配達用スーパーカブで日本一周中!(前半東日本編)

序章(準備編)

一口に日本一周といってもその種類はたくさんあったりします。内陸部も含めた全都道府県を回るのかどうか。細かい離島はどうなのか。沖縄は含めるのか。などなど。

前々から漠然と「死ぬまでには日本一周したいな」という気持ちはありました。上のような具体的なことは考えず「日本一周」という言葉の響きに魅かれていた様な気がします。

そんな中、たまたままとまった時間が取れそうな機会がやってきました。いまこそ「日本一周」の時です。実は前にそれをしようと、原付バイクを買ってありました。ホンダのスーパーカブ110PROというモデルです。サイドバック、リアパネルバッグまで取り付けていたのに、なかなか機会に恵まれず持て余していました。

まずは計画です。計画を立てるにはまず目的を明確にしなければいけません。自分にとって日本一周とはなんなのか。漠然とした答えは「日本の形を描く」でした。つまり、いわゆる「海岸線一周」というやつです。沖縄は除外するが、四極とよばれる4つの東西南北の岬は到達したいと考えます。また、なるべく綺麗な日本地図を描く為、能登半島、男鹿半島などなどの細かい半島の岬は踏破したい。

大体上の周り方だと12000kmは必要と言われています。バイクの消耗品のメンテも必要です。自転車と違って輪行出来ないバイクなので念には念を入れてJAFには加入しておきました。JAFはバイクにも対応したロードサービスです。5500円で安心が得られるなら安いものです。

絶対に消耗しそうなチェーンの引きとオイルアップは自分で出来るように工具をパッキングしました。14、17のメガネレンチ、12、10のスパナ、14のトルクレンチ、チェーンルブです。なかなかの重量です。これだけあればブレーキ交換くらいまでならセルフで出来そうです。

豪華ホテルに泊まって地域の郷土料理を楽しむ、といった欲は全くありません。貧乏性なのか、寝るのはテントで野宿、風呂は3リットルの水を浴びれば十分です。なので必然的に荷物は多くなります。テントや寝袋、マット、水タンク、バーナーを始めとする調理器具などなど。

幸いにしてスーパーカブプロは前にカゴもありそれらを楽に積める能力は十分にありました。自転車や徒歩で同様の荷物を運搬している日本一周家も沢山います。とても感心します。

季節が9月中旬なのも荷物を減らすことに役にたってくれました。北海道もギリギリ夏服+αでいけるのではとミニダウンを携行する程度にしておきました。これとレインウェアで多分大丈夫でしょう。

日本一周をしている人はよく背中側に「日本一周中」と掲示しています。なんの意味があるのと思いますが、単純によく話しかけられるみたいです。自分も一人旅で寂しいので見よう見まねで作ってみました。ただ恥ずかしいので出発してから2、3県すすんでから装着しようと思ってます。

雨の日もキャンプするのか。これが問題です。どうしてかというと雨の日のキャンプは晴れた日の数倍大変だからです。濡れたタープやグランドシートをカッパを着ながら畳むのは泣きたくなるくらいつらい作業です。なので、雨の日は潔くネットカフェやビジネスホテルを利用することにします。快活クラブというネットカフェが定番らしく、自分も近くのチェーン店で会員になっておきました。洗濯やちゃんとしたシャワーもここで出来そうです。

ネットや充電の問題もあります。道の駅やカフェでAC電源は借りれますが、そんな何時間も充電の為に長居はしたくありません。なのでバイクにつけられるUSB電源を購入して取り付けました。これに20000mAのモバイルバッテリーをさしておけば昼間走行して夜にはそこからスマホに充電できます。最近では決済やJAFを呼ぶのもスマホアプリからなのでスマホの電源は生命線です。

さて、なんだかんだで出発日が近づいてきました。北海道が寒くなる前になんとか入りたいと、思い立って2-3日で準備しました。手落ちがなければいいのですが。

保険(その他):3400円 ロードサービス(その他):5500円 積算:8700円

9月14日(出発日)

出発日になりました。天気は曇り。半袖で大丈夫そうです。電子機器類をチェックしていたらLEDランタンが点かないことが判明。ジェントスエクスプローラというモデルなのですがとても気に入っていたのでショックです。とりあえずバイクに荷物を積んで近所のホームセンターやモンベルの店周り。LEDランタン自体はあるのですが、小さくて程よい揺らぎのあるものというとなかなかはありません。

出発地の高岡市新湊に向かいます。どうして出発地点が地元の金沢市でないかと言いますと、それは能登半島の関係があります。能登半島はそれだけで400kmもありなかなかの距離。高岡市スタートにすればその400キロを後回しにできるから、というのが理由です。最悪バイクが故障しても最後ならなんとかなりますからね。

そうこうしているうちに高岡市につきました。アルペンによったらあったあったエクスプローラ。あまりに嬉しいからアルペンの店員さんと立ち話。このサイズのランタンはあまりうれなく、みんな大きいのばかり買っていくから店員さんも嬉しかった?のだそう。すぐ使うからとパッケージの処分もしてもらった。ありがとうございます。

スタート地点の海王丸パークはそのすぐ近く。心配事も解消され、気持ちよく一人でスタンドで記念撮影。豪快な新湊大橋を渡ってのスタートはさながら凱旋してもらえているかのよう。まず目指すは秋田県の男鹿半島の入道崎。

海沿いをトレースすると書きましたが、正直、富山や新潟はいつでも来れるので今回は時間優先して国道を使うことにしました。なんども来た見慣れた景色。カブがいきなり止まらないか、それだけが心配です。プラグ替えてくればよかったかな。とか。

国道と交わって神通川、常願寺川、黒部川とわたっていきます。残念ながら立山展望は曇りのため見れず。まあいつでもこれるのでよしとします。

14時新潟県入り。僅か2時間ちょっとで富山県を横断です。

カブにはトリップメーターがありません。思い立ってホームセンターでマスキングテープを買ってペンでオドメーターをメモすることにしました。これなら何キロ走ったか一目でわかります。マスキングテープは持ってきたボールペンはつかないようで、レシートの切れ端を使いました。あとでマッキーを買いました。買い物にはこまらないのが海沿いツーリングの良いところですね。

親不知は何度来ても迫力があります。古来の人はここを命がけで通っていたそう。北アルプスが日本海までせり出ている箇所です。ありきたりですが、今回は特別な気分で撮影しました。

途中カナショクがあったので給油。金沢からで2リッターでした。地場のガススタなのでしばらく見納めです。燃費も先ほどの方法で記録することにしました。

糸魚川の工場地帯を抜け上越市へ。昔いちぶり自転車道に輪行で来て走破したりグランフォンド糸魚川に参加したりと自転車ではよく来ていた場所です。

時刻はそろそろ16時。9月の日照時間を考えたらそろそろ夜のことを考えたほうがいいでしょう。とりあえずドラッグストアで水とおにぎりとコーラ。朝出てから何も食べてないですが気分が高揚している為食欲は以外とわきません。

柏崎市の郊外にいい感じの東屋を見つけたので今日はそこで野宿することにしました。

バイクを入れてテントを張ります。水をタンクいれ軽くシャワー。これでさっぱりしました。普段サーフィンしてるから身体あらうのは手早くできます。

出発時は右、左サイドバック、パニアケース、フロントカゴに雑多に入れていた荷物ですがこうやって生活を始めてみると、だんだん格納場所が最適化されて面白いです。家と同じですね。

テントに入った途端、どんぶりをひっくり返した様な雨。アウタータープは張らなかったので、一般的なキャンプ場だと大変なことになっていました笑

天気予報をみると明日の5時まで雨、そこからの天気はもちそうです。1日220kmを目安に見ているのですが、今日は昼に出たので172km。ノルマ不足です。

明日は雨が止み次第、距離を稼ぎたいです。

走行距離:172km(スタート地点まで64km/計236km) 燃料代:344円/1.98l 食費:408円 用品代:2656円 小計:3408円 積算:12108円

9月15日(2日目)

24時、土砂降りの雨の音で目が覚めました。雨雲レーダーを見てみると柏崎にピンポイントで線状降水帯が直撃しています。

幸い東屋の下なので雨の直撃は免れていますが、あまりに雨が強いので、跳ね返った水的でテントはびしょびしょに。

インナーテントしか張っていなかったのでこれが屋根無しのところだったら大変なことになっていたでしょう。

もうどうしようもないので、テントに浸水してこないことを祈るしかありません。

音と恐怖でこの日はそれから一睡も出来ずに夜明けを迎えました。

夜は明けましたが、土砂降りは続いています。雨雲レーダーを見ると、柏崎市がピンポイントで降雨しており、もう少し北に向かうと雨雲はありません。

賭けです。このまま半日スタックするか、今北をめざすのか。ただでさえ昨日は買い物でスタートが半日遅れ、距離が伸びていません。カッパを開き身体に装着しました。こんなに早く雨天走行になるとは。

カッパをきてビシャビシャになったテントをたたみます。グランドシートもかなりの濡れです。仕方がありません。10分ほどで準備完了。雨の弱まったタイミングを見量はって出発です。

雨の昼の走行は悲惨です。晴れていれば撮りまくる写真も満足に撮れません。柏崎を過ぎて海沿いの国道302号をひた走ります。

バイクのメーターにつけていた安い時計が表示されなくなりました。浸水によるものでしょう。今が何時かもよくわかりません。もっと心配なのは一昨日つけたばかりのUSB。これが壊れると携帯の充電がカラになり大変なことになります。表面はあきらかに濡れているのでテストでつけるのもやめておきました。

雨の中を泳ぐように北に進みます。やがて柏崎原発のあたりになると雨がやんできました。読み通りです。

そのままカッパが乾くまでしばらく走行することにしました。できれば濡れたテントをどこかで乾かしたいです。

やがて新潟市へ。新潟県の海沿いを走ってると開いているガソリンスタンドが皆無なのに気がつきます。ガソリンはすでに赤ゲージ。ここで止まりたくはありません。慌ててGoogleマップを調べるとこの付近のGSは一本内側の県道2号の方に集中しているみたい。すぐに移動してみると確かにこちらにはたくさん営業している模様。新潟市を走る人はご注意ください。

ガソリンも満タンでカッパも乾いてきました。朝食を買いにコンビニに寄りました。焼きたてパンとコーヒーを購入。食べながらカッパを畳みました。これでしばらくは大丈夫そうです。

食事を終えカッパを脱ぎ身軽になり先を急ぎます。巨大な火力発電所を横目に胎内市、村山市と市を跨いでいきます。

そして、、ついに山形県の看板が。ものすごく長かった新潟県の通過ともこれでおさらばです。天気も気持ちのいい青空と風。パーキングがあったので、昨日のテントとグランドシートを干すことにしました。

もう一つやりたかったのは日本一周中のプレートの接着。実はまだやってなかったのです。万が一にも声をかけられた場合、まだ出発したばかりですじゃ申し訳ないかなと思って。これでもう2県を跨いだので堂々とつけられます。ツイッターのIDも書いたので興味ある人がフォローしてくれたらいいなと思います。

道具も乾いて日本一周中プレートも取り付け準備万端です。プレートをつけているだけで意識があがってなんだか楽しいです。

さて、そんなで山形県に入りました。壊れた時計も奇跡的に乾いて復活しています。山形県ともなると滅多に来れないので名物でも食べようかなと思いました。調べるとどんどん焼きと冷やしラーメンが有名みたいです。どんどん焼きは内陸部の山形市に集中しているので今回は行けません。冷やしラーメンなら通過する酒田市にお店がたくさんあります。とりあえず酒田市に向かうことにしました。

そういえばUSB電源。恐る恐る電源を入れてみると、、、つきません!普段なら電圧の表示が出るはずがそれがでないのです。頭の中が真っ白らになりました。スマホを充電できないのは致命的です。しかもバイクのUSB電源は特殊な機器なのでその辺のお店で買えるようなものではありません。

パニック状態でダメ元で裏側の接続ギボシをグリグリおさえてみます。、、、治った!

どうやらグランド線の接続不良だったみたいです。一旦外して指でかしめてから再度挿入。持ってきた布テープでシールします。これで安定してくれました。よかったよかった。

酒田市の冷やしラーメンは麺屋酒田というお店に入ってみました。醤油ダシにレモンがはいっていてさっぱりとして美味しかったです。750円なり。思えば出発して初めての外食になります。急いで余裕がなかったのでしょうね。

酒田市の北側にとても立派な山が見えました。調べたら鳥海山というらしいです。その5合目まで乗り物で行ける鳥海ブルーラインというのが評判よく無料なので走ってみました。

ブルーラインからの景色は確かに圧巻。酒田市には飛島というしまもあるのですが、それをはじめ、遊佐町の展望、夕方の日が反射した日本海が見事です。背面の鳥海山も草の低い高原の山といった風情で迫力があります。

ブルーラインを走破してもう陽が傾いてきたので仁賀保高原で今夜のキャンプをする事にしました。ブルーラインもそうでしたが下界は暑いくらいなのに少し登るだけで半袖ではきつい気温になります。

テントを設営して寝袋に入ったのですが少し寒い。これでは北海道が思いやられます。寝袋下のクッションもスローパンクしているのかジワジワと空気が抜けているような気がします。またショックだったのが、シャワーに持ってきた水タンクに穴が空いたこと。どうもキャップの部分だけなので、水を入れた時はうまくバイクに吊るせれば一時的短距離なら運搬できそうです。

いろいろ壊れてなんだかやるせないですが、少なくとも移動中にお店で買えそうなものなのでなんとかなるかと自分に言い聞かせます。

さて、寝床に入って念のため天気を見ると、、なんと夜半から雨マーク。こんなに晴れているのに!?ここは昨日とちがい屋根がありません!ダッシュで荷物を屋根のある場所に運び、テントは設営したままそこに移動させます。

2連続で夜半に雨とは、ついてないのか、まだ夜だけだからラッキーなのか。

18時に寝床に入ったら昨日寝ていないのがたまってすぐに寝入ってしまいました。起きたのは21時。やはり高原だからか寒くて寝られません。長い夜がまた始まります。

本日の距離331.8km(積算503.8km) 燃料代:1084円/5.96l(積算:1428円/7.94l) 食費:1111円(積算:1519円) 小計:2195円 積算:14303円

9月16日 (3日目)

ドバババ

またしても雨音で目が覚めました。時刻は午前4時半。どうやらあれから知らないうちに眠ってしまったようです。前日ほとんど睡眠がとれていなかったので、ちゃんと寝られてよかったです。

テントを開けるとまたしても土砂降り。これで2連続です。なんという雨男なのでしょう。しかし天気予報をみて晴れているうちにテントを屋根のある場所にずらしたのは大正解でした。また、昨日と違ってしずくもついていません。

昨日のように移動したら晴れる兆しもありませんので午前中は覚悟して雨天走行することにしました。カッパを着込んで荷造りをして出発です。

高原を降りて、にかほの海沿いの道に戻ります。途中、先程の野営地から登る朝日がとても綺麗にみえました。

下界へ降りると温度も幾分か上がります。雨の中を海沿いの国道7号に向かいます。

そこから北上。海の向こうに陸が見え始めるました。この旅の最初の目的地である男鹿半島の影です。今からそこに向かいます。

男鹿半島の手前には県庁所在地の秋田市があります。そこで給油。雨も止み、カッパも乾いてきました。

通勤ラッシュの中走っていると隣を走っている車の窓から「頑張ってください!」の声援。バイクの後ろの日本一周中看板を見てくれたようです。なるほど、これは気分がアガありますね笑

マックがあったのでそこで朝食にする事にしました。ソーセージエッグマフィンにアップルパイと大きなコーヒーで450円。最近はコンビニも値段があがったので、コスパよく感じますね。ゆったり座りながらの朝食は気持ちも落ち着きます。

調べると男鹿半島の海岸を完全にトレースする為には手前の県道から入って行く必要がありそうです。あとは海岸線沿いに進んでいけば周回路である国道101号線に接属。そのままいけば先端である入道崎です。

お店からはちょっと戻る形になりますが、なるべく海岸線ギリギリをトレースするのが今回の旅の一つの課題なので、戻ることにしました。

国道から男鹿半島への県道に入ると通勤渋滞の喧騒が一気に無くなりました。港がありいつもの海沿いの風情です。

途中、海の上に小岩がたくさん散らばっている風景がありました。鵜の崎海岸と呼ばれるところで日本の渚百選にも選ばれている場所だそうです。キャンプをしている人もいました。朝、ここで目覚めたら気持ちよさそうですね。

右手には頂上に展望台のある寒風山という山が見えます。半島で風が強く草が低いので山の形がすっきりときれいにみえます。車で展望台までいけるみたいですが、今日は先が詰まっているのでそのまま横を通り過ぎることにしまいた。

男鹿半島中腹の男鹿市を抜けてさらに海沿いの県道へ。気持ちの良いスラロームが続きます。やがて、大きくくだりに入ると、駐車場とたくさんの車が目に入ります。旅の第一目的地、入道岬です。

驚くほど人がたくさんいました。声をかけてくれたおじいさんが言うには、今日はナマハゲ太鼓の実演があるそうです。NHKも来ており、テントに観光協会の人が並んでいました。聞いてみたら、代表的な写真スポットはやはり灯台とのことで、歩いて先に進みます。記念缶バッジをタダでもらえました。

灯台について、セルフ撮影。その辺の人にお願いして撮ってもらえました。岬といっても灯台があるだけなのですが、こうやって先端にまで到達して記念を残す。この達成感が旅の醍醐味です。

さて、今度は北側から秋田市方面に戻ります。途中間違えて漁村に降りてしまい袋小路入ってしまいました。段差があり超えられるかなとつっこんだらバコンと跳ね返り。大丈夫かなと心配になってみると、今からか前からかフロントタイヤがちょっと潰れ気味に見えます。パンクはしてなさそうですが心配です。

途中小さいエネオスがあったのですぐに入り、空気圧を見てもらいました。前後ともやや空気圧不足でした。後ろもなのでさっきの接触とは関係なさそうですが、見てもらえてよかったです。スーパーカブプロはタイヤが小さいので空気パイプがなかなかはらず店員さんが苦労して入れてくれました。1.5リットルしか給油しなかったのにありがとうございました。

先を進むと道がやや入り組んでいてまたUターン。

ガリ

右後ろからです。やたらトラブルがあります。降りて見てみるとどうやら右後ろのサイドバッグが地面に接触してしまったようです。傷は浅いのですが、布テープを貼って補強しておきました。布テープは頑丈で接着力も強いので一つ携帯しておくと安心です。

やがて男鹿半島を抜け三種町へ。なんか昨日から走ってばかりなので、地場のものでも食べたいなと思い調べたら、秋田県は焼きそばが有名とのこと。目玉焼きがのったスタイルのそば、確かに美味しそうです。本場は横手の方みたいですが、ここ三種にもありました。

