

とりあえず、今は何もできないので、濡れたままテントを畳みます。バイクもかなり濡れている様です。準備完了は5時。早く作業出来ました。あとでどこかで乾かさねば。

伊勢から鳥羽の方に闇夜を走ります。鳥羽市に入ると道路沿いにヤシの木が並び南国ムードになります。鳥羽水族館の前を抜け、リアス式海岸の絶景ルート、パールロードに入ります。

鳥羽から志摩の辺りの東側の海岸はこの前の三陸の様に海水が侵食したリアスになっていて、独特の景色を楽しむことが出来ます。パールロードは高台に敷設されており、上から俯瞰して眺める形となります。バイクにちょうどいいワインディングが心地よいです。

展望台もいくつかあり、駐車をしてゆっくりと見ることが出来ました。展望台の名前は面白展望台。何が面白なのかよくわかりませんでしたがとりあえず綺麗でした。

志摩市に入り、右手に見えるのが遊園地の志摩スペイン村。そろそろ朝食にしようとイートインと書いてあるファミリーマートに入ります。パンとコーヒーを買ってから気づいたのですが、このイートイン封鎖されており使えません。仕方ないので駐車場で座って食べます。天気が良く暖まった風が心地よいです。

鳥羽や志摩のリアスは国道をそのままいけばすぐに通過できるのですが、出来るだけ海岸トレースしようとするとなかなか大変です。なるべく海岸に寄ろうとしたのですが、知らないうちに廃線跡の自転車道に迷い込んでしまっていました。仕方ないのでそのまま通過しましたが迷路の様な道で難しかったです。あまり使われてなさそうな自転車道に生えたコケが鮮やかに光っていたのが印象的でした。

大王崎は志摩半島の南東に位置する岬です。これも国道からは少し外れたところにあるのですが挑戦してみました。岬の手前の道は幅1.5メートルくらいの坂道。両脇にはそんな道幅でどうやって建築したのか不思議な商店や家が並びます。まるでモロッコの都市の様でした。

大王崎灯台は熊野灘と遠州灘を分ける灯台です。日本の灯台50選にも選ばれており風格はなかなかのものです。苦労してたどり着いた甲斐がありました。Uターンも大変でしたがなんとか国道に戻れました。

志摩市を走る国道260号は南側の英虞湾を形成する御座岬で終点となります。折り返しになるのでどうしようか悩んだのですが、せっかくなので行ってみることにしました。

先端は海水浴場になっており、御座白浜の名の通り真っ白な海岸とマリンブルーの海が美しい場所でした。夏なら泳ぎたいくらいですね。

御座灯台はその先から登山道に入り10分くらい。まあまあの登りでしたがなんとかたどり着けました。残念ながら英虞湾の対岸の浜島は見えません。湾沿いに行ってみることにしました。

英虞湾の中ほどには賢島という島があります。海岸沿いに走っていたら迷い込んでしまったのですが、島とは思えないくらい街として発展しているのに驚きました。

そのまま湾を周回すると浜島。先ほどの御座岬が見えました。次の湾は五カ所湾。これも中の半島の先端まで道は繋がっています。ここで気づいたのですが、この調子で志摩半島の湾を全て見ると時間がいくらあっても足りないのです。それだけリアスが入り組んでいるのですね。ここからは小さい岬は省略して行くことにします。

時刻は午前10時。かれこれ5時間も志摩半島にいることになります。紀伊半島をまわる予定が、北東の小さな志摩半島を移動しただけで、紀伊半島全体から見たらほとんど進んでいません。

日が強くなってきたので空き地を見つけて濡れたテントを干すことにしました。グランドシートも広げてまるでお祭りの屋台の様に草の上にキャンプ道具が並べられます。フライシートは防水テープが剥がれていたので切ってしまい、シームシールで縫い目を埋めておきました。4000キロ強走っているのでついでにオイル交換。なんだかんた1時間ほどここでも使ってしまいました。今日中に紀伊半島の南端に行ける気がしません笑

もう1カ所、寄り道をしてしまいました。尾鷲市の国道311号です。東側に飛び出た半島をなめる道です。ところどころ熊野古道の入り口がみられました。なかなかハードな道でしたが尾鷲市のリアスが高台から見えました。この地形もここで最後です。再び国道42号に戻ると視界が開け、長い砂浜が目に入ります。七里御浜です。

その前に鬼ヶ城という奇石を見学しました。世界遺産に登録されている場所で奇石の中を歩けるスリリングな体験ができました。

ここからは道も直線になり、移動距離もぐんぐん伸びます。時刻は15時。これなら本州最南端間に合いそうです。やや飛ばし気味に、その街、串本町に着いたのは16時過ぎ。南下が終わり西への道になると、海上に洗濯板のような岩がたくさんせり出しており、波飛沫が夕日に照らされて幻想的な景色を作っていました。

道の駅により、最南端証明書を100円で購入します。この道の駅、横にこれまた見たことない橋杭岩という直列に並んだ奇石があり、その名を冠しています。これだけ日本をまわってきましたが、場所が変われば奇石の形も変わるものです。

日が暮れそうなので最南端の潮崎に向かいます。島に見えますが本州と広く接続されており、橋などはありませんでした。最南端の碑と灯台は分かれた場所にあります。潮崎灯台は明治初期の江戸条約で作られた8灯台の1つで重要な文化的意味あいのある灯台です。

最南端の碑は公園の奥に見つけました。今までの青森県大間崎、岩手県魹ヶ崎の証明書と3つくっつけて、その場にいた地元の方に写真を撮ってもらいました。本州については後は山口県の最西端を残すのみです!

時刻は17時。そろそろ寝る場所を探さないといけません。この場所の東側には大島という島があり、巨大なランプと橋で接続されています。とりあえず日が暮れる前に行ってみました。

先端にはトルコ記念館と樫野崎灯台があり、もう終了していましたが、見ることは出来ました。ランプの横の駐車場の裏ならテントを張れそうだったので、一旦本州へ戻り、スーパーで夕飯の買い物。自家製とあったので秋刀魚寿司と唐揚げを買ってきました。

さあテントを張ろうとするとガサガサと物音が。視線を向けると、この場所の主がいました。タヌキです。僕が近づいても全く逃げません。気にせずにテントを張って中に入ると外からテントをかじっています!慌てて追いやったのですが、フライシートの一部が破れてしまいました。どうせ使い古しのテントなのでいいのですが、これがもし買ったばかりの高級テントだったりしたらかなりショックだったでしょう。ボロはボロくなってもそんなに変わらないと言うメリットがあるのです。

設置するときから匂いに気がついていましたがらトイレの中はカメムシだらけで大変なことになっていました。あらかじめ水だけ用意しておいてセーフでした。水はたっぷりあるので、昨日の分水シャワーをしてさっぱりしました。南端だけあって全裸でもそれほど寒くありませんでした。

テントの中で食事を済ませ、タヌキが来たら嫌なのでゴミは高い木の上にくくっておいて明日回収することにしました。とりあえず明かりをつけたら来なくなりましたが、夜中襲われないかちょっと心配しながら床にはいりました。

走行距離:375.4kn(積算:7717.7km) 食費:1382円(積算:37356円) 燃料:921円/5.12l(積算:22937円/125.71l) メンテ:100円(積算:15229円) 観光:100円(積算:5500円) 小計:2503円 積算:158626円

10月13日(27日目)

ガサガサ

頭の上に何かいます。テント越しに生き物の感触が伝わります。昨日のタヌキでしょう。夜、明かりをつけていなくなったと思ったら朝になってまたテントに寄ってきている様です。

時刻は午前4時10分。そろそろ起きてもいい時間です。昨日は念の為寝袋を二枚重ねにしたらホカホカと暖かく寝れました。やはり手間を惜しんではダメですね。

さて、歯磨きしようと水タンクの所に行くと、、なにか様子が違います。ポタポタと水が漏れてるではありませんか!よく見ると穴が二つ開いています。そう、タヌキに噛まれたのです。水タンクは一度風で落ちてパンクしてアマゾンで買い直したばかりなのでショックです。こんなことならバイクの上に平置きするべきでした。

もやもやしながらテントを畳んで少し離れたバイクの所に持って行って縛りつけます。今日は夜露はなく乾いているのでそのままゴミ箱カバーにいれておきました。テントをつけ終わって次はグランドシートをと、寝ていた場所に戻ると、、シートがありません。あれ?片付けた覚えはないのに。

視線の先に二匹のタヌキがいました。グランドシートを咥えています。大きすぎて持っていこうとしたのにうまくいかなかった様子。

ぞっとしました。食べ物でもないのにグランドシートを盗もうとするとは。すぐ横には命綱の携帯とクレジットカード、財布を入れた貴重品入れが転がっています。もしもタヌキがグランドシートではなくこちらを持ってどこかにいっていたら、、、この旅はそれで詰んでしまいます!人がいないところでも最重要のものは必ず身につけておくこと。肝に銘じました。

いつもよりトラブルが多く、出発は午前5時になりました。まだ日は明けていません。闇の中を紀伊半島南端から北に向かいます。

やや明るくなってきた頃、湾の向こうに半島がみえました。南紀白浜です。バイパスもできるのですが寄ってみることにしました。右手には遊園地が見えます。アドベンチャーワールドです。

その先に奇石である三段壁があります。50メートルの高さで足がすくむ迫力の断崖絶壁です。写真を撮った後、トイレがあったので、水バックを補修してみました。ちょうどエアマットにパンク用のシールが付いていたので、シール材を塗ってからパッチしてみました。水を入れてみたらとりあえず漏れは治ったようです。旅の終わりまでもってほしいところです。

その先にもう一つ奇石があります。千畳敷です。広い岩に乗ることができます。ここ、脆い岩肌なので落書きスポットでも有名です。名勝なのにトイレの様に落書きされておりギャップを楽しめました。

白浜を抜け、みなべ市に入ります。紀州梅で有名な街で、大きな梅干しのモニュメントや、きをてらった置物がある梅干し屋さんが並んでいました。

御坊市では関電の火力発電所が設置されていました。石油駆動なので原油高の影響を受けていることでしょう。

今日は朝食を食べるタイミングがなかったので、和歌山市で和歌山ラーメンを食べることにしていました。11時から開く有名店をみつけて到着すると、もうすでにいっぱいで列が出来ていました。せっかくなので並ぶと僕の後ろにも長蛇の列が。30分待ちましたが早めに入れた方なのでラッキーでした。ご飯大盛り無料だったのでこれで満腹。今日のカロリーはこれで十分そうです。

いつもはお昼を15時くらいにずらして走っているのですが、今日は12時に食べたからか、ちょっと眠気が出てきていました。天気もよく、今日は早めにどこかで休んでもいいなと思いながら走ります。

和歌山市の西側の半島に由良要塞という砲台の跡があるそうなので寄ってみました。レンガ造の構造物はまるでゲームのダンジョンでした。展望台からはこれから行く淡路島が間近に見えました。

さて、ここからのプランが難しいところです。この先は大阪市、神戸市と大都市圏。渋滞を回避するには、ここで一旦野営して早朝に通るのが1番です。しかし明日の予報は午後から雨。なのでその場合は、神戸を抜けたあたりで快活に入って次の日まで雨をやり過ごしてから、淡路島に入る形になります。なので淡路島入りは明後日。

対して、このまま大阪市に突っ込んだ場合は確実に日が暮れ、その先で快活に入るか、そのまま淡路島まで渡るか。

悩んだ末、今日、淡路島を狙ってみることにしました。今日は雨が降る予報はないのと、淡路島なら神戸市側よりもはるかに野宿スポットを探すのが容易だろうからです。明日は午前中に淡路島をまわり、本州に戻って雨を回避します。

大阪市に近づくにつれて案の定、渋滞が始まりました。抜けて市内に入ったのが16時。このから西へ国道を進むのですが、ここからは車線が広くなり、意外とスムーズに神戸に進めました。途中で地元のライダーに声をかけられ、頑張ってと言ってもらえました。信号待ちの少しの間ですがコミュニケーションを楽しめました。

神戸市を抜け明石についたのが17時半。もう夕暮れです。ギリギリで夕焼けの明石海峡大橋の写真をとれました。よかったです。原付はこの橋を渡れないので、この先のフェリー、ジェノバラインを使うことになります。

ジェノバラインは無人化されており、電車の様に自動販売機で買って時刻に並ぶシステム。今までのフェリーよりはるかに簡単にのれます。バイクも専用スタンドが設置されておりワンタッチで固定。感心しました。

船に乗る頃には辺りは真っ暗。明石の街明かりと明石海峡大橋のライトアップが綺麗でした。夜乗るのは初めてなので、遅くなったのは、これはこれでよかったなと感じました。船は車のライトがたくさん往来する橋の下を潜ります。

15分ほどで到着。淡路島です。適当に走ると野営出来そうな場所を見つけることが出来ました。今日はここで休んで、明日雨が降る前に淡路島を周りきります。

走行距離:316.6kn(積算:8034.3km) 食費:1190円(積算:38546円) 燃料:987円/6.39l(積算:23924円/132.1l) フェリー:1150円(積算:26430円) 小計:3327円 積算:161953円

10月14日(28日目)

4時10分

昨晩は海水浴場で寝たのですが、意外と人が来ていた様です。耳栓があったので寝るには支障ありませんでした。

淡路島は一周約150km。本日は午後から雨なので手早くまわって本州の快活に避難したいところです。暗闇の中を時計回りに南に進みます。暗い中、野菜の無人販売所がとても明るい電灯で輝いていました。

淡路島の東側は直線状で夜明けを待たずして南東部まで辿り着いてしまいました。大きなクレーンが何個も見えます。造船所があるようです。

その先にある生石山に道をそれると、昨日の和歌山市の様な砲台跡を見ることができました。それぞれ対になっていて、この海峡を守っていた様です。塹壕の跡もあり、ここが軍事的な要所であったことを物語ります。対岸の和歌山の街明かりがまだ暗い海の上に光っていました。

ここまでで約50km。淡路島は扇型に南に広がっており、南側には来ましたが距離的にはまだ1/3です。

南を走る道は、まだ雨が降っていないのに濡れていました。波がテトラポットを超えて道にかかっているのです。ここだけは湾になっていないので、波も高くなるのでしょう。避ける様に西側に向かいました。

南あわじ市からは北に進路が変わります。途中、地図を確認していたら現地の方に声をかけてもらえました。四国に行きたいけど、鳴門海峡は原付は渡れないことに驚いていらっしゃいました。

さて、さらに進むと、その鳴門海峡にかかる、大鳴門大橋が見える場所に着きました。四国は目鼻の先ですが、原付には遥か遠い場所です。

そのままぐるっと淡路島西端を通ります。ここ通行止め部分があり、ダメ元で行ってみると、道が全面崩落していたので諦めて迂回しました。

淡路バーガーというハンバーガーが有名とのことで、朝でもやっているお店を探したら、北部にあるコンテナハウスのレストラン群の中にありました。1600円もしましたが、まあ観光地価格ですね。

やがて昨日見た明石海峡大橋が見え、約150kmの淡路島一周は完了です。自転車の定番コースですが、アップダウンもあり、なかなか大変そうだなと思いました。

ジェノバラインに着くと土日ダイヤで本数も少なく1時間以上の待ちでした。一昨日からずっと急いでいた様な気がするので、ひと時の休息になりました。

休憩もあっという間。再び明石に降り立ちました。さてここからが迷いどころです。天気予報は午前11時から雨の予報が15時からに変化しています。今は昼ちょっと前。走行時間3時間ほど稼げそうです。予定を変更して岡山に進むことにしました。

海沿いの道は連続した湾になっていて室津は造船所、相生は牡蠣イカダとそれぞれ特色があります。そんな景色を眺めてると、やがて岡山県の看板を通過しました。

岡山県は改めてみると南部に半島がありその先で瀬戸大橋に接続される形になっています。国道は山手の方を走っているので、海側に出るために岡山ブルーラインに入ります。まるで高速道路の様な道でペースを上げて西に進めました。

途中、一本松展望園というところがあり、牡蠣イカダが並ぶ湾の景色がみれました。峠を降りると田んぼの風景。刈り取り間際の稲穂が黄色い絨毯の様。その中の高台をブルーラインは通り抜けて行きます。吉井川を過ぎると景色は一変して田園から街並みへ。岡山市です。

天気予報をみると今夜雨だったのが曇りに変化していました。これなら快活へ行かなくてもテントを張れそうです。岡山市の南方の児島半島をまわることにしました。

スーパーで夕飯に岡山名物と書いてあったちらし寿司とカップ麺を購入。水も調達した準備万端です。山道に少し入ったところに野宿できそうな場所があったので手早くテントを設営しました。時刻は17時。今日は時間に余裕があるので水シャワーを浴びてのんびり夕飯にしましょう。

と、その時、ポタポタという音が。

雨は降らないことになっていたのでは?調べようにもこの場所は携帯の電波が入りません。スマホを持って徒歩で少し戻るとようやく電波が拾えました。レーダーには濃い雨雲が。予報は一変して雨になっています!せっかくテントを準備したのにこのタイミングで雨に変わるとは、、。

日が暗くなる中、頭を回転させます。このままここで耐えるか、すぐに撤収して快活に向かうか、です。この程度の小雨であればフライシートは持ちそうです。ただ、万が一、夜半に大雨になると浸水は免れません。しばらく考えた末、安全をとって一旦片付けることにしました。片付ける間にも雨足は強くなって来ます。インナーテントもすでに濡れてしまいましたが仕方ありません。たたみ終わったら、今度は自分にカッパを着せて出発です。

倉敷市には入っているので快活は遠くはないはずです。雨の中バイクを進ませました。と、左手に公園が。東屋が見えたような気がします。入ってみるとカブが一台、東屋に停まっていました。先客?と思うもテントはありません。ロッドホルダーがあるので釣りみたいです。お邪魔ですが空いたスペースを使わせてもらう事にしました。

お湯を沸かしながら、さっと頭だけを水シャワーで洗います。道路から近いので全裸は自粛しました。さて、カップ麺も出来たのでテントの中で食べようとすると、外から音楽と話し声が。「うわっ野宿してるぞ、すいませーん」若い声で叫んでいます。親父狩りにあうと嫌なので先手必勝で隠れずに、こちらから出て行きます。

出て行くと13歳の五人組。日本一周していると言ったら興味津々で話をしてくれました。この公園はよく夜中に遊びにくるそうで自分達も早く免許をとりたいとのこと。差し入れにお菓子を貰いました。びっくりしましたが歓談を楽しめました。念のため離れたところにいた釣りの方にもお邪魔していますと挨拶。クロダイを狙っていたようで、この公園も埋め立てで昔と比べて潮の流れが変わり魚が釣れなくなったとお話をして頂けました。なんでもこうやってコミュニケーションを取っておけば安心なものです。

今日はゆっくりするつもりが、天気予報のフェイントで、またバタバタしてしまいました。すっかり伸び切ったカップ麺を食べながら、この通報レベルA級の野宿スポットで夜を明かす準備に入りました。

走行距離:336.4km(積算:8370.7km) 食費:2266円(積算:40812円) 燃料:801円/4.64l(積算:24725円/136.47l) フェリー:1150円(積算:27580円) 小計:4217円 積算:166170円

10月15日(29日目)

パチ

朝かと思ったら公園の街灯の灯りをテントの天幕を光らせていたようです。今が何時かもわかりません。携帯の時刻をみると午前3時半過ぎ。市街地の公園なので早く立ち去りたいのですが、疲れからかなかなか起きれません。準備を始めたのは午前4時過ぎ。

テントを畳んでいるとお爺さんが散歩にきて東屋のベンチに座りました。おはようございますと挨拶を交わすと特に怪しんでも無い様子。耳が遠い様で特にそれ以上は話は続きませんでしたが安心して支度できました。

