配達用スーパーカブで日本一周中!

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最近の更新日9/22

序章(準備編)

一口に日本一周といってもその種類はたくさんあったりします。内陸部も含めた全都道府県を回るのかどうか。細かい離島はどうなのか。沖縄は含めるのか。などなど。

前々から漠然と「死ぬまでには日本一周したいな」という気持ちはありました。上のような具体的なことは考えず「日本一周」という言葉の響きに魅かれていた様な気がします。

そんな中、たまたままとまった時間が取れそうな機会がやってきました。いまこそ「日本一周」の時です。実は前にそれをしようと、原付バイクを買ってありました。ホンダのスーパーカブ110PROというモデルです。サイドバック、リアパネルバッグまで取り付けていたのに、なかなか機会に恵まれず持て余していました。

まずは計画です。計画を立てるにはまず目的を明確にしなければいけません。自分にとって日本一周とはなんなのか。漠然とした答えは「日本の形を描く」でした。つまり、いわゆる「海岸線一周」というやつです。沖縄は除外するが、四極とよばれる4つの東西南北の岬は到達したいと考えます。また、なるべく綺麗な日本地図を描く為、能登半島、男鹿半島などなどの細かい半島の岬は踏破したい。

大体上の周り方だと12000kmは必要と言われています。バイクの消耗品のメンテも必要です。幸い、家が金沢なので中京関西とは接続がよいので、近くまで来たらいったん帰宅してタイヤ、チェーン、ブレーキ、オイルなどをメンテして継続するという方針を考えました。ただ、自転車と違って輪行出来ないバイクなので念には念を入れてJAFには加入しておきました。JAFはバイクにも対応したロードサービスです。5500円で安心が得られるなら安いものです。

絶対に消耗しそうなチェーンの引きとオイルアップは自分で出来るように工具をパッキングしました。14、17のメガネレンチ、12、10のスパナ、14のトルクレンチ、チェーンルブです。なかなかの重量です。これだけあればブレーキ交換くらいまでならセルフで出来そうです。

豪華ホテルに泊まって地域の郷土料理を楽しむ、といった欲は全くありません。貧乏性なのか、寝るのはテントで野宿、風呂は3リットルの水を浴びれば十分です。なので必然的に荷物は多くなります。テントや寝袋、マット、水タンク、バーナーを始めとする調理器具などなど。

幸いにしてスーパーカブプロは前にカゴもありそれらを楽に積める能力は十分にありました。自転車や徒歩で同様の荷物を運搬している日本一周家も沢山います。とても感心します。

季節が9月中旬なのも荷物を減らすことに役にたってくれました。北海道もギリギリ夏服+αでいけるのではとミニダウンを携行する程度にしておきました。これとレインウェアで多分大丈夫でしょう。

日本一周をしている人はよく背中側に「日本一周中」と掲示しています。なんの意味があるのと思いますが、単純によく話しかけられるみたいです。自分も一人旅で寂しいので見よう見まねで作ってみました。ただ恥ずかしいので出発してから2、3県すすんでから装着しようと思ってます。

雨の日もキャンプするのか。これが問題です。どうしてかというと雨の日のキャンプは晴れた日の数倍大変だからです。濡れたタープやグランドシートをカッパを着ながら畳むのは泣きたくなるくらいつらい作業です。なので、雨の日は潔くネットカフェやビジネスホテルを利用することにします。快活クラブというネットカフェが定番らしく、自分も近くのチェーン店で会員になっておきました。洗濯やちゃんとしたシャワーもここで出来そうです。

ネットや充電の問題もあります。道の駅やカフェでAC電源は借りれますが、そんな何時間も充電の為に長居はしたくありません。なのでバイクにつけられるUSB電源を購入して取り付けました。これに20000mAのモバイルバッテリーをさしておけば昼間走行して夜にはそこからスマホに充電できます。最近では決済やJAFを呼ぶのもスマホアプリからなのでスマホの電源は生命線です。

さて、なんだかんだで出発日が近づいてきました。北海道が寒くなる前になんとか入りたいと、思い立って2-3日で準備しました。手落ちがなければいいのですが。

9月14日(出発日)

出発日になりました。天気は曇り。半袖で大丈夫そうです。電子機器類をチェックしていたらLEDランタンが点かないことが判明。ジェントスエクスプローラというモデルなのですがとても気に入っていたのでショックです。とりあえずバイクに荷物を積んで近所のホームセンターやモンベルの店周り。LEDランタン自体はあるのですが、小さくて程よい揺らぎのあるものというとなかなかはありません。

とりあえず出発地の高岡市新湊に向かいます。どうして出発地点が地元の金沢市でないかと言いますと、それは能登半島の関係があります。能登半島はそれだけで400kmもありなかなかの距離。高岡市スタートにすればその400キロを後回しにできるから、というのが理由です。最悪バイクが故障しても最後ならなんとかなりますからね。

そうこうしているうちに高岡市につきました。アルペンによったらあったあったエクスプローラ。あまりに嬉しいからアルペンのおばちゃんと立ち話。このサイズのランタンはあまりうれなく、みんな大きいのばかり買っていくからおばちゃんも嬉しかった?のだそう。すぐ使うからとパッケージの処分もしてもらった。ありがとう。