立ち寄ったのは、ふじ食堂という渋い店。駐車場もなく、ガラっと開けると無人。でっかい声で「すみませーん」と呼ぶと、年配の店主さんが出てきてくれました。お話を聞くと、この店創業50年の超老舗でご本人はなんとお年80歳なのだとか。引退しないんですかと聞くと、ここが自宅で食堂は趣味のようにやっているとのこと。素敵な生き方ですね。昔は埼玉のホンダの工場でバイクを作る仕事をやられていたとのことで、スーパーカブも作っていたのだとか。なんか嬉しいですね。焼きそばもトロッとしたあんかけに半熟目玉焼きが乗っていてとても美味しかったです。

満腹になってまた出発です。能代がこの辺りでは栄えている町らしく、そちらに寄ってみることにしました。目当てはホームセンター。急いで出てきたのでカッパの防水が切れてベチャベチャなので防水スプレーを買おうかと思って立ち寄りました。そこでみつけたナイスなグッズが「虫除け防水スプレー」。これは虫が嫌がるヒノキの香りが添加してあるもので、テントにも使えるそう。昨日も蚊が侵入して大変でしかもテントも十年以上放置してあった代物なので防水も切れていたので渡りに船の製品です。即購入しました。

こうやって買い物している間に、駐車してあったバイクの日本一周プレートのアドレスを見てくれた方がいたみたいでツイッターで応援をもらうことができました。うれしいですね。

走っていて気がついたのですが、ちょっと東に行きすぎました。内陸から軌道修正して秋田県最後の町、八峰に向かうことにします。

八峰へは田園風景が続きます。田んぼの横にシャッターのようなものが立っているのはなんなのでしょう。電柱が3系統垂直に懸架されているのも目に新しかったです。ずっと海沿いを走るのでこういった内陸風景は新鮮ですね。

さて、海沿いの国道101号に戻り北上。程なくして青森県の看板です。いよいよ本州最後の県です。海沿いの岩群はさらに険しくなり、色も赤茶げた色に変化してきました。軌道もずっと北に進んできたのがぐるっと津軽半島に向けて東にカーブします。

途中、千畳敷とよばれる海の中の巨大な岩盤が見れました。今日は連休初日とのこともありたくさんの家族連れで賑わっていました。

さて、ここまでで時刻は16時前。これからどうするかちょっと考えました。

当初の予定では次の日に津軽半島を回り、その次の日にフェリーで北海道に行く予定でした。ただ、北海道は季節的に寒くなってきており、気持ち的には1日でも早く到達したいのです。Googleマップでみると津軽半島の先端の竜飛崎までは2時間弱。日没には間に合いそうです。日が暮れてもバイクなので移動はできるので、そこから青森市にぐるっとまわりんで宿泊すれば明日のフェリーにのれる、つまり1日時間を短縮できるわけです。

間に合わなかったらどこかで練ればいいや、という気持ちで、つがる市から北に向かいます。

津軽半島の東側にはメロンロードという広域農道が通っています。これを利用することにしました。驚くほどの直進が続く快走路で時間の絡みもあり思わずアクセルを回してしまいます。途中の十三湖まではすぐにたどり着きました。十三湖はリゾート地といった風情。中世の時代には国際貿港だったそうです。海とつながっているのですね。

やがて県道は終わり国道339号線へ。先ほどのメロンロードとは対照的にかなりきついヘアピンカーブが続きます。昨日の鳥海ブルーラインを遥かに凌ぐ険しい上りです。日がだんだん沈むので気が焦っているのが危険です。頂上には展望台がありました。そこからは下り。

さらに10kmほど進むとようやく見えてきました、竜飛崎です。大きな観光地で、どこが先端なのかよくわかりません。大きな看板があったのでそこで、その辺の人に記念撮影を撮ってもらいました。聞いたら灯台はもうちょっと奥に進んだところにあるそう。バイクでそっちまで行ってみました。

ぐっと坂を登り、そこからは徒歩。東大前です。そしてその先は・・・北海道。こんな近くに見えるのですね。そしてこの海の下には青函トンネルが通っています。電車でしか通れないので、くぐって行くわけには行きませんが、こんなに長い海底トンネルを掘ってしまうとは、あらためて感心しました。

さあ、もう日も暮れてきました。とりあえず進路を青森市に向けます。そのまま暗くなってから進んでもよかったのですが、たまたま道の横に景色の良さそうなキャンプ場があったので今夜はそこで休むことにしました。フェリーはどうせ朝8時10分発なので早起きすれあ間に合いそうです。

手早くテントを張ります。今日は雨予報はなかったのですが、連日のトラウマでなんとなく屋根の下に設置しました。他に誰もお客さんはいなかったので、たっぷり水タンクに給水して水シャワー。9月に水シャワーはかなり冷たいのですが、冷水で身体を洗うと、自律神経の働きなのか、体が反対にポカポカと暖かくなるのです。下手にお湯に入って湯冷めするよりこちらの方がよかったりするのです。

テントに入って明日のフェリーのホームページを確認。もうWeb予約は2日前に受付顔わっいるので電話だけになりそうです。電話は受付時間は終了。明日の朝かけることにしました。青森港から函館までのフェリーは2つの会社が運行していて、一つは津軽海峡フェリー、もう一つが青函フェリーです。後者の方が単純に安かったのでそちらにすることにします。

ちょっと北に進みましたが昨日の高原よりは随分暖かいです。気になるのは、インフレータブルのマットを使っているのですが、一部気が抜けてきていること。枕もついて気にいっている装備なのですが、あまり売っているところはないので、すぐに買い換えるわけにはいきません。どこか都市の登山用品店で代わりがあればいいのですが。

そんなことを考えながら寝袋に入ると、早起きして長距離を走った疲れからか、すぐに意識が無くなりました。

今日の走行距離:396.4km(積算:900.2km) 燃料代:1148円/6.39l(積算:2576円/14.33l) 食費:1190円(積算:2709円) 用品代:1097円(積算:3753円) 小計:3435円 積算:17738円

9月17日(4日目)

今日は自然と目が覚めました。時計をみると朝の3時30分。アラームは4時30分にセットしていたのですが、行動はやいほうがトラブルが少なくてすみます。すぐに出発することにしました。

真っ暗な中、ヘッドライトで洗顔とテント撤収をして4時にスタート。空は少し明るんできています。

津軽半島の東側を反対の下北半島から登る朝日を眺めながら青森市にバイクを進めます。向こうの下北半島に行くのは北海道を一周して戻ってきたあとになります。無事戻ってこれることを祈ります。

5時半になり、フェリー会社に電話してみました。まだやっていないかなと思ったのですが、担当の人がでて丁寧に受付してくれました。フェリー会社がいくつかあり、番号を2回も間違えてしまいました。

目的の青函フェリーは8時10分の便は空席とのことで予約。ただし気になる発言が。「バイクの横幅は75cmまでなので注意してください」

巻尺は持ってきていなかったのでなんともいえませんが、僕のバイクは原付で他のアメリカンバイクと比べても明らかに小さいのでさすがに大丈夫だろうとおもいます。電話を切りバイクを走らせフェリーターミナルへ。まだ2時間余裕があります。

受付を済ませると係員さんが巻尺を持ってバイクの幅を測ります。するとなんと横幅NG 。90cmあるそうです。75cmから明らかにオーバーです。まさかの日本一周もここで詰み???

でもよく見るとどうもはみ出ているのはミラーとハンドルカバーの部分だけ。これなら持ってきた工具でなんとかずらせそうです。焦ってスパナとモンキーをだして調整。焦って右側が逆ネジになっているのを失念してナメそうになる始末。それでも無事ハンドルカバーをずらすことができました。係員さんを呼んで測ってもらうと75cm。クリアです!

気がゆるみ安堵感。待合室ですぐ横にあるコンビニで買ったパンとコーヒーで朝食をとります。バイクは30分前に最前列から搭乗です。

7時40分。待合場所に。フェリーが口を開けてまっています。バイクは最前列なのですが、どうも今日は、僕一人のようです。誘導に従ってバイクエリアに駐車。ハンドルロックをして荷物を持って離れます。係員さんが何人もでバイクを固定してくれていました。

船内はホテルのロビーの様。そんなに広くはないのですが、ここも作業カウンターがあり快適に過ごせそうです。

8時10分、いよいよ出向です。乗客がみんなで甲板にでて見守ります。動き出したフェリーは旋回して進路を北へ。

本州とはこれでしばらくお別れですね。無事戻ってきますよ!

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「バイクの人は最後ですから」

フェリーの下船順番のことです。行きは最初に格納されてそれから乗用車が停まるわけですから、確かに帰りはその逆になりますよね。

人気がなくなった甲板をのんびり眺めます。

函館の気色。昔からの貿易港のそれはたくさんのコンテナが並ぶ工業的なイメージに見えます。

バイクに跨り凸凹したフェリーの中を慎重に進みます。景色が開いたらもうそこは北の大地、北海道です。

フェリーの中では久しぶりにのんびりとした時間を過ごせました。昨日まで先急いでいたのでこんなひと時はこの旅始まって以来です。

今まで取り溜めてきたレシートを整理して金額とガソリンはリットル数を数えあげます。こうやってデータを後から振り返るのも旅の楽しみ方の一つです。

カブはリッター60km以上走るので本当に助かります。トータルコストで見ると最安の日本一周手段かもしれません。今までのガソリン代を足してもこのフェリー料金以下なくらいです。

さて、下船も終わりまた工具をだしてハンドルガードを取り付けます。一度外したので手慣れたものです。

函館は初めてなので、前から行きたかった五稜郭を見に行く事にしました。

途中、ショップに寄って調子の悪いインフレータブルマットの替えを探しましたがピンとくるものがありません。しばらく我慢します。

五稜郭の周りは物凄い人だかり。そういえば連休の中日でした。見れば修学旅行生たちも混じって数を増やしています。

五稜郭タワーはコンビニでチケットを買って来れば1000円が900円になるのですが、それよりも定価購入してJAF会員証を見せるとポストカードがもらえるので、せっかく入会したのでそちらにしました。

タワーの展望台から見る五角形の公園はメディアで見るそのままの光景でした。中には明治初期の五稜郭のエピソードが人形展示されており楽しめました。

さて、次の目的地はラッキーピエロというハンバーガー屋さんです。五稜郭の横にもありますが、途方もない行列でとても並ぶ気になりません。別のチェーン店に行ってみました。

そちらは席は空いてます。よかった。すると「今からだとお出しするまでに1時間以上かかります」とのこと。お昼時だからでしょうか。時間をずらしてまた戻ってくることにしました。

最後は函館山です。地図をみると函館山から突出した半島になっており、岬ハントがテーマのこの旅には外せなさそうです。

ナビに従い、1速でギリギリ登れる急坂を函館山に向かって進んで行きます。すると、見たくない看板が。

「この先乗用車のみ。バイクは侵入禁止」

何という事でしょう。バイクはだめだとは。途方に暮れて駐車場の案内板を見ると、どうやら函館山、徒歩で登る事も出来そうなのです。

標高差は300m以上あるので、ちょっとした本格登山です。バイクばかり乗って運動していないのでちょっと登ってみました。

9月の北海道は風が涼しく虫もいないので快適に山登りできます。歩いて登るなんで自分くらいかなと思ったら意外にたくさんの人々が上から降りてきます。「こんにちは」登山マナー通り挨拶を交わすのが一人旅の寂しい心に心地よく響きます。

5合目、6合目、、、どんどん高度を上げていきます。もう下界に海が見えてきました。展望台の標識の階段を登ると、頂上です。車やらロープウェイで登ってきた観光客で賑わっていました。

下界には先ほど登った五稜郭タワーや五稜郭、下船したらフェリーターミナルからこれから向かう松前半島まで湾がカーブを描いています。

適当な家族連れの方にセルフ写真を撮ってもらいます。「みなさんでお撮りしましょうか」といつもお返しに聞くのですか、最近は遠慮されることが多いですね。海外に行ってた時にもそんな感じらだったので、盗難の警戒もあるのかも知れません。

降りは楽ちんです。登山はたまに行くので手早く元来たら駐車場に戻ります。自販機があったのでスポーツドリンクを一杯買いました。登山の後の身体に染み渡ります。先客で飲料を買ってた親子連れが僕のカブのナンバーを見て、可愛いとか言っているのが聞こえます。確かに金沢原付ナンバーはご当地柄で兼六園の模様が入っています。こんなにウケがいいとは。普段はなんか嫌でしたが、ここへ来て初めてご当地ナンバーのありがたみを感じました。

恐る恐るバイクに戻ると、親子連れの方が声をかけてくれました。全国の岬を巡っているんですというと、なんとすぐそこに函館山の岬がありバイクでも行けるとのこと。立待崎というらしいです。完全に見落としていました。情報感謝らです。あと、松前の方に行くならシラフラという場所をオススメしてもらえました。これも楽しみです。

立待崎は確かにバイクですぐ先にありました。また適当な人にセルフィを取ってもらいます。自撮り棒を買えばいいのですが、こうやってら人に話しかけるのが面白いのです。

岬をハントしたら時刻は15時すぎ。そろそろラッキーピエロが空いている頃でしょう。函館市内にはたくさんチェーン店があるので手近な店に行ったらすぐに座れました。一番人気のチャイニーズチキンバーガーを注文します。ベルをもらって2階へ行くと、他の客は1組だけ。なのに、、20分待っても出て来ません。そもそも一つ一つ作っているので遅いのでしょう。気長に待ちます。

ようやく出てきたそれは、甘辛い、鶏の唐揚げをサクサクの数パンズでサンドしてあり、たっぷりマヨネーズがとてもあいます。ポテトもチーズとミートソースが絡めてありボリューム満点。飲み物はウーロン茶のみなのですが、これもさっぱりとして後味が良くとても満足できました。

満腹したので今夜の宿探しに入ります。天気予報を見ると明日の朝もまたしても雨なので、できれば屋根があるとこで過ごしたいです。快活クラブは函館にありそれが候補です。また30キロほど北に大沼と言う大きな湖がありまして、そこのキャンプ場が人気だそうです。

快活クラブに入る場合も、8時まで待たなければいけないので、ツーリングに大沼まで行ってみることにしました。函館新道と言う無料の高速道路を走っているのですが、カブは110ccなので側道しか走ることができません。

到着する頃には日が暮れていました。キャンプ場に着いてびっくり。そこだけがまるで夏祭りのような賑わい。テントの博覧会のようです。さすが連休中です。

途中の大沼に映る北海道駒ヶ岳の景色は絶景でした。烏帽子型の頂上が印象に残っています。大沼は新日本三景です。まずは一つ見れました。

キャンプ場はトイレだけちょっと借りて、もう少し進んでみることにしました。

すると、東屋を1つ見つけたので、そちらを今夜の宿にすることに決めました。

孤独感は、知らない人混みの中を歩いているときに1番感じるといいます。一人旅に家族連れで賑わう場所は精神的に酷なわけです。

できるだけフライシートは使いたくないので、屋根があれば撤収も簡単です。誰も見ていないので、いつものように全裸になって冷水でシャワーを浴びました。毎日体を洗えて清潔なキャンパーなほうだと思います笑

今度は今までと比べても意外と暖かいです。迷惑をかけたくないので、明日の撤収はまた早めにしなければいけません。また夜明け前起きかな、と思いながら床につきました。

今日の走行距離:132.2km(積算:1032.4km) 燃料代:524円/3.03l(積算:3100円/17.36l) 食費:1561円(積算:4270円) 観光代:1000円 フェリー代:4240円 小計:7325円 総合積算:25063円

9月18日(5日目)

今日は特に予約もなく何時に起きても良かったのですが、目が覚めたら4時半でした。むしろまだ夜明け前です。だんだん日も短くなってきたので、日中の走行距離を稼ぐためになるか早く出たいのでちょうどよかったです。

テントを畳んで準備したら、5時過ぎ。空が明るんできました。出発です。

北海道駒ヶ岳が朝日に映えてとてもきれいでした。大沼から函館市内へは直接は向かわずに郊外へ抜ける国道227号線を使うことにしました 。

まだ朝が早いので、渋滞もなく、スムーズに海沿いの国道228号線に出ることができました。

今日は風が凄く強い日です。波は荒れて飛沫が飛んできそうな位。

ガソリンを入れるときに、店員さんに聞いてみたら、いつもはこれほどではなく、秋口から冬にかけてだんだん風が強くなってくるそうです。

松前半島を西沿いに走ります。途中、伊能、忠敬が北海道上陸した場所などもあり興味を惹かれました。

白神岬は北海道最南端の岬です。セルフィーを撮ろうと誰もいなかったので、三脚を使ったのですが、風邪で携帯が吹っ飛んでしまいました。ガラスフィルムが割れてしまいましたが、どうせ保護カバーなのでそれで済んでよかったです。

カブのパニアケースも、風であおられ声大きく開き、ヒンジが壊れそうになりました。これは壊れたら旅にかなりの支障が出るので気をつけなければいけません。

実は今日は、北海道最南端の岬のほかに、最西端の岬も行きます。ただこの尾花岬は道が続いていない秘境で、見ることもできなかった場所です。つい最近、全工期55年もかけて作られた太田トンネルが開通し、この岬をパスすることが出来るようになったとのことです。

遠くの神社からその迫力のある岩壁と写真をとりました。

今日はかなりの距離を走りました。ようやく目的地の岩内についたのは16時です。途中写真を撮りに何度か降りたものの、実に10時間も運転していたことになります。途中、何度か雨に降られましたが、カッパを着るほどではなく、すぐに乾いてくれました。

岩内で行きたかった食堂あったのですが、残念ながら定休日。仕方がないので、初のセイコーマートに挑戦しました。お弁当が温められて、出来立てのような感じで値段もコスパが良い印象です。大盛り豚丼を食べたらお腹いっぱいになりました。

と、ここで雨。先ほどまでの通り雨だと思ってカッパを着なかったらこれがミス。すぐに本降りになって服もグローブもべちゃべちゃです。

次は南のほうのニセコ高原に行こうと思っていたのですが、そちらはガスがかかっていてとても行く気にはなりません。そのままカムイ岬方面に進むことにしました。

どこかまた東屋でもあるだろうと思っていたら、どうもこの辺は野宿に対しての規制が厳しいみたいで、どこも警告やロープが張ってあります。まずい雰囲気です。まぁ最悪岩内に戻ってビジネスホテルを探せばいいやと軽い気持ちで進みます。