真っ暗な倉敷市の郊外を進むと鷲羽山展望台の看板が。昨日の少年たちがおすすめと言っていた場所です。行ってみるとイルミがかかった瀬戸大橋が一望できました。

鷲羽山スカイラインからは右手に倉敷市の街並み、右手には水島工業地帯の工場群を見ることが出来ました。朝もやに工場から立ち上る煙が印象的でした。中国電力の水島LNG火力とその奥に玉島発電所が見えました。

倉敷市は江戸末期に幕府直轄となっていた街で和洋が織り混ざった街並みで有名です。市街地まで10キロ余りありましたが、行ってみることにしました。

倉敷市景観地区が観光のメインになる場所です。幸い朝の7時まではバイク乗り入れOKで到着が10分前だったので乗ったままスムーズに観光できました。白い漆喰の街並みが朝日に映えていました。周りに駅や、紡績工場跡をホテルに改装したアイビースクエアなど見どころがたくさんあり、朝なので人も少なくまわることができました。

一通り見たので、また海沿いの道に入ります。またマックに入ろうと思ったのですが、ふと、今回すき家を利用していないなと思って向学の為に入ってみました。朝の定食が大盛りで320円とコスパよく満腹になれました。今まで日本を半分まわりましたがすき家の無い地域は見たことないくらいなのでまた利用しようと思います。

再び瀬戸内海にでます。色々海を見て来ましたが、この昔話のような穏やかな海と島々は他にない景色です。玉島黒崎からは左手に朝の逆光に照らされた水島工業地帯のシルエットが見えました。そのまま笹岡市に入り、南方の神島をまわります。高島と白石島が間近にみえのどかな景色を楽しめました。

やがて県境。広島県です。福山市に入ると大きな鉄塔群が目につきました。2系統6本しか架線していないのにとてもノッポです。その横の港を横断する為に高くされている様です。港には巨大なJFEの施設がありました。

しまなみ海道に入る前に水シャワー続きでいい加減、風呂に浸かりたいと思い、調べたら福山市の南方にホテル欧風亭という旅館があり立ち寄り湯もやっている様なので寄ってみました。入る前にチェーンを確認すると初期伸びも終わって正常範囲でしたのでそのままルブをつけてカバーを閉じました。作業しているとホテルの従業員の方に声をかけられ、日帰りは11時からなのであと30分かかると言われました。ロビーの眺めも良さそうなので迷いましたが待つことにしました。日本一周すごいですねと言ってもらえました。ちなみに入浴料は1400円でしたが、JAF会員で1000円になりました。かなりの割引率です。

30分はロビーの外のテラスで景色を眺めていたりこのブログを書いていたらすぐに過ぎました。3階の展望風呂に入ります。露天風呂は素晴らしい絶景でした。ぬるめのお湯に浸かり、身体を洗うと芯からサッパリした気分になりました。やはり水シャワーだけではなくたまにゆっくりとした入浴も必要ですね。ついでにグローブも汚れていたので洗濯させてもらいました。そうしている時に外は雨。丁度入るのが遅れて雨を免れた形になりました。ラッキーでした。帰りぎわ、さっきの従業員さんに感謝を言おうとしたのですが、接客で忙しそうだったなので、ありがとうございますとだけ声をかけるとにっこり笑って見送ってくれました。こんな些細なコミュニケーションでも気持ちがいいものです。

福山市の南方、鞆町はとても細い道の風情のある街並みでした。自動車がすれ違うのも大変なくらいの狭い道。観光客の車の渋滞を横目に早々と通過しました。原付はこういう時、本当に楽です。

福山市の南部には田島と呼ばれる島があり、橋で繋がっています。せっかくなのでまわってみることにしました。田島は東側に矢ノ島、西側に横島と3つの島か連なっています。のんびりとまわるとたくさんの釣り人が釣りを楽しんでいる光景がよくみられました。一応、3島はぐるっと外周を周れるのですが、田島の北西部だけは断崖絶壁の狭い酷道でスリリングな思いをしました。一台、大きな高級車がすれ違いましたが、あの先、前から車が来たらどうしたのでしょう。横島の西岸は赤茶げた岩場で観光地っぽくなっていました。

田島をまわり切る頃に雨がぱらついてきました。尾道の方は明るかったのでそのままカッパを着ずにつっき切りました。予想通り晴れ。濡れた服はすぐに乾きました。

さあ、とうとうしまなみ海道の尾道大橋が見えて来ました。原付OKとのことですが、本当に渡れるのでしょうか?

緑看板は高速用なので125ccはダメと書いてありす。そして原付、自転車はこちらと遠回りのルートが。案内にしたがっていくと自転車道に入るように指示。原付なのに自転車道に入るのは新鮮でした。そのまま因島大橋の下部を通る自転車路へ。なるほど、ここでは原付は自転車扱いで、島では下道、島と島の間の橋はこの様な専用道を通るわけですね。料金所は最後にあり、賽銭箱の様な箱に50円をいれるシステムでした。たまたま50円玉があったから良かったですが、もう在庫がありません。

因島、生口島にはコンビニやドラッグストアがあり、そこでパンを50円ができる様に買って小銭を作りながらの走行となりました。3番目の巨大な多々良大橋は100円、その次の大三島橋は50円、伯方大島大橋50円、そして最後の来島海峡大橋が200でした。結局必要なのは50円が4枚、100円が3枚となります。わからないので無駄に両替してしまいましたが、帰りに使えるのでよしとします。

サイクリストの聖地と呼ばれるだけあって本当にたくさんの自転車の方が走っていました。外国人の方も多かったです。夕方の来島海峡付近なのに前から自転車でやってくる姿をみて夜にならないか大丈夫なんだろうかと勝手に心配していました。

最後の来島海峡大橋は本当に長く、瀬戸内海の空を飛んでいるような気分になれました。眼下は潮の流れで海にたくさんの紋様が浮かんでいます。先には今治の街並みが見えて来ました。とうとう四国です!

しまなみ海道は特にゴールサインもなくおとなしく終わりました。時刻は午前5時。こちらにわたれば寝るところを探すのは簡単です。とりあえず道の駅で歯磨きと水汲みして郊外へ。海水浴場の横に東屋が3つもあったのでそこを利用することにしました。奥の小屋は電波が届かなかったので手前に。水道もあり、水飲みもできました。オーシャンビューでとても快適です。

岡山県広島からですが、こちらは東屋がたくさんあり、閉鎖もされていないので野宿旅にとっては過ごしやすい地域ですね。四国はヘンロ小屋というお遍路向けの宿泊スポットもあるそうです。ぜひ利用してみたいですね。

久しぶりの早めのテント設営で、のんびり海岸を散歩してこの日は過ごせました。

走行距離:262.1km(積算:8632.8km) 食費:715円(積算:41517円) 燃料:810円/4.58l(積算:25535円/141.05l) 入浴:1000円(積算:3400円) 通行料:500円(積算:530円) 小計:3025円 積算:169195円

10月16日(30日目)

小さいころ布団の中でよく、家を飛ばしていました。家は好きなところに行って、好きなところで寝ることが出来るのです。そんな空想をしていたら気がついたら眠りについていたものです。

パチ

目が覚めました。寝袋を2重にしていますが少し寒いです。海風で熱を奪われたのでしょうか。

今日の寝床は瀬戸内海のオーシャンビューで眺めは最高です。人も全く気配がなく、とても良い場所でした。

さあ、ここはもう四国です。北海道や淡路島を経験していますが、やはり本州から離れると遠いところに来たなという気分になります。

時刻は4時半。準備をしたら5時です。だんだん日が上るのが遅くなってきて暗闇の走行時間が増えていきます。それでも朝の暗闇は夜と違って明るくなるとわかっているので気分が楽です。

いつものルールにしたがって愛媛県東部から時計回りに香川県に向かうことにします。途中、まだ夜明け前なのに人だかり。お祭りが開かれていて夜通し神輿が動いている様です。この地方は今日が祭り日の箇所が多いようで、2度、神輿に遭遇しました。

香川県に着く頃には日も明けていました。南側が山なので丁度、僕の地元の金沢と同じ朝の雰囲気で懐かしく感じます。

朝は、讃岐うどんをたべようと、ここまで朝食は取らずにきました。香川県はコンビニよりうどん店の方が多いのではというくらいたくさんお店があります。朝からやっているお店もあるので、そのうちの一軒に入ってみました。

讃岐うどんは大抵セルフ式で、注文すると麺だけを出されます。それを自分でザルにいれて温めて、かけ汁をかけ、好きな天ぷらを乗せて会計です。初めてなので聞いたら丁寧に教えてもらえました。大手チェーンよりもさらに麺は太くコシも強いうどんでした。地元の人もたくさん出入りして、手早い朝食の場になっていました。

観音寺市に入ったら行ってみたかった銭形砂絵に行ってみました。なんでも江戸時代に家光の遣いを歓迎する為に村人が一夜で作ったんだとか。ガイドテープがありボタンを押すと朝から大きな音で説明を読んでもらえました。

香川県は沿岸にいくつか半島があります。まずは荘内半島。初の国産ジーンズメーカーであるビッグジョンとボブソンの創始者である尾崎兄弟の出身地なのだそうです。半島の先からは塩飽諸島、その奥に一昨日泊まった倉敷市の水島工業地帯がみえました。

宇多津町に入ると、一際目立つ金色のタワーが。バブル期に作られたゴールドタワーです。ちょうど朝日が反射していい写真がとれました。宇多津町は瀬戸大橋の接続点でもあります。2日前に対岸にいたので戻って来た気分。

瀬戸大橋の東には瀬居半島があります。往復路ですがよってみました。工業地帯になっており川崎重工の巨大クレーンや三菱ケミカルの大きなサイロがみれました。

高松市は県庁所在地なだけあって他と同じくビル群がならんでいる場所です。ここに日本でもたぶん唯一の「どこにもかかっていない」橋、八雲橋があります。あまりに目立たなさすぎて通り過ぎてしまいました。百十四銀行ビルがあったのでついでに写真をとっておきました。これは明治政府の国営銀行が元で、当時は設立順に番号が振られていたのが名前の由来です。現存している番号のみの銀行は4行のみ。

高松市北には屋島、庵治半島、大串半島と3つの半島が突出しています。これもまわってみました。やはり街中よりもこういった半島のワインディングのほうが走っていて気持ちがいいものです。小豆島が目鼻の先にみえました。

やがて県は徳島県へ。鳴門大橋に向かってみました。鳴門スカイラインは空を飛んでいるような絶景。その先に公園があり、駐車場はバイク200円でした。少し上ると大鳴門橋とその先の淡路島がはっきり見える展望台。この前向こうに立っていたのを思い出します。原付はこの橋を渡れないので、ここまで来るのに3日間もかけてしまいました笑

時刻は15時。夕飯は徳島ラーメンを食べたいと思っていましたがら徳島までは15キロくらいあります。実は鳴門大橋のお土産屋でも徳島ラーメンはあるのですが、どうせなら有名店に行きたいと思い、ちょっとくらくなるのは覚悟で徳島市に向かって見ました。

有名チェーン店の東大は玉子入れ放題のライスお代わり自由のお店。肉増しとライスを頼み、お腹いっぱいに食べました。玉子3つとライスおかわりして最後はおじやで締めです。大満足でした。

念のためガソリンを入れ、夜に備えます。失敗したのは、野営できると思っていた小松島半島が、自衛隊基地がある密集地でハズレだったことです。道の駅で水だけ補充して地図をみるとこの先の福井ダムの横にヘンロ小屋がありました。距離は二十キロ。真っ暗な中を山に向かって突き進みます。

到着して勘違いに気づきます。ヘンロ小屋はライダーハウスみたいに泊まれる施設と思っていたのですが、そこにあったのは単なるベンチ付きの東屋。文字通り座って休むだけの場所でした。往来が多い国道沿いにテントも貼れない形の小屋。ちょっと無理そうです。真っ暗な山の中。困りました。

結局、少し戻り、ダムの横に公園があり明かりとウッドデッキがあったのでそこにテントをはることにしました。こんなところにラッキーでした。少し寒いですが、汲んできた水でシャワーを浴びて、湧き出る噴水をみながら夜を明かしました。

走行距離:374.2km(積算:9007km) 食費:1960円(積算:43477円) 燃料:846円/4.76l(積算:26381円/145.81l) 観光:200円(積算:5600円) 小計:3006円 積算:172201円

10月17日(31日目)

バシャバシャ

噴水の音で目が覚めました。時刻は0時半。もう一度寝ます、、時刻は3時半。山の中なのと、噴水が近くにあるので気温が低く湿度が高いのでまるで雨に打たれたかのようにテントの外はびちゃびちゃです。気温もかなり低そう。念のため靴下と2重寝袋で寝たので寝床の中はまだ暖かいのでなかなか活動できません。4時10分。そろそろ動きましょう。

凍えるような山の寒さの中、テントを畳むと手がかじかんできます。フライシートはかなり濡れていますが仕方がないのでそのまま包みました。今日は晴れなのでどこかで乾かさねばならなさそうです。

本日狙うは四国最東端、蒲生田岬です。少し戻る上に往復同じ道約40kmは長いですが、それだけ端っこには価値があるのです。

暗闇の浦にはすでに漁船が出ていました。片道だけでも20kmあるので岬に着く頃には日の出となります。東側の海岸なのでさらに早くなります。岬のモニュメントと灯台の写真を撮っていたら、重そうなレンズを持ったカメラマンの方が来て声をかけて頂けました。なんでもさらに向こうの灯台まで行かれるのだとか。そのまま別れをつげて先に進みました。

国道からそれて東海岸沿いに大島に向かって徳島スカイラインが走っています。凍てつく山間部から東側に抜けると陽がさして身体がとても暖まります。道には第1から第4まで展望台がありそれぞれ大島や出羽島の景色が楽しめました。朝もやにまるで島がまるで空を飛んでいるかのよう。最後の展望台に地元の方がいてしばしお話しをしました。70歳をすぎて落ち着いて来たので自分もキャンピングカーで日本一周したいとおっしゃっていました。僕も以前キャンピングカーを持っていたのと、金沢の方にはたまに来られるそうで話が弾みました。LINEを交換して別れを告げました。

途中、ドラッグストアのセイムズが開いていたので朝食にパンと地場のコーヒー牛乳を買って食べました。天気が良く暖かいので、ついでにテント干し。すぐに乾いたら再び出発です。県は徳島県から高知県へ。太平洋側の部分は四国で数少ないサーフポイントでサーファーがたくさん波を楽しんでいました。

室戸岬への東側のルートは青い海と空、緩やかな直線の快走路です。天気も良くツーリングらしい気持ち良い気分を楽しめました。この辺りの家々はほぼ必ず雨戸が装備されています。台風銀座の高知県らしい風景です。

右手に大きな弘法太師像が見えたら、もうそこは室戸岬エリアです。長年の侵食で削られた岩がそびえたっています。遊歩道が整備され奇石群の中を歩くことが出来ました。先端の道路からは灯台へは行けないので回り込んだ所の室戸スカイラインに乗って展望台へ向かいます。展望台からは東西に海が見え、四国南東部の海岸線が一望できました。少し戻った所にはレストラン跡の廃墟があり、立ち入り禁止は書いていなかったので恐る恐る上ってみると、岬の先端まではっきりと見ることができる場所でした。

灯台への入り口はさらに手前にあります。ここは88霊場のすぐ横で、お遍路さんの姿も多く見られました。400メートルくらいで室戸岬灯台。日本最高の光達距離を誇る巨大レンズが迫力ありました。

入る時見えたのですがスカイラインの出口の止まれの横にはパトカーがおり、一旦停止の取り締まりをしていてツーリングに来たバイカーが捕まっていました。せっかくの楽しみなのに一瞬でぶち壊しです。自分も気をつけようと思いました。

室戸西側の道はヤシの木が植えられており南国ムード。30キロ以上先の床屋の看板があったりとまるで北海道のような距離感です。

高知市に向かうまでには、明治時代に素人がフルスクラッチで作ったという野良時計や、道が垂直に上がる橋など興味深いスポットがあり楽しめました。

途中ダイソーがあったのでバイクにファスナーテープでついていた時計をファスナーごと新調しました。今度は温湿度計もついており、気温が把握できるようになりました。ファスナーも新しくなり一緒につけている方位磁針も安定させることが出来ました。

高知市には、有名な、はりまや橋があります。どう有名かというと、いわゆるガッカリスポットとして有名なのです。市としては名所として推しており、20キロくらい前から案内標識に大きく書かれていました。が、いざ現地に行くと、まったくどこかわかりません。GPSではもう到着しているはずなのですが。バイクのエンジンを止めて歩道を押して歩いて、歩行者のお爺さんに聞いてみると、こっちこっちと一緒について来てくれました。その先には本当に小さな赤い橋が。それでも人気スポットの様で外国人観光客か沢山写真を撮っていました。お爺さんは苦笑い。もともと高知城の堀の橋だったのだとか。40年間、東京の羽田空港に勤めていらっしゃったとのことで、僕もこの前行ったばかりなので奇遇でした。お爺さんにお礼をいい、また西に向かいました。

そろそろ15時。昨日は寝床探しに失敗したので今日は万全で臨みます。だんだん慣れて来てルーチンが見えて来ました。まず、日没2時間前には食事を済ませるか買っておき、水はタンクに十分入れておきます。その上で、場所を探しやすい郊外に出て、残り1時間半をかけてテントを貼る場所を余裕もって探します。このルーチンであれば十分時間があるので日没には間に合うというわけです。

今日は良さそうな大きな東屋付きの運動公園があったのでそこに決めました。電波がないエリアだったので、5分ほど歩いて電波をとり最低限の通信をおこないました。今日の夕飯はスーパーマルニシで買った高知県名物の鰹たたきとカップうどんと白飯。レジで前のおばちゃんが今日までだからと5%クーポンをくれてラッキーでした。お湯はタンクにいれるとビニール臭くなるのが難でしたが、今日は水道があるので新鮮な水を使えて美味しく頂けました。タンクの十分な水でボディソープで水シャワーで身体を洗いました。

ちょっと失敗したのは、あまりに早く入りすぎて、運動公園でナイターでいきなり野球の練習が始まったこと。人気のない場所だったのですが、うかつでした。とくにテント禁止も書いていないので平気なのですが、面倒なので通報されない事を祈りながら夜を待ちます。

走行距離:278.7km(積算:9285.7km) 食費:877円(積算:44354円) 燃料:860円/4.81l(積算:27244円/150.62l) 用品:660円(積算:14888円) 小計:2397円 積算:174598円

10月18日(32日目)

ナイターで煌々と照らされていたテントの幕は真っ暗。早々と終了して帰られたみたいです。怪しいテントが張られていて申し訳なかったです。トイレの明かりも多分役場の方が来られて消していかれた模様。平穏無事に夜を明かす事ができました。

時刻は午前4時10分。テントの中の温度は21度です。昨日温度計を買ったので数値でわかって面白いです。もっと早く使えばよかった!外に出ると15度。ひんやりとしています。テントの薄いシートだけで6度も保温してくれることに感心しました。

準備が終わって出発は午前5時。順調な滑り出しです。峠道の途中だったのでそのまま抜けて国道にでます。高知県の土佐久礼の近くでした。この辺りはリアス式海岸になっており海岸沿いの道は入り組んでいます。小さな半島はスキップして進むのですが、土佐久礼からの県道は行けるかなと安易に入ったのが失敗。朝からかなりの酷道を走ることななってしまいました。

四万十町に入るのですが、辺りは霧の中。気温は11度で手が悴みます。脇道にかなりの時間を費やしてしまいました。それでも少し空が明るんで来て、ガスが照らされて幻想的な光景でした。ずっと竹酢の香りがしていたのが印象に残っています。