スタート地点の海王丸パークはそのすぐ近く。心配事も解消され、気持ちよく一人でスタンドで記念撮影。豪快な新湊大橋を渡ってのスタートはさながら凱旋してもらえているかのよう。まず目指すは秋田県の男鹿半島の入道崎。

海沿いをトレースすると書いたが、正直、富山や新潟はいつでも来れるので今回は時間優先して国道を使うことにしました。なんども来た見慣れた景色。カブがいきなり止まらないか、それだけが心配です。プラグ替えてくればよかったかな。とか。

国道と交わって神通川、常願寺川、黒部川とわたっていきます。残念ながら立山展望は曇りのためみれず。まあいつでもみにこれるのでよしとします。

14時新潟県入り。僅か2時間ちょっとで富山県を横断です。

カブにはトリップメーターがありません。思い立ってホームセンターでマスキングテープを買ってペンでオドメーターをメモすることにしました。これなら何キロ走ったか一目?でわかります。マスキングテープは持ってきたボールペンはつかないようで、レシートの切れ端を使いました。あとでマッキーを買いました。買い物にはこまらないのが海沿いツーリングの良いところですね。

親不知は何度来ても迫力があります。古来の人はここを命がけで通っていたそう。北アルプスが日本海までせり出ている箇所です。ありきたりですが、今回は特別な気分で撮影しました。

途中カナショクがあったので給油。金沢からで2リッターでした。地場のガススタなのでしばらく見納めです。燃費も先ほどの方法で記録することにしました。

糸魚川の工場地帯を抜け上越市へ。昔いちぶり自転車道に輪行で来て走破したりグランフォンド糸魚川に参加したりと自転車ではよく来ていた場所です。

時刻はそろそろ16時。9月の日照時間を考えたらそろそろ夜のことを考えたほうがいいでしょう。とりあえずドラッグストアで水とおにぎりとコーラ。朝出てから何も食べてないですが気分が高揚している為食欲は以外とわきません。

柏崎市の郊外にいい感じの東屋を見つけたので今日はそこで野宿することにしました。

バイクを入れてテントを張ります。水をタンクいれ軽くシャワー。これでさっぱりしました。普段サーフィンしてるから身体あらうのは手早くできます。

出発時は右、左サイドバック、パニアケース、フロントカゴに雑多に入れていた荷物ですがこうやって生活を始めてみると、だんだん格納場所が最適化されて面白いです。家と同じですね。

テントに入った途端、どんぶりをひっくり返した様な雨。アウタータープは張らなかったので、一般的なキャンプ場だと大変なことになっていました笑

天気予報をみると明日の5時まで雨、そこからの天気はもちそうです。1日220kmを目安に見ているのですが、今日は昼に出たので172km。ノルマ不足です。

明日は雨が止み次第、距離を稼ぎたいです。

走行距離:172km(スタート地点まで64km/計236km) 燃料代:344円/1.98l 食費:274円

9月15日(2日目)

24時、土砂降りの雨の音で目が覚めました。雨雲レーダーを見てみると柏崎にピンポイントで線状降水帯が直撃しています。

幸い東屋の下なので雨の直撃は免れていますが、あまりに雨が強いので、跳ね返った水的でテントはびしょびしょに。

インナーテントしか張っていなかったのでこれが屋根無しのところだったら大変なことになっていたでしょう。

もうどうしようもないので、テントに浸水してこないことを祈るしかありません。

音と恐怖でこの日はそれから一睡も出来ずに夜明けを迎えました。

夜は明けましたが、土砂降りは続いています。雨雲レーダーを見ると、柏崎市がピンポイントで降雨しており、もう少し北に向かうと雨雲はありません。

賭けです。このまま半日スタックするか、今北をめざすのか。ただでさえ昨日は買い物でスタートが半日遅れ、距離が伸びていません。カッパを開き身体に装着しました。こんなに早く雨天走行になるとは。

カッパをきてビシャビシャになったテントをたたみます。グランドシートもかなりの濡れです。仕方がありません。10分ほどで準備完了。雨の弱まったタイミングを見量はって出発です。

雨の昼の走行は悲惨です。晴れていれば撮りまくる写真も満足に撮れません。柏崎を過ぎて海沿いの国道302号をひた走ります。

バイクのメーターにつけていた安い時計が死んでいます。浸水によるものでしょう。今が何時かもよくわかりません。もっと心配なのは一昨日つけたばかりのUSB。これが壊れると携帯の充電がカラになり大変なことになります。表面はあきらかに濡れているのでテストでつけるのもやめておきました。

雨の中を泳ぐように北に進みます。やがて柏崎原発のあたりになると雨がやんできました。読み通りです。

そのままカッパが乾くまでしばらく走行することにしました。できれば濡れたテントをどこかで乾かしたいです。

やがて新潟市へ。新潟県の海沿いを走ってると開いているガソリンスタンドが皆無なのに気がつきます。ガソリンはすでに赤ゲージ。ここで止まりたくはありません。慌ててGoogleマップを調べるとこの付近のGSは一本内側の県道2号の方に集中しているみたい。すぐに移動してみると確かにこちらにはたくさん営業している模様。新潟市を走る人はご注意ください。