神威岬への国道は、道の駅もテント規制されていました。バイクはどんどんカムイ崎へ近づいていきます。戻るに戻れない雰囲気です。

ようやく見つけた公共駐車場のトイレの軒下で今日は寝ることにしました。換気扇と芳香剤の香りがキツイですが背に腹は変えられません。気まずいので、明日も早起きして出発しなければいけませんね。

今日の走行距離:460.3km(積算:1492.7km) 燃料代:1266円/7.18l(積算:4366円/24.54l) 食費:1156円(積算:5426円) 小計:2422円 積算:27485円

9月19日(6日目)

目覚め。

時刻は午前5時。昨日も早起きしたからか、自然に眠ってしまったようです。

外を見ると雨は降らなかったみたいで地面は乾いていました。手早く準備をして出発です。

どうも昨日の雨降りのパニックでバイクのスマホホルダーのシリコンゴムがどこかで消えてしまったようです。特になくても支障ないのですが、保険でつけていたので、ホームセンターがあれば購入しようと思います。

神威岬までは1km程度、6時前に出発します。すぐに神威岬公園の前に着く・・と

「開門は8時からです」

朝の入場制限があるみたいです。確かに夜入ると危ない場所ですしね。あとなんとなくですが、積丹半島周辺は夏場のキャンパーが多すぎて中で寝られるのを防いでいる感じもします。

2時間あきました。思えば出発してからこんなに気を休められる時間がなかったのでのんびりと積丹の海を見ながらぼーっとします。

積丹ブルーと称される海は本当に青色で綺麗にみえます。人間、ぼーっとしようにもなんかしてしまうものですね。気がついたら持ってきたウェットティッシュでバクの清掃と点検を始めてしまっていました。

かれこれ1000km以上走ったカブ。泥汚れがすごいです。できるところだけ清掃。パニアケースに割れを発見しました。昨日の強風で開いた時のものでしょう。どこかでエポキシボンドも手に入れたいです。

チェーンカバーがあるのがカブのありがたいところです。雨の中走行しましたが中はまだ大丈夫でしょう。出発時にルブをたっぷり塗ってあります。

3000kmくらい走ったらどこかの街のバイク屋でオイル交換とプラグ交換くらいはしてやりたいです。そのときチェーンは自分でひくことにします。

なんだかんだしてたら8時5分前になりました。神威岬にGOです。

時間前ですが開門していました。雨の平日ということもあり他の旅行者は2組だけ。雨が降っていたのでカッパを上だけ羽織って岬への道を歩きます。

先端へは15分ほど。下を見ると青々とした海が透き通って美しく波打っています。

僕が一番最初に到着しました。先端は柵がしてありますが、手前の岩に登ると360度丸い海が見えます。青い海と山々の緑のコントラストが目に焼きつきます。

セルフィをとりたいのですが、三脚ではうまく上からとれなさそうです。誰か来ないかなとまつと5分ほどしたら男性が1人で来たのでお願いして上からとってもらいました。満足です。お互い撮りあっこしました。

戻り道も数人とすれ違った程度、この時期で朝の時間帯なのでこんなものなのでしょう。おかげで人がうつらないいい写真が撮れました。

次に目指すは積丹半島第2の岬、積丹岬です。とうちゃくすると、そこにはゲートか。

「熊が出たので当面の間閉鎖します」

残念。そのかわり、横のトンネルを抜けると積丹岬の方向は見えたのでそれで満足しました。

さて次は第3の岬、黄金岬です。

その前に朝食を取りたいのですが、この土砂降りで積丹の僻地です。なんとか見つけたセイコーマートの近くに東屋があったのでそこでパンとコーヒーを買って食べました。セイコーマートは本当に安くてコスパがいいですね。すっかり気に入りました。

さて、岬ですが近づきましたがどこからアクセスするかわからず。工事現場があったので、作業員の方に伺ってみると、トンネルを抜けた先に入り口があるそう。なんとまた徒歩15分とのこと。もちろん行きます。

入り口を見つけてカッパのまま先端に向かいます。神社の鳥居があり神威岬のように神がかった雰囲気。階段を上りあとは稜線沿いに歩くだけだったのでそれほど苦ではありませんでした。

こういうところでは山登りみたいに誰か前からきたら「こんにちは」と交わします。山登りは遭難予防の意味もあるのですが、こういうところでは慣例的なのでしょう。一人旅なのでちょっと挨拶するだけで嬉しいものです。

そういえば昔は北海道でライダーがすれ違うとかならずピースを交わしたものですが、最近はお辞儀をしても30%の確率で帰ってくるかどうか。寂しいなと思ってたら、さっき手を上げてくるライダーがいて、なるほどこれかと思い真似をすると返答率が上がったような気がします。どうせダメ元なので積極的に手をあげるようにします。

余談でしたが黄金岬には立派な展望台が立っていました。上ってセルフィをパシャリ。神威岬ほどの迫力ではありませんが、いい運動になりました。

海岸線をトレースして日本一周しているせいか、岬ハンターみたいになってる気がします。地図を見て細かい岬も行けないかなと探るクセになってしまいました。

そんなこんなで積丹半島を周り切ると、到着するのは余市の街。ニッカウヰスキーの蒸留所で有名な街です。そこから小樽へ直接海岸線を回って行っても良かったのですが、手持ちのツーリングマップルに、ニセコパノラマラインがおすすめとあったので、ちょっと寄り道して内陸部のニセコに寄ってみることにしました。

余市の街から国道5号線を南下、倶知安町にたどり着きます。そこから見えるのは蝦夷富士と称される綺麗な形をした羊蹄山。

県道にはいり羊蹄山の周りをぐるっと回ります。山の頂上は雲がかかりかき氷のような風体をしていました。雨は降ったり止んだりです。それでも形ははっきりとわかる程度だったのでよしとしましょう。

羊蹄山を回り切ると再び国道5号線。ここを北上して今度は西側のニセコに入ります。

入り口は、まさにリゾート地。ホテルや別荘が並びます。目の前にはスキー場の刈り込んだ斜面が見えます。冬には活気のある観光地なのでしょう。

街中を抜けニセコパノラマラインに入ります。ツーリングマップルおすすめのツーリングコースです。

緩いワインディングが走りやすく気持ちの良いライディングを楽しめます。今日は霧が立ち込めて幻想的な雰囲気。それでも最後の岩内に降りる道は霧が晴れて、街並みとその奥の積丹半島の迫力のある景色が楽しめました。

余市の町に戻りました。さて、海岸沿いトレースです。

途中、竜ヶ崎という岬がありました。バイクで近寄ってみたのですが行き止まり。でも徒歩で獣道がついています。恐る恐る進んでみると、突然視界が開けて断崖絶壁の横に出ました。30cm足をずらしたら崖下へドロップです。慎重に林を抜けると、、、ありました、竜ヶ崎です。短いかなと思ってカッパのままでいったので汗だく異なりましたが、神威岬に迫る迫力の岬に立てて大満足でした。

次の岬はちょっといけなさそうなので写真を撮って小樽市内に入ります。

とりあえず小樽運河の横にバイクをおいて写真をパチリ。

大阪から来た年配の方が日本一周看板をみて声をかけてくれました。なんども小樽へは来てるそうで、30年前と比べるとだいぶ様変わりしているなと言っていました。

小樽名物をしらべたら、あんかけ焼きそばが出てきたので、手近な駅前のショッピングセンターに入っているお店で食べてみました。からしと酢がきかせられてボリュームもありお腹一杯になりました。950円でした。このショッピングセンター、テナントで数件飲食店が入っているのですが全部ラーメン屋で面白かったです。

さて、今夜の野宿場所を探すかなと携帯を充電しようとしたら・・なんと持ってきた20000mAのモバイルバッテリーが全く充電されていませんん。さっき晴れ間に2時間くらい給電してたのに。どうやら寿命のようです。小樽にPCショップを探したらこれがなく、こまりました。携帯が充電できないと明日の走行に支障がでます。

そういえばさっき、あんかけやきそばを探している時声をかけてくれたスクーターのおじさんが、「うちのライダーハウスさがしてるの?」と聞いてくれました。思い立って調べたら、なんと駅のすぐそばのビルの中に「ライダーハウス小樽」という宿があるそうです。ライダーハウスって郊外にあるものですが、こんなビルの中に入っているとは。

目の前まで行くと中は真っ暗。おそるおそる戸を開くと鍵はかかっていないようで、奥に電話番号があります。ここに書ければいいのかな、とダイヤルしようとすると、奥からスーツの方が出てきて「ご利用ですか」と聞いてくれました。

どうも、この方(ミズさんというそうです)、オーナーのお友達で、仕事帰りにここに来るライダーと飲むのが趣味なのだとか。しばらくお話ししてオーナーに電話していただいて宿泊の許可をもらってくれました。「料金はそこの箱に入れておけばいいよ」と、楽なものです。銭湯の場所をおしえてもらったので久しぶりに入浴しに行くことにしました。

柳川湯の番台さんは、入ったらすぐに出たくなるくらい、見た目が強面。ですが喋ると優しい感じ。ゲインロス効果で好かれるタイプですね。昭和な感じでしぶい作りの柳川湯のお湯はずっと水シャワー生活だった体をポカポカに温めてくれました。

脱衣所にもどると、そとから強烈な雨音。天気予報では今夜は晴れのはずです。どうも外れたみたいです。つくづく雨男ですね。しかしモバイルバッテリーが壊れず、そのまま野宿していたらずぶ濡れになるところでした。なにが幸か不幸かは後になってみないとわからないですね。今日はラッキーでした。

だだっぴろいライダーハウスに今日の客は僕一人。たった1500円ですが、なんだか贅沢な気分で夜を過ごしました。

今日の走行距離:276.9km(積算:1769.6km) 燃料代:850円/4.89l(積算:5216円/22.25l) 食費:1494円(積算:6929円) 宿泊費:1500円 入浴代:450円 小計:4294円 総合積算:31779円

9月20日(7日目)

5時。ライダーハウスで目が覚めました。誰もいない部屋。客は結局僕1人だったみたいです。電気を消して戸締りをし、お菓子箱に料金を入れて出発します。

いつものテントと違って撤収がとてもスピーディーです。

さて、小樽から北に向かうのですが、その前にちょっと手前に高嶋岬と呼ばれる場所があり、ちょっと行ってみることにしました。

道路はちょっと複雑で迷いましたが、何とか灯台まで到着。親子連れが歩いていて、声をかけたら苫小牧からやってきてすぐ近くの旅館に泊まっているのだそう。写真を撮りっこしてもらいました。苫小牧は王子製紙が有名で、なんでも、戦時中はそこが攻撃されてたとのこと。新聞情報しかない時代だったので情報戦術といったところでしょうか。

別れを告げて、石狩のほうに向かいます。今日はやることがたくさんあります。たまった、洗濯物の洗濯、壊れたモバイルバッテリーの代わり購入、同じく破れたキャンプマットの代わり購入です。

石狩から国道を南下して札幌に入ります。ここに入れば何でも手に入ります。まずはコインランドリー。手で洗って乾燥だけしようかと思ったのですが、よく考えたら脱水した方は乾燥料金が安くなるので、300円でまず洗濯することにしました。その間にドンキホーテに行きます。薄型の携帯性の良いものがコールマンの半額で売っています。なんとフットポンプ内臓。4300円で購入決定です。ドン・キホーテなのでちょっと怪しいですけどね笑

そうしている間に洗濯が終わったので乾燥機にかけます。衣類はなるべくポリエステルで揃えているので、すぐに乾くのです。10分100円で完了です。

次はモバイルバッテリー。20000mA級のものは高価なのですが、パソコン工房のグリーンハウスの製品なら2000円で手に入ります。

札幌時計台を写真撮って、札幌の南へ。イオンタウンにパソコン工房のお店があったので買って中身だけもらってきました。同じイオンタウンにダイソーがあったのでこの前の風でヒビが入ったパニアケースの補修にエポキシボンドを買ってきました。とりあえずヒビに流し込んで布テープで押さえます。旅の終わりまでもつと良いのですが。あと荷締めロープが足りなくなったので補充しておきました。ダイソーはどこにでもありますし何でも揃って便利ですね。

用事が済んだので、札幌市内を迂回して石狩に戻ります。日本海側に出ると強烈な風と寒さ。思わずダウンを着こみました。

途中、増毛の手前で国道が通行止め。なんでも落石事故みたいです。短い迂回道はなく、はるか内陸部まで入ってからかなり先の海岸線沿いに出なければいけません。

今回の旅の目的は、海岸のトレースなので、これは困りました。ダメ元で警備員さんに頼んでギリギリのところまでいかせてもらうと、そこの担当の人が、工事がもうすぐ終わるかもしれないと言っていました。1時間位だそうです。行ってみるものですね。

そこでぼーっと待ってると、スクーターのおばちゃんは声をかけてきました。「あんた増毛までいきたいんでしょ、迂回路を教えてあげるからついておいで」

いや、待ってますからと言うこともできず、とりあえずついていくことにしました。林道の入り口まで教えてもらって、この先へ行けば落石現場の奥に出るそうです。とりあえず行ってみることにしました。

最初は舗装された山路だったのですが、だんだん未舗装路に。かなりのロングダートです。まさかこの旅でここまでのダートを走ると思っていませんでした。かなりの時間をかけてようやく国道へ。

気になったので、ちょっと戻って警備員さんに聞いてみると、何でもたった今開通したそうです。結局待ってればよかったことになりますが、まぁ面白い経験をしたので良かったとしましょう。

そんなこんなで増毛へ。お目当てのチューオースーパーに行きます。ここには豚ジスカンと言うジンギスカンの豚版みたいな名物が置いてあります。冷凍なので水で溶かして持ってきたバーナーで焼いて食べたらとてもおいしかったです。

温度は15.1度。かなりの寒さです。さっきドンキホーテで買ったマットを使ってみました。フットポンプ付きとありますが、足で踏んでいたら明日の朝になりそうな位、空気が入るのが遅い笑。結局口で入れたほうが早かったです。それでも面積が広く設置間もないので気に入りました。

テントでブログを書いていると、外でドカンと音がしました。いつも愛用していた水シャワーが風で落ちて破裂した音でした。

この水シャワー、サーフィン用でなかなか手に入りません。Amazonならすぐ手に入るのですが。知人のアドバイスで遠方でもヤマトの営業所で受け取れるサービスを教えてもらいました。土曜日に到着との事なので、余裕を持って根室の営業所に送ってもらうことにしました。それまではダイソーの水タンクを改造して何とか凌ごうと思います。

なんでも、こうやって道具が壊れるのが1番出費が大きいです。どれも自分の不注意によるものです。でもこうやって学習して注意して使うようになれるので、これは勉強代ですね。

今日の走行距離:236.8km(積算:2006.4km) 燃料代:770円/4.38l(積算:5986円/26.63l) 食費:1299円(積算:8219円) 洗濯代:400円 用品:9598円(積算:13351円) 小計:12067円 総合積算:43846円

9月21日(8日目)

寒い!

あまりの冷えに目が覚めてしまいました。時刻は午前3時。外の温度計を見ると11.5度。昨日の晩は15度はあったのでさらに4度近く気温が下がったことになります。

まだ稚内までは200km以上あるのにこの寒さ。まだ9月なのに今後耐えられるのか心配です。

寝ないと走行に支障が出るので、ダウンジャケットを寝袋にいれて丸まって寝ました。

5時。次に目覚めた時刻です。そろそろ出発しましょう。幸い雨は降らなかったみたいです。濡れてないので撤収は簡単です。昨日パンクしたシャワーバッグが痛々しいです。根室でAmazonからの送付を受け取るまで耐えるしかありません。

出発です。昨日立ち寄って戻った増毛の朝の静かな街を抜けて海沿いの道へ進みます。

しばらく進むと留萌の街がありました。特に用事もないのでそのまま突き抜けます。

途中、セイコーマートでまた朝食を買って食べました。朝はなるべく早く動くのがポリシーなので今回の旅で自炊することはないでしょう。この時間やってるお店はセイコーマートくらいなので、また都市部へ戻るまではしばらくはお世話になりそうです。

やがて三毛という街にはいりました。巨大な熊のモニュメントがあったので写真を撮っていると、市の職員さんに声をかけられました。なんでも今日から交通安全週間なので、のぼりをたてているとのこと。日本一周している人はこの辺りでは珍しくないのだとか。さすが稚内への道です。この辺りに何かありますか?と聞くと、三毛ヒクマ事件の展示館や再現現場を教えてもらえました。展示館は10時からなのでまだまだ開かないので、現場の方へ行ってみます。

この事件、聞いたことはあって大正時代に村人が冬眠に失敗した飢えたヒグマに次々に殺された凄惨な話です。まさかここにその現場があったとは。興味深いです。

海道沿いの道を外れること20km強、ベアロードと名付けられたその道を進んだ先のダートの奥に、その現場はありました。

古い藁葺きの民家と巨大な熊のモニュメント2つ。木についた熊の爪痕が生々しいです。話を知らないとなんてことない小公園なのですが、Wikipediaで調べてみるとその壮絶な話を知ることができ、いつ3匹目の熊が出てくるのではと冷や冷やしながら再現物を眺めます。案内板に書かれた子供が楽しそうに散策しているのが印象にのこりました。

すぐ帰り道には神社があり、そこに亡くなった7人の名前が刻まれていました。一人は妊婦で熊に「お腹裂かないで、喉を食って」と必死に自分の胎児をまもろうとしたという先ほどの場所に書かれていた逸話が頭をよぎります。

今はなんてことない農村で、ところどころにヒグマがシンボルのように使われている平和そのものの街です。過去にはそんな出来事があったとは信じがたいですね。

さて、海沿いの道に戻りました。次に行きたいのは、羽幌というところの炭鉱跡。こちらも20kmくらい内陸にはいったところです。さきほどの事件現場もそうですが、軽く寄り道するだけで往復40km!です。ちょっとした1日ドライブの距離ですよね。稚内も200kmの案内がみえて「もうすぐだな」という気分になりました。まったく北海道にいると感覚が狂います。

炭鉱跡は案内看板に従えば簡単にいけました。ポイントポイントに紹介が書いてあるのでその時代の建物かどうか見分けをつけるのは簡単です。

まず最初についた選別所の巨大な廃墟に圧倒されました。いつ崩れてもおかしくない建物ですが、廃墟マニアでしょう、獣道のように往来したあとがあります。さすがにそこまでは怖いので入りませんが、その雰囲気に飲み込まれそうになりました。

その先には病院跡やアパートの跡があり、当時の生活感が伝わってきます。当時炭鉱職はとても福利厚生のきいた職業で、一般企業の3倍も従業員への還元があったそうです。またお風呂も完備され、出退勤は一般のサラリーマンと同じ格好で出入りしてたのだとか。ちなみに前述のアパートは築造後1年で、炭鉱が廃鉱になったため使わられなくなったそう。もったいないですね。