国道に戻ってからも山の中を進みます。流石にカーブは県道よりも穏やかで距離を稼げました。佐賀公園の辺りで海沿いの道にでます。やはり海の近くは暖かいです。展望台があったので寄ってみると、ちょうど太陽が顔を出したところで良い写真が撮れました。帰り際、そこに来られたご夫婦に話しかけられ、しばらく談笑を楽しみました。神戸から来られてちょうど僕と同じく足摺岬に向かわれるとのこと。じゃ競争ですね、と冗談を言い別れをつげました。四万十市で沈下橋という珍しい橋があるという情報も頂けました。

やがて市街地に入ります。すき家があったので入ってまた混ぜのっけ定食を食べました。オクラが入っていてお腹の調子が良くなるのでお気に入りになりました。調べると、先ほどの四万十町とこの四万十市は全く別の自治体で競い合って名前をつけたそう。それだけ四万十川のブランドは価値があるのでしょう。面白いですね。

先ほど教えてもらった沈下橋が近くにあったので行ってみました。なんと手すりのない橋。増水時は水の中に入るのだとか。横に壁が無いので開放的でまるで川の中にいるかの様な不思議な気分になりました。四万十川は大規模ダムがまだ無く、日本最後の清流と呼ばれています。

戻りは堤防の道を走ってみました.ここで気づいたのですが、メーターに貼り付けている方位磁針が南に向かっているはずがずっと北を指しています。どうやら昨日取り替えたら時計にマグネットが入っているようです。道に停めてありあわせの工具で摘出してみました。

作業していると道から声が。なんと先ほどのご夫婦です。また会いました。こんな脇道で、しかもマグネットの件がなかったら再会は無かったでしょう。ついでにSNSのフォローもお願いしておきました。

四万十川は下流に行けばさらに水量が増し、まるで湖のように穏やかな流れになります。河口付近からさらに南へ、足摺岬の方向に向かいます。岬は島の様な形をして繋ぎ目から県道に入ります。セオリー通り海沿いに入ったら思ったより細い道で大変でした。南方なのでまるで熱帯のジャングルの様な木々がトンネルを作っています。

やがて賑やかな場所にでます。足摺岬です。遊歩道の先にはロケット型の灯台が。珍しい形です。そこにいたライダーの方に、本当の最南端の場所を教えてもらったのですが、残念ながら通行止めで入れませんでしたので、入り口のモニュメントで通りがかりの方に写真を撮ってもらいました。そうしているとまた聞き覚えのある声が。今朝のご夫妻です。なんと2度も再開してしまいました!ご夫婦で写真を撮ってあげまたお話しをしました。名前で呼んで頂けたので、SNSを見ていただけたのだなと嬉しかったです。残念ながらここで引き返されるようで、これで本当のお別れとなりました。

さて、足摺岬を周り再び北に向かいます。国道321号は足摺サニーロードと名付けられていました。長い距離を走り宇和島に入ると湾に浮かぶ大量のブイの景色を見る事ができました。宇和島からは海沿いを走る国道378号に入ったのですが、これが細くて長い。それでも地元の方の生活道路ですれ違うのもやっとの道をバスや車がたくさん往来しています。宇和島バスは好きなところで乗り降り自由なので便利そうです。フィリピンのジプニーを思い出しました。

この道からは九州の阿蘇山の形がはっきりとみえました。こんなに四国と九州は近かったのだな、と感じました。目標の佐田岬半島も北に見えるのですが、これがなかなか着かない。見えてはいるのですが入江が蛇行していてなかなか接近できません。

ようやく佐田岬半島の付け根の八幡浜に着いたのが16時。佐田岬まではなんと54kmもあります。北海道の野付半島が10キロで佐田岬半島の長さは30キロくらいなのですが、道の蛇行でこの距離になる様です。おそらく、運が良ければ到着は出来ますが帰ってはこれないので、スーパーで夕飯、ガソリン満タン、水は途中道の駅でと、野営の準備を万全にして臨みます。

岬へ向かう国道は道幅も広く高速道路の様に進めました。西向きの半島なので夕陽が眩しかったです。残り20キロ地点からは県道へ。ここからがなかなか進みません。県道終端まで着いたのか17時。もうすぐ日没です。ここで愕然。

灯台1.2km。遊歩道です。これは間に合いません。思い切ってバイクで行けるところまで行ってみました。後から考えると危なかったなと思います。カブじゃなかったらまずスタックするような細いギリギリの七曲を過ぎます。最後の上りは嫌な予感がしたので徒歩。案の定、バイクで入ったら戻れなくなる様な地形でした。今回は運がよかったですが、たまたまなので今後はやめときます。

それが功を奏したのか夕暮れギリギリに灯台到着。目標達成です。横の島に人がいたのでびっくり。水戸から来られた方で特にルールは決めずに2カ月ほど旅行されているそうです。そんな旅も良いですね。帰り道、お話ししながら帰ったら長い道もすぐに感じました。その方も岬駐車場で寝られるそうなので、僕もそうすることにました。

日没の海の眺めがとても良かったので海沿いの空き区画にテント設営。トイレもあるので持って来た水は水シャワーにして身体を洗いさっぱりしました。さて、テントに入ってスーパーで買って来た宇和島名物、ジャコカツを食べようとすると、テントがガタガタ。さすが岬、風がかなり強くなってきました。人間が入っているので飛ぶことはないですが、ポールが折れないか心配です。急遽、テントをそのまま持ってトイレの影の風があたらないところに避難しました。景色なんてテントを閉じればどこも同じですからね。

岬の突き当たりの場所なので車の往来も少なめなので、快適な夜を過ごせそうです。

走行距離:393.7km(積算:9679.4km) 食費:1163円(積算:45517円) 燃料:962円/4.77l(積算:28206円/155.39l) 小計:2125円 積算:176723円

10月19日(33日目)

午前3時10分。

風を避けられる場所にテント設置したおかげか、揺れもなく良く眠れました。移動して良かったです。現在四国佐田岬の先端。半島の根元までは50キロ以上あります。今日は距離を稼ぎたいのでもう起きることにしました。

ここは先端駐車ということもあり、何人かの方がテントや車で泊まっていました。僕が一番さなと思ったのですが、もう起きていらっしゃる方も。おはようございますと静かに挨拶しておきました。

さて、真っ暗な中、出発です。狭い県道を抜けたら快適な国道にでます。本当は九州へのフェリー乗り場も前に来たことがあるので覗いて見たかったのですが暗いからかどこかわからず進んでしまいました。

途中に伊方原発の広報センターがありました。3号機がこの半島で可動しているみたいです。原発本体にはもちろん近づけないのでセンターの写真だけを撮っておきました。

長い半島を抜けたころには空が明るんで来ました。2時間足らず走っていたみたいです。松山へ北上する途中の伊予市で日の出を迎えることになりました。海の向こうには広島との間の防予諸島が見えています。

松山に入るころには街は通勤時間帯になり少し混み始めていました。有名な鳥居がマンションに刺さった神社である椿神社を経由して道後温泉にたどりつきました。

本館の写真を撮り、前にいる係の方に聞いてみると、420円で入浴可能とのこと。地下の温泉で朝風呂は気持ちよかったです。ロッカーの番号の桁がかなり飛んでいたので聞いてみると、現在、この建物は改装中でお風呂も施設も一部、この入り口は本来は裏口なのだとか。ある意味貴重な体験をしたわけですね。

温泉あがりに近くの達磨寺を見てから郊外に抜けてマックに入り朝食にしました。本当は松山でブレーキシューを買おうかと思っていたのですが、お店が開くのが2時間後だったので今回は先を急ぐことにしました。

ぐるっと沿岸をまわって今治へ。4日前に通ってきたしまなみ海道の大橋が見えます。とうとう四国一周してきました。想像よりもはるかに長かったです。こんな広い土地を歩き回っているお遍路さんに感心しました。

可動道付き水門である波止浜水門を見てからしまなみに乗ります。今回はコインをちゃんと準備しておきました。

最初の大橋の料金所は今の時間帯は無人のようです。コインを出していたら原付の方が追い越してきて、コインを入れるフリをして通りさって行きました。無人なのでそういう人もやはりいるのですね。しまなみ海道のカメラで自分を撮影してくれるアプリがあったので試しに入れてみました。

先日通ったばかりということもあり、帰りは迷わずにスムーズに橋と橋の間を走ることができました。1箇所だけ失敗して自転車専用レーンに迷い込み、慌ててUターンしたくらいです。

約2時間で本州の広島県尾道に帰ってきました。広島で一時期働いていた友人からおすすめのステーキ屋を教えてもらっていたので行ってみました。三原市のラジャという店です。14時半までだったのですが、14時少し前に滑り込みセーフ。肉がとても柔らかく、スパイシーで美味しかったです。1200円なり。

三原市からの海は視界いっぱいに島々か広がっており水平線が見えないくらいでした。国道を南側に入り海岸線沿いに呉市に向かいます。

今日の目標は日本三景の二つ目である厳島神社。時刻は15時で距離は70キロ。また昨日と同じく微妙なラインです。ただ、これを逃すと明日の朝、待ちになってしまうので出来れば今日のうちに間に合わせたいのです。

呉市と広島市内は案の定渋滞していましたが、中心部を抜けると車線が広くスムーズに動いていました。広島市の国道が交差点を作らない様に地下に掘られていたのと廿日市市の八幡川を越える橋がとても高く急勾配だったのが印象に残っています。

宮島口に着いたのは17時。日はもう山の向こうですがまだ明るいです。ただ着いたはいいのですが、フェリーに乗るための駐輪場が無くて困りました。有料の駐輪場すらなかったので、とりあえず駐車禁止でない場所に少しだけ停めさせてもらうことにしました。荷物があるのでグランドシートでカバーしてからフェリーにのりました。

宮島へのフェリーは15分おきに2社でピストン輸送なので待ちはほぼありません。17時15分に往復切符で乗り込みました。到着後、厳島神社へダッシュ。ちょうど空が赤くなり良い感じです。上から一枚、降りて一枚写真を撮りました.干潮時でしたが、この季節は鳥居までは潮が引くことはないそうです。時間が無いので走って戻ると17時45分の便に乗ることができました。到着したらあたりは真っ暗。間に合ってよかったです。

さて、いつもなら16時には寝床を探し始めているところなのですが今日は18時と2時間も押してしまいました。ここまで暗くなると場所探しも困難になってきます。とりあえず町の駅という施設があったので水補給。

なかなか見つからずに山口県にまで入ってしまいました。岩国市のワッツで夜食のパンを買いました。この辺りは日が暮れてからも暖かく、いくらでも走っていられそうです。

そのまま進むと大きな橋。周防大島という島らしいです。こんな大きな島が山口県南部にあるとは知りませんでした。橋を渡ると大きな名前看板か青く光っていました。雰囲気的にそろそろ見つかりそうだなと進むと、港の横に静かな東屋付きの公園を発見。今日はここに決めました。時刻は20時半。今までで一番手こずったかもしれません。そのためもあり、距離も438キロと最長レベル。今日はよく走りました。

走行距離:438.1km(積算:10117.5km) 食費:1843円(積算:47360円) 燃料:1214円/7.14l(積算:29420円/162.53l) 入浴:420円(積算:3820円) 観光:500円(積算:6100円) 通行料:500円(積算:1030円) 小計:4477円 積算:181200円

10月20日(34日目)

午前4時。なんだか昨夜は寝たような寝てない様な浅い眠りだった気がします。いつもの足元の冷えは無くテント内の温度は21度。今日はもう山口県まで来ているので昨日までの焦りは無く、二度寝してしまいました。これが仇。

ポタポタ

雨音で目が覚めました。時刻は5時。晴れの予報だったのに!?ヤフー天気を見ると予報は一転、現在雨になっています!

一応、東屋の下なのですがどうも風が吹いていている様で風上に設置したテントに雨がかかってしまっている様子。

テントを畳むに畳めず恐々とテントの中で怯えること数十分。壁にはシミが出来てきています。この前のシールは不完全だった様。それでも粘っていると今度はテントの下が濡れてきました!雨がグランドシートを伝ってテント下に入り込んできています。

慌てて飛び出て荷物を取り出し東屋の中央部へ避難。テントが軽くなったのでそのまま風下に移動させます。完全にミスでした。せっかく東屋があっても風上でしかも無駄なグランドシートが外に出ていては意味がありません。

そうこうしているうちに晴れ間。迷いましたが、このまま乾かないかなと思い、テントを置いて散歩してみました。瀬戸内海には島が浮かび、道路にはヤシの木。周防大島は瀬戸内のハワイというのもなんとなく納得がいきます。

散歩から戻りましたがテントは全然乾いていません。やはりもう少し気温が上がらないと厳しそうです。諦めて濡れたままパッキングしました。午後から晴れるみたいなのでまたどこかで乾かさねば。

周防大橋を抜け、元の下関への国道に入ります。また雨が少し降ってきたのでカッパを装備。濡れないようにスマホをしまっていたら道を見落としていて上関がある室津半島を通り過ぎてしまいました。まあ大して有名でもないのでいいか、と思いそのまま光市へ。

そろそろ9時が近づいてきていました。予報ではこの時間から午前中雨。図書館で時間を潰すことにしました。コンビニで朝食のパンとコーヒーを買い、光市の図書館の駐輪場で開館を待ちながら食べました。

図書館の中はさすがに空調も効いていてトイレもあり快適。せっかくの旅の途中なので覚えたかった古地名を知ろうと伊能忠敬の本や、都道府県別のガイドを読んで過ごしました。

結局光市は雨は降らなかったのですが、レーダーをみるとその先の周南は雨が降っている様。突っ込まなくてよかったと思うも、時刻はもう11時過ぎているのにいっこうにやむ気配がありません。

本を見ていると、やはりさっき通り越してきた室津半島の尖りがどうしても気になります。レーダーをみると室津はしばらくは雨雲がありません。このまま1時間過ごしてもよかったのですが、もやもやしたままよりは白地図を埋めてこようと室津に戻ることにしました。戻りも含めると50kmの道のりです。

ずっと時計回りしてきたのでたまに半時計回りするかと半島手前から入り上関に向かいます。昔、上関中関下関という船荷の検問所があり都がわの上関が今の地名になったそうです。原発推進しており、東日本大震災で一旦停止していますが、準備施設があり、また今年中間処理施設の試みもされているそうです。町にあった原発推進のプロパガンダっぽい絵の看板が印象にのこりました。

大きな上関大橋の手前には展望台があり、屋根もあったのでこのまま晴れなかったらここで過ごすのもありだなと思いながら立ち寄っていました。大橋を渡ると急に雨。慌てて渡し船の待合所の軒下に避難します。まったく困った天気です!そろそろ晴れたかなと出てはまた振られを繰り返してしまいました。

辛抱強く待つとようやく止んできたので、その先の丘に登ります。丘の上からは一昨日泊まった四国佐田岬のシルエットがはっきりとみえました。長い距離でしたが海からみるとこんなに近いのですね。

半島をぐるっとまわって東側の道から戻ります。こちらは細いのでかなり時間がかかりました。最後に四国電力の柳井LNG火力が再び見えてきました。ようやく朝の道です。昨日泊まった周防大島かまだすぐ近くにみえます。今日はいっこうに進みません。図書館がある光市に戻る頃には13時半になっていました。

一路、そのまま下関方向へ。なんとなく前のトラックを見ていたらカブのライトが見えないことに気づきました。玉切れです。ハイビームはつくのですが、それが切れたら終わりなのでこのままでは心配です。

晴れて来たので道の駅でテントを広げて乾かしました。すごい風で物が飛んで大変でした。そんな中、電話を何件もかけてバイクのライト探し。車のライトならすぐ手に入るのですがこのHS1の35wはバイク屋にしか置いてありません。値段もまちまちでしたが急を要するのでこの先の宇部市にあるホンダウィングで買うことにしました。値段は平均的な2480円。交換はネットで調べて試しに分解してみたら簡単そうだったので自分でします。

宇部市に着く頃には17時をまわってしまっていました。ホンダウィングをGoogleマップで見るとなんと5時で閉店。慌ててまた電話をするとYSPに在庫があり2500円だったのでそこで購入しました。店員さんと店長さんが気さくに話してくれ、下関への道やトンネルについて 教えてもらいました。

水は道の駅で補給してきたのであとは食料です。アントというスーパーマーケットで山口県萩産のサゴシが安かったので購入。ご飯はまたちらし寿司にしました。冷たくても美味しいのでお気に入りです。

いつもいつもですが、まったく余裕がありません。日が暮れてしまい、ハイビームを下に向けて寝床を探します。宇部市は人口が多いので野宿しづらいなと思い、渋滞の中を抜けてしまい、山陽小野田市へ。脇道にそれると人が来なさそうな公園があったのでそこに決めました。

夕飯まえにライトを交換です。暗い中ヘッドランプを頼りになんとか交換できました。無事点灯も確認。よかったです。

雨上がりなのでいつもより寒く、テントの中でも16度。しかもどんどん気温が下がっていきます。とりあえず水で頭だけ洗って手早く夕飯をすませました。

今日は屋根無しなのでまた天気予報が外れて振られない事を祈ります。寒いので寝袋を膝掛けにブログを書いていたらテント内で13.8度に。冬の足音が聞こえてきました。

走行距離:221.3km(積算:10338.8km) 食費:959円(積算:48319円) 燃料:453円/2.94l(積算:29873円/165.47l) メンテ:2500円(積算:17729円) 小計:3912円 積算:185112円

10月21日(35日目)

寒くて起きた時刻は23時30分。

寝袋2枚重ねでも冷気が足元に入って来ます。ポリエステルとダウンの二つを前者を内側にして寝ていたのですが、内外入れ替えてみました。また、ダウンジャケットを足元に詰め込みます。

午前3時10分。なんとかしのげました。寝袋の外はテントの中でもかなりの寒さです。15度と温度計は示していました。体温でもほとんど室内温度が上がってくれません。

関門海峡の写真を撮りたかったので、もう近いので寝袋の中で冬用寝袋でも買おうかと通販を調べていたら午前4時30分。そろそろ準備すればちょうどよさそうです。モバイルバッテリーが空になってしまっていました。昨日雨で充電できなかったからです。

暗い中出発。まだ夜明けの6時20分までには時間があるので、今回利用したことのない吉野家で納豆定食を食べました。ゆっくりしてから出ると、関門橋が見える頃にはちょうど夜明けの時刻となってくれました。付近の公園には長州砲の展示もあり、いい写真が撮れました。

関門トンネルは原付人用のエレベーターがあったので係の人に聞いてみると、原付2種は使えないので上側を通ってくださいと道案内してもらえました。通行料は20円。トンネルの中はまた夏みたいに暖かかったです。

わずか1キロ足らずでもうそこは九州福岡県。出口の付近にハイウェイオアシスがあり外から入場できたので、関門橋を撮影している方にお願いして写真をとってもらいました。この方は丁度逆に鹿児島や大分から戻ってこられた滋賀の方で、いろいろ情報をもらえました。いろいろお話ししていたら1時間くらい経過してしまったので別れをつけてルール通りに時計回りに進み始めました。

すぐのところに日本初の交直流共用電車のEF30の展示がされていました。シルバーボディが格好良かったです。

すぐに県は変わり大分県へ。中津市に入りました。有名な唐揚げを食べようと朝からやっている惣菜店に行くも開いておらず。ちょっと調べ物をしていたら、11時5分前に有名店のもり山が開きかけていたので聞いてみたら入れるとのこと。唐揚げ弁当を買って柔らかくスパイシーな肉を楽しみました。