ガソリンも満タンでカッパも乾いてきました。朝食を買いにコンビニに寄りました。焼きたてパンとコーヒーを購入。食べながらカッパを畳みました。これでしばらくは大丈夫そうです。

食事を終えカッパを脱ぎ身軽になり先を急ぎます。巨大な火力発電所を横目に胎内市、村山市と市を跨いでいきます。

そして、、ついに山形県の看板が。ものすごく長かった新潟県の通過ともこれでおさらばです。天気も気持ちのいい青空と風。パーキングがあったので、昨日のテントとグランドシートを干すことにしました。

もう一つやりたかったのは日本一周中のプレートの接着。実はまだやってなかったのです。万が一にも声をかけられた場合、まだ出発したばかりですじゃ申し訳ないかなと思って。これでもう2県を跨いだので堂々とつけられます。ツイッターのIDも書いたので興味ある人がフォローしてくれたらいいなと思います。

道具も乾いて日本一周中プレートも取り付け準備万端です。プレートをつけているだけで意識があがってなんだか楽しいです。

さて、そんなで山形県に入りました。壊れた時計も奇跡的に乾いて復活しています。山形県ともなると滅多に来れないので名物でも食べようかなと思いました。調べるとどんどん焼きと冷やしラーメンが有名みたいです。どんどん焼きは内陸部の山形市に集中しているので今回は行けません。冷やしラーメンなら通過する酒田市にお店がたくさんあります。とりあえず酒田市に向かうことにしました。

そういえばUSB電源。恐る恐る電源を入れてみると、、、つきません!普段なら電圧の表示が出るはずがそれがでないのです。頭の中が真っ白らになりました。スマホを充電できないのは致命的です。しかもUSB電源は特殊な機器なのでその辺のお店で買えるようなものではありません、

パニック状態でダメ元で裏側の接続ギボシをグリグリおさえてみます。、、、治った!

どうやらグランド線の接続不良だったみたいです。一旦外して指でかしめてから再度挿入。持ってきた布テープでシールします。これで安定してくれました。よかったよかった。

酒田市の冷やしラーメンは麺屋酒田というお店に入ってみました。醤油ダシにレモンがはいっていてさっぱりとして美味しかったです。750円なり。思えば出発して初めての外食になります。急いで余裕がなかったのでしょうね。

酒田市の北側にとても立派な山が見えました。調べたら鳥海山というらしいです。その5合目まで乗り物で行ける鳥海ブルーラインというのが評判よく無料なので走ってみました。

ブルーラインからの景色は確かに圧巻。酒田市には飛島というしまもあるのですが、それをはじめ、遊佐町の展望、夕方の日が反射した日本海が見事です。背面の鳥海山も草の低い高原の山といった風情で迫力があります。

ブルーラインを走破してもう陽が傾いてきたので仁賀保高原で今夜のキャンプをする事にしました。ブルーラインもそうでしたが下界は暑いくらいなのに少し登るだけで半袖ではきついくらいの気温になります。

テントを設営して寝袋に入ったのですが少し寒い。これでは北海道が思いやられます。寝袋下のクッションもスローパンクしているのかジワジワと空気が抜けているような気がします。またショックだったのが、シャワーに持ってきた水タンクに穴が空いたこと。どうもキャップの部分だけなので、水を入れた時はうまくバイクに吊るせれば一時的短距離なら運搬できそうです。

いろいろ壊れてなんだかやるせないですが、少なくとも移動中にお店で買えそうなものなのでなんとかなるかと自分に言い聞かせます。

さて、寝床に入って念のため天気を見ると、、なんと夜半から雨マーク。こんなに晴れているのに!?ここは昨日とちがい屋根がありません!ダッシュで荷物を屋根のある場所に運び、テントは設営したままそこに移動させます。

2連続で夜半に雨とは、ついてないのか、まだ夜だけだからラッキーなのか。

18時に寝床に入ったら昨日寝ていないのがたまってすぐに寝入ってしまいました。起きたのは21時。やはり高原だからか寒くて寝られません。長い夜がまた始まります。

本日の距離331.8km(積算503.8km) 燃料代:1084円/5.96l(積算:1428円/7.94l) 食費:1161円(積算:1161円)

9月16日 (3日目)

ドバババ

またしても雨音で目が覚めました。時刻は午前4時半。どうやらあれから知らないうちに眠ってしまったようです。前日ほとんど睡眠がとれていなかったので、ちゃんと寝られてよかったです。

テントを開けるとまたしても土砂降り。これで2連続です。なんという雨男なのでしょう。しかし天気予報をみて晴れているうちにテントを屋根のある場所にずらしたのは大正解でした。また、昨日と違ってしずくもついていません。

