神通川ぞいの仏像群の正体とは おおざわの石仏の森/ふれあい石仏の里(富山県富山市大沢野)

神通川上流を走っていると遠く対岸に仏像がたくさん並んでいる光景が目に入ります。一見宗教的な施設の様でありなかなか立ち寄りにくいのですが、ここは、おおざわの石仏の森といい無料で自由に見て回る事が出来る観光スポットです。

羅漢像

場所は富山市内から国道41号線を岐阜方向に走り、笹津の神通川を渡る手前で県道188号線に入った先です。この道は細く対向車とギリギリすれ違えるくらいなので気をつけましょう。

おおざわの石仏の森 石碑

しばらく走ると左手に何体か像がならんでいるのですぐにわかります。左に開けた場所がありますので駐車可能です。階段の先には無料休憩所ありとの看板が。

無料休憩所あり

休憩所は階段をあがった所にあります。

休憩所入り口

看板には「福利厚生施設おおざわの石仏の森 医療法人社団城南会」とあります。初めてだと入っていいのかよくわからない雰囲気ですが全然問題ないので気軽に入りましょう。

風合いのある造り

休憩所の中はいろりや座敷がある古民家風の造りです。いろりの横の大きな窓には神通川第2ダムの景色が広がります。

いつも管理人の方がいらっしゃいますので、興味があればこの不思議な観光スポットのお話を聞く事もできます。

休憩所の中

この石仏の森は古河睦雄という方によって創設されました。平成の始めの事です。元々はこの場所は隣の神通川第2ダムで行われる漕艇競技の観戦場所だったそうです。とはいえ、なにもない場所だったこの大沢野。地元貢献の為に古河氏が観光名所として人が集まり心のなごみになる場所になればという気持ちでこの石仏の森が誕生しました。

500体の像が神通第2ダムを眺める

羅漢像はすべて中国の彫刻家ルウチンチャオ氏によって制作され、大陸より富山新湊を経由してこの神通川の上流まで運ばれました。その数なんと500体。国産ではなく中国にこだわったのは古河氏の中国文化へのあこがれと日中友好への情熱、ルウ氏への傾倒によるものです。

中国風の羅漢像

羅漢というのは仏の弟子をさします。実は五百羅漢というのは世界でも珍しいものではありません。世界を始め、日本にも何カ所か存在します。しかし800羅漢ともなると世界にも類をみません。ルウ氏の提案のもと、さらなる300体の制作が開始されます。そしてそのモデルはなんと古河氏にご縁があった現に生きている方々の姿でした。

石仏の里はさらに800m上流に

場所はこの休憩所がある石仏の森のさらに上流800m先の土地が選ばれました。ちなみに管理人の江戸氏はこれらの土地選定の際に古河氏とご縁があり今に至ることになったそうです。

ふれあい石仏の里

石仏の里は石仏の森と似ていますが、初めて訪れた人はその光景に目を疑います。

スーツ

そこに並ぶのは着物姿の仏像ではなくスーツ姿の現代人の像たち。古河氏の縁のあった方々の写真を中国に送り、ルウ氏によって制作された生前仏です。写真からの造形とは思えないくらいのその技術に関心します。そしてその数。

造形も異彩

中には子供や赤ん坊の羅漢もあります。それぞれの彫刻の下には名前が書いてありますが、なんでも羅漢としての名前は入れ忘れたらしく、休憩所においてあるパンフレットに補足として記載されています。

赤ん坊も羅漢

このパンフレット、同じく古河氏とご縁のあった学校の先生が好意で制作されたものらしいのですが、写真も含め、とても質のよいもので、なんと無料で配られています。簡易スキャンしたものをPDF化しましたのでダウンロードして見てみてください。

おじさん像の中にさりげなく裸婦。絶妙なセンス

古河氏は休憩所の設備として、ジュースなどの飲み物まで無料で振る舞っていました。方針として営利を行わないということに徹していたとのことです。そしてこれは現在も続いており、休憩所では、無料でウーロン茶をだしてもらえます。

いろりはバーベキューも可能

休憩所のいろりは希望すればバーベキューもすることができます。その際には肉などの食材を持参するだけでよく、炭などの燃料も無料で提供されます。故人となった今においても息づく古河氏の社会奉仕の精神につくづく感心させられます。

水魚の交

こんな不思議な施設を創設された古河睦雄氏、一体何者なのでしょう。

故古河睦雄氏

古河氏は元々は富山で有名な売薬家の生まれでした。家業を次いで一旦は失敗を経験したものの、続いて取り組んだ不動産業で成功を納め、現在の医療福祉法人である城南会に繋がる資産が作られたそうです。

巨大灯籠

極端に信心深いという訳でもなく、普段は金持ちぶったりしない人物だったとのことです。きっと地元貢献と日中友好の一心で今の石仏の里が作られたのでしょう。なんとなく太陽公園の門口氏を思い出してしまいます。

現管理人の江戸氏も羅漢

そんな古河氏も平成25年の春に亡くなられました。もう石仏の里の羅漢は増える事はないでしょう。しかしながら、その後も医療法人やご遺族の方々の拠出により無料休憩所を始め施設は継続されています。富山の地元実業家の偉業の形、これからも継続して頂けるよう応援していきたいです。

石仏の里 十二支像

子 丑 寅 卯 辰 巳 ? 午 羊 申 酉 戊 亥

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