耶馬溪は日本新三景の一つです。いくつかの場所から成り立っているのですが代表地点である競秀峰に行きました。ここは青の洞門という穴が貫通しておりたくさんの観光客で賑わっていました。

中津に戻り進路を東へ。九州の右肩にボコッと突き出ている国東半島をまわることにしました。そのままショートカットすればすぐに別府なのですが、海岸線トレースが基本なのでこの存在感のある半島は外せません。なかなかの距離でしたが、昨日いた上関や周防大島が間近に見えて感動しました。そういえば国東半島にはやたらコインランドリーの数がありました。コンビニすら少ないのにどうしてでしょうね。

半島をまわりきると、低木の美しい山に張り付く様に建物がたくさん見えます。別府市です。

早速、さっきハイウェイオアシスで聞いた無料温泉、熱の湯に行ってみました。駐車場もある本当に無料の温泉です。地元の方で賑わっており、シャワーがないのでみなさんあぐらをかいて桶で体を洗っている光景が印象的でした。

地獄めぐりもおすすめされていたのですが、一つ450円、7つで2000円強となかなかのお値段だったのでら代表的な血の池地獄だけを見にいきました。

地獄間は結構離れていて、地獄めぐりをしている方の車で渋滞していました。そんな中、良さそうな野宿場所が目に入ったので目をつけておき、地獄の後に水補給、マルショクというスーパーで買い出ししました。大分産ローストビーフがあったのでローストビーフ丼にしてみました。

ここ最近と比べて今日は順調に17時に着地出来ました。これくらいの余裕が欲しいですね。

実はオアシスで陽光荘という温泉の煙で自炊ができる宿もおすすめされていたのですが、よくよく考えたら、この旅の1番の僕の楽しみはこの野宿なのだなという事に改めて気づき、いつものルーチンでテントを張りました。

海岸線の絶景ワインディングと、それをGPSトラックログで埋める達成感、初めての土地で迫り来る夜の闇と闘いながら野宿場所を探す緊張感。これには、どんな有名観光地へ行っても味わうことが出来ない面白さがあります。

改めて自分にとっての旅の味わいかたを再確認出来た1日でした。

走行距離:259.1km(積算:10647.9km) 食費:1801円(積算:50420円) 燃料:466円/2.63l(積算:30339円/168.1l) 通行料:20円(積算:1050円) 用品:500円(積算:15388円) 観光:450円(積算:6050円) 小計:3237円 積算:185562円

10月22日(36日目)

寒い

シュラフとカバーを3枚重ねしてもやはり腰や足元から冷えが来ます。夜中に起きてダウンジャケットを突っ込んで、また寝て次は午前3時に起きてしまいました。

もう寝られないので、もぞもぞしながらスマホでモンベルのサイトをみて冬用シュラフを購入しようかと眺めます。

価格は2.6万から、高いのはきりがありません。2.6万のでも結構嵩張りそう。高くなれば小さくなる感じです。今別府で隣の大分市にモンベルの店があります。これを逃すと次は鹿児島までありません。調べるとワークマンも安くて良さそうでした。ワークマンはどこにでもあり、大分市でもモンベルから9キロ先に一件ありました。

大分市まではわずか16キロなので開店の10時まではまだまだ時間があります。とりあえず6時前に出て、溜まっている洗濯物をランドリーして時間を潰すことにしました。

大分市内に入ったら一件あったので入ってみるとなんと両替機が故障。コインランドリーでこれは致命的です。もう少し市街地に移動したら両替機が動いているお店がありました。小型洗濯機は1台しかなく、使われていましたが、時間になるとすぐに取りに来てくれて、すぐに使えました。今着ている服も洗濯するので、一時的にカッパに着替えて洗濯機をまわします。汚れたグローブを入れ忘れて困ったのですが、前が公園だったので、そこで洗って一緒に乾燥にまわしました。

乾燥しながらワークマンに電話、8時ですがもう開いてる様。足を伸ばして行ってみました。残念ながらシュラフはなく、気になっていた980円のフットウォーマーはありましたが、底が厚くちょっと寝心地は悪そう。やはり戻ってモンベルに行くことにしました。

お店は大分駅ビルの中。10時少し前に着いたので入り口で待ったら警備員さんが定時に開いてくれました。ファッションデパートの奥にあり、一斉に店員さんが朝の挨拶をしてくれます。僕はキャンプツーリングの怪しい格好をしているので場違い感だ照れ臭かったです。

モンベルは奥にあり、シュラフコーナーでは店員さんが丁寧に説明してくれました。モンベルのシュラフは#の後に数値がありそれが低いほど寒い環境用。その前の650や800という数値はダウンの質で高い方が携帯性が良くなります。

気になっていたダウンソックスも見せてもらいました。ケースも付いていてワークマンより遥かに小さくなります。価格は7200円なり。ワークマンの7倍以上です。

時間もないので焦りながらどうしようかなと考えます。安いモデルとダウンソックスを買うよりは、思い切って高いモデルを買ったほうが良さそうです。今のシュラフもかなり長い間使用したので、物の寿命としては車やバイクより長いのでお金をかけて損はありません。800の#2を買ってみました。42900円もしましたが、長く使えば気分的にもとをとれそうです。

足の冷えはとりあえず、寝る時専用に極厚のソックスをワークマンで買いました。あと、ツイッターで教えて貰ったのですが、エアマットは冷えやすいのでウレタンマットの方がいいとのこと。ダイソーに行ったら550円で売っていたので購入してバイクの横に取り付けました。ついでにストーブの風防も330円とワークマンより安かったので購入。

朝から洗濯買い物でバタバタしましたがようやく落ち着いたのでコンビニのイートインでパンとコーヒーで遅めの朝食をとりました。

大分市郊外に入り、半島を埋めるため、まずは佐賀関へ。近づくとJX金属の味のある煙突が目に入りました。半島の先には同社の提供した展望施設があったので立ち寄ってみました。科学館と天文台も兼ねています。展望台からは、本当に目の前に四国最西端の佐田岬がみえました。佐田岬はいろいろなところから見えるので、行っておいて本当によかったです。

佐田岬の北側の海はプランクトンか、昨日の血の池の様に真っ赤になっている部分があり珍しい光景でした。

うっかり通り過ぎたのですが、ダイソーで声をかけて頂いた地元の方に教えて貰ったレストランが12キロ手前にありました。せっかくなので戻ります。

白木海岸のレストランという名前のレストランは大人気で5組待ちですが待つことにしました。大分名物りゅうきゅうは季節の刺身にゴマだれをまぶしたもの。ボリュームもありドリンクバーもついて1100円で海を見ながら満足して楽しみました。

なんか冬用の装備を買ったからか、早く寒くなる前に戻らなければという気持ちが無くなり、余裕がでた感じがします。時間を買った様な感覚ですね。

次の半島、飛潮鼻はとばしてもよかったのですが、国道があまりに内陸に食い込んでいるので、やはり海岸をまわることにしました。なかなか時間がかかりましたが、先ほどの佐賀関の煙突も見え、景色がよかったです。

さて、今日の目標である鶴御崎は次の半島です。時刻は15時。距離は約50キロ。微妙に夕暮れに間に合いそうです。

なんとか先端に着いたのが17時30分。日は落ちましたがまだ明るく、灯台までみえました。展望台が徒歩500mで悩みましたがダメ元で暗い中をヘッドランブで登ると、夕暮れの360のパノラマの絶景を見ることが出来ました。展望台は浮遊廊下と書かれており、本当に空中に浮いているかの様な景色でした。

満足して降りて来た頃にはあたりは暗闇。誰もいないので、ここで今日は寝ることにします。そういえば今日はガソリンスタンドで水を調達しました。ダメ元で頼んだら快く使っていいですよと言ってくれました。道の駅でセンサーの格闘していたのはなんだったのか。GSで貰えるのはいい事を知りました。

いさんで冬装備を買ったのですが、幸か不幸か、今日は暖かめ。ウレタンマットは嵩張りますが、空気を入れなくていいのと、寝る前でも敷物にできるのがいいですね。水シャワーを浴びると流石に冷えましたが暖かいソックスで快適に過ごせました。なんだか動物の気配はしますが、、。前のタヌキ事件があるので気をつけて寝ることにします。

走行距離:204.1km(積算:10852km) 食費:1506円(積算:51926円) 燃料:885円/4.79l(積算:31224円/172.89l) 用品:44760円(積算:60148円) 洗濯:500円(積算:2400円) 小計:47651円 積算:233213円

10月23日(37日目)

寒い?いやそんなわけない。だって耐熱温度0度だぞ。でも寒い。

またもや冷えで目が覚めてしまいました。せっかく買ったシュラフですが、やはり腰のあたりが冷えます。昨日はウレタンマットのみを敷いて寝たから底からの断熱が足りなかったのかもしれません。本格的に寒くなって来たらエアマットも併用した方がよさそうです。

出発は午前5時。快調な滑り出しです。鶴御崎の先端付近で寝たので朝はまず半島を戻ります。そこから南下。松切鼻の先に空の展望所という景観の良い場所があったので、夜明け前の写真をとります。大分県の別府から南は基本的に湾が入り組んでいてたくさんの半島があります。途中、海沿いの県道122号が通行止めになってあたので、国道388号に迂回。国道に入った途端、気温がぐっと冷え込み10度くらいになりました。

あたりはガスの中。朝日が降りた雲に差し込み幻想的な光景を作り出しています。寒さで手が悴みます。10度程度ですが、穴あきグローブなので寒さには弱いです。宮崎県の延岡に入ったら朝からワークマンが開いていたので、そこで防水手袋を買いました。雨の日は素肌で運転して辛かったので、冬に備えての準備です。

マックがあったので、朝食をとりながら今日の立ち寄り場所を調べます。宮崎県は海岸沿いに作られた神社が見所です。また、宮崎名物のチキン南蛮も楽しみです。

そういえば寝袋を買ったので夏用の寝袋を送り返すことにしました。ダイレックスでパンと一緒に袋を買い、その袋に寝袋を詰めて定形外で金沢に送り返しました。1000円ちょっとしましたが、その値段で寝袋二つは買えないので仕方ありません。

延岡は旭化成の企業城下町です。工場があったので記念に撮影してから日向市に向かって出発しました。日向市で見たい場所はクルスの海。海が十字の形に見える面白い場所です。この辺りから海岸にヤシの木も植えられ、南国ムードになってきました。東南アジアでスーパーカブをよく見たので、カブに似合う光景です。

次は大御神社。海沿いに建てられた天照大御神を祀る神社です。入り口で戻って来た観光客の方にどれくらい時間がかかったか聞いて見ると五分程度とのこと。海の断崖に建った神社をみてから、裏の鵜戸神社の龍宮で社からみえる登り龍の景色を楽しみました。

ここから宮崎市との間に高鍋という場所があります。高鍋大師は不思議な形の巨像がならぶ変わった光景が見られます。時間はやや押していたのですが、後悔のないように立ち寄って見てから宮崎市に向かいました。

宮崎市は県庁所在地らしくない、密度がそれほど高くない街です。周りの渋滞も他県ほどではなく、住み良さそうな場所だなと感じました。

チキン南蛮は、おぐらというお店に入りました。実は次にも食べたいものがあるので、チキン南蛮は、それだけをテイクアウトしようかなと思っていたのですが、この店は定食のみだったので、そこで食べることにしました。もも肉がジューシーで甘だれが効いていて美味しかったです。

次に行ったのは辛麺。麺がなんとこんにゃくで、韓国冷麺の温かいバージョンといったところでしょうか。辛さは店員さんに苦手といったら3番をおすすめされたのですが、それでもかなり辛かったです。

次の鵜戸神社がある日南まではなかなか距離があります。時刻は14時をまわってしまいました。今日は多分その辺りでストップになりそうです。

まずは有名なモアイの写真を撮ろうとサンメッセ日南から入ります。入場料が値上がりしていて1000円になっていました。ここ、モニュメントがあるだけの公園なのですが、この価格でもたくさんの人が入っていました。やはり特にモアイ像が大人気で、人が入っていないモアイの写真を撮るのに30分ほどまつことになってしまいました。

鵜戸神社は駐車場を間違えて13分ほど歩き。宮崎の気温はだいぶ上がって汗をかくくらい。こちらの神社はさらに崖に近く、本社はなんと洞窟の中。こういった様式の神社がいかにも宮崎県らしい光景です。

時刻は16時。このまま目標の都井岬まで行ってもよかったのですが、その手前の意の猪崎鼻になんとなく寄ったら無料キャンプ場があったので今夜はそこに泊まることしました。

先客で鹿児島から来られた同じカブの方がいたので、明日からの事をいろいろ相談に乗ってもらえました。また、カブも僕のより新しい型なのですが、6万キロも走っておられるとのことで、メンテナンスの事などアドバイスをもらいました。カブ乗りはそれだけで不思議な連帯感があるので面白いです。

最近ばずっと独りぼっちだったので、たまにこういうキャンプ場も良いものだなと思いました。宮崎は夕方でもまだ気温18度もあるので、水シャワーもさほど凍えずにでき、芝生の上で快適に過ごしました。

走行距離:263.6km(積算:11115.6km) 食費:2769円(積算:54695円) 燃料:852円/4.84l(積算:32076円/177.73l) 用品:460円(積算:60638円) 観光:1000円(積算:7050円) その他:1040円(積算:21480円) 小計:6121円 積算:239334円

10月24日(38日目)

今日の宮崎は気温が高かったのですが、どうしてもシュラフの腰回りが冷えてしまいます。床の断熱でしょうか。まだ改善の余地がありそうです。

今日は本土最南端の佐多岬を目指します。距離を出したいので午前4時半には準備をして5時出発としました。キャンプ場では僕が一番の出発の様です。

まずは鹿児島に入る前に宮崎県の都井岬を目指します。馬の放牧で有名な場所でちょうど夜明けを狙って行きます。

都井岬の入り口に入るとゲートが。一瞬、夜間侵入禁止かと思ったのですが、どうなら馬が脱出するのを防ぐ為のゲートのようで、鍵はかかっておらず自由に入る事ができました。

真っ暗な中を先端に向かって進みます。10キロ強進むと灯台前の駐車場。あたりはすでに薄明かりになっていました。灯台はクルクルと光を放っています。

写真をとってから少し戻り、神社への道に曲がります。海に隣接した本社はとてもコンパクトでしたが歴史のある神社の様です。あたりはすでに朝焼けが始まっていました。

帰り道、道路に馬が二匹歩いています。牧場の入り口は塞がれておらず自由に動物が出入りできる様になっているみたいです。運転に気をつける必要がありますね。岬らしい短い草の丘に馬の群れがとても似合っていました。

都井岬を抜け、南下します。やがて鹿児島県に入りました。ファミリーマートにイートインがあったのでそこで朝食にパンとコーヒーを取ります。パンは一つで満腹したので、一つはとっておきました。

やがて丘の上に巨大なパラボラアンテナが見え始めます。この辺りはJAXAの施設があります。受付で名前を書いたら見学させてもらえました。先程の大きなパラボラアンテナを間近で見ることができました。ロケットの発射台も施設の一部としてありました。ゆっくり見て回りたかったのですが、予定で9時に佐多岬と組んでいたので、その場は15分程度で立ち去りました。

さて、この先の佐多岬へのルートは複数あります。ポリシー通り海沿いに回り込もうと思っていたのですが、昨日の鹿児島こカブの人に、「酷道だから絶対に行かない方がいいと言われている」と聞いていたので、その県道57号は使わずに国道を西側からまわり込もうと思い、県道57号はパスしました。

国道を走りながら、それでも県道57号に行けばよかったかな、とも思ってしまい、モヤモヤ。結局、数キロ走ってUターン。県道57号に行ってみることにしました。「どんな酷道だったのだろう」と後々気になるより、今苦労してでも行っておいた方がいいと決断したからです。

県道57号は最初は快適な道でしたが、やがて単車線の落ち葉だらけの道に。携帯の電波は繋がらず、たまに「電波入ります」の看板の場所だけスポットで通信ができます。

正直、酷道としてはそれほどではないのですが、とにかく長い。これが50キロくらい続くのです。途中でバイクが故障したらアウト。そんな緊張感がある道でした。

結局、抜けるまで2時間弱かかり、さらにそこから佐多岬まで30キロ。当初の9時の予定はとっくに過ぎて、11時になってしまいました。観光案内所に行って到達証明書を貰います。

佐田岬は、正面のモニュメント、ガジュマルの木、灯台展望台と代表地点がいくつかあり、どれと撮っていいのかよくわかりません。携帯電波も届かず、わからなかったので、全部の地点でその場の人にお願いして写真を撮ってもらいました。といっても展望台意外は同じ方がご好意で3つ撮ってくれました。神戸からバスツアーていらしていた方でら仕事で北海道などもよく行かれるとの事。今度行く天草についても教えてもらえました。

結局展望台への道が長いこともあり、佐多岬を出たのはお昼をまわってから。ずいぶんと予定から遅れてしまいました。16時には鹿児島市内に着きたいのですが、ナビの予想でギリギリラインで、ちょっと渋滞したらアウト。

入ったガススタの方に聞くと、市内へ湾をまわり込むのはやはりかなりの時間がかかるとのこと。裏技で桜島を通ってフェリーを使う方法を教えてもらえました。これなら間に合いそうです。桜島、今日噴火したからバイク滑らない様に気をつけてね、と言われました。

桜島は前に来たことがあるのですが、改めてみると大きいです。周りが紅葉している様に見えましたが、よくみると松の木が変色して色づいて見えていたみたいです。

フェリーは500円ちょっと。高速道路の様に料金所で支払うシステムです。バイクは固定せず、スタンドだけ。湾は穏やかなのでそれでいいみたいです。入り口で一緒になった日本一周をしている方とおしゃべりしていたらすぐに鹿児島市に到着しました。東京からで九州をまわっている時にオルタネーターが故障したそうで今レンタルバイクとのこと。お話ししていたらGPSログの切り替えを忘れていたので後で手動で編集しました。

さて、今日なぜここに急いでいたかというと、18時の那覇行きのフェリーに乗りたかったからなのです。無事受付を済ませ、聞いてみると17時には搭乗してくださいとのこと。急いで近くのスーパーで26時間分の食料を購入してきました。

バイクを搭乗させ、荷物を持って2等船室へ。かなりの密度で布団が敷かれていますが平日ということもあり、隣は人がおらず快適でした。ただ、曜日によっては寝台にしたほうがいいかもしれません。

船でシャワーを浴びて落ち着いたので、レストランで先程買って来た天ぷら弁当とカップそばを食べ、早々と布団に横になりました。1泊目は夜着になるので、野宿は難しいので、月光荘というゲストハウスを予約しておきます。

さあ、1日以上の長い船旅のスタートです。ゆっくりと休養しますよ!

