非常用にも夏場の寝袋にも SOLヒートシートエマージェンシーヴィヴィのレビュー
山歩きは計画が重要です。大抵の登山ガイドにはコースタイムが出ていますが、あくまで参考であり、個人のペースや天候などによって時間が大幅に遅くなったりします。また道具の破損などちょっとしたトラブルで何時間もロスしてしまうことはよくあります。例えば10時間のコースタイムで日暮れが18時なので日帰りで8時に出たとしましょう。頂上から降りた時、突然靴底が剥がれたら?おそらく日暮れまでに戻るのは不可能です。夜間の歩行はとても危険なので、夜を明かす必要が出てきますが、都合良く小屋があるとも限りません。冬場でなくてもといえども高所の夜間は冷え体温はとばされて命の危険すらあります。
かといって身軽に行動したい日帰り登山に毎回寝袋を持ち歩くわけにもいきません。そこでアルミでできた簡易毛布製品があります。アルミは体からの赤外線を保持するのと、風よけになるのでこういった場合に夜をしのぐことができます。とても軽く小さいので携帯も出来ます。
SOLヒートシートエマージェンシーヴィヴィ(SOL HeadSeat Emergency Bivvy)はそんなアルミ毛布製品の一つです。他の製品とは異なり、寝袋のような袋型になっていることと、商標でもあるビニール加工アルミであるヒートシートを使った耐久性で使い捨てではないのが特徴です。何度でも使えるので夏場の簡易寝袋としても利用できます。
寝袋の様なスタッフバックに入っており、大きさは拳程度です。
中を開けるときれいに折り畳まれたヒートシートが出てきます。広げる時、折り畳み方が気になりますが、構造的に一度開けると同じ畳み方では再びスタッフバッグに入れるのが困難になりますので特に覚える必要はないでしょう。これについては後述します。
広げると寝袋大の大きさになります。大人でも頭まですっぽり入れる大きさです。ごわついた感じもしますがポリエチレンコーティングされておりアルミ箔のそれとは全く異なります。多少弾力がある素材なので、破れにくい感じがします。またしわにより適度に空気の層が出来ますので、まとわりつく感じもしません。ただし、どうしても地面へのの放熱があり底が冷たい感じがするので、出来れば下に厚みのあるシートを用意するといいでしょう。
さて、畳み方ですが、布製の寝袋とは異なり、空気の抜き方がポイントとなります。最初は4つ折りでしたが、戻す時は2つ折りにして丁寧に足の方から10cm程度の幅で畳んでいきましょう。畳む毎に空気を抜く感じです。最後に10cmの帯になりますのでクルクルと巻き上げれば完成です。
スタッフバックはその点も考えられており、ある程度弾力があります。朝急いで畳む時でも入れやすい設計です。
長さについても余裕が設けられているので、最初よりやや長めの幅にすれば空気が多少入っても収納可能です。
取説にある注意
取説がついてきますが英語なのと翻訳がついていないのでポイントだけ記します。
- 取り出し時や使用後に見える傷模様は異常ではありません。性能が落ちる事もありません。
- もし穴があいたらダクトテープで補修出来ます。
その他のモデル
ヒートシート技術を使ったラインナップです。
SOLサバイバルブランケット(SOL HeatSeat Survival Blanket)
袋ではなく一枚の布状のヒートシートです。さらに安価なのと携帯性がよいのが特徴です。エマージェンシーヴィヴィとあわせてつかっても良さそうです。
SOLエスケイプヴィヴィ(SOL HeatSeat Escape Bivvy)
エマージェンシーヴィヴィの上位モデルです。こちらは封筒型ではなく頭まで覆い顔を出せるタイプです。多少大きく価格が比較的高めなので、バッグの空きと予算があれば。