再び海沿いの道へ戻ります。安易にショートカットしないのが海岸トレーサーの責務です。

初山別というところに岬があったのでバイクと一緒に写真を撮りました。隣には海岸線を一望できるとても見晴らしの良いキャンプ場が用意されていました。今回はタイミングがあいませんでしたが、ぜひ利用して朝の風景をみてみたいですね。

稚内へ近づき、放牧された牛や大量の風車、巻藁など、いかにも北海道という風景が目に入り、都度都度バイクを降りて写真を撮ってしまいました。左手には利尻島の形の良い利尻山と礼文島の影が見えます。

ガソリンスタンドがなくちょっとギリギリになりましたがなんとか稚内の手前、ノシャップ岬につきました。外国人の方が自分の自転車の写真を撮ろうとしていたので声をかけてとりあっこしてもらいました。なんでも成田から入って東北を通ってここまでたどり着いたのだとか。たたでさえ自転車ですごいのに、外国からだと荷物の用意も大変だろうに感心しました。僕と同じく利尻島礼文島へ渡る予定らしいのですがテントの破損で2日くらい稚内にいるそうです。道具のトラブルで悩むのは旅人の共通事ですね。

ノシャップ岬から稚内市に到着。ガソリンはもうメーターの最後まできていました。危なかったです。

稚内市役所で宗谷岬で一緒に写真を撮る到達証明と利尻島礼文島のパンフレットをもらいます。時刻は3時。まだ利尻島への船に間に合いそうです。今夜は稚内に泊まって明日の朝わたるつもりだったのですが、時間を節約するために今日利尻島に渡ってしまうことにしました。カウンターで受付して札をもらいバイクにくくりつけます。セイコーマートで明日の朝と今食べる食事を手早く買って、船の中で食べました。2時間の短いクルーズです。中には作業スペースもあり人も少なく寛げました。

甲板にでてみると夕陽に映える利尻山がとても印象的でした。

「乗り物の方は下に降りてください」

いよいよ到着です。まだ明るければ夕日の丘に行こうかなと思うももう真っ暗。そのまま近くのキャンプ場に行きます。チェックインは19時まで、520円でした。バイクもサイト近くに停められるいいキャンプ場です。

あまりに寒いので持ってきてめんどくさいので使っていなかったフライシートを出してみました。少しは寒さがましになるといいのですが。

正面に温泉があったので用意してから行ってみました。露天風呂は地元の人の談笑の場になっていました。聞いているとなんでもこの地区では子供は現在3人しかいなく将来が心配だ、昔は100人はいたんだがな、という内容でした。切実な少子化ですね。

外国人の方が一人で入浴していたので声をかけたらスイスから来ていて今日利尻山を踏破してきたとのこと。僕も登ろうかと思ったのですが標高差1500mでコースタイムが11時間なので断念した山です。彼はそこをなんと7時間で踏破したのだとか。さすが山岳王国、スイスですね。前に世界一周した時、天候でスイスはあまり時間が取れなかった話をすると、いろんなおすすめの場所をWhatsupで送ってくれました。またぜひ行きたいですね。

風呂から上がると、なんと持ってきたボディソープが盗まれてなくなっていました。ドラッグストアで買えばいいだけなのでダメージは少ないですが気は抜けませんね。

明日は早起きして利尻島をまわりますよ!

今日の走行距離:306.6km(積算:2313km) 燃料代:958円/5.21l(積算:6944円/31.84l) 食費:1583円(積算:9802円) フェリー:6170円(積算:10410円) 入浴:500円(積算:950円) 宿泊:520円(積算:2020円) 小計:9731円 総合積算:53577円

9月22日(9日目)

寒い!

時刻は午前2時55分。いくらなんでも早すぎです。

すこしでも寒さがマシになればとフライシートも使いましたが結局寒くて起きてしまいました。さすが日本北端の島、利尻島です。

とはいえ、今日は午前中、次の礼文島に行くフェリーが9時代なので早く動きたい、というのはあります。

無理やりあと1時間だけ寝て4時に支度を始めました。フライシートの裏は夜露でべちゃべちゃになっています。グランドシートもかなりの濡れ。雨が降らなくても気温が寒いだけでここまで水がつくのですね。

朝食も今日は昨日買ってあったパンと缶コーヒーをテントの中で食べました。そんなこんなでバイクにエンジンをかけたのは午前5時。結局1時間準備にかかったことになります。

今日まず行きたいのは利尻山の3合目にある甘露名水と呼ばれる湧水。登山口はキャンプ場からでて真っ直ぐ北に進めば突き当たって見つかりました。そこからコップをもって300m歩きます。真っ暗な夜道ですが、利尻島にはヒグマはいないはず、だって泳いでこれないから。多分。

ヘッドライトを頼りにしばらく歩くと湧水がみつかりました。特にコップなどは用意されておらず、地面から湧いているスタイルです。コップを持ってきてよかったです。

甘露名水は無味無臭の不思議な水でした。大抵の水はなにかしら味がするものですがこれはまったくそれが感じられませんでした。クセがなくて登山にはちょうどよさそうですね。

名水を飲み終わったらフェリーターミナルの近くまでおりて「夕陽の見える丘」にいってみました。夕日と言うより今は朝日でしかもまだ太陽は上っていないのですが、空は明るんでいて、昨日とは異なり天気は晴れていて利尻山も頂上まではっきりと見えます。丘といってもなかなかの高さでした。

時計回りのルールに従って島を左回りに回ります。チャリダーが2人走っているのを追い越しました。実はこのチャリダー、あとで礼文島で再開することになります。

まずは姫沼。沼と言っても池で奥に朝日に染まった利尻山が見えてきれいでした。外側の道路からは往復4kmくらい。

続いても沼です。オタトマリ沼。こちらは波が立っておらず、利尻山がちょうど逆さまに写ってとても美しいです。すでに写真を撮っている人がいたのですが、こちらはスマホ写真なのでお先にどうぞと譲って頂けました。

白い恋人の丘はその名のお菓子のパッケージの絵の角度の利尻山。意識してみたことはなかったのですが、北海道にいるうちにみることもあるでしょう。

北の離島にきたら生ウニ丼を食べたいなと思っていたのですが、ちょうど利尻島の南端にお店がありました、が、残念ながら開くのは8時からとのこと。あまりタイトにしたくないのでここでは諦めました。価格は3000円とかいてありました。あとで知ったのですが、利尻島のウニはもう時期が終わっていて仮に開いていても食べられなかったみたいです。

島の西側にまわります。ポン山とよばれる小高い丘?が利尻山のよこに点々としているのがみえました。

時間はすぐに経ち、時刻は午前8時前。そろそろフェリーターミナルに行った方がいいでしょう。

ターミナルの待合室はとても快適で次の利尻島のガイドを見ながら計画を立てていました。と、突然騒がしくなりたくさんの人が入ってきました。どうやら前の便の稚内行きの搭乗が開始したようです。

人混みの中に、昨日のスイス人の旅行者の姿がありました。風呂で会ったので装備は始めてみたのですが、木で作った自作スティックにリュックサックひとつ。これだけの装備でマレーシアから日本、韓国と山登りキャンプを連続するとは、とても感心しました。記念に二人でセルフィをとって、お互い良い旅をと別れを告げました。

利尻島から礼文島行きのフェリーはバスのように短いです。乗り場で一緒になった大型バイクの方と行先などを喋っていたら搭乗時間になりました。一時間ほどですが話し相手ができて暇をすることがなかったです。川崎の方とのことで、その辺りに行った時のアドバイスをもらいました。

やがて礼文島に到着。大型バイクさんに別れを告げて、一路向かうは日本最北端の山、礼文岳。ここから10kmくらいです。

トラックログにフェリーの航路も記録するようにしていたのですが、今回は失念していました。あとで手動で作ります。

15分ほど走ると、ありました。礼文岳登山口です。すでにレンタサイクルが2つありました。頂上で一緒になれば写真を撮ってもらおうと期待します。

礼文岳の登山道は最初はかなり平坦。林の中を山歩きといった雰囲気です。ヒグマは利尻と同じ理由でいないでしょう・・多分。

獲得標高はなかなか上がりませんが距離はかなり進みました。ここから上りが急になります。すぐに視界がひらけて海や先ほどの利尻山の美しい姿が目に入るようになりました。

わずが300m登っただけなのですが周りは高山植物。まるで本土の2000mクラスの山に登っている気分でお得です。

登り返し1回だけがあり、無事頂上につきました。予想通りご夫婦がさきにいらっしゃったので写真を撮りっこしました。360度海のパノラマ絶景です。離島登山ならではですね。お二人はなんでも稚内の地元だそう。こんないい場所が地学にあるなんて羨ましいです。

程なくして男性2人組も上がってきて写真をお願いしてくれました。快諾してバシャパシャとります。いろいろなポーズで嬉しそう。北見から来られたそうで、このお二人とは帰り道一緒に歩いて、話し相手になっていただきました。すぐに時間が過ぎ、ふもとに到着。バイクのプレートの後ろのツイッターをフォローしてもらいました。

初めて気付いたのですが、IDがインスタなのかツイッターなのかわからないみたいで、自分も改めて気付きました。早速マスキングテープで「Twitter」と書き、IDの横に貼り付けておきました。

ちなみにこのお二人、朝利尻島ですれ違ったそうで、日本一周プレートで覚えてくれていたそうです。役に立つプレートです。

フェリー時間は17時、現在13時すぎ。島を回る時間は十分あります。まずは北側手前のスカイ岬へ。ここに生ウニ丼があることは調査済み。値段は2000円程度とネットに書いてあったのですが、今見たら4000円。たかっ。でもせっかくここまで来たので思い切ってオーダーしました。

脂のたっぷりのったウニ丼は旨味たっぷりでとっても美味しかったです。食後に中のおじちゃんからきいたのですが、もうウニの時期は終わる直前で、利尻では9/15に終了、礼文でも9月いっぱいだったのだとか。ぎりぎりに食べられてラッキーでした。

マリン岬をみてから最北端のスコトン岬へ。本当、変わった名前の岬が多いですねw。画家のおじさんがずっと座って絵を描いていました。他に観光客がいなかったのでやむなくお願いしたら、冗談をいいながら写真を撮ってもらえました。こんなきれいなところで1日絵を書ける生活なんて羨ましいですね。

最北端からは内陸の丘の上を通る岬回りルートに入ります。ここは車1台分しかない峠道なのですが、低い草の丘を練るように走るのはジェットコースターのようで爽快。景色もずっとWindowsXPの壁紙のようでした。このルートは礼文島にこられたら絶対おすすめです。

港に戻ってきたらあと1時間ほどあったので、島の南の道や、唯一のトンネルを通って奇石をみたりしていました。戻ったらちょうどフェリーの受付時刻でした。完璧です。

受付を済ませて今日の宿を考えます。稚内に、みどり湯と呼ばれる銭湯併設のライダーハウスがあるのを聞いていたので、電話したらおばちゃんがOKをくれました。ネット情報によれば彼女がオーナーさんのようです。人気のある宿なので賑やからしいのですが、どんなところかドキドキします。聞いたら最終フェリーの場合は到着が8時くらいになって真っ暗になるので気をつけて、とのことです。

その前に、昨日風呂場で紛失したボディーソープを稚内で買わなければいけません。これ一本でシャンプー、身体、洗濯とマルチに使えていたので、これの紛失は痛いです。ニベアボディーソープという製品です。

フェリーはもう4回目なので乗りなれたものです。今回は2等船室のコンセントの横が空いていたので電気をもらいながら、レシートの整理とブログ書きをして短い船旅をすごしました。

さて、稚内に到着しました。今日の目的地は、みどり湯という場所。どう見ても銭湯の名前なのですが、これが有名なライダーハウス。

銭湯に併設したライダーハウスで、ドミトリー式で雑魚寝ではなくベッドで寝ることができます。

談話室は23時までで地元北海道やはるばる福岡から来られたライダー達と談笑を楽しめました。ライダーハウスは9月いっぱいの営業とのこと。

明日はいよいよ宗谷岬に向かいますよ!旅もこれで1/4です!

今日の走行距離:165.9km(積算:2478.9km) 燃料代:494円/2.41l(積算:7438円/34.25l) 食費:4160円(積算:13962円) フェリー代:9190円(積算:19600円) 入浴:480円(積算:1430円) 宿泊:1800円(積算:3820円) 用品:547円(積算:13898円) 小計:16671円 総合積算:70248円

9月23日(10日目)

パチ

気持ちよく目が覚めました。時刻は午前5時。丁度良い時刻です。やはり暖房は快適です。

このライダーハウスの駐輪場は朝早く出るバイクを手前にして、奥のバイクの邪魔にならないようにしなければいけません。昨日、自分が早く出るからと豪語して手前に入れ替えさせてもらっていたので心配だったのですが、どうやら僕が一番のようです。よかった。

朝日の中、最北端の地、宗谷岬に向かいます。湾内は波も無く空が映り込んで美しいです。

宗谷岬は誰もいませんでした。写真を撮って欲しいのにこれは誤算です。三脚じゃ低すぎていまいちです。

また張り込みしていると、近くの旅館に泊られたという方が散歩に来られたので写真をお願いしました。よかったです。手にはもちろん到達証明書。これは合わせ絵になっていて四つ合わせると一枚の証書が完成するのです。

宗谷岬の上には宗谷丘陵が広がっておりバイクで走れます。また高原のような景色を楽しみました。途中、白の道と呼ばれる文字通り真っ白な砂利道があり面白い写真が撮れました。牛もたくさん放牧されており、北海道らしい巨大な農機とすれ違うなど印象に残る道でした。気に入ったで往復したくらいです。

さて、最北端ですのでここからは南下するのみです。海は日本海から太平洋オホーツク海に変わり、波は穏やかです。

猿払村のセイコーマートで朝食を食べていたら漁師の人に声をかけられ、「地元のものだからあげるよ」と猿払産のホタテバターをもらいました。嬉しいですね。もうプレート元取れた気がします。冷凍だったのでセイコーマートのレンジを借り、ありがたく頂きました。

クッチャロ湖畔のキャンプ場が綺麗と聞いたので寄ってみました。確かに湖畔に山が映りこみ優雅に過ごせそうです。しかしまだ時刻は午前10時なので残念ながら先に進むことにしました。

実は北海道には神威岬がもう一つあります。浜頓別の北見神威岬です。国道のコーナーから歩いて灯台までいけるので、近くで写真を撮っておきました。

少し過ぎて枝幸というところに北緯45度広場という場所がありました。GPSを見るとたしかに丁度45。北極と赤道の丁度中間地点です。

やがて中規模な町、紋別市にたどり着きます。ここの巨大なカニバサミのオブジェは有名なので立ち寄ってみました。最初は海上にあったのだとか。きっと海の中に大きなカニがいるようにみえたでしょうね。

湧別町の道の駅遊園地の観覧車を見ながら進むとやがて今日の目的地、サロマ湖です。ここのキャンプ場は僕が昔、生まれて初めて北海道に来た時に初めて泊まった場所です。朝小樽にフェリーで降りて一日中走って一気にここまで来たのを思い出します。

食堂はないので、セイコーマートで、昨日地元ライダーにうかがった「焼きそば弁当」を買ってみました。変わった名前の焼きそばで、茹で汁を使って中華スープも楽しめるといったものです。茹で汁の油がスープのコクになるのでしょう。

さて、サロマ湖のキャンプ場につきました。サロマ湖のキャンプ場は2つあるのですが、湖面の夕陽が綺麗だった覚えがあったので西側が開けているキムアネップ岬のキャンプ場に特定しました。

テントを張って沈む夕陽をみると以前来た時のことが思い出されます。

コインシャワーは残念ながら故障中だったので頭だけを水道で洗いました。思えば出発してから身体を洗わない日は初めてです。携帯シャワーが故障中なので仕方ないですね。

蚊がまだ多かったので例の防虫防水スプレーをテントにかけたらいなくなりました。確かに効果あるようです。スプレーはもう空になりました。またどこかで買います。

今日は時間に余裕があったのでのんびり景色を眺めてから焼きそば弁当に買ってきたチキンをのせて頂きました。

そう言えばバイクの後ろタイヤがスリップサインまで1ミリくらいになっていました。どこかで交換の必要がありそうです。

明日は知床半島、できればカムイワッカの滝登りに挑戦を狙っています。例によってタイトスケジュールですが頑張りますよ!

今日の走行距離:308.2km(積算:2787.1km) 燃料代:796円/4.32l(積算:8234円/38.57l) 食費:1237円(積算:15199円) 小計:2033円 総合積算:72281円

9月24日(11日目)

寒い!