走行距離:318.9km(積算:11434.5km) 食費:1893円(積算:56588円) 燃料:706円/4.01l(積算:32782円/181.74l) フェリー:37030円(積算:62310円) 小計:39629円 積算:278963円

10月25日(39日目)

奄美大島への到着で目が覚めました。まだあたりは暗い中、フェリーへの荷物の積み下ろしがされています。

まだ朝の5時ですが、生活リズムを崩さない様に早めに起きて過ごすことにしました。買って来たパンとボトルコーヒーで朝食をとります。

特に何もすることなしに午前を過ごします。こんなにゆっくりしたのは山口で雨に降られた図書館以来です。

奄美から出ると次は徳之島です。景色が見える席でライダーの服装を着た方が座られていたので声をかけてみました。沖縄のほうに向かわれるのかと思ったら逆に沖永良部島の方で今回は鹿児島にツーリングに行かれていたとのこと。沖永良部島の特産品の黒糖焼酎メーカーの方で島のことを色々教えてもらいました。

沖永良部は島全体が鍾乳洞の上にあるので水不足にもならず、ハブもいないなど、奄美諸島のなかでも住みやすい島なのだそうです。今回は予定には入れませんでしたが、次の機会にぜひ行ってみたいなと思いました。

談話してたら徳之島も過ぎ、その沖永良部氏まであっという間に時間が過ぎました。ライダーの方とLINE交換をして別れを告げました。甲板にでると、海が本当にマリンブルーになっていて驚きました。

また一人になったので与論島、沖縄本島と海の景色を見て過ごします。お話を聞いて知ったのですが、このフェリーは沖縄本当には2回止まり、那覇の手前の本部の方が早く着いてライダーには好適なのだそうです。帰りも那覇と違い早朝出発ではないので余裕をもって出られるとのこと。もう往復でチケットは買ってしまったのですが、帰りだけでもら変更できないか聞いてみようと思いました。

一人で長い時間でしたが19時の到着時刻まで過ぎてしまうとあっという間でした。那覇は三大都市圏に匹敵するほどの人口密度の街です。街明かりがとても明るく、海上に輝いていました。

フェリーから降りるともうそこは沖縄です。もう日は暮れてしまいましたが、とりあえず首里城に行くことに決めていたので那覇の強烈な渋滞の中を公園に向かいます。

到着は19時半。ちょうど閉門の時刻なので中は入れませんでしたが、2000円札に描かれている目的の守衛門は自由に通れたので撮影することができました。他の門は閉まっていますが、どちらにせよ首里城自体は火災の為、現在修復中でしたのでよしとします。

都市部に夜ら到着なので野宿は難しいだろうと、国際通りの近くのホステルを予約してあります。ソーキそばを食べようと周りを調べたのですが閉店している店が多かったので少し走ると、ゆうなみというお店が開いていました。食券でしたが店員さんに代表的なメニューを聞いて、ソーキそばの平麺とジューシーというご飯ものを頼んで食べました。

満腹したので国際通りに。よく見るアーケードの写真を撮っていると、YouTuberの方に声をらかけられました。変わった人を見つけてはインタビューしているらしいです。色んな人がいるものですね。

今夜の寝床の月光荘は入り口の路地がとても狭く探検感がある場所でした。前まで着いてオーナーに聞くと駐輪場はその路地のさらに奥。カブじゃなかったらちょっと厳しそうな場所でした。

談話室にはスタッフっぽい仲の良さそうな四人がおしゃべりしています。シャワーを浴びてから、ちょっと緊張しながら輪に入ってみると、スタッフは二人でほかのお二方はご近所の方で、このゲストハウスに滞在しながら部屋を見つけてこちらに移住されたのが縁でこうやって遊びにきているのだそう。10月終わりになるとこうやって日本一周勢が寒さを逃れてやってくるので季節を感じるらしいです。

お話しを聞いているとすぐに消灯時刻の22時をまわりました。みなさんは向かいの居酒屋に移動されましたが、僕は飲まないのと朝はやいので、ここでお休みなさいの挨拶をして部屋に戻りました。

2段ベッドルームは僕一人の貸切でした。小樽の時もそうでしたがこのパターン多いですね。一人で緊張せずにゆっくりと休むことが出来そうです。明日からはいよいよ沖縄本島を時計回りで周ります。野宿も挑戦してみたいですが、なんでも最近はテント禁止の場所か増えているのと、ハブがいるのでなかなか難しいとのこと。どうなるでしょう!?

走行距離:13.8km(積算:11448.3km) 食費:1330円(積算:57918円) 宿泊:2350円(積算:15676円) 小計:3680円 積算:282643円

10月26日(40日目)

寝息。

ゲストハウスでベッドで寝ているのは僕だけかと思っていたのですが、後からかお客さんが来たようで他に2組、ベッドが使われていました。

時刻は午前4時。今日は特に急ぐ必要はないので布団でのんびりしてたら午前4時半に。そろそろ起きましょう。他の方を起こさない様に慎重に身支度します。宿に泊まる時は盗難の危険があるのでサイドバックも全部持ちこみます。なのでなかなかの大荷物。テントを畳むのとどっちが大変なのかななどと思いながらバイクにバックを取り付けます。

那覇は寝静まっており、昨日の渋滞が嘘の様に道は空いています。今日はまず普天間基地を見たいなと思っていたのですが、夜明けまでまだ時間がありそうです。すき家があったのでまぜのっけ定食を食べました。そして、国道から少し入った嘉数高台公園に登ります。

朝の公園はペットの散歩をする住人の方が結構いました。展望台に登ると人の気配が。大きなカメラが三脚につけられて、お一人横に立っておられます。おはようございますと挨拶したら返してくれました。最初、夜明けを撮っているのかと思ったのですが伺ってみると、訳あって普天間基地の様子を1日12時間見ているのだとか。高倍率レンズでオスプレイやパトリオットミサイルを見せてもらえました。朝から1時間くらい話し込んでしまい、公園を出たのは午前7時。面白い体験でした。

普天間基地の横を北上すると、道の看板が英字表記になります。米兵向けなのでしょう。ドル建ての車屋などもありました。まるで米国に来たみたいに錯覚します。やがてすぐに次の基地、嘉手納の横に着きます。ここは道の駅から見学できるのですが8時半まであと15分開かないので、そろそろと思いチェーンを少し引っ張りました。

作業を終えたらタクシードライバーの方が声をかけてくれていい暇つぶしになりました。カブの購入を検討されているとのことで熱心に話を聞いてくださいました。沖縄本島の北部についてもアドバイスをもらえました。

道の駅が開いたので嘉手納基地を上から眺めます。一機、輸送機の離陸が見れました。修学旅行生でとても賑やかでした。

この先、ホームセンターが無いのでちょっと戻ってそろそろ交換しなければいけないエンジンオイル類を購入しておきました。

ここからは小さな半島がいくつかあるので、まわりながら、無料の岬やビーチには立ち寄る感じで進みました。残波ビーチ、マリブビーチともう10月なのにたくさんの人々が海水浴を楽しむ姿が珍しかったです。

恩納村は特に観光地化していて、岬なども有料。ビーチも駐車料が必要な場所がほとんどでした。そういうところは飛ばしながら進みます。

やがて大きな湾の向こうに街並みが。名護市です。人口はそれほどでは無いのですが、北部最大の街となります。

A&Wがあったので立ち寄ってお昼ごはんにハンバーガーを食べました。ルートビールという清涼飲料水が人気でこれはおかわり無料でした。一番プレミアムなハンバーガーセットを頼んだので1300円以上しましたが、前の淡路バーガーと比べるとコスパは高いと思います。ここも修学旅行生で長蛇の列になっていました。

名護市の西側には本部のフェリー乗り場がある半島が伸びています。昨日海側から通ったので今度は陸からフェリー乗り場まで行ってみました。バイクであれば那覇よりも本部の方が早く着いて遅く出発するので効率が良くなります。今回は知らなかったので仕方ないですね。

フェリー乗り場を過ぎると瀬底大橋があり瀬底島に渡れました。ビーチを見る頃には朝の曇り空もすっかり晴れ上がり、海が綺麗な水色に染まっていました。

さらに進むと有名な美ら海水族館がある博物館公園に着きます。ここも写真だけを撮りましたが、公園の中はなかなか広く、照りつける日差しで溶けそうになりました。夏に逆戻りしてきた気分です。

この先には野外地島がありそこからかかる古宇利大橋が有名です。マリンブルーの海に長い真っ白な橋が映えていました。古宇利島をぐるっとまわった箇所にいい眺めの路肩があったのでそこでバイクと一緒に橋の写真を収めました。

時刻はすでに15時をまわっています。沖縄本島は全体が観光地化しており、なかなか野宿場所を探すのは困難な雰囲気がしていました。探したら、この先の大宜味に良さそうな場所があるようで、今日はそこまで走ることにしました。

場所には1組、家族連れの方がいらっしゃったので邪魔をしないよう、離れたところに陣取りました。ちょっと国道から近くて騒がしいですが、オーシャンビューが素晴らしい場所で気に入りました。

今日は168キロとのんびりと走った1日でした。沖縄の滞在は2日間で十分といいますが、それだとフェリーが土曜日に重なって混みそうなので3日間滞在くらいを意識してゆっくりまわろうと思います。

走行距離:168.1km(積算:11616.4km) 食費:1995円(積算:59913円) 燃料:537円/3.23l(積算:33319円/184.97l) メンテ:1083円(積算:18812円) 小計:3950円 積算:282913円

10月27日(41日目)

寒い。

温度計は21度を示しています。この沖縄の温度で冷えるとは、どうも装備の問題ではない様な気もします。冷え性になってしまったのでしょうか、、。

時刻は午前1時半。昨日はビーチの夕暮れを見てからすぐ寝たので19時過ぎに寝てしまったことになります。睡眠時間的には十分なのですが、狭い沖縄本島で夜中に真っ暗な中進む必要もありませんので、寝直す事にしました。

午前4時半。そろそろ出発してもいいでしょう。今日の目的地の辺戸岬までは30キロくらい、丁度夜明けに着きそうです。

21度もありますが、さすがに上着を重ねないとバイクは寒いです。沖縄本島北部は商業施設も少ないので朝はコンビニしかありません。イートインも無く外で食べる気にはならない温度なので、そのまま岬まで通過してしまいました。

辺戸岬手前で空が明るんできます。右手に辺戸御嶽の岩山が真っ赤に染まっていました。南の方は岬は有料化されていましたが、ここはさすがに大丈夫みたいです。

駐車場にバイクを停め、短い岬の遊歩道をぶらぶらします。日の出る直前です。同じく日の出待ちをしている方がポンチョを着て座っていたので挨拶をします。旅行者の方で那覇から原付を借りて一週間沖縄をまわられているそう。移住も検討されているくらいの沖縄通で、昨日は手前の国頭のオクマビーチでシュノーケリングを楽しまれたそうです。沖縄でもこのビーチは格別に綺麗な色でレンタルシュノーケルもありオススメとのこと。

そういえばせっかく沖縄に来て、まだ10月いっぱいは海に入れるのに、泳がないのも勿体無いな、と思い、通り過ぎて来た場所ですが、思い切って行ってみる事に決めました。

ただ、そのまま戻ると効率が悪いのでぐるっとまわってから山を突き抜けて向かう事にします。

ジムニー乗りとのことで、僕も以前持っていたので車の話で盛り上がり、また1時間くらい話し込んでしまいました。昨日もそうでしたが夜明け前の遭遇は面白いですね。

沖縄本島北東は国立公園になっており、峠道を走る形になります。ヤンバルクイナの飛び出し注意の看板がたくさんありました。時折見える景色は低木の高原の様。この時間からツーリングのバイクに追い抜かれることも多くなりました。バイク乗りは島を見るとぐるっと一周したくなるものです。

やがて西側への分岐にでるので、そちらへ。ちょうど昨日寝た場所の近くにでました。そこから北に行くと国頭半島です。

朝のオクマビーチは人はまばら。小さい子が泳いでいるくらいです。ちょっと泳ぎづらい雰囲気でしたが、思い切ってシュノーケルをレンタルします。1時間で2000円でした。シュノーケリングの場合はライフジャケットを装備しなければいけないそうでそちらは無料でした。

水着ももってきていないのでボクサーパンツにライフジャケットでザブンと水に入ります。思ったより水温は低かったですが、すぐに慣れました。ぷかぷか浮かびながら水中メガネで見る沖縄の海は絶景。まるで水族館にいるような熱帯魚が悠々と泳いでいます。時間を忘れて魚を追いかけていたらレンタルの1時間はあっという間に過ぎました。

用具を返してから人がだんだん増えて来たビーチで椅子に座ってボーっと海を眺めます。典型的なリゾートです。あまりこういう事はしないので初めての経験かもしれません。それほど暑くも無い気温に日差しがポカポカと気持ちがいいです。一日中こうしていてもいいかなという気分にもなりました。

小一時間、リゾートしてから、やはりと思い出発の準備をします。シャワーを浴びて着替えると暑さですぐに乾きました。月光荘でボディソープを忘れて来た事に気づきます。これで2回目です。まあ入手出来ないものを無くすよりは良いでしょう。

海上がりのバイク走行は気持ち良くもあり眠くもなります。そのまま先ほど来た道から東側へ。そこから南下して行きます。やがて国立公園を抜けるとちらほらと商店が建ち始めました、

辺野古は基地の移設の件でピリピリした空気でした。たくさんの警備員がならび、反対の上りが道を埋めています。

結局朝を食べずにお昼になってしまったので宜野座の道の駅の食堂でフーチャンプルー定食900円を食べます。チャンプルーというのは混ぜ物という意味で、フーは麩のことです。ミミガーも入って味がしっかり染み付いていてごはんが進みました。

さらに進むと金武に入ります。大きな塔があり何かと思ったら沖縄電力の石炭火力発電所でした。ちなみに金武は「きん」と読みます。そこを抜けると大きな街にはいりました。うるま市です。

そろそろ15時なので寝床の心配をしなければいけません。沖縄本島は全体が観光地化しており、野宿をするにはなかなか難易度が高い島です。しかも人口のほとんどはこれから入る南部に集中しており、人が多いとそれだけ場所も少なくなります。

街を避ける様にうるま市南東の半島に入り、そこから長い橋を渡り宮城島へ渡ります。さらにそこから東の伊計島へ。土砂崩れで迂回路が大変でしたが、それでも観光客は多く、レンタカーのれナンバーの車がたくさん走っていました。端の島なので住居や施設は少ないので寝る場所はありそうな雰囲気です。

うまい具合に遺跡公園があり、もう夕暮れで人もこなさそうなので、今日はここの屋根を借りる事にしました。途中、一人観光客っぽい方が来られましたがそれ以降は特に問題なさそうです。

今日は結局一食しか食べていないのでボディソープを買ってからスーパーでパンを買って来てあります。何を買うにしても本土より微妙に物価が高く感じます。ほとんどの材料が海輸なので仕方がないといえばそうですね。ガソリンやお酒は税金の調整が入り、反対に安いです。

朝の方がおっしゃっていたのですが、物価や家賃は高いのに人件費は安いので移住して仕事を探すのがなかなか大変とのこと。人々の憧れの沖縄移住ですが、現実はなかなか厳しそうにみえました。

走行距離:228.9km(積算:11845.3km) 食費:1273円(積算:61186円) 燃料:389円/2.37l(積算:33708円/187.34l) 観光:2000円(積算:9050円) 用品:538円(積算:61176円) 小計:4200円 積算:287113円

10月28日(42日目)

暑い。

汗をかいていました。一昨日の晩は寒くて起きてしまったのですが、今日はマットを二重にしたら効果的面でした。これで本州に帰ってもなんとか凌げるといいのですが。

時刻は午前3時半。本日もまた、距離を走る必要はないのでテントの中でゴロゴロと過ごします。沖縄本島の外周は400キロなので、いつものペースだと2日で周れるのですが、予定を4泊で組んでしまったので持て余しそうです。

もう外周は1/3以上進んでいるので、このまま那覇まで入ってしまうと都会すぎて野宿する場所が無くなってしまいます。明日のフェリーの受付時刻は午前6時。なので那覇から1時間ていどの距離で寝ようと思います。

午前5時の夜の中を伊計島、宮城島と戻り、浜比嘉島に少し寄ってから本島に入ります。うるま市の南東の半島を舐める様に進みます。半島を抜けると中城村へ。遠くに巨大な石油運搬船が見えました。

この辺りは朝から煌々と光っているお弁当屋さんが何軒かあります。そのうちの一軒のひかり弁当で、おすすめされたちゃんぽん弁当を買って、近くの公園の展望台で朝日を見ながら食べました。450円とは思えないボリュームで満腹です。

与那原に入ると、那覇への分岐があります。考えた末、時間があるのでまず先に那覇に戻り、後から外周を埋める事にしました。

本島を横断するので那覇へはものの10分ほどで戻れます。某事件の犯人が潜伏してた事で有名な漫湖公園の海の生き物の像を見てから海沿いの波上宮へ。これはビーチの真ん中の大岩の上に建っている神社です。ビーチにバイクを停めて、橋を歩行するといいアングルになったので写真を撮りました。

もう一つの目的である、明日予約したマリックスラインの受付場所の確認も行いました。明日の朝はタイトなので失敗しないように下見です。案の定、受付場所にはマリックスラインの文字は無く、共同待合所と書かれた場所がそうでした。やはり下見しておいてよかったです。

少し郊外にでて豊見城市の旧海軍司令部壕にも行ってみました。展示室までは無料。壕へは入場料600円支払い、入ります。漆喰の壁は当時のままとのことで、将校が手榴弾で自害した跡が生々しい状態で保存されていたのが印象に残りました。

壕から出ると外はもう真夏。バイクで走ると風でちょうどよいくらいです。さて、時間も潰せたので東に向かい、与那原に戻ります。

南城市では漁港の中に壺の様に侵食された奇石が見れました。その先は本島最東端、知名岬です。マリンブルーの海に水面ギリギリの島が2つほど見えました。

次は最南端に向かいます。途中、平和記念公園があったので少しだけ散歩しました。シンボルの塔は現在改築中で足場に囲まれていました。

ここからは大きい道はなさそうなので細い農道を南端に向かって進みます。最初、東側の荒崎がそうだと思って、歩いている人に聞くと、砂利道なら行けるとのこと。ちょっと挑戦してみましたが、草が多くなり断念。調べると、最南端はここではなく隣の喜屋武岬なのだとか。こちは舗装路で辿り着けました。ちゃんと調べてから移動するものですね。

喜屋武岬の本当の先端は道路が無く、到達困難地点でした。展望ポイントで写真をとります。これで沖縄本島最南端到達、とともに、今回の旅でもここが最南端となります。あとは戻るだけですね。

糸満市に入ります。今夜の寝床の候補である北名城ビーチを下見して見ます。到着してびっくりまだ13時だというのにお祭りの様にテントが並びます。沖縄は無料キャンプ場がほぼ皆無ななので島中のキャンパーが集まって来ている感じです。これは早めに場所を取らないといけません。

少し進むと日本最南端の道の駅いとまんがあります。その先の食堂で午後飯を食べようとしたのですが、あいにく閉店。早く戻りたいのでサンエーに入って明日のフェリーの食料と一緒に買い物しました。ゴーヤチャンプルーを食べてなかったのですが、ちょうど弁当でそれがあったので購入。あとは明日の菓子パンとサンドイッチを作るために食パンとハム、飲み物を買いました。やはり沖縄は物価が高いです。鹿児島と比べるとスーパーでもいい値段になってしまいました。

ガソリンを満タンにして北名城ビーチに戻ったのは14時。もう海沿いの場所はいっぱいです。風も強そうなので奥の方に陣取り、人目もあるのでシャワーは頭だけにしておきました。

こんなに早くテントを張ったのは初めてです。最後の沖縄はのんびりとした午後を楽しむ事にしました。

走行距離:150.6km(積算:11995.9km) 食費:2840円(積算:64026円) 燃料:634円/3.79l(積算:34342円/191.13l) 観光:600円(積算:9650円) 小計:4074円 積算:291187円

10月29日(43日目)

暑い。

あまりに暑くて目が覚めました。寝汗をかいてしまっています。20度越えで二重マットと冬用シュラフは、掛け布団にだけしているとはいえオーバースペック過ぎるようです。暑かったり寒かったりとなかなか難しいものです。

午前3時半に目覚ましをかけていたのですが、現在3時15分。そのそろ起きてもいいでしょう。目覚ましを停止しておきます。

テントの外に出るとビーチはいっぱいのテントで埋め尽くされていました。イルミネーションしているテントもあり綺麗です。周りを起こさない様に気を使いながら出発の準備をします。