昨日のように移動したら晴れる兆しもありませんので午前中は覚悟して雨天走行することにしました。カッパを着込んで荷造りをして出発です。

高原を降りて、にかほの海沿いの道に戻ります。途中、先程の野営地から登る朝日がとても綺麗にみえました。

下界へ降りると温度も幾分か上がります。雨の中を海沿いの国道7号に向かいます。

そこから北上。海の向こうに陸が見え始めるました。この旅の最初の目的地である男鹿半島の影です。今からそこに向かいます。

男鹿半島の手前には県庁所在地の秋田市があります。そこで給油。雨も止み、カッパも乾いてきました。

通勤ラッシュの中走っていると隣を走っている車の窓から「頑張ってください!」の声援。バイクの後ろの日本一周中看板を見てくれたようです。なるほど、これは気分がアガありますね笑

マックがあったのでそこで朝食にする事にしました。ソーセージエッグマフィンにアップルパイと大きなコーヒーで450円。最近はコンビニも値段があがったので、コスパよく感じますね。ゆったり座りながらの朝食は気持ちも落ち着きます。

調べると男鹿半島の海岸を完全にトレースする為には手前の県道から入って行く必要がありそうです。あとは海岸線沿いに進んでいけば周回路である国道101号線に接属。そのままいけば先端である入道崎です。

お店からはちょっと戻る形になりますが、なるべく海岸線ギリギリをトレースするのが今回の旅の一つの課題なので、戻ることにしました。

国道から男鹿半島への県道に入ると通勤渋滞の喧騒が一気に無くなりました。港がありいつもの海沿いの風情です。

途中、海の上に小岩がたくさん散らばっている風景がありました。鵜の崎海岸と呼ばれるところで日本の渚百選にも選ばれている場所だそうです。キャンプをしている人もいました。朝、ここで目覚めたら気持ちよさそうですね。

右手には頂上に展望台のある寒風山という山が見えます。半島で風が強く草が低いので山の形がすっきりときれいにみえます。車で展望台までいけるみたいですが、今日は先が詰まっているのでそのまま横を通り過ぎることにしまいた。

男鹿半島中腹の男鹿市を抜けてさらに海沿いの県道へ。気持ちの良いスラロームが続きます。やがて、大きくくだりに入ると、駐車場とたくさんの車が目に入ります。旅の第一目的地、入道岬です。

驚くほど人がたくさんいました。声をかけてくれたおじいさんが言うには、今日はナマハゲ太鼓の実演があるそうです。NHKも来ており、テントに観光協会の人が並んでいました。聞いてみたら、代表的な写真スポットはやはり灯台とのことで、歩いて先に進みます。記念缶バッジをタダでもらえました。

灯台について、セルフ撮影。その辺の人にお願いして撮ってもらえました。岬といっても灯台があるだけなのですが、こうやって先端にまで到達して記念を残す。この達成感が旅の醍醐味です。

さて、今度は北側から秋田市方面に戻ります。途中間違えて漁村に降りてしまい袋小路入ってしまいました。段差があり超えられるかなとつっこんだらバコンと跳ね返り。大丈夫かなと心配になってみると、今からか前からかフロントタイヤがちょっと潰れ気味に見えます。パンクはしてなさそうですが心配です。

途中小さいエネオスがあったのですぐに入り、空気圧を見てもらいました。前後ともやや空気圧不足でした。後ろもなのでさっきの接触とは関係なさそうですが、見てもらえてよかったです。スーパーカブプロはタイヤが小さいので空気パイプがなかなかはらず店員さんが苦労して入れてくれました。1.5リットルしか給油しなかったのにありがとうございました。

先を進むと道がやや入り組んでいてまたUターン。

ガリ

右後ろからです。やたらトラブルがあります。降りて見てみるとどうやら右後ろのサイドバッグが地面に接触してしまったようです。傷は浅いのですが、布テープを貼って補強しておきました。布テープは頑丈で接着力も強いので一つ携帯しておくと安心です。

やがて男鹿半島を抜け三種町へ。なんか昨日から走ってばかりなので、地場のものでも食べたいなと思い調べたら、秋田県は焼きそばが有名とのこと。目玉焼きがのったスタイルのそば、確かに美味しそうです。本場は横手の方みたいですが、ここ三種にもありました。

立ち寄ったのは、ふじ食堂という渋い店。駐車場もなく、ガラっと開けると無人。でっかい声で「すみませーん」と呼ぶと、年配の店主さんが出てきてくれました。お話を聞くと、この店創業50年の超老舗でご本人はなんとお年80歳なのだとか。引退しないんですかと聞くと、ここが自宅で食堂は趣味のようにやっているとのこと。素敵な生き方ですね。昔は埼玉のホンダの工場でバイクを作る仕事をやられていたとのことで、スーパーカブも作っていたのだとか。なんか嬉しいですね。焼きそばもトロッとしたあんかけに半熟目玉焼きが乗っていてとても美味しかったです。