毎度の事ながらやはりテント泊は寒くて起きてしまいます。時刻は5時少し前。今日はタイトスケジュールなので、もう出ましょう。

サロマ湖の湖面はもう朝焼けで赤く染まっていました。とても綺麗です。

今日の目標はカムイワッカの滝登りと滝壺温泉に入ること。今年から滝登りは予約制になっており、2時間前までに予約を入れなければいけません。今日のペースがまだわからなかったので昨日時点ではまだ予約はしていませんでした。

バイクを出し東へ向かいます。進路の関係で正面から朝日が当たり眩しい中をすすみます。網走湖がちょうどその太陽の下に入って反射していました。

網走といえば監獄なのでまだ開いていない入り口で撮影。前に行った事あるので、中は入りませんでした。

ここまで来れば大体カムイワッカの時間が見積もれます。今が午前6時過ぎ、滝までは100kmなので10時に予約を入れれば良さそうです。ネットでクレカ決済できました。2000円でした。

やがで海の上に陸の影が見えてきます。知床半島とその手前の斜里岳です。

時間に余裕が出来たので斜里町セイコーマートでパンとコーヒーで朝食にしました。

さて、ここからはいよいよカムイワッカに向けて知床半島を北上します。

滝に入るには専用の履き物が必要で持参はしていなかったのですが、滝への道の手前、知床自然センターで1100円で足袋が売っているのでそれを買いに行きました。

センターで足袋をお願いすると、手前で遊ぶ分にはこれでもいいが、最後まで登りたいならウォーターシューズのレンタルがいいですよと言われたのでその通りにしました。自分の足のサイズは最後の一束だったのであってよかったです。ちなみにお値段は足袋と同じく1100円でした。

カムイワッカへの道は途中からダートです。しかも11キロ。バイクにはなかなかハードでした。ただ、しっかり固められた道なので走りやすかったです。

やがて到着。係員さんに予約した名前を告げて、更衣室で水着など濡れてもいい服装に着替えます。水着はなかったのですが、ボクサーショーツがあったので、それとジャージの上を使いました。

誰もいないかならとおもったら東京から来たという二人連れがタイミングあったので撮りっこしながら上へむかいました。強酸性のお湯で苔は生えず、水の中なのにぐいぐい登っていけるのが楽しかったです。

最後に滝壷で入浴しているところを記念に二人に撮ってもらい、そこで別れをつげました。早く次に行かないといけません。

次は知床五湖。文字通りら5つの湖があるのですが、時間がないので俯瞰できる木道だけを走って写真をとりにいきました。香港から来てるご夫婦に写真を撮ってもらい、こちらも撮ってあげました。急いで戻ります。コースタイム40分を15分で駆け抜けました。

来た道をもどってジュースを返却、次は知床峠に入ります。百名山である羅臼岳と斜里岳の間を通る峠で景色も素晴しいです。峠を越えたら遠くに国後がみえました。

峠を降りると標津。ここで沢登りで疲れたのでツルハドラッグで北海道限定の飲み物とパンを買ってらたべました。国産北海道小麦をつかったもので230円と他の倍くらいでしたが美味しかったです。

ここからの予定は、できれば根室で最東端証明書をもらってから納沙布岬に陽が出ているうちに着くこと。距離的にカブには厳しかったですが枯れたナラの木の珍しい光景が見える細い細い野付半島も往復して、かつ、なんとか達成できました。長野からのライダーがたまたまいてモニュメント前で写真を撮りっこしました。

やがてあたりは真っ暗。この辺りの道はほんとうにシカが出てきて危ないそう。この90キロ先のキャンプ場は諦めました。

夕飯には根室名物のエスカロップを食べました。お店は根室市中心部のニューかおり。見た目はスナックですが中は大きな洋食屋さん。全体的に価格もリーズナブルなのでまた来たいお店です。エスカロップはコクがあるバターライスにトンカツとデミグラスソース。美味しく頂きました。

Amazonで頼んでいた水シャワー用携帯シャワーが根室のヤマトに届いていました。旅先で通販出来るなんて便利な時代になったものです。前のが壊れていたのでこれでまた野宿でも身体が洗えます。

早速木に吊るして水シャワー。根室の気温では寒中水泳状態ですが、それでもさっぱりしておわったあと身体がポカポカしてよく眠れました。

今日は駆け足でしたが明日は大樹にすむ友達が釧路まで来てくれるので走行距離をおさえて久しぶりにのんびり過ごしたいなと思います。

今日の走行距離:434.4km(積算:3221.5km) 燃料代:1555円/9.15l(積算:9789円/47.72l) 食費:1543円(積算:16742円) 観光:3300円(積算:4300円) 小計:6398円 総合積算:78679円

9月25日(12日目)

毎度寒くて目が覚めます。時刻は午前4時。今日のスケジュールはタイトではないので急がずに、ぼけっと4時半まで過ごします。ぼちぼち撤収です。

同じ場所に泊まった方が声をかけてくれて朝から立ち話。宮城県からわんちゃんと一緒に旅しているのだとか。今日は霧多布に2泊くらいするそう。旅人同士だと車バイク問わず仲間意識が出来ていいものですね、

今日の予定は釧路で北海道に住む友達と待ち合わせ。あと溜まった洗濯物をコインランドリーと3000キロ越えたのでオイル交換です。釧路まではここから200キロ程度なので無理なくこなせる予定。

テントを畳んで根室半島を来た方向、西側に進みます。海岸線をトレースする感じで左手の道を進みます。

景色は左手は穏やかな海に右手は根室の侵食された湿原。ここに来てアップダウンが多くなり、ややカブではパワー不足を感じます。

朝は霧多布町でいつものセイコーマートで北海道産のパンと果物のジュースをとりました。ベンチがあるセイコーマートで休憩になりました。

やがて到着したのは霧多布岬。岬は駐車場から10分ほと歩いた場所にありました。かなりの突出した場所で360度近い景色が楽しめます。たまにいるらしいラッコの姿は今日は見当たりませんでした。近くのアゼチノ岬は先端までは行けませんでしたが、とんがった形の良い岬でした。

霧多布岬から先に進むと道端に展望台。ここからは霧多布湿原が見れます。藁のように黄土色の草の中にあるポツポツと侵食された池が印象的でした。

やがて大きな橋があり、街の中に入ります。厚岸です。ここにはコインランドリーやバイク整備をしてくれるお店があります。

コインランドリーは札幌よりはやや高めでした。ジャージに着替えて走行用の服もその場で洗濯乾燥してしまいました。その間にバイクのオイル交換。バイクを扱っている店は普段は自転車やボートを扱っているところで、残念ながら僕のカブに合うオイルがなかったのでホームセンターで車用のオイルとドレンボルト用のピットを買い、自分で交換してしまいました。トルクレンチ、本当に持ってきてよかったです。ただ、ピットのホルダーを取るときに失敗して指に傷がついてしまいました。ホルダーは買ったお店にまた持って行き、プライヤーで開けてもらいました。

洗濯も終わり服も気持ちよくなりました。これで数日間は着替えを確保できました。

友達から連絡があり、釧路の温泉で待ち合わせになりました。釧路までは直線の国道があるのですが、海岸線トレースの為に南まわりで行きます。この根室浜中釧路線、山の稜線を走るような道で両サイドがひらけていて気持ちの良い道でした。

温泉に着いたのは14時。車はあるので先に中で入ってる模様。露天風呂もある立派な温泉なのですが490円と安かったです。そんな感じで友達とは風呂で全裸で再開を果たしました。

納車されたばかりという車に乗せてもらい夜の買い出し。北海道は距離を乗るので燃費重視で買い替えたのだとか。確かに走っていても現在の北海道はハイブリッドの割合がかなり多いです。

今日寝るのはちょっと戻ったキトウシ野営場。無料なのに炊事場トイレはもちろん、ゴミまで捨てることができる岬の展望の良いサイトです。

焚き火のため薪割りと着火用の加工の体験をさせてもらいました。ナイフで薪を割るのは初めてでした。肌寒い秋に焚き火の暖かさがここちよく、買って来た豚とラム肉で焼肉を楽しめました。

夜になって寝るときに歯ブラシがないことに気づきました。どうも根室に忘れて来たみたいです。歯ブラシだけでよかったです。明日どこかで買わねば。

明日は霧の下降が観れるらしいので、また夜明け前に起きます。

今日の走行距離:207.8km(積算:3529.3km) 燃料代:799円/4.68l(積算:10588円/52.4l) 食費:1509円(積算:18251円) 入浴:450円(積算:1880円) メンテ:1596円 洗濯:700円(積算:1100円) 小計:5054円 総合積算:83733円

9月26日(13日目)

4時。雲海を見ようと早く起きる予定でしたがまだ夜明け前です。外を見ると残念ながら今日は霧が晴れていて雲海は見れなさそう。でもキトウシ野営場からの眺めは絶景。朝、漁に出て行く漁船団と赤い空が印象的でした。

横の友達は大樹町に住んでいて、今日はそこを案内してくれるそう。大樹の道の駅で待ち合わせにして一旦別れることにしました。

7キロ進んで右手に海があることに気づきます。そう、反対の東方向に進んでいたのです。野営場に入ったときの方向だけ覚えていて、ついそっちに進んでしまいました。7キロ間違えは往復14キロの差になるので痛いです。今度から気をつけます。

やがて再び釧路市街地へ。大きな都市なのでマックがあったのでそこで朝食にしました。牧場が近いからなのか、ハエ取り紙かあるのが印象的でした。

そこからは釧路湿原。展望台はいくつもあるのですが、手前の展望台にいくことにしました。

入り口で茨城から来られたかたにプレートをみて話しかけられ、なんと同じ車のユーザーだったので車中泊の話で盛り上がってしまいました。

どうも話を聞くと、この展望台、開場までは登れないそうで、湿原を見たい場合は遊歩道を1キロほど行かなければいけないそうです。ただ、展望台より遊歩道のほうが景観は良いとのこと。

約束もあるのでメットをしたまま遊歩道をあるきます。朝なのに何人もすれ違いました。1キロ先には展望台がありそこからは釧路湿原の素晴らしい眺め。たまたまそこにお一人いたので展望台の上から見下ろしで写真をとってもらえました。

駆け足で戻って大樹の方に向かいます。景色は変わり、牧草地帯へ。十勝地方です。牧草地の間には直線で防風林が植えられており、独特の景観を作っています。大樹には雪印の大きな工場があり、ここで作られた牛のミルクが集まります。牧草を貯蓄する塔のようなサイロが様々建っており見ていて飽きません。

大樹町の看板がらありました。絵はロケットマーク。大樹町にはロケットの発射場があるのです。

待ち合わせ場所に着く頃にはガソリンがメーター振り切るくらい減っていました。危なかったです。道の駅に友達が待っていたので、そこからバイクを置いて車で案内してもらいました、

ロケットの発射場や遠隔の管制を行う場所、追跡用パラボラアンテナを制御する場所、なんと旧大樹駅の中に行きました。古い駅の中に最新の機材が置いてありびっくりしました。

その後行ったのは海岸線のトーチカ群。大正時代のもので、対ロシア用に作られたのだとか。曇りの海岸線に並ぶコンクリートの塊がシュールでした。

お昼はホリエモンラーメン。一人でやっている店で注文はスマホからのみ。お金は電子決済か1000円札を箱に入れるだけという合理的さ。感心しました。

車に乗っている間に通り雨が降っていたのですが、別れを告げてバイクに戻る頃には雨はやんでくれていました。

寝る所はどうしようか迷いましたが、とりあえず先の広尾まで進むことに。丁度海沿いに屋根がある所があったので今夜はそこを借りることにしました。

十勝だからか牧場の香りが漂っていましたがすぐに鼻が慣れました。タンクで水シャワーをして体を洗い、18時にはテントに入りました。

天気予報によれば、明日は曇りで明後日は大雨とのこと。明日は襟裳岬を越える予定です。明後日は心配ですが、まぁ何とかなるでしょう。いよいよ北海道の岬も4極目です。

今日の走行距離:208.1km(積算:3737.4km) 燃料代:574円/3.44l(積算:11162円/55.84l) 食費:1450円(積算:19701円) 小計:2024円 総合積算:85757円

9月27日(14日目)

午前3時30分。外は真っ暗です。昨日は疲れて20時くらいに眠りについていたようです。今日は距離を稼ぎたいのでヘッドライトをつけて準備することにしました。

建物の下だからか、テントはいつもよりカラッと乾いています。防水用のビニール袋に乾いているのでそのまま入れました。

準備完了は5時前。朝はなんだかんだ時間がかかるものです。今日は北海道最南端、宗谷岬に向かいます。

まだ寝静まった広尾の街をカブが駆け抜けます。もうすぐ夜明けです。広尾町の国道沿いにはフンベの滝という横に長い滝がありました。そういえば寝た所の近くにトーチカがあったのですが、朝見てくるのを忘れていました。

見えている岬は襟裳ではなく手前の岬です。不思議な動物の看板を見ながら襟裳町に入っていきます。大きな湾の百人浜が見えるとその先が襟裳岬です。

朝なので岬は誰もいません。セルフィは仕方ないので三脚で撮りました。岬だけ強烈な風が吹いていて何度も倒してしまいました。

さて、ここからは海を西側に北上です。地方的には十勝地方から日高地方に入った形になります。

日高山脈に隔たれたこの二つの地域はガラッと雰囲気が変わります。牛の畜産が多く牛舎の香りが漂う十勝にくらべ、日高は昆布漁が盛んで昆布の海の香りがします。また、道の脇には競走馬の牧場がならび、美しい形のウマが草を食べている光景が楽しめます。

新ほだか町は商業施設がたくさんある町です。しばらく無かったダイソーがあったので、どこかで無くしたハンカチと倒して割ったスマホガラス、調理やメンテ用のペーパータオルを買いました。やはり便利ですね。

日高を抜けると胆震地方に入ります。大きな町、苫小牧です。

早めに給油を行い、苫小牧で有名な王子製紙の正面を見学してから先を急ぎました。樽前山の麓に立っていたドコモの中継機になっているタワーが印象的でした。

やがて遊園地が見えるとそこは温泉で有名な登別です。せっかくなので10kmくらいは入り温泉に行ってみました。

登別温泉はいかにも温泉地といった風情で観光客がたくさんいました。地獄谷はバイク駐車場が有料だったので遠くから写真をとってそのまま通過らしました。

そのまま進むとなんと、地獄谷への遊歩道を発見。登り返しはきつかったですが無料で中に入れました。台湾人のカップルと写真を撮りっこしてもらいました。

そこからさらに進むと日和山がみえます。激しく硫黄が噴出していました。その先には登別の裏山のクタラ湖。摩周湖と並ぶ国内トップクラスの透明度のカルデラ湖です。

駆け足ですが登別を楽しめたので室蘭へ向かいます。

室蘭といえば日本製鉄です。工場にナビすると知らない間に自動車専用道に入ってしまってたので慌てておりました。室蘭はこの専用道が白鳥大橋まで海沿いにまいて道が繋がっています。巨大な湾をショートカットする大橋です。

先端にはピリカノカと呼ばれる名勝がならんでおり岬は地球岬と呼ばれ、文字通り地球の丸さを体感できる場所です。展望台が2段になっていたので手近な人に頼み上から写真をとってもらいました。お返しに撮る時は久しぶりの一眼レフだったので緊張しました。

地球岬を超えると室蘭の湾の入り口にでます。この日は巨大なクルーズ船が停まっていました。さて、白鳥大橋を渡ろうとすると、、自動車専用道路です!原付の場合は湾を迂回してこなければいけません!

ついでなので街中にもどるので名物のカレーラーメンを食べることにしました。お店は一服。なんと今年80になるご主人がやっておられる店で室蘭カレーラーメンでは老舗なのだとか。客は僕一人だったので室蘭のカレーラーメンの発祥経緯やご主人の昔話などたくさんお話しが聞けました。

さて、日も暮れてきました。今日はなんとか隣の伊達市のキャンプ場までいきたいのです。暗い中の走行は鹿が飛び出てきてライダーが何人も亡くなってるというカレーラーメン屋のご主人の言葉を思い出しながら慎重に進みます。

真っ暗な砂利道を抜けると今日の目的地、アルトリ岬キャンプ場です。小さい所なので誰もいないかと思ったら結構先客がいました。

街灯があったので、困ることなくテント設営できました。ほんとは昨日みたいに水浴びしたかったのですが、人目もあるので今日は頭を洗うだけにします。

明日の朝は6時から雨マークです。早起きしてその前にテントをたたまねば。

今日の走行距離:385.9km(積算:4023.3km) 燃料代:1044円/6.06l(積算:12206円/67.96l) 食費:1142円(積算:20843円) 用品:330円(積算:14228円) 小計:2516円 総合積算:88273円

9月28日(15日目)

3時。

安定の早起きになりました。昨晩も20時に寝てしまったので7時間は寝れています。二度寝しようかと思ったのですが今日は雨予報なので雨が降る前に撤収することにしました。

テントを畳んで出発。辺りは真っ暗です。国道から洞爺湖へ登る道を進みます。突き当たって右に行くと温泉街がありました。まだ寝静まった街はまんまるなぼんぼりの様な街灯で幻想的でした。

温泉街から少し進んだころには空が明るんできて洞爺湖の中央に浮かぶ中島が見えてきました。洞爺湖は日本3位の大きさのカルデラ湖で、この真ん中の島が特徴です。なんでも昭和の時代は人が住んでいたのだとか。どうやって生活していたのでしょうね。

湖の右手には赤茶けた剥き出しの山。昭和新山です。近くまで行けるのでそちらにバイクを走らせてみました。

昭和新山は土産物屋が並んでいますがまだ営業時間前なので貸切でバイクと写真を撮りました。ツイッターにあげる時に気づいたのですが、なんでも2日前に大規模な崩落があり全国ニュースになっていたようです。みた感じは異常はなかったのですがタイムリーですね。

せっかくなので洞爺湖の、その大きさを体験しようとぐるっと一周、回ってみることにしました。その長さ40キロ。1時間くらいかかりました。遠くにとても立派な建物が見えました。洞爺湖ウインザーという高級リゾートホテルでサミットも開かれたような場所らしいです。

一周しましたが、洞爺湖を見下ろす写真も撮りたいなと思い、札幌に続く国道にちょっと入ってサイロ展望台というところから写真をとりました。その形から、上からのドーナツ型の眺望が1番の撮影ポイントだと思います。

今日の目的の洞爺湖を充分堪能できたので、また海沿いの道に戻りました。海岸線トレース再開です。幸い、雨は持ってくれて綺麗な写真がとれてラッキーでした。

途中、給油とセイコーマートでいつもの朝食を食べました。早朝から体が冷えたので試しに北海道山わさびラーメンというのをお湯を入れて食べてみました。知らなかったのですが、これ、実は有名なラーメンで、すすると咳き込むくらいの辛さ。セイコーマートの駐車場で一人ゴホゴホ言いながら食べていました。道民の方は上手く食べれるみたいです笑

ポツポツと雨が降り出しました。セイコーマートでカッパを着てきて正解です。このまま函館の東の渡島半島をトレースしていきます。目指すはその先端、恵山岬です。

半島なので給油には気を使います。雨なので屋根付きのガソリンスタンドを選んで積極的に給油を行います。その頃には雨はドンブリをひっくり返した様な豪雨。なんとなく防水のカッパやシューズの中がひんやりします。どうもあまりの水圧に浸水してきた様です。それでも後には引けません。このまま進みます。

やがて到着したのは恵山つつじ公園。雨なのでナビを出せないのて直感できたのですが、雨宿りの公園のトイレでスマホをみると、どうも恵山岬の南北の道は繋がっておらず、岬とはちがう道にきた様です。

七つ岩という奇石群がみれ、雨だからなのか土で海が茶色に染まっていました。いつ土砂崩れするのかヒヤヒヤしながら道を引き返します。

そのあと入った恵山林道もハズレ。延々と林道を抜けたら先程のつつじ公園の道に戻ってしまいました。全く雨でナビが使えないとこの様です。

慎重に確認しながら恵山半島の北側の道を発見しました。先には漁村があり、先端は荒れた海。こちらは風も強く打ちつける雨でスマホ写真をとるのもハンカチで拭きながら一苦労でした。

ようやく今日の目標を達成できたので渡島半島を西へ、函館に向かいます。ここからは40キロ。すでにシューズの中はぐっしょりで身体も下着まで浸水しているのがわかります。寒さと闘いながらの長い長い40キロでした。

やがて前に見覚えのある山が。この前登った函館山です。とうとう北海道一周してきました!内陸部移動ならなんどか来たことがあったのですが、海岸線トレースするとその大きさが体感できました。まだまだですが、一つの節目として達成感が湧いてきます。