出発は午前4時。フェリーは6時受付なので早すぎるくらいですが、余裕がないと落ち着かない性格なので早めに着く事にします。

糸満市の農園はLED栽培で夜中も煌々と明かりがついていてまるで屋台街の様でした。国道に入り那覇に向かいます。海沿いをトレースしましたが、那覇の河口側の橋が原付NGで結局戻されてしまいました。フェリー乗り場へ着いたのは4時半。まだ待合室も開いていません。

時間があるのでまた国際通りの方へぶらりと行ってみました。繁華街は早朝でもたくさんの人。酩酊した外国人が警察官に助けられて?いました。

食べ残したタコライスを食べたかったのですが、それらしいお店はやっていません。なんと無くファミマに入ったところ、タコライス弁当がありました。ブルーシールアイスクリームも食べたかったのでここで買います。コンビニも商品が沖縄仕様になっているので便利なものです。那覇は暖かいのでこの季節でも外で余裕で食べる事が出来ました。

フェリー乗り場は5時50分に開きました。マリックスラインの手続きは現地の代理店が請け負っているので、鹿児島のマルエーフェリーよと比べてとても親切に対応してくれる印象です。今回のクイーンコーラルプラスは2等洋室も1400円プラスで用意され、ほぼ寝台となります。寝台も別にあるので違いが?でした。結局、多分空いていることを期待して追加料金無しの2等を選びました。

クイーンコーラルプラスは鹿児島行きは4階、奄美諸島行きは3階とわけられ、4階は広い2等に僕と他に一人だけ。これからどんどん増えるのでしょうが、のびのびと使えました。コンセントがマルエーフェリーよりも少なかったのですが、コワーキングスペースに十分な数のコンセントがあり困ることはありませんでした。こちらは湯船の展望風呂もあります。欲を言えば、両側の室内ロビーがあれば良かったのですが、この船は左側だけ。沖縄本島は右手に見えているので、甲板にでて景色を眺めました。

先日走った残波岬が見え、やがて本部岬へ。陸から見たのと同じ、採石船群が目に入ります。みかけたみなと食堂もよく見えました。一度走るだけで見え方が変わるので面白いです。

朝食べたのは早朝だったので、買ってきたメロンパンとコーヒーを飲みました。実はマルエーフェリーもマリックスラインも、そんなに気にするくらい船内の食事や売店は高くありません。おにぎりなどはむしろ安いくらいです。

今日は時間があるのでこれまでのおさらいをしようと思い、Wikipediaで走ってきたと都道府県について再勉強して過ごしました。奄美諸島に寄港する時は甲板にでて景色を楽しみます。

最初の島、与論島は改めて見ると沖縄本島より海の色が鮮やかな青の珊瑚礁の島。次の沖永良部島はそれより大きいですが、先日の方によるとハブもいなく洞窟が多く楽しそうです。徳之島はさらに大きく発展しており、ユーラシア大陸から分離した経緯もあり珍しい動植物の宝庫なのだとか。どの島も魅力的で、また来る楽しみが出来ました。

そんな風に過ごしていたらあっという間に日暮れ。奄美大島へは21時着なので、これは見れなさそうです。

お昼は食パンとハムとチーズで自作サンドイッチ。夜は残ったそれとカップラーメンを消化します。お風呂は16時からとあったのですが、早くから開いており海の景色が楽しめてさっぱりしました。

徳之島を過ぎたら乗客も増えて船内が賑やかになりました。お腹も膨れたので、耳栓とアイマスクで睡眠周期を崩さない様に19時には横になりました。

明日はまた鹿児島から再スタートです。急に温度が下がることが予想されるので体調には気をつけて進みたいです。

走行距離:24.2km(積算:12020.1km) 食費:782円(積算:64808円) フェリー:5810円(積算:68120円) 小計:6530円 積算:297717円

10月30日(44日目)

マリックスラインの鹿児島搭乗では乗船時に案内所にお願いすると2等でも窓際の寝床を開いていたら指定してもらえます。

さっそく窓際にしたのですが、これが失敗で壁からかなりのエンジンの騒音と冷房風が降りてきてなかなか寝つけません。朝は午前3時半起きにも関わらず結局眠りに着いたのは夜半前くらいでした。

朝も寒くて隣の布団を借りて二重にして暖まっていました。時刻は午前5時。ペースを乱さない為に起きて洗面。なんと無くコーヒーが飲みたかったので普段あまり利用しない自販機で購入。ほんとはワンダが飲みたかったのですが100円玉がどうも認識してくれずジョージアになりました。

外は真っ暗で景色はまだ見えませんが、そろそろ鹿児島湾には入っている様です。電波も繋がらないので大まかな地図を見ながら今後の事を考えて過ごしました。

8時半。鹿児島港到着です。バイクは先に案内で特に待ちもなくスムーズに出発できました。さて、前回は桜島を半分しかまわらなかったので今回は北半分をまわり、霧島からぐるっとまた鹿児島に戻ります。この道はとても時間がかかると地元の方数名に聞いていたのですが、海岸線をコンプリートするのが目的なのと、実際どの様に時間がかかるのかを体験しなければわからないと思い、時間がかかっても走行してみることにしました。

桜島フェリーは2回目ですが相変わらずスムーズに乗船できました。鹿児島市から乗る場合の桜島側のゲートで清算となります。中にはうどん屋がありこれは後から知ったのですがちょっとした名物だそうです。15分で食べなければいけないので少し慌しそうですね。

桜島の北側は火口が良く見え、迫力のある景色が楽しめました。シェルターや埋没鳥居、火山灰堆積所など見どころも複数あります。

やがて先日の合流、橋をわたって九州本島にもどります。霧島の道は、確かに渋滞していました。都会的な信号の渋滞ではなく、田舎でよくある幹線道路への交通の集中による渋滞でした。なっとくいきました。

そろそろ洗濯物が溜まってきたので途中にコインランドリーを探しました。一つ目は大型のみ700円からなのでパス。2件目のウォッシュハウスという店が200円洗濯の100円乾燥で300円で済みました。洗濯を待ちながらマットカバーの補修や余ったシナモンロールを食べるなどして過ごしました。また服も全部入れ、カッパズボンを着ます。寝巻を入れ忘れたのでロック解除して後から入れました。

途中、静岡ナンバーのキャンピングカーの方がら同じく洗濯に来られ、話しかけて頂いたのでいい暇つぶしになりました。インスタをフォローして頂けました。

洗濯が終わりさっぱりしたので出発。今回はメットのクッションやニットのカーディガンも洗濯して、これらは乾燥機を使えないので自然乾燥。鹿児島の日差しは沖縄程ではないですが、これらを乾かすにはそれほど時間がかかりませんでした。

鹿児島市内に戻り、繁華街の天文館へ。有名なカキ氷、しろくま発祥の店、天文館むじゃきに入ります。最初カキ氷800円は高いなと感じましたが、出てきたものはフルーツいっぱいでコスパがよくカキ氷だけてお腹いっぱいになりました。

いつもより早いですかここで午後飯も食べようと、鹿児島ラーメンの天文館豚トロにも立ち寄りました。名の通りチャーシューがとろとろの豚骨ラーメンを楽しめました。これから熊本、福岡、長崎とラーメンが楽しみです。

満腹してバイクに戻ったらお巡りさんか。駐車してたから怒られるかなと思ったらなんと、むじゃきの前で女性が倒れて助けられていました。無事だったことを祈ります。

夕飯まで食べれたので、いよいよ薩摩半島をクリアしに南下します。明日は開聞岳に登りたいので、食料のパンと水を買い出しにスーパーに寄ります。エキサイティングプラザサンキューという面白い名前のお店でした。横にはベリーマッチという酒屋も併設されており笑いました。

ガソリンスタンドで水ももらい、野宿の準備も万端。まずは薩摩半島南端の長崎鼻へ。

日が傾いた岬の湾の向こうの開聞岳はとても美しい姿でした。色々海岸線を見てきましたがここまで綺麗な形の山はそうそうありません。北海道利尻山と良い勝負です。

開聞岳の麓に入場ゲートがあったので聞いてみると、登山口はここと北側の2箇所あり、この有料ゲートの方は3合目から登れるそう。残念ながら明日は休みなので利用できないから北側から登ってね、とのこと。あと、6時間はかかるから10時を過ぎたら登らない方がいいよと言われました。

休みとかあるんだと思いながら、北側へ。こちらはゲートはなく自由に入れる様になっていました。駐車場で寝ようかと思ったのですが、車中泊禁止とあり微妙だったので、登山口の近くにバイクを入れられるスペースをみつけ、そこにテントを張りました。

沖縄の観光地化してテントを貼りにくいピリピリした空気から抜けてきたので、本土の田舎の方の気楽にテントが張れる環境の良さを改めて感じました。

こちらですでに2合目なのでむこうとはそれほど変わらなさそうです。今回は登り800メートル。前回登った利尻岳の倍です。中級レベルの山になるので気を引き締めて登りますよ。

走行距離:169.5km(積算:12189.6km) 食費:2430円(積算:67238円) 燃料:351円/2.18l(積算:34693円/193.31 l) フェリー:470円(積算:68590円) 洗濯:300円(積算:2700円) 小計:3551円 積算:301268円

10月31日(45日目)

午前2時半。

昨日は日が暮れてすぐに寝たのでこんな時間に起きてしまいました。昨日、登山口の係の人から夜中の登山は遭難者がよく出てると脅されてるので、あまり早くは出ないようにします。

開聞岳の登りは約750m。コースタイムは登り3時間くらいなので、日の出の午前6時半から1時間前の5時半くらいに出ればよさそうです。また寝袋の中でぼけっとしながら時間を過ごします。

午前4時半。そろそろ準備してもいいでしょう。荷物を長時間バイクに付けていくのはちょっと怖いので、テントを設営したままで中に荷物を入れていくことにします。比較的ましでしょう。

装備は肩掛けバッグに500mlの水とアンパン。ヘッドランプの後ろにサングラスのみという超軽装。本当はステッキが欲しいですが無いので仕方ありません。今度旅に出る時はステッキをくくりつけて来てもいいですね。

暗い中、開聞岳2合目からスタートします。なだらかな砂利道の登りが続きます。やがて0.5合登ったところで昨日の登山口と合流。有料の方とはそんなに変わらなさそうです。

5合目。昨日の長崎鼻とその周りの街明かりが見えました。海岸線の形が航空写真の様にはっきりと見えます。空は少し明るんできていました。

7合目。長崎鼻の奥に佐多岬が見えます。走ってきた場所なだけに感動もひとしおです。登山道は岩場になり螺旋状に巻いていきます。

南側の道になりました。途中仙人窟の洞窟がありました。本当に誰か住んでいそう。ここからの登りはさらに急になります。

さらに巻いて西側。もう日は上がっているみたいです。西側の湾に開聞岳の三角形の影がはっきりと落ちていました。

ハシゴを登ると前から登山者が。挨拶してお話しを聞くと夜明けに間に合う様にさらに早く登られたとの事。一番乗りのつもりが2番手でした。

頂上。大きな岩が中央にありそこに登ると薩摩半島と大きな池田湖が見渡せます。富士型の山で高度感がすごく、足がすくんでしまうくらいです。北側にはせり出た岩があり、そこはプールの飛び込み台の様に970メートルの上になります。あまりの高さに先に立てませんでした。

景色を楽しんだら下山。やはり人気のある山で帰り道は20人くらいすれ違いました。あの狭い頂上は混雑しそう。早めに登って正解でした。

下山してコースタイムは3時間。標準が6時間なのでかなりのペースで登れました。不思議と標高差の割に疲れもありません。結果的に岩場が多かったのでステッキは無い方が楽でした。グローブはつけて行って正解。

テントをたたみ、出発。今日は砂風呂に入りたく、昨日通った指宿に戻ります。手前の山川にも砂風呂はあるのですが閉館中の様でした。

指宿の砂蒸し風呂は温泉蒸気で温まった砂に浴衣で寝転がり、人力で砂をかけてもらうというもの。砂は意外と重く、身体の脈動が感じられ面白い体験でした。その後浴衣を脱ぎ、温泉に入れる仕組み。登山の後の温泉は格別でした。

そういえば、入り口で昨日のキャンピングカーの方とばったり。この広い鹿児島でこんな風に再開出来る偶然はすごいです。先程は池田湖にいらっしゃったそうで、開聞岳から見えましたよと冗談。

風呂上がりでお腹が空いたので、結局食べなかった非常食のアンパンをかじります。さて、また時計周りを始めましょう。

途中、山川で地熱発電所の見学ができたので立ち寄ってみました。映画の後は実際の発電設備を係の人が案内してくれました。とても親切に説明してもらえ、珍しい地熱発電の勉強になりました。僕の日本一周にも興味を持ってもらえら帰りにインスタもフォローしてくれました。楽しい寄り道でした。

さて、これから西に入るので開聞岳も見納めです。最後にバイクと一緒に写真をとりました。さっきまであの頂上に居たのですが、まるでそんな気がしません。

思い立ってコメリでポケットラジオを買いました。AMで地元ラジオを聴くと、雰囲気が出るかなと思ったからです。前に同じことを思い、買い逃していたのですが、もっと早くから用意すればよかったです。AMは方言も飛び交うローカルラジオが多く、旅にはぴったりでした。夜のテントも寂しくありません。

鹿児島の南西部は綺麗な海のリアス式海岸です。買ったばかりのラジオを聴きながら走っているとすぐに時間が過ぎ16時になってしまいました。どうやら鹿児島にもう一泊となりそうです。

エーコープで焼肉丼とコロッケとフルーツサンドを購入、そのまま水を探して串木野の半島に入りますが、公園などはなく水が手に入りません。野宿場所はたくさんあるのですが、失敗しました。水は早め早めに入手しておくべきです。

結局、半島北側の川内原発の広報施設に公園があったので今日はその屋根を借りることにしました。17時に間に合えば見学もしたかったのですが、ちょうど間に合わず。残念です。

ともあれ、今日は前から登りたかった開聞岳を踏破、砂風呂も入れてラジオも入手出来、充実した一日でした。

明日は熊本に入り、天草の方に向かいます!

走行距離:197.7km(積算:12387.3km) 食費:689円(積算:67877円) 燃料:506円/2.81l(積算:35199円/196.12l) 用品:1380円(積算:62556円) 入浴:1100円(積算:4920円) 小計:3675円 積算:304943円

11月1日(46日目)

なんだか寝つけない夜でした。寒暖の差が激しくなったからでしょうか。最初は暑く寝袋を掛け布団にしていると今度は寒くなり寝ぼけながら封筒型に変形させます。

近くの川内原発からは夜中でもスピーカーでなにかやりとりしています。原発も運転させるのは大変そうです。

寝た様な寝ていない様な状態で気がつけば朝。なんと午前6時。寝坊してしまいました。空はもう明るんで来ています。慌ててテントを畳み撤収しました。

薩摩川内市内の川を渡るタイミングで日の出。水温がまだ高い水面から大量の湯気が湧き、朝日に照らされて素晴らしい景色になりました。こんな景色を見られたのですから、結果的に寝坊して良かったのかも知れませんね。

お店が少ない薩摩半島西部ですが、コンビニは何件かあります。朝食はイートイン付きの場所で取りました。本土はもう寒いので沖縄の様に外で食べる気にはなれません。

やがて、薩摩半島を抜け、熊本県天草の南側に位置する鹿児島県長島に入ります。長島への入り口は黒之瀬戸海峡といい、玄関、鳴門と並び日本三大急潮としてあげられる場所です。展望公園があったので写真を撮りました。

長島を時計周りにまわっていきます。斜面に作られた段々畑が見えました。温州みかん発祥の地ですのでミカンの木が植えられているのでしょうか。

やがて半島の先端へ。突然フェリー乗り場が現れました。係員さんに乗るかと合図されましたが、乗らないとバツ印でサインを送りました。本当はこれに乗ると天草まで一発でいけるのてますが、今回は海岸線トレースが目標なので時間はかかりますが水俣をまわっていきます。本当に泳いでいけそうな距離なのですが。

長島にも長崎鼻という場所がありました。先日の関門岳側の長崎鼻と同名です。同じ県でこんなに同名の岬があることに驚きました。さらに北に行くと堂崎鼻。これは先端までは車道がないので折り返し。北の八代海の穏やかな海に浮かぶ筏群が目をひきました。

途中でみかんが一袋200円の安価で売られている無人販売所があったので購入。ずっと果物不足なのでありがたいです。

長島から戻り、北上。熊本県に入ります。ラジオはMBCからRKKへ。長島からRKKはとれていたのですが、これで正式に県内です。地方ラジオは方言が飛び交い面白いです。

ようやくダイソーがあったので、片耳で辛かったラジオのイヤホンを両耳のものを購入。が、さしてみますが片耳しか聞こえません。あと、続く陽気で唇が乾いてひび割れてきたのでリップクリームも探してもらいましたかダイソーには最近入荷しなくなったそう。

ベスト電器があったので店員さんに聴くと、その様な変換アダプタはないとのこと。念のため商品棚をみると、あるではないですか。ちゃんと自分で見てよかったです。地方だからか、なぜかモノラルイヤホンが充実していました。同じ建物に薬局が入っていたのでリップも購入。110円でした。

両耳でラジオが聴ける様になったので快適です。水俣なので、水俣病資料館に寄ってみました。ここを含むエコパーク全体が埋立地で、問題の有機水銀が地下に封印されているのだとか。公害を起こしたチッソ株式会社は現在も水俣市で営業していることに驚きました。

時刻は14時。なんとか日没までは天草までは辿りつけそうです。今夜は戻ってこれないでしょう。途中で熊本県て有名なお弁当のヒライがあったのでDXしょうが焼き弁当大盛りとドクターペッパーを購入。テントの中で食べることにします。

天草四郎ミュージアムで銅像だけ撮影してから、ビジターセンターで水補給。天草5橋をわたり最後の島へ。入ったガソリンスタンドで聞いてみると、時間はかかるが龍ヶ岳天文台の展望所がおすすめとの事。

道から7キロ峠道でしたが、展望台に登ると八代海を臨む絶景。昨日の開聞岳並みの急斜面です。ちょうど日が傾いていい景色が撮れました。ミューイ天文台があったので、天気もいいので見学させて貰おうと聞いてみると、夜は19時からとのこと。下にキャンプ場があるらしいので行ってみるのですが無人。勝手に泊まるのも気がひけるのでキャンプ場外に場所を見つけて設営。また展望台に戻って日没と没後の夜景を楽しみました。

その後のミューイ天文台でも館長さんが丁寧に説明しながら50cm口径の望遠鏡で天体を見せてくれました。M57、ハンガー星団、アンドロメダ銀河、二重散開星団と普段見れない星団や銀河を見ることが出来ました。なんでも自動導入装置が故障しているらしく、館長さんが赤道儀を使って器用に手動導入していました。これは知識がないと出来ない職人技ですね。

今日は最高のコンディションだったはしく、盛りだくさんで2時間半も天体観測を楽しめました。運営のお話など深い話題も教えて頂きました。たまたまですが立ち寄って大満足のミューイ天文台でした。

走行距離:292.6km(積算:12679.9km) 食費:1371円(積算:69248円) 燃料:852円/4.96l(積算:36051円/201.08l) 用品:825円(積算:63381円) 観光:800円(積算:10450円) 小計:3848円 積算:308791円

11月2日(47日目)

今日は、、ちゃんと寝れた様な気がします。寒くなってきてシュラフから出るのが億劫です。だらだらとしてたら午前5時。出発は5時半になってしまいました。夜明け前のゴールデンタイムは1時間しかありません。

標高500メートルの龍ヶ岳を下ります。高度の割に海風でそんなに気温は落ちなかったみたいです。フライシートだけ、結露で濡れてしまったのでどこかでまた乾かす必要はありそうです。