満腹になってまた出発です。能代がこの辺りでは栄えている町らしく、そちらに寄ってみることにしました。目当てはホームセンター。急いで出てきたのでカッパの防水が切れてベチャベチャなので防水スプレーを買おうかと思って立ち寄りました。そこでみつけたナイスなグッズが「虫除け防水スプレー」。これは虫が嫌がるヒノキの香りが添加してあるもので、テントにも使えるそう。昨日も蚊が侵入して大変でしかもテントも十年以上放置してあった代物なので防水も切れていたので渡りに船の製品です。即購入しました。

こうやって買い物している間に、駐車してあったバイクの日本一周プレートのアドレスを見てくれた方がいたみたいでツイッターで応援をもらうことができました。うれしいですね。

走っていて気がついたのですが、ちょっと東に行きすぎました。内陸から軌道修正して秋田県最後の町、八峰に向かうことにします。

八峰へは田園風景が続きます。田んぼの横にシャッターのようなものが立っているのはなんなのでしょう。電柱が3系統垂直に懸架されているのも目に新しかったです。ずっと海沿いを走るのでこういった内陸風景は新鮮ですね。

さて、海沿いの国道101号に戻り北上。程なくして青森県の看板です。いよいよ本州最後の県です。海沿いの岩群はさらに険しくなり、色も赤茶げた色に変化してきました。軌道もずっと北に進んできたのがぐるっと津軽半島に向けて東にカーブします。

途中、千畳敷とよばれる海の中の巨大な岩盤が見れました。今日は連休初日とのこともありたくさんの家族連れで賑わっていました。

さて、ここまでで時刻は16時前。これからどうするかちょっと考えました。

当初の予定では次の日に津軽半島を回り、その次の日にフェリーで北海道に行く予定でした。ただ、北海道は季節的に寒くなってきており、気持ち的には1日でも早く到達したいのです。Googleマップでみると津軽半島の先端の竜飛崎までは2時間弱。日没には間に合いそうです。日が暮れてもバイクなので移動はできるので、そこから青森市にぐるっとまわりんで宿泊すれば明日のフェリーにのれる、つまり1日時間を短縮できるわけです。

間に合わなかったらどこかで練ればいいや、という気持ちで、つがる市から北に向かいます。

津軽半島の東側にはメロンロードという広域農道が通っています。これを利用することにしました。驚くほどの直進が続く快走路で時間の絡みもあり思わずアクセルを回してしまいます。途中の十三湖まではすぐにたどり着きました。十三湖はリゾート地といった風情。中世の時代には国際貿港だったそうです。海とつながっているのですね。

やがて県道は終わり国道339号線へ。先ほどのメロンロードとは対照的にかなりきついヘアピンカーブが続きます。昨日の鳥海ブルーラインを遥かに凌ぐ険しい上りです。日がだんだん沈むので気が焦っているのが危険です。頂上には展望台がありました。そこからは下り。

さらに10kmほど進むとようやく見えてきました、竜飛崎です。大きな観光地で、どこが先端なのかよくわかりません。大きな看板があったのでそこで、その辺の人に記念撮影を撮ってもらいました。聞いたら灯台はもうちょっと奥に進んだところにあるそう。バイクでそっちまで行ってみました。

ぐっと坂を登り、そこからは徒歩。東大前です。そしてその先は・・・北海道。こんな近くに見えるのですね。そしてこの海の下には青函トンネルが通っています。電車でしか通れないので、くぐって行くわけには行きませんが、こんなに長い海底トンネルを掘ってしまうとは、あらためて感心しました。

さあ、もう日も暮れてきました。とりあえず進路を青森市に向けます。そのまま暗くなってから進んでもよかったのですが、たまたま道の横に景色の良さそうなキャンプ場があったので今夜はそこで休むことにしました。フェリーはどうせ朝8時10分発なので早起きすれあ間に合いそうです。

手早くテントを張ります。今日は雨予報はなかったのですが、連日のトラウマでなんとなく屋根の下に設置しました。他に誰もお客さんはいなかったので、たっぷり水タンクに給水して水シャワー。9月に水シャワーはかなり冷たいのですが、冷水で身体を洗うと、自律神経の働きなのか、体が反対にポカポカと暖かくなるのです。下手にお湯に入って湯冷めするよりこちらの方がよかったりするのです。

テントに入って明日のフェリーのホームページを確認。もうWeb予約は2日前に受付顔わっいるので電話だけになりそうです。電話は受付時間は終了。明日の朝かけることにしました。青森港から函館までのフェリーは2つの会社が運行していて、一つは津軽海峡フェリー、もう一つが青函フェリーです。後者の方が単純に安かったのでそちらにすることにします。

ちょっと北に進みましたが昨日の高原よりは随分暖かいです。気になるのは、インフレータブルのマットを使っているのですが、一部気が抜けてきていること。枕もついて気にいっている装備なのですが、あまり売っているところはないので、すぐに買い換えるわけにはいきません。どこか都市の登山用品店で変わりがあればいいのですが。

そんなことを考えながら寝袋に入ると、早起きして長距離を走った疲れからか、すぐに意識が無くなりました。

今日の走行距離:396.4km(積算:900.2km) 燃料代:1148円/6.39l(積算:2576円/14.33l) 食費:1240円(積算:2675円) 用品代:1097円

9月17日(4日目)