身体中ぐしょぐしょのまま青函フェリーの窓口へ。出来れば今日中に青森に渡り、明日は下北半島に入りたいのです。すぐに乗れるフェリーを聞くと、どうも今日は天候が悪く、バイクを一台倒してしまった後はバイクNGとしたらしいです。早くで次のフェリーは明日の朝なのだとか。もし早く行きたいならと別会社の津軽海峡フェリーをおすすめされました。

津軽海峡フェリーターミナルはそこから2キロくらいの所にありました。ちょっと料金は高いのですが、17時半の便に乗れるそうです。ずぶ濡れのまま申し込み書を書いたら紙か濡れてしまいました。

16時半に乗り込み開始なので後1時間です。近くにコインランドリーを見つけたので濡れた衣類を乾燥機にかけることにしました。ランドリーについて愕然。なんと、寝袋や寝巻きを入れたライダーバックが底まで浸水しているのです。

慌てて昨日買ったペーパータオルで中を拭いて、寝袋と寝巻きはカッパや衣類と一緒に乾燥にまわしました。100円で12分だったので様子を見ながら2回まわしたらおおかた乾いた様です。靴の乾燥機もあったのはついてました。時間が20分だったので北海道最後のセイコーマートでカツ丼を買ってきました。時刻は 16時27分。あと3分ギリギリです。

フェリーゲートは青函フェリーのものと比べるとかなり大きめ。フェリー自体も大型トラックが何台入るんだというくらいたくさん収納されていました。競走馬のトラックも何台か入るのがみれました。僕は最後ですが、駐車場がなんと2階だてで2階に登るよう指示されました。濡れたタイヤでスロープはなかなか怖かったです。

ようやくフェリーに乗って落ち着きました。まるで豪華客船のように立派な作りに驚きます。

ホテルのロビーの様な窓際のテーブルに腰掛けてセイコーマートのカツ丼を頬張りながら函館の夜景と函館山のシルエットを眺めていました。

今日の走行距離:366.9km(積算:4580.2km) 燃料代:1191円/6.77l(積算:13397円/72.26l) 食費:1159円(積算:22002円) フェリー:5680円(積算:25280円) 宿泊:2110円(積算:5930円) 洗濯:300円(積算:1400円) 小計:10440円 総合積算:98713円

9月29日(16日目)

3時30分。

今日は快適な寝起きです。どうしてかと言うと、昨日は青森市にフェリーで着いてすぐに快活クラブというネットカフェに入ったのです。都会地でしかも雨上がりでキャンプする自信がなかったので素直にナイトパック2110円で利用しました。

ここは完全個室で暗くできる上にシャワーも無料なのでライダーハウスで風呂に行くより安かったりします。これから太平洋ベルトに入るのでたまに利用したいです。

ただ、人目につく所にバイクを置くので防犯がちょっと心配。グランドシートをバイクカバーがわりにかけました。

カバーをかけていると大きなバイクに乗った見たことある人が。さっきフェリーで出発の時に横にいた人です。話しかけたら北海道北見の方から高速で東北ツーリングにきたとのこと。北海道の方からすると本州の神社仏閣が多かったり瓦屋根の光景が珍しいのだとか。所違えば価値観も変わりますね。

今日は予定が押してないのでのんびり過ごして5時半に出発します。昨日の北見の方がやはり同じ時間に出てきて別れを告げることができました。ライダーはライダーと言うそれだけで仲間意識が出来ていいものです。

さて、早朝の青森市はもう動き始めています。車の雑踏の中、この前まわった津軽半島の反対側、下北半島の方向にバイクを走らせます。

青森県東部にせり出ている下北半島の根元にはもう一つ、夏泊半島という小さなコブのような半島もあることに気づきました。脳内地図では海だったのですが、こうやって走ってみるとわかるものですね。

海岸線トレースを目標にしているのでこちらも周ることに。半島の先には島があり橋がかけられていました。夏泊岬です。金曜の朝なので誰もいませんでした。

日が上り天気が良くなってきたので横の公園で出発以来のチェーンの点検を行いました。カバーを開けノギスで測るとやはりかなり伸びています。さすが4000キロも走っただけあります。レンチでドライブシャフトを緩めスパナで軽く引いておきました。トルクレンチで60Nmでシャフトを締め、最後はルプで仕上げです。

チェーンは直接駆動に関わる場所なので何となくスムーズに走行できる様になった気がして気持ち良く進めました。さて、今度は本格的に下北半島に入ります。

半島の中央にある、むつ市の奥山にある有名な恐山には一度行きたいと思っていましたので、計画にはいれてあります。あと、事前情報で半島西側の国道355が一部完全通行止めになっていると知っていました。なのでちゃんとは半島一周は出来ませんが、とりあえずまわってみることにしました。恐山は南の、むつ市から以外に北側からも入れるので、周回した戻道でも行けなくはないのですが、天気が良く明るいチャンスの今に、むつ市の方から先に入ることにしました。

むつ市に着いたら案内に従い、恐山方向に向かいます。主要な観光スポットですので、途中、どちらへ行っても恐山という変な案内標識があって笑ってしまいました。

恐山へは急な坂のワインディング。ギアを慎重に調整しながら、ブレーキをあまり減らさないように気をつけて走ります。やがて真っ赤な足が見えてきました。恐山入り口のシンボル三途の川の橋です。通行止めになっていました笑

橋の反対側をみるとむき出しの岩に硫黄の噴出。ここが活火山の上に作られたお寺であることを認識させられます。

やがて駐車場に。入場料は500円。実はここ天寺の中にお風呂がある珍しい寺院。入浴は無料なので、実質500円でお風呂に入れることになります。

寺の左手には、巨大な硫黄臭が漂う地獄(霊界?)巡り。三途の川の石積みを彷仏とさせられる小石の山々とそれに刺さる風花が独特の景色を生み出しています。

一番奥の展望台の不動明王を拝観した頃にはいい感じに汗だくになってしまいました。それでは早速お風呂に入ってみましょう。

内側のお風呂は男女別の建物になっており洗い場はありませんが、脱衣所と湯船が2つあります。非常に熱いので、自分で水で割って入るタイプです。

先客がいらっしゃったのでお話しすると、やはり北海道から来られたとのこと。北海道の方にとっては東北はポピュラーな観光スポットの様です。その後に来られた方に情報を聞いたのですが、なんでもちょっと離れた場所に混浴でもう一つお風呂があるそう。探してみたけど、わからなかったので、お坊さんに聞いたら教えてもらえました。誰もいなかったので、自分でお風呂に入ったセルフィーを撮ってみました。

硫黄泉なので長湯も出来ないのでしばらくであがり、バイクへ。駐輪所には、他にも2台自転車と同じカブが駐車しており、なんと2人とも日本1周中のプレートが。すごい偶然ですね。恐山には日本一周勢を惹きつける何かがありそうです。

さて、恐山を降り、むつ市から下北半島南側を回って行きます。途中からガソリンスタンドが一切なくなり先端の北海岬に着く頃には、ちょっと残量が心もとなくなりました。岬の近くの漁師さんに、国道についての情報を聞いたら、峠道がきついので、雨流通ことをお勧めしないとの事。こちらの人は、なまりがきついので、ちょっと聞き取りづらかったのも風情を感じました。

さて、国道355、ダメ元で入ってみると情報通り全面通行止め。途中まで引き返すことにしました。そのまま行ってもガス欠になりそうだったので、内心ほっとしました。迂回路の分岐まで戻るとガソリンスタンドがあり安心しました。

迂回路の県道は、川沿いの走りやすい道。途中ダムがあったので、ダムカードをもらって見学しました。ロッククライミングの装備の団体がダムで練習?していました。そのまま進むともとの355号線の反対側に出ました。迂回路時間は約2時間。良い景色が楽しめたのでよしとしましょう。

国道355号線は激しい峠道。途中仏ヶ浦という場所がありました。凝灰石の真っ白な奇石群で仏の名前がつけられた場所です。下に遊歩道があったのですが、さっきので時間がおしたので上の展望台から見るだけにしましたが、海からそびえ立つ真っ白な人型の岩岩が印象的でした。

ここからは先端の本間までは20キロ。ほんとに下北半島は大きいです。しかも峠道なのでなかなか距離がすすみません。

途中に、今、建設中の本間原子力発電所がありました。500kVの巨大な鉄塔が引き込まれており、最果ての地の風景にアクセントが加えられていました。

本間岬は本州で最北端の地になります。横にお土産屋があり、200円で本州四極カードが販売されていたので、せっかくなので集めてみることにしました。人はまばらだったのですが、たまたま来た人に写真を撮ってもらいました。ノリのいい人で本間岬のマグロのモニュメントを使ったいろんなポーズを教えてもらいました。

日が暮れてきたので、そろそろ寝るところを探さなければいけません。今日は晴れなのでキャンプです。実は岬のすぐ裏にキャンプ場があるのですが、まだ1時間ほど走れるのと、風が強そうなのでそこはパスしました。

スーパーで買い物をして先に進みます。明日の朝に備えてガソリンも入れておきました。今日3回目です。走行距離自体はいつもと同じなのですが、ガソリンスタンドが少なそうなので積極的に入れていたのが数を増やした要因です。

途中に屋根がある良さそうな場所があったので、今夜はそこを借りることにしました。

本間といえばマグロです。今日の夕食は、スーパーでマグロの刺身とご飯を買って、自作マグロ丼を作ります。温めながら気づいたのですが、このマグロよく見ると北海道産と書いてありました笑

本間マグロはすごく高級なので地元のスーパーに置いておらず、ほとんど東京に流れるのだとか。

まあ同じ津軽海峡でとれた魚でどちら側で水揚げするかの違いなので、これはこれでよしとしました。

今日の走行距離:333.4km(積算:4723.6km) 燃料代:1131円/6.91l(積算:14528円/79.17l) 食費:1190円(積算:23192円) 観光:700円(積算:5000円) 小計:3021円 積算:101734円

9月30日(17日目)

4時半。

テント泊にしては結構寝た方です。南下してだんだん暖かくなってきたからか、寒くて起きてしまう事はなくなりました。今日はやや足先が冷えるくらいです。

空が明るんできていますので、手早く準備をして出かけます。出発は5時になりました。もうすぐ日の出です。

今は下北半島の北側中腹にいるのでこれから北東の岬、尻屋崎に向かいます。半島が見える頃には日が昇ってきました。湾に反射して眩しいです。

尻屋への半島の雰囲気はちょっと北海道に似ています。地平線まで真っ直ぐな道、馬や牛が放牧された牧場とサイロ。本州へ戻って来たのにまだ北海道にいる様な錯覚を覚えます。この馬は主に食用で日高の競走馬とは雰囲気が微妙に異なります。

かと思えば尻屋崎手前には巨大な工場が左右に並びます。三菱セメント青森工場と日鉄鉱業尻屋鉱業場です。防波堤のように海の先へ伸びる日鉄鉱業の海上コンベアが印象的でした。

しばらく進むと休憩場があり、そこにはコインパーキングの様な開閉式ゲート。前に軽トラが止まっていたので聞いてみると、尻屋崎へは密猟防止で夜間はゲートで入れない様になっているのだとか。運転手さんは昆布漁に来たそう。昆布は漁協が種を蒔いて組合員が収穫するシステム。干すのには8時間くらい火を炊くのだとか。開門は7時と書いてあったのですが「ここのタイマーはズレていて7時1分にならないとひらかないんだよ」と言っていました。丁度10分前だったので暇つぶしになりました。

ゲートが開くタイミングで様々な車が入ってきます。みんなそれに合わせて来てるみたいでした。尻屋崎は灯台がありましたのでバイクと写真。その先は閉鎖されていると聞いたのでさっきのゲートまで引き返しました。

この東通村には建設計画のある原発があります。引き込み用の500kV4導体の巨大鉄塔を辿って走ると遠くに発電所へ繋がる白糠変電所がありますが道からは発電所施設の一部しか見えません。管轄は東北電力と東京電力部分があり、東北電力部分は稼働停止、東京電力部分も計画中の段階に止まっています。近くには原発の広報施設がありましたがまだ空いてなかったので先を急ぐことにしました。

この辺りの除雪用の目印は北海道の矢印と違って地上伸縮ポールです。ポールには浸水凍結防止の為か一つ一つビニール袋が被さっていました。帽子をつけている様で可愛らしい光景でした。

久しぶりにコンビニがあったのでイートインで朝食。ハンバーガーとカフェラテ。イートインは北海道の走行路には無かったような気がします。暖かい店内で早朝からの運転の疲れを癒せました。

青森県六ヶ所村は平均年収なんと1300万円という全国でも有名な村です。理由は核燃料リサイクル工場があること。そのせいか家は新築が多く、公共の公園や施設も立派に見えました。

国道から少し入った所に広報施設が開いていたので見学しました。順路は3階の展望台から。巨大なリサイクルプラントがはっきりと見え、右手にはこれまた大きい国家石油備蓄基地、間には八甲田山が見えました。国家石油備蓄基地は有事でも石油を安定供給できる様、全国に日本国が用意している施設です。

2階は情報ルーム、1階は核燃料リサイクルのモックアップがあり、とても勉強になりました。気がつけば2時間経過。全くインフラマニアホイホイに捕まったものです!

六ヶ所村に長くいたので八戸に着くのは14時ごろになってしまいました。途中、三沢という場所には昭和6年に初の太平洋無着陸飛行に成功した時の離陸記念碑と当時のミスビードル号のモックがありました。その距離7847kmを41時間で飛んだそう。軽量化の為、離陸直後に車輪を捨てて最後は胴体着陸したという逸話が面白かったです。隣の展望台はとても高く、足をすくませながら上からの写真を撮りました。

八戸で行きたかったのは、八戸港のちかくのみなと食堂。14時までなのですが到着が13時50分。ギリギリでした。店舗入り口があまりに小さくてわからず、近くにいたバイカー二人組に聞いてようやく特定。しかしお店に聞くと、材料が終わってるのでごめんなさいとのこと。ダメ元で頼むと、ヒラメ漬け丼なら出せるとのこと。これは看板メニューなのでラッキーでした。第一回丼グランプリ海鮮丼部門で金賞受賞した一品。汁ものはこれまあB1グランプリの発祥のきっかけとなった煎餅汁でなんと煎餅が入っています。どちらも美味しく頂きました。

帰りに二人組も一緒に出て来たので談話を楽しみました。もてぎの方からいらっしゃったそうで、カブとセローなので話が合いました。栃木は今回内陸で通らないのですがぜひ次の機会に行ってみたくなりました。

二人に別れを告げ、快活クラブのアプリを開きます。八戸は予報ではまもなく15時から雨の予報。その先はすでに降雨しており、今日はここでストップとなります。大体200キロ走れたのでよしとします。

快活クラブは時間制なので空き席に余裕があれば図書館でも行こうかなと思っていたのでさが、アプリでみてびっくり。すでにマット席が埋まっていてあと1席。急いで行くとすでに埋まってしまい、リクライニングチェア席なら空いているとのこと。またずぶ濡れよりはいいのでそれでお願いしました。初めて知ったのですが頼んでおくと、もしマット席が空いたら席替え無料とのこと。早速お願いしたら30分ほどで希望のマット席に替えてもらえました。リクライニングもフルフラットになり十分寝れそうなことがわかったので、いい勉強にもなりました。

明日は本州最東端、トドヶ岬を目指します。バイクでは到達できず、往復6キロの歩道なのでなかなか難易度の高い岬です。十分休んで明日に備えます。

今日の走行距離:198.9km(積算:492.5km) 燃料代:559円/3.23l(積算:15087円/82.4l) 食費:1788円(積算:24980円) 宿泊:4320円(積算:10250円) 小計:6667円 総合積算:108401円

10月1日(18日目)

4時。

快活クラブの15時間パックが使える様に時間を調整して起きます。会計は4310円でした。安いビジネスホテル位ですが、こちらの方が僕にとっては快適なのでオッケーです。

バイクのグランドシートを外していると、駐車場にカブの集団がいました。同じバイカーでも、相手が団体さんだと声をかけづらいですね、とりあえずぺこっと挨拶してへそのまま出かけました。

八戸は、朝市が有名です。まだ5時半なのですが、ダメ元で会場に行ってみたらすごい人だかり。外国人の方が多かったのが印象的でした。せっかくなので朝ご飯に、しかコロッケを1つ買って食べました。

さて、進路を南に取ります。今日は岩手県に入り、本州最東端を目指します。八戸はもう県境に近い街です。

これから入る三陸海岸は本州最東端のある宮古を境に北は断崖絶壁、南は砂浜と雰囲気が変わります。いわゆるリアス式海岸と言うのは、南の方を指します。

それらしい岩場の地形から朝日が昇るのが見えました。ほどなくして岩手県の案内標識を通ります。青森だけで2日、前半戦と合わせて3日半ぐらい使ってしまいました。北の津軽半島と下北半島は地図では意識していませんでしたが、実際走ってみるとかなりの大きさでした。内陸部は今回は行けませんでしたが、次回のお楽しみにします。

岩手県は、北海道に次いで2番目に広い県となります。人口は内陸部の盛岡と弘前に集中しており、これから行く沿岸部はどちらかと言うと、郊外の方と言う形になります。これらは山脈に隔てられており、なかなか往来も大変な距離です。

岩手県に入って、すぐに、国道沿いに頻繁に津波の軽減、区域かどうかの標識が頻繁に見るようになりました。これはもちろん東日本大震災の影響です。

県境の洋野町の海沿いに1933年の昭和三陸沖地震の時の伝承碑を見つけました。「地震に気を緊め津浪に避難」とあります。先人の教訓です。

野田村に入るとまるで刑務所のような大きな堤防は海沿いにはられています。ここから東日本大震災被災災区域全体に横たわる巨大防潮堤です。

防潮堤はすべての港に備えられており、道路と交差する部分は、金属のゲートで閉められるようになっています。コンクリートはたまに窓も開けられており、強化ガラスで奥が見える部分もあります。

昔は何気な入江の港の風景だったのでしょう。今は巨大防潮林が現代の万里の長城のように海の景色を消し去っています。

国道45号線には並走して無料の三陸道が建設されています。大きな車は全てそちらに行くので下道の方は交通量が少なく、スムーズに走ることができます。

普代村は緯度40度最東端をおした村です。少し入ったところに黒崎灯台があったので見てきました。無料の双眼鏡も設置されておりそこからは隣の北山崎も見ることができました。

これまでなるべく海岸をトレースしていましたが、さすがに三陸海岸となると全てを周るわけにいかないので、主要な半島だけ入ってみる方針にしました。

田之畑村には、東日本大震災でぐちゃぐちゃになった防潮堤が震災遺構として保存されていました。同じく、宮古市には、たろう旅館と言う宿泊施設辺が展示されています。この旅館は4階まで浸水し、2階までは鉄骨を除いて、全て破壊されたのに、奇跡的に立っている建築物です。遥か上の4階を見ながら津波の怖さを感じることができました。