地図を見ると、まだ天草は端から2番目の島。もう一つ奥に天草市街があります。地図を埋める為、向かいます。

朝焼けの八代海はとても綺麗です。途中で昨日買ったミカンを食べながら降りてきた龍ヶ岳の写真を撮りました。下から見ると急にそそり立っている形で、あの高度感と景色もうなづけます。

やがて最後の橋を渡ると天草市街。イオンなどもあり発展した街でした。こんなに半島の先の場所なのに意外です。

さらにここから天草の先端、牛深に向かいます。途中から周回路ではなくピストンになりますが、仕方ないでしょう。

最端まではなかなかの距離でした。この道を戻る事を考えたら気疲れしてしまいます。山間部の道で温度は10度。手が冷たいのでゴム手袋をつけました。

牛深に到着。昨日の長島からのフェリーの発着点までたどり着きました。まったくフェリーを使えば10分なのに、陸路にこだわったお陰で1日がかりです。ついでにさらに先の下須島に渡ってみました。ここには九州で2番目に長い橋、牛深ハイヤ大橋がかかっています。端の途中にインターチェンジがある、見た目にも変わった橋です。

下須島の南端の岬に行けないか挑戦してみまさたが、残念ながら道は塞がれていましたのでこれで折り返します。かなり長い距離を戻り、ようやく国道分岐へ。そこから天草の西に向かいます。

ここに早浦という、かなり深く入り込んだ湾があります。あまりに深すぎて波は一切なく、水面はまるで湖の様になだらかで景色を反射しています。まるでノルウェーの様。

ここからは、昔の隠れキリシタンの施設があります。崎津天主堂は畳敷の教会。禁教時代には絵踏みも行われていたのだそう。その先の大江にも大きな天主堂がありました、

道は西海岸に出て、半島を北に巻いていきます。北に出ると火力発電所がありました。苓北の石炭火力です。港には石炭船があり、コンベアで輸送されていました。その先には四季咲岬があります。立ち寄って灯台まで歩いてみました。有明海を挟んで反対側の長崎市と島原が見えました。

ぐるっとまわって天草市街に入ります。西側の道の方が遠回りになるのでとても長く感じました。

結局、朝を食べ損ねたので、熊本ラーメンの味せんがあったので入ってみました。このチェーン店、なぜか海外のほうが店舗数が多いという不思議なラーメン屋さん。中国でよく見かけていたのですが入った事がなかったのでいい機会なので食べてみました。

食事後、次の島へ。ここも北回りにまわります。ちょっと行き過ぎ形になりますが、ツイッターでおすすめの場所を教えてもらったので辿りつくと、そこには巨大な鉄塔が。塔マップで見てみると苓北火力線116番で195mと九州1番、全国2番に背の高い鉄塔なのだそうです。思わぬサプライズに写真を何枚も撮ってしまいました。対岸の鉄塔とのこう長は1.2kmもあり大迫力でした。

最後の宇土半島に入ります。ここからは熊本市側の熊ノ岳と金峰山が見えました。阿蘇山はその奥にあるはずです。

熊本市に入り天草の付け根まできました。天草諸島の走行距離約350キロ。これは紀伊半島より長い距離です。意外な長さの天草と、これから行く島原、長崎と海岸線がとてもながく、日本一周ごろしの場所です。

時刻は14時。一か八か、阿蘇山に向かいます。山道を通って南阿蘇へ。ここまでて15時過ぎ。なんとか間に合いそうです。南阿蘇パノラマラインを駆け上がると短く黄色い山々に囲まれます。絶景の中を進むと突き当たりに阿蘇公園有料道路が。200円を払います。ガスが出ているので喘息の人は入らないでと注意書きがありました。

トーチカかいくつもあり、噴火に備えられています。火口を見ていたらちょうど警備の人が退入り禁止に。聞くと、16時30分までなのだとか。本当にギリギリで間に合ってラッキーでした。

戻りは北側から抜けます、途中、馬が放牧されていました。そろそろ寝床を探さねばなりません。念のためらダイレックスでパンを買ってきておいて正解でした。水を休憩所で調達して熊本の方におります。

いくつかポイントはあったのですが、あまり高度が高いと寒いかなと思い、ずるずると人口密集地帯に入ってしまったのが失敗。なかなか場所がみつかりません。

ようやく見つけた公園にはワゴン車。同じく泊まりの人かなと、奥でテントの準備をします。ふと嫌な予感。ワゴン車にサッカーボールがつんであったような。前のナイターを思いだします。予感的中。18時半にいきなり人が集まりだし、照明が煌々とつきます。慌てて荷造りをして逃げ出します。

ここからがなかなか見つからない。熊本市に近づけば近づくほど苦しくなります。結局、山の方に入り、徒歩でしか入れないような公園を見つけたので、そこでテントを貼ることにしました。本当は濡れたフライシートも乾かしたかったのですが、そんな余裕はありませんでした。

今日は天草完走と阿蘇山と400キロも走ってしまいました。明日も早めに熊本市を抜けて距離を稼ぎたいです。

走行距離:403.4km(積算:13083.3km) 食費:1269円(積算:70517円) 燃料:852円/4.78l(積算:36903円/205.86l) 観光:200円(積算:10650円) 小計:2321円 積算:311112円

11月3日(48日目)

寒い。

寝る前はあんなに暖かかったのに身体中が冷え切っています。断熱は高性能シュラフなので問題無いはずですが、、自律神経の問題でしょうか。シュラフの中でまるまりながら身体を擦りながら摩擦で暖めます。テント内の気温は13.5度。シュラフは0度対応です。

時刻は午前4時半。静かな場所だったので冷えはしましたがよく眠れた方だと思います。ラジオでやっていたのですが先日の眠れなかった原発は丁度認可時期だった様であんなに騒がしかったみたいです。

外気温は11度。熊本市周辺は盆地なので特に寒いです。フライシートはまた夜露で濡れています。昨日は結局乾かさずに半乾きでした。フライシートだけなら湿っていてもさほど問題ではなさそうです。

走り出してしばらくしたらトラックログをとり忘れていた事に気づきました。慌てて記録を有効にします。数キロだけ飛びましたがよしとします。

熊本市市内に入ります。朝で交通渋滞はありませんが、信号が多くてなかなか進みません。とりあえず熊本城の写真を撮り、熊本駅を見ながら金峰山をまわって海沿いに出ます。

そろそろ熊本を出るので食べ納めと、お弁当のヒライに寄って朝食を食べました。お弁当でもお願いしたら飲食コーナーで食べてよく、そちらで出してもらえました。DXのり弁当とコーヒーを頼みました。寒いので屋内はありがたいです。

やがて福岡県大牟田市へ。福岡県は有明海海側にも伸びており、ここから福岡、佐賀、長崎と短く間に3つも県を跨ぎます。家具が有名な地域らしく、大きな家具店が看板を出していました。

すぐに佐賀県に入ります。ラジオ周波数をみるとAM民放は長崎のNBCのみ。長崎佐賀共通の番組を流しているそう。この二つの県は結びつきが強そうです。FMの方に佐賀の局があったのでそちらを聞く事にしました。

佐賀市の近くに板金屋さんが作った自作エッフェル塔があるそうなので見に行きました。内陸部でなかなかの距離。写真を撮ってから、ラジオでバルーンフェスタをやってると言っているので、会場の近くで遠景ですが、バルーンの写真を撮りました。会場へは長い渋滞が列を作っていました。

佐賀県は人口は少ないですが、面積が小さいので人口密度はけっこうあります。佐賀市の中心部には遠くからですがビルやマンションが立ち並んでいるのが見えました。

海沿いに戻り、鹿嶋市に入ります。有明海には黒い帯が。有明海のりの支柱の様です。その先の太良町に水中鳥居があり、三連休もあってたくさんの観光客が写真を撮っていました。

すぐに長崎県へ入ります。1日に4県いるのは始まって以来初となります。諫早市はバス停が面白く、フルーツの形をしています。ここでも観光客が写真をとっていました。

地図をみると諫早から島原半島までは、巨大な橋がショートカットしています。これば実は堤防の上に作られた道路で全長はなんと7キロもあります。お陰でかなり早く島原に辿り着けました。

島原に入ると雲仙の山々が間近に見えます。島原市は島原城を撮って平成新山を見て通過してしまったのですが、温泉に入りたくなり、通過したあと戻って、商店街のアーケードに軒を連ねる変わった温泉、ゆとろぎの湯に入湯しました。JAFの割引で少し安くなりました。中は地元の人で賑わっていました。

再び島原市を抜ける時に飲泉出来る場所があったので飲んでみました。炭酸水らしいのですが、かなり熱く、残念ながらよくわかりませんでした。

皿うどんを食べようと、大雅飯店というお店に入りました。15時だったのでお客さんは僕一人。お店の方とおしゃべりをして楽しめました。30年前の平成新山の噴火の時の話が興味深かったです。皿うどんはボリュームたっぷりで600円と大満足。太麺でソースをかける方が多いらしく、マネしてみました。お願いして水も補給させて貰ったので今日の夜の用意は万全です。ドラッグストアで非常食も購入。

時刻は16時。寝床を探してもよかったのですが、雲仙を見てみたくなり、北に寄り道。昨日の阿蘇の様に車道で上まで上がれました。そこから先は紅葉シーズンで予約有料で時間もほとんどなかったのでそのまま雲仙温泉へ。地獄の写真をとってふもとに戻ってきました。帰り道、遠くに見える天草諸島が空と同化してまるで浮かんでいる様にみえました。

だんだん慣れてきて、地形をみるだけで野宿場所がありそうか判断できるようになりました。島原の先端に小さな半島があり、その先を探ってみると、突き当たりに公園がありました、ビンゴです。半島の先は夜中は通過がないので寝られる場所が多いです。ただ、付近の人口密度にもよります。

今日は昨日と違い、スムーズにテントを貼れたのと、気温がまだ20度もあるので快適です。ところで日本海側の長期予報を見たらずっと雨の低温が続いていました。快活も少なく、ちょっと先が思いやられます。もう帰るしかないので、最悪ビジネスホテルをハシゴしてラストスパートするしかないかもしれませんね。

走行距離:285.7km(積算:13369km) 食費:1397円(積算:71914円) 燃料:936円/5.23l(積算:37839円/211.09l) 入浴:480円(積算:5400円) 小計:2813円 積算:313925円

11月4日(49日目)

暑い。

もう、極端に暑いか寒いかのどちらかです。0度用の寝袋は過剰過ぎたのでしょうか。すごい寝汗をかいてしまい、夜中に寝袋を展開して掛け布団に。朝方また寒くなったので封筒型にと忙しいです。

起きたらテントはインナーまでべちゃべちゃ。海沿いで高い海水温の水が湯気になって高湿度になっているみたいです。湿度系は99%。シュラフの外まで濡れています。

仕方ないのでそのまま畳んで出発準備。午前5時半に完了してスタートしました。島原半島を抜けて今度は長崎半島に入ります。頭の中の地図ではこんな半島あったっけ?という感じですが、総距離して90キロの巨大な半島です。長崎市街地の南に位置します。

特に西側の道はアップダウンと蛇行がすごく、こちらは50キロ以上あります。対して東側の国道は最短で30キロ弱。同じ直線距離なのでここまで違うのですね。

細い峠道ですが、向かいからランナーが走ってきます。どうやらイベントが行われているそうです。後の岬で教えてもらったのですが、スーパーマラニック273kmといい、ほとんど寝ずに3日間も走るそうです。世の中すごい人たちがいるものです。僕の日本一周なんて可愛いものですね。

海の向こうの島原半島から朝日がみれました。一度通った地形は思い入れが強くなるので、不思議です。今回の海岸線一周はいい経験になりそうです。

ガソリンが心元なく心配していたのですが、半島の先にも営業しているガソリンスタンドがあるみたいで、ほっとしました。かなり長い時間を費やした後、先端の樺島大橋へ。ここから地図では1kmもなさそうなのですが、道路は往復7km。なかなかの距離のところに樺島灯台がありました。ここもスーパーマラニックのチェックポイントになっており、ボランティアの方にお話を聞けました。スタート時間だけで11時間も幅を設けられていて、たった今長崎市からの最終ランナーが通過するのだとか。この岬の7kmだけでもかなりの起伏があり、ちょっとした登山です。まったく感心します。

長崎半島の先にはもう一つ、野田崎があります。こちらの方が観光地としては有名の様です。権現山展望台というところがあり、北の軍艦島がはっきりと見えました。かつての炭鉱跡です。暖かくなって強い風が吹いているので、ここでテントとシュラフを乾かしました。

ガソリンスタンドによりガソリン補給。店員さんと話すと、西側の道は本当に厳しく地元の人もあまり使わないそう。今通っているバスも来年からなくなり、過疎化が進んでいるとのこと。頑張ってねと飴玉をもらえました。

長崎半島東側の道は快適。どんどん北上できます。途中、伊王島が西にせり出ています。行ってみると観光地らしく、リゾートホテルが立ち、観光客がトゥクトゥクで灯台までタクシーしていました。伊王島灯台は映画あなたへのロケ地で有名らしいです、伊王島自体、軍艦島の様にかつては炭鉱だったのだとか。

伊王島もなかなかの距離ですが走破してようやく長崎市街地に入ります。ここで女神大橋という大きな橋が長崎港をショートカットしています。これを使っても良かったのですが長崎市街を少し観光することにして直進しました。

バス停の先に停めて写真を撮っていたらまさかのバスが停車。慌てて避けようとすると、運転手さんが、いいよいいよとジェスチャー。よかったです。

教科書で有名な出島は江戸時代に作られた人工島です。今は面影はなく単なる埋立地ですが、古い建物が一部保存されています。

メガネ橋、平和記念公園像と定番のスポットをまわります。平和記念公園はバイク30分60円でした。像だけ撮って帰ろうとすると、あまりに早過ぎたのか、前の人と料金を間違えられました。

ここから少し郊外にでて、有名なレストランチェーンの牛右衛門に入りました。ハンバーグレストランですが、佐世保バーガーやレモンステーキ、そして今回頼んだトルコライスと名物が揃っています。朝食を取るタイミングを逃して空腹だったので、美味しく頂けました。

市街に戻ると渋滞がひどいので、このまま郊外の稲佐山展望台に向かいます。山の頂上は自動車は有料ですがバイクは無料になっていました。展望台から見る長崎市は山の上までびっしりと建物が建っていました。これは坂が多いはずです。先ほど行った伊王島もみれました。

ここから佐世保に向けて海岸線を走りました。これが非常に長い。道は悪くないのですがアップダウンと蛇行でかなりの距離感。先ほどの長崎半島とでもう二日分くらい走った様な気分です。

途中、外海という場所に道の駅があり、五島灘を見ることができました。奇石が空に浮かぶように海にせり出ており不思議な景色でした。

ここからも果てしない西彼杵半島の沿岸が続きます。ぐるっと北に巻いて湾に入ると佐世保はもうすぐです。古い通信塔が建っており、先日買ったみかんを食べながら眺めていました。

道も混みだします。長崎県第二の都市、佐世保市です。ここでは最西端証明書を駅の観光案内所にとりに行かねばなりません。佐世保駅前はたくさんの人で賑わっていました。バイクを少しだけ歩道に停めて急いで案内所にいきます。「写真を見せてください」。どうやらちゃんと神崎鼻に行った人だけがここで証明書をもらえるようです。他の場所より厳しいですね。証明書と写真を撮りたいからと頼みこんで特別に証明書をもらえました。よかったです。

駅前には港があり、広場に停めて神崎鼻までの距離を見ます。現在15時半で所用時間1時間。日没には間に合いそうです。 調べ物をして出発しようかとバイクを押していると、一人の方に声をかけられました。お話ししていると、神崎鼻の手前の九十九島観光公園がすごく綺麗たがらとおすすめされました。ちょうど海岸線を追う通り道です。お礼を言ってそちらに向かいました。

まさに絶景。九十九島観光公園からの景色は鏡の様な湾に数えきれない島々が浮かぶ、ここまできて見たことのないレベルの景色です。教えてもらわないとスルーしてたのでラッキーでした。

なんとか神崎鼻にも間に合いそうです。とても綺麗な形の相浦富士、愛宕産が目に入ります。開聞岳をまた見ている様な美しい山は259m程度と開聞岳の半分以下ですが、形は負けないくらい整っていました。

到着が17時過ぎそうなので、野営の準備、食料と水の調達は後回しにします。

なんとか予定通り17時過ぎに神崎鼻に辿り着きました。駐車場からは100メートルくらい。誰もいませんでしたが、写真スタンドがあったので綺麗な写真を撮れました。4つの証明書を合わせて一つの絵にして一緒に撮りました。日本本土で一番遅い夕暮れに間に合いました。出航していく漁船が印象的でした。

トイレもあったので、水を調達。戻って少し進んだところに酒屋があったのでパンと飲み物を買えました。よかったです。その先に長串山公園という場所があったので今夜はここでテントを張ることにします。やはり岬の近くは野宿しやすいです。

さて、予報では明後日から雨。すでに今日から曇り空です。とりあえず今晩は降られないことを祈ります。

走行距離:332.0km(積算:13701km) 食費:1876円(積算:73790円) 燃料:943円/5.38l(積算:38782円/216.47l) 観光:60円(積算:10710円) 小計:2879円 積算:316804円

11月5日(50日目)

18度。朝こんなにテント内の気温が高いのは久しぶりです。今日は少し上がった丘の上のキャンプ場なので結露もほどほどにしかしておらずスムーズに支度できました。

昨日は神崎鼻まで到達して日本最西端の碑の写真を撮ってきました。しかし最西端は公には神崎鼻となっていますが、1977年に平戸大橋が開通してからは実は真の日本国土最西端はその先の平戸島の方にあります。佐世保市が譲ってくれないのか事情は不明です。あたりはまだ真っ暗。最西端の夜明けは本土一遅いです。。今から先に向かいます。

平戸大橋からの往復距離は80キロくらい。なかなかの距離ですが、いつものことなので文字通り朝飯前です。

平戸市の中は道は広く、コンビニやガソリンスタンドもあり、思ったより市街化していました。長崎らしく教会もありライトアップされています。まだ夜明け前の街の中をカブが進みます。

右手に先端が赤く禿げ上がった山が目を引きます。遅い朝焼けに山だけが照らされています。あたりは霧。海流の関係でしょう。有明海は暖かく霧が多い印象です。山の上から夜明けの光芒が見えました。まもなく朝日です。

先端手前までは距離はありましたが意外とスムーズに辿り着けました。ここからはGoogleマップを頼りに道の最西端を目指します。突き当たりの手前から細い林道に入る感じで荒れた道が繋がっていました。急勾配で、ギアは1速にいれたまま歩く様なスピードで進みます。

直線距離は短いですが、まるで無限に続くのではというくらい心理的には長く感じました。やがて最後の急坂をエンジンブレーキを唸らせながら降りると広い展開場が、その先は砂利です。木の破片で作られたお手製の公道最西端の碑がありました。ハードな道だっただけに達成感もひとしおです。なぜか無人の軽トラが一台停まっていました。

酷道を引き返して平戸大橋にもどります。時刻は9時。かなりの時間を費やしてしまいましたが後悔はありません。さて、ここからはスタート地点の高岡市まで戻るのみ。

長崎県の端の松浦市には大きな火力発電施設が二つ並んでいました。それぞれ電源開発と九電の石炭火力です。管轄違いの発電所が複数並んでいるのは珍しい光景でした。

やがて佐賀県伊万里市に入ります。まったく長崎県は本当に長かった。海岸線トレースにこだわらなければすぐに通過できるのですが、、。でも満足感は感じられたのでよしとします。多様な景色と観光地、名物グルメと盛りだくさんの県でした。