今日は自然と目が覚めました。時計をみると朝の3時30分。アラームは4時30分にセットしていたのですが、行動はやいほうがトラブルが少なくてすみます。すぐに出発することにしました。

真っ暗な中、ヘッドライトで洗顔とテント撤収をして4時にスタート。空は少し明るんできています。

津軽半島の東側を反対の下北半島から登る朝日を眺めながら青森市にバイクを進めます。向こうの下北半島に行くのは北海道を一周して戻ってきたあとになります。無事もどってこれることを祈ります。

5時半になり、フェリー会社に電話してみました。まだやっていないかなと思ったのですが、人がでて丁寧に受付してくれました。フェリー会社がいくつかあり、番号を2回も間違えてしまいました。

目的の青函フェリーは8時10分の便は空席とのことで予約か。ただし気になる発言が。「バイクの横幅は75cmまでなので注意してください」

巻尺は持ってきていなかったのでなんともいえませんが、僕のバイクは原付で他のアメリカンバイクと比べても明らかに小さいのでさすがに大丈夫だろうとおもいます。電話を切りバイクを走らせフェリーターミナルへ。まだ2時間余裕があります。

受付を済ませると係員さんが巻尺を持ってバイクの幅を測ります。するとなんと横幅NG 。90cmあるそうです。75cmから明らかにオーバーです。まさかの日本一周もここで詰み???

でもよく見るとどうもはみ出ているのはミラーとハンドルカバーの部分だけ。これなら持ってきた工具でなんとかずらせそうです。焦ってスパナとモンキーをだして調整。焦って右側が逆ネジになっているのを失念してナメそうになる始末。それでも無事ハンドルカバーをずらすことができました。係員さんを呼んで測ってもらうと75cm。クリアです1

気がゆるみ安堵感。待合室ですぐ横にあるコンビニで買ったパンとコーヒーで朝食をとります。バイクは30分前に最前列から搭乗です。

7時40分。待合場所に。フェリーが口を開けてまっています。バイクは最前列なのですが、どうも今日は、僕一人のようです。誘導に従ってバイクエリアに駐車。ハンドルロックをして荷物を持って離れます。係員さんが何人もでバイクを固定してくれていました。

船内はホテルのロビーの様。そんなに広くはないのですが、ここも作業カウンターがあり快適に過ごせそうです。

8時10分、いよいよ出向です。乗客がみんなで甲板にでて見守ります。動き出したフェリーは旋回して進路を北へ。

本州とはこれでしばらくお別れですね。無事戻ってきますよ!

9月17日(4日目その2)

「バイクの人は最後ですから」

フェリーの下船順番のことです。行きは最初に格納されてそれから乗用車が停まるわけですから、確かに帰りはその逆になりますよね。

人気がなくなった甲板をのんびり眺めます。

函館の気色。昔からの貿易港のそれはたくさんのコンテナが並ぶ工業的なイメージに見えます。

バイクに跨り凸凹したフェリーの中を慎重に進みます。景色が開いたらもうそこは北の大地、北海道です。

フェリーの中では久しぶりにのんびりとした時間を過ごせました。昨日まで先急いでいたのでこんなひと時はこの旅始まって以来です。

今まで取り溜めてきたレシートを整理して金額とガソリンはリットル数を数えあげます。こうやってデータを後から振り返るのも旅の楽しみ方の一つです。

カブはリッター60km以上走るので本当に助かります。トータルコストで見ると最安の日本一周手段かもしれません。今までのガソリン代を足してもこのフェリー料金以下なくらいです。

さて、下船も終わりまた工具をだしてハンドルガードを取り付けます。一度外したので手慣れたものです。

函館は初めてなので、前から行きたかった五稜郭を見に行く事にしました。

途中、ショップに寄って調子の悪いインフレータブルマットの替えを探しましたがピンとくるものがありません。しばらく我慢します。

五稜郭の周りは物凄い人だかり。そういえば連休の中日でした。見れば修学旅行生たちも混じって数を増やしています。

五稜郭タワーはコンビニでチケットを買って来れば1000円が900円になるのですが、それよりも定価購入してJAF会員証を見せるとポストカードがもらえるので、せっかく入会したのでそちらにしました。

タワーの展望台から見る五角形の公園はメディアで見るそのままの光景でした。中には明治初期の五稜郭のエピソードが人形展示されており楽しめました。

さて、次の目的地はラッキーピエロというハンバーガー屋さんです。五稜郭の横にもありますが、途方もない行列でとても並ぶ気になりません。別のチェーン店に行ってみました。

そちらは席は空いてます。よかった。すると「今からだとお出しするまでに1時間以上かかります」とのこと。お昼時だからでしょうか。時間をずらしてまた戻ってくることにしました。