宮古市には今回の目的の重茂半島の外に、手前に浄土ヶ浜という有名な場所があります。まずはそちらに行ってみました。人気のあるスポットで車両は入場規制をかけられ、駐車場から歩くか、シャトルバスで行くかを選ぶ必要がありました。ちょっと時間がなかったので、徒歩で15分の展望台まで行って浄土ヶ浜を眺めてみました。

浄土ヶ浜は真っ白な流紋岩と松の景色が極楽のようだと名付けられたそう。確かにこの世のものとは思えない美しさがあります。右手にはこれから行くトドヶ崎のある重茂半島が。

本当はここに来た理由の、本州最東端の証明書を手に入れたかったのですが、販売しているレストハウスは、ここから徒歩でかなり時間がかかるとの事。案内人さんに相談したら、ここから通り道の道の駅で購入できると言うことなので、それに従うことにしました。

道の駅で本州最東端証明書を購入。金額は100円でした。北端証明書は200円だったので、特に統一はされていないようです。領収書くださいと言ったら、今日からインボイスなので時間がかかりますと言われたので断りました。世の中はもう10月1日なのですね。旅をしているとすっかり忘れてしまいます。

朝はコロッケ1つだったので、岬までの遊歩道の2時間でハンガーノックしないように、コンビニでパンを買って食べました。よくあるファミリーマートなのですが、後には巨大防潮堤が横たわっている異様な景色。それでも市民生活には、もうすでに溶け込んでいるみたいで、上の遊歩道を楽しそうに散歩やジョギングしている人々の姿が印象的でした。

岬への重茂半島の道は緩やかで走りやすく、すぐに駐車場にたどり着きました。先客は2名。1つは何と僕と同じく、日本一周のカードがつけられたCRFでした。やはり端っこの岬は日本一周勢を呼び寄せる何かがあるものですね。

予想通り登山道で会えたので、お互い情報交換をし、SNSでつながることを約束し、2人で写真を撮ってお別れしました。彼は北海道から99日目でもうすぐゴールとのこと、先輩ですね。

上りが結構きつくいい運動になりました。先端に到達したのは、コースタイム通り、1時間後。遠くで釣りをしている人しかいなかったので、三脚で記念撮影を取りました。もちろん、証明書を手にしてパシャリ。この岬の証明書は大きく、カバンに入れていたら破れてしまったのでもう一つ買おうかとも思ったのですが、この傷も思い出の1つになると思い、そのままにして持って帰ることにしました。

トドヶ崎灯台は、昭和の時代までは、職員さんが家族で住んでいたのだそうです。こんな所での生活、どんなだったのでしょうね。帰りに草刈りの職員さんが山道をカブで走ってきました。倒木があったのですが、どうやってクリアしてきたのでしょう。謎です。

駐車場に帰ると時計は2時間進んでいました。これもコースタイム通りです。時刻は13時半。まだまだ進めそうです。

ちなみに、トドヶ崎から帰るときに、道を間違えて奥に行ってしまったのですが、そこで見た入江の景色がとてもきれいでした。入り込む水の色はエメラルドグリーン。その液体が迷路の様に深い入江に流れ込んで来ていました。リアス式海岸らしい光景でした。

重茂半島を抜ける頃には自治体は変わり山田村に。景色が開けると、海に無数の筏が浮いているのが目に入りました。有名なカキイカダです、東日本大震災で破壊されてしまいましたが、見事に復旧しています。

2時間も歩いて喉が渇いたので、ドラッグストアで飲料水を買って飲みました。ここ山田村でも洋野から続く万里の長城が海側を渡って先に続いていました。

釜石は日本一の巨大観音像が有名です。道路側からは背中しか見えないのですが、時間がもったいないので、その写真だけをとって先に進みました。本当は中に入って参拝できるみたいです。またの機会に入ってみたいですね。

大船渡市はちょっと入ったところにある恋し浜駅にあるピンクのポストが夢なので、写真を撮りに行きました。ただポストのピンクなだけなのですが、それだけで足を運ばせるその力がすごいです。トイレがあったので洗面台を借りて登山でベタついた手と顔を洗ったらサッパリしました。時刻は16時。太平洋側なので、もう太陽が山に近づいてきています。そろそろ今夜の寝床を探さなければいけません。

その前に、腹ごしらえです。大船渡市の名物は、サンマラーメン。調べると月曜日が定休日のところが多かったのですが、一軒やってる宝介という店があったので行ってみました。席についてメニューを見ると、なんとサンマラーメンがありません。ダメ元で店員さんに聞いてみると、なんと作ってくれるとの事!言ってみるもんですね。ラーメンはサンマの骨まで入っていて、魚介感たっぷり。ライスはおかわり自由で、キムチやナムルも食べ放題。豆腐の煮物もあったので聞いてみたらそれもどうぞとの事。2日分ぐらい食いだめしておきました。明日にはお腹が空くんですけどね。

満腹したので、近くのキャンプ場に向かいます。とそこでいきなり土砂降り。天気予報は晴れのはずだったのに!?

すぐに雨雲レーダーを見ると、なんと突発的にこの地方に雨雲が向かってきています。南の法衣抜ければ避けられそうだったので、キャンプ場はやめにして南に進むことにしました。

峠を越えると陸前高田市です。もう辺りは真っ暗。有名な奇跡の一本松が見えたので、ライトアップされた姿をとっておきました。レーダーを見るとここも17時から雨。どうやら宮城県に入ってしまわなければならなさそうです。

真っ暗な中、バイクのライトを頼りにさらに峠を抜けると宮城県気仙沼市に入ります。漁港のイルミネーションが水に反射してとてもきれいでした。時刻はもう19時。

真っ暗で寝場所もないのに余裕を感じているのは、最悪、仙台まで行けば快活クラブがやっているからです。この点は北海道より楽ですね。

気仙沼の市街を抜けた先に雨をしのげそうな東屋を見つけたので今夜はその軒先をかりることにしました。ベタついた身体は、お得意の水シャワーでサッパリさせました。気温もだんだん上がってきて快適に過ごせます。

結果的に今日はかなり距離を伸ばすことができました。明日は余裕で仙台に入れそうです。洗濯物が溜まっているので、クリーニングしてからさらに先に進もうと思います。

今日の走行距離:354.2km(積算:5276.7km) 燃料代:898円/3.86l(積算:15985円/86.26l) 食費:1473円(積算:26453円) 観光:100円(積算:5100円) 小計:2471円 総合積算:110872円

10月2日(19日目)

4時。

起きるにはちょうどいい時刻です。暗い中ヘッドライトでテントを畳んで出発準備。いつものことですが、なんだかんだで1時間かかるのです。なのでエンジンをかけたのは5時。もう夜明けなのでタイミングぴったりです。

2023年現在の三陸の都市はすべて復興され、以前のような瓦礫の風景はどこにもありません。それでも、震災の爪痕を家に保存しようと、各自治体で「震災遺構」として壊れた建造物を大切に保存しています。

今日はそれらを見学してから、日本三景の松島に行ってみようと思います。

まずは気仙沼にある気仙沼向洋高校跡。これは流れてきた冷凍工場がぶつかったもので、4回まで壁が崩壊しています。避難者はその上にいたそうで、救助が来るまでペットボトルの水をキャップで分けあったりととても大変だったそうです。

三陸沿いには巨大な公園がたくさんあります。それは住居の跡。もう住めなくなった。その土地は空き地になっているか公園として活用されています。どの公園にも丘が作られており、その上に東屋。非常用の救難場所出して使われます。

気仙沼から出る時は、巨大な防潮堤の先に漁船が朝日に照らされて見えました。無機質な堤防とのコントラストが異様な雰囲気を出しています。

国道沿いを並んで走る三陸鉄道は線路ではなくBRT(バス高速輸送システム)にとって変わっており、電車と違って踏切がなく、バスはゲートが開いて走行する仕組みです。渋滞もなくコストが抑えられるのでこの方式が選ばれたそうです。

気仙沼の先には南三陸町。震災遺構は葬祭会館です。建物には津波のラインが記されており、4階のその高さまで水が来たことを物語っています。

南三陸町の次は石巻市。宮城県第二の都市です。ここでは小学校の跡が展示されていました。1階建てなのでエントランスや内部が粉々に破壊されていました。

次は女川町。これは交番の跡です。基礎ごともぎ取られて倒れており、それがそのまま保存されています。周りには展示パネルがあり、震災前から復興までの町民の足取りが表示されています。見ているとなんだか泣けてきました。ほんと人間、いつ死ぬか分からないものです。1日1日を大切に生きたいですね。

女川町からは牡鹿半島が海にせりでています。大きな半島なので回ってみることにしました。

牡鹿半島は中央コバルトラインと言う峠道がは知っており高所からの周りの島々の光景を楽しむことができます。どうも東寄りに設置されているようで、景色はそちら側の網地島やその周りの島々が見えました。網地島の反対側には金華山というきれいな形の山がどっしりと浮かんでいます。

コバルトラインの先に展望台があり、地元の人が休憩されていたので、お話を伺うと、金華山にはモーターボートで行くことができ、神社やホテル跡があるとのこと。道路は一切ないのでバイクを持っていっても無意味だそうです。今は神社の関係者のみは住んでいるらしいです。

牡鹿半島の先は黒崎という名前なのですが、特に灯台などはなく、牧場と農場があるだけでした。帰りはコバルトラインではなく、漁港の横を通る道で帰りました。再び石巻市。

門脇小学校は今まで見た遺構中でもひときわショッキングなものです。上部まで破壊された建物の左右には震災で流されたであろう墓地群が建ち並びます。

震災遺構ばかりを見て気が重くなったので、まだ取っていない朝食をとって休憩することにしました。ツルハドラッグに入ると休憩スペースがありPCで作業ができるようになっていました。ドラッグストアなのに珍しいですね。早速活用させていただきました。

さて、次は日本三景の松島に向かいます。松嶋は海上に浮かぶ松が生えた島々で松島四大観と呼ばれる代表的な店舗スポットが存在します。先に半島の先端まで見てから、戻り道に「壮観」と名付けられた展望スポット、大高森山に登ります。

すぐ着くと思ったのですが、まあまあの登山でした。油断してダウンジャケットとヘルメットで行ったので汗だくに。それでも1番上からの景色は素晴らしく疲れを癒してくれました。

降りはスムーズにホイホイと降ります。駐車場まで来たら、、バイクがない!キョロキョロと見渡してもどこにもカブがありません。まさか盗られたかレッカー?頭が混乱します。落ち着いて登山口を見ると西登山口とありました。GPSのログを見ると、どうやら僕は東登山口から上がったようです。ほっとしながらも反対側の登山口までの長い道をとぼとぼと歩きました。

さて、ここからはペースを上げていきたいです。仙台市内は混むことがわかっていたので湾岸をスルーして行くことにしました。本当はコインランドリーに行きたかったのですが、タイミングが合わず明日にすることにしました。仙台市内を抜けてもなかなか渋滞は収まらず大変でした。右手には蔵王がみえます。

仙台市郊外には避難丘付きの公園がたくさん作られていました。やがて宮城県も終わり福島県へ。県境の町、新地町には巨大な火力発電所の煙突が見えました。令和2年に労災事故を起こした有名な発電所で、いろいろ渦中にあるようです。

新地の次は相馬。そろそろ日も傾いて来たので今夜はここでストップすることにします。天気予報は雨マークは無いので、寝床を探すのは楽でした。

ふとバイクの後輪が気になって見てみると、もうスリップサインを通り越してツルツルになる直前。すぐにこれから行く茨城のバイク屋さんに電話して、明日交換できるお店を探しました。110カブは郵便配達用なのですぐに見つかるだろうと思っていたのですが、意外とどこも在庫がなく、困りました。バイク屋さんて在庫を持たないところが多いんですね。早くて、2日長くて、1週間のリードタイムが必要とどこも言われました。1週間もロスしたくないです。タイヤ交換は計画的に行う必要がありますね。

最終的に何とか在庫がある店を発見したので明日行くとお願いして一安心しました。ここからの距離は150キロ位なのでお昼には着くと思います。明日は水戸の少し先くらいでストップになりそうです。

今日の走行距離:318.4km(積算:5595km) 燃料代:939円/5.34l(積算:16924円/91.6l) 食費:705円(積算:27158円) 小計:1644円 総合積算:112516円

10月3日(20日目)

22時30分。

いやいや、いくらなんでも早すぎます。もう一度寝ます。

3時30分。

なんだかどうしても起きてしまうので今日は早々と出発することに決めました。月明かりで辺りは明るく見えます。津波前は住宅地であったであろう荒野。今は誰一人寄りつきません。

支度したら午前4時。いつもより早く撤収できました。月あかりの相馬市をカブが走ります。太平洋側なので海の地平線が明るんで来ています。朝は冷え込み穴あきグローブから出た指がかじかみます。

南相馬市に入ると目の前に煙突が見えました。朝焼けに映えて美しい光景です。東北電力の原町火力です。問題の福島第1原発はその先、双葉町にあります。

震災遺構があったので寄りました。浪江町の請戸小学校跡です。1階部分は全破壊。入江が入り組んでいて、津波の高さが出る岩手や宮城県ほどではありませんが、ここ福島でもかなりの高さの被害があった事を物語っています。

並榎町から南を向くと、遠くに煙突と建屋がみえました。これが福島第一です。

通行規制がされている帰宅困難区域は、以前に見に来た時よりもずいぶん小さくなった印象があります。双葉町に入るとすぐにゲートがあり線量計が設置されています。迂回路の国道6号まではそんなに距離もなく簡単に迂回できました。

それでも国道6号沿いは、廃墟がそのままになっており、有名チェーン店のすき家も草が生え、原野化していました。

南側ゲートへの距離はまあまあ長かったのですが、一応確認しに行きました。南側ゲートには職員さんが立っており、近づくことができませんでした。

さて、先に進みます。広野町に入るとJERAの火力発電所が目に入りました。ここから先は工業地帯と言うこともあり、発電所が多くなります、

福島沿岸部で1番人口が多い都市は、南側のいわき市になります。いわき市には映画で有名な塩屋崎灯台があります。遠くからですがバイクと一緒に写真をとっておきました。

福島は日本で3番目に広い県ですが、こうやって浜通りを縦断するだけであれば、それほど時間はかかりませんでした。さあ、茨城県に入ります。

昨日電話したバイクショップは、茨城にあります。近づいたら電話すると言っていたので、地図を見るとなんと10キロも行き過ぎてしまいました。なんとなく水戸にあるようなつもりでいたのですが、今いる日立市より手前の高萩市にあることに気づきませんでした。それでもタイヤ交換しないわけにはいかないので戻ります。日立市の中は慢性的に渋滞しており、その時間が悔やまれます。

バイクショップは、街の自転車屋さんと言う感じで渋め。入って声をかけると、年配の方がよっこらしょとつなぎを着て黙って作業を始めてくれました。しばらくするともう1人年配の方が出てこられて一緒に作業。なるほど兄弟でやってらっしゃるのですね。作業が終わってお話しすると、意外に気さくな方で日本一周をしていると言うと差し入れにコーヒーをもらえました。たまたまカブのタイヤがあったのは前に郵便局の仕事をしていたからとのこと。よく使われるバイクは部品が入手容易なのでいいですね。この前の線状降水帯の被害にあった地域で、最近は浸水したバイクが申し込まれて忙しいらしいです。カブは手慣れていて安心して作業を任せられました。

さて、タイヤ交換が終わったので、さらに南下します。また日立市の渋滞に入るのは億劫です。試しにバイパスの方でてみたらこちらはスムーズに流れていました。このバイパス、海の上に建造されており、迫力のある景観を楽しめました。日立市は、日立製作所と三菱重工の企業城下町です。日立製作所の社屋があったので、写真を撮っておきました

日立市より南下すると東海村に入ります。ここには首都圏で唯一となる原子力発電所があります。現在停止中ですの再稼働に向けて動いているとのことです。

信号待ちでライダーが声かけてくれました。信号で話しかけられるのは初めてでびっくりしました。しばらく並走して手を振ってわかれました。

独特の形の防波堤を見ながら海岸沿いを走ります。やがて到着するのは鹿嶋市。その前に日本第二の湖霞ヶ浦を見てみたかったので、ちょっと県道にら寄り道して内陸部に入ってみました。霞ヶ浦は、水平線が見えるほど大きく、特に筑波山の姿が確認できました。

今日はここで友人と待ち合わせです。下津海岸で集合した後、千人画廊で記念写真撮影。警備のおじさんに声をかけられ、頑張ってと励ましていただけました。その後お風呂にも行ったのですが、風呂上がりにもタバコを捨っていた2人に声をかけられ、同じく激励を受けました。日本一周プレートの威力はすごいです。

夕飯はご当地グルメの神栖メンチカツとタンメンを食べました。人気店でかなり長く待たされましたが、メンチカツはピーマンの香りが効いてて、とてもおいしかったです。

寝る場所は、快活を考えていたのですが、明日の朝7時まで雨は降らないらしいので、適当な軒先を見つけてそこを宿とすることにしました。

明日は千葉に入り房総半島を周ります。目標は千葉市の辺り。その後はいよいよ東京です。

今日の走行距離:335km(積算:5930km) 燃料代:1091円/6.08l(積算:18015円/97.68l) 食費:1485円(積算:28643円) メンテ:9185円(積算:10781円) 入浴:520円(積算:2400円) 小計:12281円 総合積算:124797円

10月4日(21日目)

3時30分。

ちょっと早いですが、今日は房総半島を周る日です。とうとう首都圏に入るので出来るだけ時間を稼ぎたいところ。しかも予報では7時から雨です。手早く雨具の装備をして出発しました。

まずは神栖市の有名な私有地が公道を分断しているゲートに向かいました。 が、問題のゲートはどこにもありません。GPSとストリートビューで確認してみるのですが場所はあっているようです。後で聞いたのですが、なんでも所有者と自治体が和解してゲートは撤去されたのだとか。残念?でした。

茨城県と次の千葉県は利根川を渡る銚子大橋で分けられています。大きく水量のある川をわたると、そこはもう千葉県銚子市です。

房総半島に向かうので渡ってすぐ進路を左の海側へ。堤防で利根川と橋の銚子ポートタワーの写真を撮ってから海沿いに九十九里浜へ向かいます。

九十九里浜は日本でもトップクラスの巨大な浜です。いくつかの自治体にまたがり、サーフィンが盛んな場所でもあります。

特に南側の一宮町は発展しており、サーフショップやカフェが立ち並びます。自転車にサーフボードを積載するのもよく見る光景です。

サーフィン系のYouTubeをよく見ているのですが、何気なく走っていたらよく見るプロサーファーの車とお家を発見してしまいました。せっかくなので写真をパチリ。

雨は小雨ですぐやんでカッパが乾いたのでそのまま次のいすみ市のマクドナルドで朝マックを頂きました。

再び走り出すと雨が降り始めます。なんとなく追いかけられている様。逃げる様に南に進みました.この辺りから南房総地方に入ります。海岸は無くなり岩場が多い風景が目に入ります。

それでもサーフィンができるところはたくさんある様で、鴨川の方ではJPSAのサーフィン大会が開かれていました。自由に入っていいそうなので、駐車場の奥に向かうと、たまたま目の前を有名なプロサーファーが。声をかけたら快く一緒に写真を撮ってもらえました。ラッキーです。

その先にはまず関東地方最南端の野島崎灯台、少し国道から外れたところには房総半島から西側に突き出た須崎灯台があります。洲崎灯台の周りにはたくさんの有料駐車場がありました。灯台でここまでは見たことがなかったので、こんなところでも首都圏らしさを感じとれました。

ここからは折り返し。北の東京方向に向かいます。雨は強くなって来て靴の中がしっとりしてきました。前みたいに浸水しなければいいのですが。

船橋に入ったくらいから渋滞。千葉市までは距離のわりに時間がかかりました。

実はこの先で東京の友人と待ち合わせており、個人的によく観ているYouTuberのよく動画で出ている散歩コースがあるというのでそこ集合と約束していました。

待ち合わせから1時間半も遅れて付近に到着。動画でよく出てたアウディ幕張店や同じくよく出てくる神社のブランコを発見したので写真。少し進んだところで友人と合流しました。

せっかくなので本人に挨拶したいと思い、ご迷惑を承知でご自宅をピンポンしてみました。突然の訪問に当然驚かれていましたが、日本一周していると言うと、頑張ってと激励と、YouTubeチャンネルのTシャツまでお土産にもらえました。大満足です!

