こんなにハードなヤツだったとは キゴ山に北袋町より能登幹線を見ながら登山(4.1km+411m(片道)/金沢市北袋町)
キゴ山といえば石川県金沢市では初心者向けの山として定番の場所です。小学生の頃、遠足で登った経験もある方もいるのではないでしょうか。
駐車場からの北側の登山道の標高差はわずか100メートルちょっと。15分で登れる気軽な山です。
ところかこのキゴ山、国土地理院地図をよく見ると南に2.5キロメートル先、約400メートル下方から道が繋がっているのがわかります。
これは能登幹線の巡視路の様で、湯涌温泉手前の北袋町より伸びています。その累積標高差411m。大人でもやや体力を使う高さです。
今回はそんな金沢市北袋町からキゴ山山頂に登る登山道を紹介します。
オトナのキゴ山
入り口の北袋は湯涌温泉のすぐ手前なので汗をかいたあと温泉というのもよい、いわばオトナのキゴ山です。
早速ですが、上の点線歩道は一部すでにありませんので注意が必要です。
トラックログを参考に堤防東側の林道北袋線から沢を登るルートではなく堤防西側からアクセスしてください。
ちなみに素直に地図に従うとこうなります。
入り口の橋の周囲は開けていますのでじゃまにならない場所に駐車してスタートです。
朽ちかけたスリリングな橋が目印です。
この橋、冗談ではなく危ないので、下流の方の別の橋から川を渡って戻ってきた方が無難です。
森に入ったら前方右より進みます。
こんな杭や赤い紐があるので、迷う前に目印にしましょう。
すぐに道が見つかり回り込むように分岐していますので左手沿いにのぼります。
ちなみにさっきの分岐を右に進むと、来た時に見えた堤の上に出ます。小さく見えたのに結構な高度感がありなかなかの怖さです。
山をえぐるように作られた巡視路を登ります。
謎の石棺がありました。北陸管工株式会社施工とあります。
やがて明るい尾根道に出ます。季節によっては落葉して左右も開けて見えます。
何本か大小の倒木がありました。苔むしてかなり前からそのままのものも。
左手の向かい側の尾根には加賀変電所につながる能登幹線が降りてきています。キゴ山に一番近いのが135番なので6本たどることになります。 見かける鉄塔を紹介します。
一番湯涌街道(県道10号)に近いのが能登幹線141番で、そこから若番に繋がっています。
能登幹線140番は男鉄塔(ガイシが縦に降りている鉄塔)。4導体を持つ手がたくましいです。
この能登幹線139番が一番際どいところに立っています。足元の擁壁がそれを物語っています。
能登幹線138番。これと次の137番はロケーション的にちょっと見にくい位置にあります。
歩きやすい尾根道とクマザサの藪が交互に続きます。
この石棺もよく見かけます。中を覗くと水を貯める構造になっているので用水に使われるのでしょうか。
やがて先程の能登幹線がこちらの尾根に渡ってきます。それを支えるのが136番です。今からその真下に向かいます。
500kvの巨大鉄塔の真下にたどり着きました。角度がついた女鉄塔(ガイシが横に伸びている鉄塔)は大迫力です。
能登幹線136番の結界。
銘板には1981年とありました。昭和のファミコン発売前ですが全く古さを感じさせません。
南側を覗くと能登幹線137番鉄塔を見ることが出来ます。
結界を通って先に進むと分かれ道があります。
左は上記の能登幹線137番鉄塔への巡視路です。こちらは逆方向なので今回はパス。右手の杉林沿いに伸びる道を進みます。
この時はテープが貼られてわかりやすかったです。
ここから先は右が崖のやや危険ゾーン。足元に気をつけて尾根をトラバースしていきましょう。ストックがあったほうがいいと思います。
東側が開けているので景色は素晴らしく、加賀富士の大門山がきれいな形に見えます。医王山方向も視界が通っていました。
やがてまた分岐にたどり着きます。左が能登幹線135番巡視路、右は林道北袋線です。
地図を見ると左からも行けそうですが、これも存在しないので、急がば回れで右の橋を渡りましょう。
(実は左の135番から直接ショートカットもできます。もし左に行った場合はこちら。
橋を渡るとはっきりとした道がわからなくなりますが、目印をたどるか林を北西に進めば大丈夫です。
すぐに舗装路が出てきます。林道北袋線です。左に登っていきましょう。
そしてすぐに左の遊歩道です。もうここはキゴ山圏内です。緊張感が緩みます。
遊歩道は苔むしたベンチと折れた柵が並びます。反対側の駐車場からはあまりここまで来る人はいないのでしょう。
しばらく進むと巨大な能登幹線135番の巨大な姿が左手に近づいてきます。急な坂ですが、ショートカット出来なくもなさそうでしたね。
今までと比べると天国の様な歩きやすい道を進みます。案内板がありました。
今はこのあたりです。点線から直接山頂へ向かいます。
しばらく歩くと舗装路に出ます。ここからは山頂まではアスファルトです。右手には医王山と今まで通って来た能登幹線の尾根が見えます。
やがて見慣れた山頂へ。
展望台にはトイレもついており景色も360度。最高です。
ちびっこが展望台で遊んでいるのを見ると藪あり崖ありのハードな道から来たのを忘れてしまいそうです。
おまけ 地図道を歩いた場合
おまけとして間違えて地理院地図道を歩いた時のレポートを掲載しておきます。
登山口付近
こちらの点線の道です。
林道北袋線入り口。左手の沢に下る道はありました。
点線に従い沢を渡るも、その先の沢沿い道がありません。
しかも怪しいことに真上に踏み跡が。そちらに進むも。
やがてその踏み跡も無くなり終了。(巡視路は上を通っているので無理やり上がれなくもなさそうですが)
能登幹線135番の先
この点線を通ったほうが山頂に近そうなのですが。
能登幹線135番は結界まで入れました。
能登幹線135番銘板。
結界からは次の134番も見えました。
さて、この先に点線は続いています。確かに森の方に人が歩いた道が。
結局、これも途中で消えてなくなっていました。採伐された尾根にでてかなり危険だったので撤退。
棘がある草は珍しくないのですが、これは特に厄介でした。なんという草なのでしょう?
結局この道は撤退になり上記の道に戻りましたが、景色はなかなかよかったです。今まで登った尾根や能登幹線の老番方向も確認できました。