伊万里には伊万里大橋と呼ばれる市街地をショートカットする橋が架けられていました。今日は福岡まで進みたいので利用して先を急ぎます。玄界灘沿いに玄海町の半島に進みます。

大浦棚田の看板があったので、ちょっと外回りしてみました。棚田の向こうには美しい島々。昨日の九十九島もすごかったですが、こちらの、いろは島もなかなかの景色です。穏やかな水面に島が映り込んでまるで浮いている様でした。

迷いながら国道に戻り進みます。玄海町にイートインがあるファミマがあったのでそこで朝食にしました。コーヒーを飲んで落ち着きます。今日も11月と思えない暖かい天気です。ラジオで夏日と言っていました。嬉しい異常気象です。

半島の北側には玄海原発があります。道からでもよく見える原発は珍しいです。広報施設があったので立ち寄ってみました。日本発のプルサーマル燃料の原発でとても興味深く時間を費やしてしまいました。展望台からは玄海原発の全容と壱岐島の影が見えました。

半島を進みます。波戸岬は佐賀県最北端であると共に、九州最北西端であると言われています。立ち寄って写真だけとって戻りました。呼子大仏もいい笑顔の写真をパシャリ。観光地の平均滞在時間を数えたら1分くらいになるでしょう。ここだけを見に来ているのなら時間をかけて見ますが、日本一周でそれをやっていたら時間がいくらあっても足りなくなります。日本一周には割り切りの能力も問われると感じています。

次は七ツ釜です。ここは駐車場に停めて徒歩。最初、どこが七ツ釜なのかわからなく、居合わせた人に尋ねたら展望台の位置を教えてもらえました。侵食された見事な洞穴が口を開けています。帰り際にさっきの人にあったのでお礼を行って戻りました。その先の立神岩も立ち寄ります。サーフィンをしている人がたくさんいました。こちらは外海になるのでいい波が来そうです。

玄海町を過ぎたら唐津市に入ります。虹の松原は車が中を通れる松原です。飛び出た松に遮光板が付けられていたり、倒木注意の看板が至る所にありました。

松原を抜けてしばらく走ると福岡県糸島市に入りました。糸島も同じく半島です。こちらは福岡市に近く連休ということもありたくさんの人で賑わっていました。かやの大門は特に人気があり、展望台で順番まち。手前のトトロの森では結婚写真を撮っている方々もいました。

糸島は全体的に観光地化しており、駐車場はほぼ全て有料でゲートが設置されていました。今夜ここで寝ようかと思っていたのですが、なかなか難易度が高そう。

15時過ぎているので、糸島を抜けたところにある牧のうどんで夕飯にしました。なんと麺が減らないうどん。吸水性がすごいらしく、食べている間に本当にかさが増します。つぎたし用のスープがついてきており足しながら食べます。ごぼう天うどん大盛とかしわご飯で620円。久しぶりにコスパのいい食事が出来ました。

さて、16時をまわったので寝床探しです。心配していた雨は明日の午前9時からになっていますので、今夜も早起きすれば野宿できそうです。このまま福岡市街地に近づけば近づくほど場所がなくなりそうなので、糸島まで引き返します。水を運動公園で補充して海岸の近くを探したら、ちょっと手こずりましたが松原を見つけたので、そこを野営地としました。バイクから少し離れていますが、水平もとれ、良い場所です。

さて、明日は雨日です。また図書館に逃げ込む予定です。せめてテントを張っている時間は降らない事を祈ります。

走行距離:311.5km(積算:14012.5km) 食費:1233円(積算:78023円) 燃料:?x1円/?x1l(積算:38782円/216.47l)レシート紛失 小計:1233円 積算:318037円

11月6日(51日目)

夜半。寝汗でビッチョリです。暑いので寝袋を広げてかけていたのですが、それでも裏側が濡れています。通気性に問題がありそう。メールで同じ寝袋を使っている方に底冷えの件と一緒に相談してみました。

やはりみなさん暑い日はジッパーを開けて掛け布団にしているとのこと。また、マットは二人の方がサーモレスト のZライトソルをおすすめしてくれました。折り畳み式マットにしてはかなり高く約1万。今のダイソーのが550円だったので悩みどころです、、。

さて、今日は雨日です。昨夜は糸島の松原で寝たので非常に風が強い日ですかやり過ごせました。ラッキーです。午前5時、出発します。9時から雨なので行けるところまで行ってまた図書館で雨をやり過ごすつもりです。

糸島から福岡市街地に入ります。朝で交通量は少ないですが、とにかく信号が多い。なかなか進みません。基本的に通過する予定ですが、PayPayドームだけでも撮ろうとしたら、行き過ぎてしまいました。ここでUターンしようとしたのですが、安易に曲がろうしたら他の車と接触しそうになってしまいました。朝だからと言って気を抜いたのが原因です。今後気をつけます。

ドームの写真を撮ってから国道3号に入ります。そこから福岡市北にある志賀島に向かいます。なかなかの寄り道ですが、外せない地形だったので仕方ありません。ちょうど島に着く頃に日の出。まるでマンハッタンのような福岡市街地が映えて見えました。志賀島の道路は砂が浮いていて、強風でドキドキしながら走りました。

さて、天気予報を見ると午前9時からの雨が前倒しで8時台から降ることになっていました。慌てて図書館を探します。行ってみると休館日。調べてみると、付近の図書館はほぼ全て月曜休館の様。うっかりしていました。

探してみると、この先の岡垣町のサンリーアイという施設が月曜でもやってるみたいです。急いで、かつ海岸線トレースしながら現地に向かいます。9時に到着。もうメットに水滴がついています。聞くと10時から開くとのこと。近くのジョイフルで1時間時間を潰しました。328円でトーストとサラダベーコンとドリンバーが付いてくるのでお得。九州といえばジョイフルなのにここへ来て初利用です。

10時になったので図書館に移動。旅の知識にと日本地理の本を読んでいると外は暴風雨。なんとかセーフです。いつかの北海道の土砂降りを思わせられる天気です。これが屋根無しの所で寝ている時にやられたらと思うとぞっとします。

地理の本から、古事記、日本書紀の解説本、子供向けの日本神話の本と旅の予備知識をつけているとすぐに15時になりました。ここから1時間は降らない模様。北九州市にダッシュするか迷いました。迷っているうちに、今夜はもう降らない予報になったので出発。また海沿いに戻りトレースして行きます。

北九州市に入ったのは17時半。結構時間がかかりました。あわよくば下関まで行って本州最西端の到達証明書を貰ってこようかと思ったのですが、18時までなので無理そう。小倉駅の好日山荘に向かうことにしました。

小倉駅はバイクチェーン方式の駐輪場で2時間無料。好日山荘は駅前ビルの5階にありました。ありました、サーモレスト Zライトソル。好日山荘なので定価の9670円。Amazonより1500円も高くて躊躇。一旦、夕飯を食べながら考えることにします。

夕飯は博多ラーメンのShinShin。福岡市からのチェーン店です。場所がわからなくて人に聞いてようやく辿り着けました。ラーメンとライス大を注文。ふと、バイクにライダーバッグを置いてきたままなのが気になり始めました。他の荷物は大したことないのですが、ライダーバッグが盗難にあったらまずいなと気になり出したら止まりません。急いでラーメンを食べ、走って戻ります。無事でした。ライダーバッグと、ダイソーのマットケースを持って好日山荘へ。

店員さんにお願いしてマットケースにサーモレストが入るか試させてもらいました。結果はピッタリ。なぜか黄色が青モデルより500円近く高いのは店員さんも首を傾げていました。思い切って購入。シュラフの時の様に思い切った買い物になりました。

今日は天気が不安定なので快活に行こうかと思っていたのですが、近くにキャンプ場があったのでそちらに行ってみることに。ところが、そこへの道はこれまでにない荒れた路面の酷道。手前に公園があり、広めの屋根付き休憩所があったのでそこにテントを張らせてもらうことにしました。

結果、またもやラッキー。21時をまわると許烈な風。これは壁のない場所だとテントをやられていた可能性があります。助かりました。

明日の下関の証明書の発行は9時からです。朝は久しぶりにゆっくり出来そうです。

走行距離:169.7km(積算:14182.2km) 食費:1368円(積算:79391円) 燃料:516円/3.02l(積算:39298円/219.49l) 用品:9570円(積算:72951円) 小計:11454円 積算:329491円

11月7日(52日目)

ゴー。

ものすごい風の音で目が覚めました。どうやら台風並みの風が吹いているようです。休憩所の壁があるおかげてテントは吹き飛ばずにすみましたが、ツイッターをみたら他のテント泊の方で飛ばされた人もいるみたいです。たまたま壁がある場所を見つけられてラッキーでした。

下関の観光案内所は午前9時からなので、まだまだ時間があります。テントの中でゴロゴロしながら午前6時まで過ごしました。あまりに暇なので、先に下関の南側の巌流島のあたりをまわろうと思い、7時に出発。風に煽られながらのんびりと進みます。

関門海峡まで辿り着きました。これで九州に入ってから17泊目です。長くなりましたがようやく戻ってきました。さて、そのまま関門トンネルを通ってもよかったのですが、気になるので歩行者用の道も覗いてみました。1キロ近くあるのですが、地元の方がウォーキングされていたり、記念パネルがあったりと面白かったです。

さて、山口県下関市に戻ってきました。下関にはシンボルの海峡ゆめタワーが建っています。この前を通って半島の南へ。ぐるっとまわったら巌流島が見える展望台に辿り着きました。徒歩で登ると小さな島が見えます。東屋もあり、船で渡れるのでしょうか。

下関駅に戻る頃には8時50分になっていました。観光案内所が開いていたので100円で日本最西端、毘沙ノ鼻の証明書を手に入れました。日付も入れてもらえました。

さて、いよいよ北に向かいます。イートインのファミマがあったので朝食。思えば朝食はファミマが一番多いですね。ゆっくりコーヒーも飲めて安価に満腹でき、ゴミも捨てられるのでお気に入りです。

毘沙ノ鼻の手前には本州最西端の橋がありました。小さな橋ですがその名も、さいせいたん橋。面白いですね。

毘沙ノ鼻につくと、ちょうど岡山からいらっしゃったご夫婦と一緒になったので写真を撮りっこしました。同じく出雲大社に向かうとのこと。またまた会いそうですね。

これで本州四極揃いました。体感としては本土四極より大変だったので達成感もひとしおです。あとは帰るだけですね。

山口県は瀬戸内海側と日本海側で様相も気候も全く変わります。日本海側は荒波の岩場。潮の香りが懐かしいです。

半島がいくつかあるので寄りました。角島大橋はかつては日本最長の無料の離島架橋として有名だった橋。CMのロケ地にもよく使われていたのだとか。ここで先程のご夫婦とまた会いました。

さらに先の半島には楊貴妃の里。なんでも1200年前に楊貴妃が山口県に流れ着いたのだとか。

その先の長門市の北の半島は海上アルプスと言われる岩の地形。興味をそそられるナイスネーミングでした。最初わからなかったのですが、掃除をしておられる方にお聞きして遊歩道を教えてもらいました。

山口県北側もたくさんの半島があり盛りだくさんでした。

荻市に入るとコンビニがモノトーンになります。これは観光地がある印。調べてみると世界遺産の産業史跡があるとのこと。その一つの萩反射炉に行ってみました。これば江戸時代後期の大砲鋳造用の炉。未完ですが、世界遺産となるとたくさんの外国人で賑わいます。

やがて島根県、益田市に入ります。出雲大社までは結構距離があるので、今日は到達は無理そうです。海が開けて長い湾になりました。

16時になったのでそろそろ野営の準備をします。道の駅で水を補充。本当は温泉に行きたかったのですが、今日も水シャワーになりそうです。

夕飯は爆弾おにぎりが名物とのことなのでそれとサラダを購入。帰りに防寒手袋が安かったので見ていると、バイク用のハンドルカバーが1620円で売られていました。家にあるのですが、ずっと持ってくればよかったと思っていたので、渡りに船です。すぐに購入しました。これならスマホ操作も苦ではありません。

野宿場所は同じ浜田を探ったのですがうまく見つからず。途中、石見畳が浦という洞窟があり、すごい迫力でした。洞窟で寝るのもどうかなと次の半島を探ると、いい感じの東屋がある公園がありました。奥まった場所ですが電波も弱いですが入ります。

ちょっと遅れましたが、無事テントもはれました。明日の朝冷えそうなので早速ハンドルカバーもセット。テントの中は17度です。寒いですが水でシャワーを浴びてさっぱりしました。明日は温泉に行きたいものです。

走行距離:306.1km(積算:14488.3km) 食費:1185円(積算:80576円) 燃料:902円/5.6l(積算:40200円/225.09l) 用品:1690円(積算:74643円) 観光:100円(積算:10810円) 通行料:20円(積算:1070円) 小計:3897円 積算:333388円

11月8日(53日目)

安眠。

朝3時半に目覚ましをかけてあったのですが、寝袋の中がホカホカして思わず二度寝してしまいました。ここへ来て朝方にシュラフの中が冷えなかったのは初めてかも知れません。ちゃんとひたマットを購入できて本当によかったです。

とうことで次に目覚ましをセットしたのは午前4時半。今日は距離を稼ぎたいのでこの辺が限度です。5時に用意して出発です。

気温は低くて8度台まで下がりましたが、トライアルで購入したハンドルカバーでかじかむ冷えは回避出来ました。途中で地図を確認するときにバイクスタンドが抜けて倒れそうになりヒヤリ。ブレーキロックを怠ったせいです。今後気をつけます。

暗くて空いているうちに距離を稼ごうと東に東に進みます。空が明るむ頃には出雲大社がある島根半島が見える湾まで辿り着きました。昨日の夜はガソリンを入れなかったのであと1リッターしかありません。幸い、開いているスタンドがあったので補給。

出雲大社は朝6時から入れます。道路に巨大な宇迦橋大鳥居が。周りは工事されていました。鳥居の間から朝日が昇ってきました。

大社についてバイクをどこに停めていいかわからなかったので、スクーターで来ている方に聞くと地元の方で、停められる場所を教えてもらいました。

出雲大社は大縄が有名ですが、ひっかけでか、手前に小さな縄があります。前に来たときはこれだと思って帰ってしまったのですが、今回はちゃんと神楽殿の縄を見ることが出来ました。

さて、次に進みます。コンビニがあったので朝食休憩りハンバーガーとあん饅を食べました。コーヒーが暖まります。

やがて右手に宍道湖が。街並みが反射してとても綺麗です。ここにかかっている境水道大橋を渡るともう鳥取県なのですが、島根半島から突き出ている美保関を見たくて往復20キロでしたが先端に行きました。展望台からは中国地方最高峰である大山が湖面に浮かんでいました。

もどって大橋を渡ります。鳥取県に入りました。水木しげるの出身地らしく水木しげるロードの案内版がありました。米子をぬけここからはまっすぐの道。快適に進みます。

峠に差し掛かると、湾の向こうに砂丘が見えました。鳥取市です。歩道には砂が積もっていました。鳥取市の手前には日本神話の因幡白兎の舞台となったおきの島を見ることができる道の駅がありました。

案内に従い、砂丘に向かいます。リフトは乗らず歩いて砂丘に降りました。お昼は牛骨ラーメンを食べたかったのですが、お店は鳥取市まで戻らないとなさそうです。と思ったら砂丘のレストランにメニューとしてあったのでそれで済ませました。

ここから海岸線沿いの道は、国道自体が山陰自動車道化されている箇所が多く、原付には骨が折れました。なんとか探りながら兵庫県に入ります。もう15時なので竹野温泉という公営の浴場に行きました。結構高く800円でJAF会員で700円でした。日が暮れそうなので急いで入ってから寝床探し。

半島を舐めながら進みます。この辺りはキャンプ禁止の看板があったりとちょっと難しそうな雰囲気。結局豊岡市の北側の山間部に入ったところに空き地を見つけたのでそこに寝ることにしました。幸い、道が通行止めなので誰もくることはないでしょう。

山の中なので獣の気配に怯えながら夜を過ごしました。ラジオはつけっぱなしです。こういう用途にも使えるので買ってよかったです。気温はぐっと下がってテントの中て14.4度です。明日の朝も冷えそうです。

走行距離:364.3km(積算:14852.6km) 食費:1218円(積算:81794円) 燃料:1049円/6.08l(積算:41249円/231.17l) 入浴:700円(積算:6100円) 小計:2967円 積算:336355円

11月9日(54日目)

昨日は獣の声に怯えてながら眠ってしまったようです。夜中に外に出たらヘッドランプに照らされた向こうに動物の目が複数居た時には驚愕を覚えました。

山間部でフライシートもインナーもべちゃべちゃ。シュラフも足先が濡れています。またどこかで乾かさないといけないですね。

5時、出発です。夜中のうちに京都府京丹後市へ。京都府北側に突き出た丹後半島をまわります。登りが長いなと思ったら気づけばかなりの高度。大きなアンテナがあり航空自衛隊の基地と米軍施設が併設されていました。その先には京都府最北端の経ヶ岬が突き出ていました。スリリングな高度感を楽しみながら半島を周回しました。

半島を抜けると日本三景の残りの一つ、天橋立がある宮津へ。湾岸をまわってから気づいたのですが、天橋立は原付通行可能でした。橋のようにショートカットすればよかったです。せっかくなので南側から入ります。確かに原付通行可能。天橋立は何度か来たことがありましたが今回は変わった体験をしました。

定番の南側の展望台のリフトはまだ営業していません。北側の雲州展望台にいってみました。鳥居が並ぶ階段を登り切り展望台に立つのですが天橋立がどうしても角度的に見えませんでした。木が伸びていたからでしょうか。

そのまま天橋立の東側の半島を周回。国道に帰ります。舞鶴市に入りました。海上自衛隊があるので軍用艦を眺めてから赤レンガ倉庫。休憩朝食にミニストップに入ります。ここへ来て初めての利用でした。イートインが必ずついているので便利です。

天気予報を見ると、この先の北陸は明日からずっと雨。一週間も停滞するのはなんだかもったいなく感じます。

やがて福井県へ。大飯原発の先の道の駅で暖かくなって来たので用品を乾かします。15分ほどですが、ずいぶん乾きました。

この先で道間違えに気づきます。海沿いの国道を走っているつもりが山側の国道を間違えて走っていました。多少の内陸走行は前から許容していたので目をつむりましょう。ただ、三方五湖のレインボーラインを通り過ぎてしまったので、そこだけはちょっと戻りました。レインボー ラインも経ヶ岬と同じくかなり高度がある道です。来たことがあったのといつでも来れる距離なので頂上の有料展望台はスルーして奥の無料展望台から写真を撮りました。

レインボーラインはぐるっとまわって国道の先に回り込めます。ピストンにならないのが嬉しいです。

敦賀の手前には敦賀半島があり、美浜原発と敦賀原発の2つが両端にあります。美浜は関電、敦賀は日本原子力発電の管轄です。美浜原発は容姿がよく見えました。

さて、敦賀に入ります。シンボルの時計塔とレンガ倉庫の周りでは番組の撮影が行われていました。テレビでは見えませんが一人の芸能人にお祭りの様にたくさんのスタッフがついているものなのですね。トンネルをくぐり、馴染みのある国道8号へ。もうここまで来たら戻って来た感じがします。

さて、ここから先はずっと雨です。今回は海岸線トレースが目的ですので内陸部は行っていません。内陸県は全て本州にあり相互に接しています。敦賀は日本海側では比較的そのループに近い場所。

国道8号のランプを左に曲がればゴールの能登半島。バイクが進みます。方向指示器はもちろん右です!

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