最後は函館山です。地図をみると函館山から突出した半島になっており、岬ハントがテーマのこの旅には外せなさそうです。

ナビに従い、1速でギリギリ登れる急坂を函館山に向かって進んで行きます。すると、見たくない看板が。

「この先乗用車のみ。バイクは侵入禁止」

何という事でしょう。バイクはだめだとは。途方に暮れて駐車場の案内板を見ると、どうやら函館山、徒歩で登る事も出来そうなのです。

標高差は300m以上あるので、ちょっとした本格登山です。バイクばかり乗って運動していないのでちょっと登ってみました。

9月の北海道は風が涼しく虫もいないので快適に山登りできます。歩いて登るなんで自分くらいかなと思ったら意外にたくさんの人々が上から降りてきます。「こんにちは」登山マナー通り挨拶を交わすのが一人旅の寂しい心に心地よく響きます。

5合目、6合目、、、どんどん高度を上げていきます。もう下界に海が見えてきました。展望台の標識の階段を登ると、頂上です。車やらロープウェイで登ってきた観光客で賑わっていました。

下界には先ほど登った五稜郭タワーや五稜郭、下船したらフェリーターミナルからこれから向かう松前半島まで湾がカーブを描いています。

適当な家族連れの方にセルフ写真を撮ってもらいます。「みなさんでお撮りしましょうか」といつもお返しに聞くのですか、最近は遠慮されることが多いですね。海外に行ってた時にもそんな感じらだったので、盗難の警戒もあるのかも知れません。

降りは楽ちんです。登山はたまに行くので手早く元来たら駐車場に戻ります。自販機があったのでスポーツドリンクを一杯買いました。登山の後の身体に染み渡ります。先客で飲料を買ってた親子連れが僕のカブのナンバーを見て、可愛いとか言っているのが聞こえます。確かに金沢原付ナンバーはご当地柄で兼六園の模様が入っています。こんなにウケがいいとは。普段はなんか嫌でしたが、ここへ来て初めてご当地ナンバーのありがたみを感じました。

恐る恐るバイクに戻ると、親子が声をかけてくれました。全国の岬を巡っているんですというと、なんとすぐそこに函館山の岬がありバイクでも行けるとのこと。立待崎というらしいです。完全に見落としていました。情報感謝らです。あと、松前の方に行くならシラフラという場所をオススメしてもらえました。これも楽しみです。

立待崎は確かにバイクですぐ先にありました。また適当な人にセルフィを取ってもらいます。自撮り棒を買えばいいのですが、こうやってら人に話しかけるのが面白いのです。

岬をハントしたら時刻は15時すぎ。そろそろラッキーピエロが空いている頃でしょう。函館市内にはたくさんチェーン店があるので手近な店に行ったらすぐに座れました。一番人気のチャイニーズチキンバーガーを注文します。ベルをもらって2階へ行くと、他の客は1組だけ。なのに、、20分待っても出て来ません。そもそも一つ一つ作っているので遅いのでしょう。気長に待ちます。

ようやく出てきたそれは、甘辛い、鶏の唐揚げをサクサクの数パンズでサンドしてあり、たっぷりマヨネーズがとてもあいます。ポテトもチーズとミートソースが絡めてありボリューム満点。飲み物はウーロン茶のみなのですが、これもさっぱりとして後味が良くとても満足できました。

満腹したので今夜の宿探しに入ります。天気予報を見ると明日の朝もまたしても雨なので、できれば屋根があるとこで過ごしたいです。快活クラブは函館にありそれが候補です。また30キロほど北に大沼と言う大きな湖がありまして、そこのキャンプ場が人気だそうです。

快活クラブに入る場合も、8時まで待たなければいけないので、ツーリングに大沼まで行ってみることにしました。函館新道と言う無料の高速道路を走っているのですが、カブは110ccなので側道しか走ることができません。

到着する頃には日が暮れていました。キャンプ場に着いてびっくり。そこだけがまるで夏祭りのような賑わい。テントの博覧会のようです。さすが連休中です。

途中の大沼に映る北海道駒ヶ岳の景色は絶景でした。烏帽子型の頂上が印象に残っています。

キャンプ場はトイレだけちょっと借りて、もう少し進んでみることにしました。

すると、東屋を1つ見つけたので、そちらを今夜の宿にすることに決めました。

孤独感は、知らない人混みの中を歩いているときに1番感じるといいます。一人旅に家族連れで賑わう場所は精神的に酷なわけです。

できるだけフライシートは使いたくないので、屋根があれば撤収も簡単です。誰も見ていないので、いつものように全裸になって冷水でシャワーを浴びました。毎日体を洗えて清潔なキャンパーな方だと思います笑

今度は今までと比べても意外と暖かいです。迷惑をかけたくないので、明日の撤収はまた早めにしなければいけません。また夜明け前起きかな、と思いながら床につきました。

今日の走行距離:132.2km(積算:1032.4km) 燃料代:524円/3.03l(積算:3100円/17.36l) 食費:1593円(積算:4268円) 観光代:1000円 フェリー代:4240円 総合積算:13705円

9月18日(5日目)

今日は特に予約もなく何時に起きても良かったのですが、目が覚めたら4時半でした。むしろまだ夜明け前です。だんだん日も短くなってきたので、日中の走行距離を稼ぐためになるか早く出たいのでちょうどよかったです。

