富山県最古の古道、殿様道こと朴坂峠(6.3km)
朴坂峠は富山県南砺市、現県道27号沿いにある奈良時代からの古道です。頂点からの景色もよく往復6.3kmとお手軽なコースです。
スタート地点は県道27号の南砺市福光側にある法雲寺の墓地内にあります。
古道の入り口には駐車スペースはないので法雲寺の方に駐車させてもらいます。急坂からスタートです。殿様の休憩所と書かれたベンチもあります。
この道は関西電力北陸幹線鉄塔の巡視路も兼ねており、手入れが行き届いています。一番最初に見える鉄塔は北陸電力の石動福光線 74・小矢部支線 49・福光線 6の交差鉄塔です。迫力のある形を間近で見ることが出来ます。
やがて背後に砺波平野の散居村の風景が見えてきます。
道沿いにはたくさんの石仏が備えられています。これは昔の十村役が愛娘の供養のために安置したものです。
やがて道沿いに北陸幹線の鉄塔が見えてきます。送電線と並行して進みます。
古道らしい、山を切り開いた道にフカフカの落ち葉が歩きやすいです。
一旦車道に出たら左に進みます。
古い味のある案内図を見ながら進むと右手にまた古道の入り口があります。
北陸幹線は勾配がきつい場所にある、兄弟鉄塔になります。4連続以上あります。
天気がいい日は手前の高落葉山の向こうに立山まで一望できます。砺波平野の風景が美しいです。
やがて朴坂峠頂点。草や木が切りはらわれており、能登方向から富山方向までパノラマが広がります。
そのまま戻ってもいいのですが、車道に出て左手沿いに進めばぐるっと一周できます。
この道は、福光の坂本地区(現砺波市)より朴坂峠を越えて二俣地区(金沢市)を経て金沢に至る道で「朴坂峠越」の道といわれ、加賀十二代藩主の前田斉泰候が参勤交代の折に通ったことから「殿様道」と呼ばれている。
富山県内でも最も古い道で奈良時代から官道(国道)として開かれた道である。
加賀藩政期には福光、城端方面から米、織物、生糸、五箇山方面からは塩硝、和紙、農産物等多くの物がこの峠を越えて運ばれ、交通の要所としても大いに利用された。
だがこの道は泥道の箇所が多く、悪天候の時は人馬とも歩行が困難であったため、文政12年(1829)、十村役の和泉村(現南砺市和泉)石崎市右エ門と川合田村(現南砺市川合田)小田与左衛門によって道幅を2間(約3.6m)に広め切石(桑山石、小又石)を敷いて石畳にして難所を少なくした。
またこの道の傍らの石仏は、十村役石崎市右エ門が愛娘の供養の為に西国三十三礼所の観音石仏33体を作り、坂本から二俣までの道傍に安置したものである。