東京は混むかと思ったのですが、湾岸の海上を走るルートは原付2種でも通ることが出来、スムーズに次の合流場所の東京ゲートブリッジまでたどり着けました。間にディズニーリゾートがあったのてついでに写真。やはり東京は目につくものがたくさんありますね。

ゲートブリッジを抜け、お台場海浜公園へ。有名なテレビ局の特徴のあるモニュメントを前に、東京まで来たんだなと実感。富山からはるばる6300キロの、はるか回り道の上京です。

お台場からは今日目をつけていた快活へ。東京は快活はたくさんあるのですが、バイクを停めれるところ、というと限られてくるので貴重な場所です。お値段は郊外の2倍くらい。もったいないのでいつもの完全個室ではなく、パーティション席にしました。アイマスクの耳栓をすれば同じでしょう。何事も経験です。

都会なので駐輪は荷物をおおかた外し、グランドシートでカバーしておきました。これだけでも心理的に盗難危険性は下がるでしょう。

この日はバイクはここで終了。友人の車で羽田空港と川崎にドライブし、久しぶりの乗用車の快適さを身に染みて感じました。

さあ、溜まった洗濯物があるのでランドリーで忙しい夜が始まります。

今日の走行距離:393.3km(積算:6323.4km) 燃料代:897円/6.08l(積算:18912円/102.74l) 食費:1970円(積算:30613円) 宿泊:3076円(積算:13326円) 洗濯:500円(積算:1900円) 小計:6443円 総合積算:131240円

10月5日(22日目)

トルルトルル

目覚ましの音。昨日アラームを仕掛けた5時ちょうどです。いつもより1.5時間位遅いのですが、昨日の夜は洗濯物をしてたので寝るのが24時。5時間しか寝ていない計算です。ちょっと寝不足ですが、朝の渋滞が心配されるのですぐ出かけることにしました。

朝の大手町は昨日の夜と違って閑散としています。東京の朝は夜とのギャップがすごいです。大通りに出るとすでにトラックなどが走り始めています。

横浜市に入って、中華街が横に見えたので、とりあえず写真を撮っておきました。お店はもちろんまだやっていません。渋滞はその先の横須賀まで続いていました。横須賀には戦艦三笠の展示があったので、これも写真だけ撮ってすぐに走行継続。早く渋滞を抜けなければいけません。

神奈川県は、原付バイクがすごく多く、皆さん上手に車の横をすり抜けて行きます。普段そんな事は慣れていないので、真似する勇気はありませんでした。なのでペースはどうしても落ちてしまいます。

横須賀を抜けると渋滞が少しおさまってきました。これから三浦半島をまわっていきます。三浦半島は房総半島と対をなし、東京湾を形成する半島の一つです。房総半島と比べたらはるかに小さいのですが、交通量は多く、なかなか時間がかかります。

日本最古の洋式灯台である観音崎を過ぎて行きます。浦賀や久里浜はペリー来航の地として有名です。記念した公園があったので立ち寄ってみました。

さらに、先には、また灯台。ここが対岸の房総半島の先、洲崎灯台とのペアである剱崎灯台になります。船はこの2つの灯台の明かりを手がかりに東京湾の入り口を見つけると言うわけです。

三浦半島の南には島があり、橋が架けられています。城ヶ島と城ヶ島大橋です。せっかくなので橋を渡って島の雰囲気を見て、周回ルートに戻りました。この島、その名の通り、東京湾を守る要塞だったのだとか。

三浦半島を周りきると富士山が見え始めました。これまでにいろんな形の富士に似た山をみてきましたが、やはり富士山の形は美しいです。本格的に見えるのは静岡に入ってからなので明日のお楽しみにします。

海は港の風景から海岸の風景になり、サーファーが増えてきました。少しそこから入ると鎌倉大仏があります。修学旅行生でごった返していました。入場料は300円払ったのですが、先を急ぎたかったので、大仏だけみてすぐにそこを後にしました。

左に見える江ノ島を過ぎると湘南です。江ノ島は渡ったことがなかったので橋だけ渡ってみました。その後サーファーのメッカ、湘南鵠沼へ。駐輪場から入ると、巨大な地下駐車場が。シャワーも完備されており自治体としてもサーフィンを後押しする姿勢を感じました。

この辺はサーフボードキャリアをつけたバイクや、自転車がたくさん眼に入ります。風であおられたら倒れそうで見ていてなかなか怖いのですが、皆さん上手にのっておられました。

信号待ちで、タンデムの2人組に声をかけられ、この辺の情報を聞くと、特に何も見所は無いとの事なのでそのままスルーすることにしました。

広い道路を西進むと切り立った箱根の山々が目に入ってきます。ここは神奈川県ですが、お隣の静岡県は、この箱根の山の向こうとなります。

今回は海沿いに行くので、この山を海岸から迂回する形になります。ちょうど親不知の様な地形で道路は海上にせり出しています。昔は難所だったのでしょう。

この場所を抜けると、山の斜面にたくさんのリゾートホテルが建築された、まるで南フランスのような光景が目に入ります。首都圏からの人気のレジャースポット、熱海です。

熱海の海岸沿いからは、不思議な形の島が見えます。初島です。離島なのに大きなホテルが立っていて、その姿は巨大な船の様。東京から日帰りで行ける島として昭和の時代にレジャー開発が進み、この姿になったとのこと。

この日は、伊豆半島の南西部までたどり着くことができました。距離はいつもより伸びていませんが、これは渋滞と朝遅かったせいです。

伊豆半島南西部には門脇崎があり灯台は展望台も兼ねており、登ってみることができました。また、その横には断崖絶壁に架かる吊り橋があり、なかなかスリリングな体験ができました。

晴れているので、キャンプ場でもよかったのですが、さすが東京が近いだけあり。キャンプサイトが1張3000円とかだったので、適当な林道の横にテントを張らせてもらい、今夜はそこで過ごすことにしました。こんなところですが、大きなスーパーがあり、外国人もたくさん出入りしていました。別荘地で住んでいる方はたくさんいらっしゃるみたいです。いろんな半島を回りましたが、伊豆は頭ひとつ出て活気がある場所です。

今日の走行距離:237.3km(積算:6560.7km) 燃料代:810円/4.57l(積算:19722円/107.31l) 食費:1278円(積算:31891円) 観光:300円(積算:5400円) 小計:2388円 総合積算:133628円

10月6日(23日目)

4時

アラームが鳴り起こされました。伊豆半島の南方は暖かくいつものように寒さで起きることはありません。

あたりは月あかりがまだあり、それを頼りに朝の準備をしました。4時半過ぎ出発。だんだん手際が良くなって来た感じがします。

伊豆半島はたくさんの人が住んでいるので夜明け前の街明かりが海岸の形を浮き上がらせ綺麗に見えます。

伊豆は景観条例なのかコンビニもガソリンスタンドも茶色のモノトーン看板になっていて特徴的です。

やがて夜明け。ちょうど伊豆大島から日が上ってくるのが見えました。今日も晴れて空が真っ赤です。

爪木崎は伊豆半島南東部にぽっこり出た半島の半島です。国道からそれて島内に入ると一本は爪木崎、もう一方はその崎の小さい島、恵比寿島に出ます。

恵比寿島はとても小さな島なのですが切り立ったその周囲にコンクリートで歩道が整備されています。高い波がこの歩道を濡らすくらい低めに設置されており、周回するのはなかなかスリリングでした。千畳敷の様な岩の景色が楽しめました。

こんな半島の先にもコンビニがあったのでそこでパンとコーヒーをイートインしました。

その先、伊豆半島最南端の石廊崎はまだ早朝過ぎてかなり手前のゲートが閉められており、バイクが入れません。しかたないので徒歩で接近して写真を撮って来ました。朝からまあまあの運動です。

伊豆半島は岬がとても多いです。その先、恋人岬があり、旅人岬、足を止めなかった岬も含めるとずいぶんな数になりそうです。

昨日から何か異音がするので旅人岬でチェーンカバーを開けてみてびっくり。かなり伸び切っていて、工具を使って引いたのですがもう目盛りが最後まで来てしまいました。道中、またどこかのバイク屋で交換の必要がありそうです。

国道から少しそれた海沿いの県道からまた富士山が見えました。昨日の三浦半島からみるよりもさらに迫力が増しています。これからどんどん接近するので楽しみです。

やがて街は沼津に入り伊豆半島はおしまいです。見た目より海岸線が入り組んでおり、気分的に房総半島より長く感じたのは気のせいでしょうか。

沼津の次は富士市。ここには富士川が流れておりここを境に電気の50Hzと60Hzが切り替わります。交通量も伊豆南部と比べたらずいぶん増してきました。

地図に従い国道1号へ。この辺りの国道1号は高速道路と見間違えるくらいの車線幅と信号の少なさ。まるでカブで高速道路を走っている様に錯覚します。

三保に入ったので、日本新三景の一つ、三保の松原にいってみました。駐輪場からは結構歩かなければいけないのですが、荒波が立つ湾に浮かぶ富士山の姿は圧巻でした。いい写真スポットをと、思わず奥まで入ってしまいましたが素晴らしい景色が見れました。ちなみに先の三景色の一つは北海道で見た大沼、そして大分県の方にもう1箇所はあります。忘れずに立ち寄りたいですね。

安部川を通ったので安部川もちの工場直売店でお土産用の安部川もちと静岡茶を買い、安部川の河川敷でおやつにしました。安部川は水量が少なく、水面が見えるところに辿り着くにはなかなか距離がありました。途中、手造りっぽい遊具の場所があり外国人の子供達が遊んでいたのが印象に残りました。ちなみに餅の名前は江戸初期に川の上流に砂金がとれる所があり、それに、きな粉を見立てたのがきっかけだそう。

日が少し傾いて来ました.時刻は15時過ぎ。夕飯は、静岡で有名な「さわやか」というハンバーグレストランに行きました。人気店は5時間待ちも出来るくらいと聞いていたので、あえて15時と時間を外して入ったのですが、それが正解だったのか、すぐに中に入れました。その場でカットしてくれる赤身たっぷりのハンバーグはスパイシーでとても美味しく満腹しました。

さあ、今日の目標は静岡県最南端、御前崎です。手前に公園があったのですが、キャンプ禁止とのことで他を探すことにしました。御前崎にはちょうど日が沈む頃に到着。真っ白な灯台が夕日に映えていました。

いい感じの遊歩道があったので今夜はそこを借りることにしました。今日は全裸で水シャワー、のあとにテントをはっていたら散歩しに来た人とばったり。全裸で鉢合わせしなくてよかったです。大人しく寝て、明日も早々に出発しなければですね。

走行距離:311.1km(積算:6781.9km) 燃料代:908円/5.18l(積算:20630円/112.49l) 食費:2915円(積算:34806円) 小計:3823円 総合積算:137451円

10月7日(24日目)

3時。

まるで北海道にいる時みたいに寒くて目が覚めてしまいました。岬を通る強風が防風林を突き抜けてテントをあおるのでテントの保温が破れてしまうのでしょう。

今日は渥美半島、知多半島とまわらなければいけないので、余裕を持ってもう出発する事にしました。月あかりはまだあるので作業はしやすいです。

エンジンをかけたのは4時少し前。真っ暗な中を御前崎を降りて北西に向かいます。これからは朝日を背中から浴びる生活が続く事でしょう。前々半の東向きで前方から朝日の光を受けていた頃が懐かしいです。

左手に御前崎市の浜岡原子力発電所が見えました。まだ停止中ですが首都圏から西側で最初の原発です。広報施設もありましたがまだ日も明けてないので、もちろん閉まっていました。

国道1号線は一般道ですが、2種原付も走れない区間が存在します。浜松市からの区間がそれでした。間違えて入らない様に気をつけて側道に入ります。

やがてナビの地図に巨大な湖が見えて来ました。浜名湖です。道路は湖の上を通って先に伸びます。そろそろ日の出なので湖面が見える場所を探そうと街中に寄り道しました。途中、東海道の関所である新居関所があり綺麗にライトアップされていました。

日の出が浜名湖を真っ赤に染めます。今日も一日晴れそうです。

浜松を過ぎるとやがて愛知県に入ります。豊橋市です。時刻も通勤時間帯に入り道路が混み始めます。

この辺りはイートインのコンビニが多いのでそこでパンとコーヒーで朝食にしました。コーヒーSを頼んだのに、ぼーっとしていてMを押してしまいました。設計的にそれでもこぼれない様にはなっているのですが、店員さんに謝り、差額の60円を支払いました。カップ替えましょうかと言ってくれましたが、こぼしそうなので断り、すするように熱いコーヒーを飲んでいました。

道路を海岸線に沿って南西へ。渥美半島へ入ります。混雑は半島の先端に近づくにつれなくなりスムーズに距離を稼げました。先端の伊良湖岬はもうすぐです。

岬の手前の駐車場につくと、すごい量の駐車車両。みんなカメラを北に向けています。何かあるのかなとそちらをみても平凡な山しかみえません。一人に聞いてみると、なんでも渡り鳥が北から東南アジアに向かって飛ぶのですが、ちょうどこの渥美半島の先端をかすめるらしく、みなさんそれを狙っているとのことです。僕も鳥写真は好きなので色々お話しを伺いました。

伊良湖岬灯台と書かれた道は徒歩専用となっていました。距離はわずかだったので歩いてみると、確かに先端に白い塔が。それにしてはLEDで巨大な矢印がかかれていたりと灯台っぽくありません。調べてみると伊勢湾マーチスと呼ばれる施設で船の航行管制を行っているとのことです。道はそこで行き止まっており灯台はありませんでした。

もどって北側からまわり込むと鳥羽に向かうフェリー乗り場が。その先には赤茶色の石造りの歩道が岬にむけて伸びています。たどってみると、ありました。伊良湖灯台です。日本の灯台50選に選ばれておりそれほど大きくはありませんが趣ある雰囲気がありました。灯台の横でバーダーの方に声をかけられ、また談話を楽しみました。

渥美半島の西側は北方向に広がっており、国道からはそれますがその先の立馬崎に行く事ができます。北海道にいた時を思わせるとても長い道でした。GSで給油して店員さんとお話しをするとこの辺りはいつもとても風が強いのだとか。昨日の御前崎もそうですが、岬はどこも強風に悩まされている様です。

左手に巨大煙突が見えます。JERAの石油火力発電所です。施設には立馬崎からパイプラインが引き込まれておりその太い配管を見ることができました。岬からは次に向かう知多半島の先端が目鼻の先に見えました。すぐそこなのに、まわり込む距離はなかなかのものです。

渥美半島を今度は北側を通って三河湾をまわり込みます。豊橋市からは原付走行不能の橋と慢性的な渋滞でずいぶんペースが落ちてしまいました。これば湾の西側、知多半島の付け根の碧南市まで延々と続き、なかなか距離の割に疲れてしまいました。井浦トンネルは原付通行可で良かったです。ちなみに料金は30円。

知多半島に入ると交通量は少し減ります。またJERAの火力発電所がありました。こちらは石炭と木質ペレット駆動の武豊発電所です。

休日だからか、ライダーがたくさん知多半島をまわっていました。先端の師崎のフェリー乗り場にも多くの車やバイクが停まっていました。ここからは周辺の離島に行く事もできます。

羽豆岬にはどうやって行くか誘導の方に聞いてみると、バイクなら細い道からまわり込んで行けるとのこと。陸地灯台はなく、海上のブイの様な灯台がいくつか見えました。この知多半島の羽豆岬と先ほどの渥美半島の伊良湖岬が三河湾の玄関口という形になります。ここから外側は伊勢湾です。

対岸に鳥羽が見えました。ここから名古屋をまわり込んで行くことになります。それを含んだ紀伊半島周回が次の難所となるでしょう。紀伊半島だけで四国ほどの大きさがあります。しっかり整備して臨みたいです。

名古屋へ向かう道は知多半島への観光やバイクで混雑気味でしたが信号は豊橋碧南間と比べて少なめなので交通は動いていました。

さて、これでこの旅も前半終了となります。しばし休息ののち、また名古屋から再出発です!

今日の走行距離:300.1km(積算:7171.9km) 燃料代:520円/3.08l(積算:21150円/115.57l) 食費:775円(積算:35581円) 通行料:30円 メンテ:2251円(積算:13032円)チェーン購入 小計:3576円 総合積算:141027円

前半集計

食費:(積算:35581円) フェリー:(積算:25280円) 燃料:(積算:21150円/115.57l) 宿泊:(積算:13326円) メンテ:(積算:13032円) 観光:(積算:5400円) 入浴:(積算:2400円) 洗濯:(積算:1900円) 用品:(積算:14228円) 通行料:(積算:30円) その他:11740円(積算:20440円) 総合積算:152767円

西日本編につづく

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