テントを畳んで準備したら、5時過ぎ。空が明るんできました。出発です。

北海道駒ヶ岳が朝日に映えてとてもきれいでした。大沼から函館市内へは直接は向かわずに郊外へ抜ける国道227号線を使うことにしました 。

まだ朝が早いので、渋滞もなく、スムーズに海沿いの国道228号線に出ることができました。

今日は風が凄く強い日です。波は荒れて飛沫が飛んできそうな位。

ガソリンを入れるときに、店員さんに聞いてみたら、いつもはこれほどではなく、秋口から冬にかけてだんだん風が強くなってくるそうです。

松前半島を西沿いに走ります。途中、伊能、忠敬が北海道上陸した場所などもあり興味を惹かれました。

白神岬は北海道最南端の岬です。セルフィーを撮ろうと誰もいなかったので、三脚を使ったのですが、風邪で携帯が吹っ飛んでしまいました。ガラスフィルムが割れてしまいましたが、どうせ保護カバーなのでそれで済んでよかったです。

カブのパニアケースも、風であおられ声大きく開き、ヒンジが壊れそうになりました。これは壊れたら旅にかなりの支障が出るので気をつけなければいけません。

実は今日は、北海道最南端の岬のほかに、最西端の岬も行きます。ただこの尾花岬は道が続いていない秘境で、見ることもできなかった場所です。つい最近、全工期55年もかけて作られた太田トンネルが開通し、この岬をパスすることが出来るようになったとのことです。

遠くの神社からその迫力のある岩壁と写真をとりました。

今日はかなりの距離を走りました。ようやく目的地の岩内についたのは16時です。途中写真を撮りに何度か降りたものの、実に10時間も運転していたことになります。途中、何度か雨に降られましたが、カッパを着るほどではなく、すぐに乾いてくれました。

岩内で行きたかった、食堂あったのですが、残念ながら定休日。仕方がないので、初のセイコーマートに挑戦しました。お弁当が温められて、出来立てのような感じで値段もコスパが良い印象です。大盛り豚丼を食べたらお腹いっぱいになりました。

と、ここで雨。先ほどまでの通り雨だと思ってカッパを着なかったらこれがミス。すぐに本降りになって服もグローブもべちゃべちゃです。

次は南のほうのニセコ高原に行こうと思っていたのですが、そちらはガスがかかっていてとても行く気にはなりません。そのままカムイ岬方面に進むことにしました。

どこかまた東屋でもあるだろうと思っていたら、どうもこの辺は野宿に対しての規制が厳しいみたいで、どこも警告やロープが張ってあります。まずい雰囲気です。まぁ最悪岩内に戻ってビジネスホテルを探せばいいやと軽い気持ちで進みます。

神威岬への道は、道の駅も規制されていました。そしてどんどん崎へ近づいていきます。戻るに戻れない雰囲気です。

ようやく見つけた公共駐車場の軒下で今日は寝ることにしました。気まずいので、明日も早起きして出発しなければいけませんね。

今日の走行距離:460.3km(積算:1492.7km) 燃料代:1266円/7.18l(積算:3366円/24.54l) 食費:1186円(積算:5454円) 総合積算:16157円

9月19日(6日目)

目覚め。時刻は午前5時。昨日も早起きしたからか、自然に眠ってしまったようです。

外を見ると雨は降らなかったみたいで地面は乾いていました。手早く準備をして出発です。

どうも昨日の雨降りのパニックでバイクのスマホホルダーのシリコンゴムがどこかで消えてしまったようです。特になくても支障ないのですが、保険でつけていました。ホームセンターがあれば購入しようと思います。

神威岬までは1km程度、6時前に出発します。すぐに神威岬公園の前に着く・・と

「開門は8時からです」

朝の入場制限があるみたいです。確かに夜入ると危ない場所ですしね。あとなんとなくですが、積丹半島周辺は夏場のキャンパーが多すぎて中で寝られるのを防いでいる感じもします。

2時間あきました。思えば出発してからこんなに気を休められる時間がなかったのでのんびりと積丹の海を見ながらぼーっとします。

積丹ブルーと称される海は本当に青色で綺麗にみえます。人間、ぼーっとしようにもなんかしてしまうものですね。気がついたら持ってきたウェットティッシュでバクの清掃と点検を始めてしまっていました。

かれこれ1000km以上走ったカブ。泥汚れがすごいです。できるところだけ清掃。パニアケースに割れを発見しました。昨日の強風で開いた時のものでしょう。どこかでエポキシボンドも手に入れたいです。

チェーンカバーがあるのがカブのありがたいところです。雨の中走行しましたが中はまだ大丈夫でしょう。出発時にルブをたっぷり塗ってあります。

3000kmくらい走ったらどこかの街のバイク屋でオイル交換とプラグ交換くらいはしてやりたいです。そのときチェーンは自分でひくことにします。

なんだかんだしてたら8時5分前になりました。神威岬にGOです。

時間前ですが開門していました。雨の平日ということもあり他の旅行者は2組だけ。雨が降っていたのでカッパを上だけ羽織って岬への道を歩きます。

先端へは15分ほど。下を見ると青々とした海が透き通って美しく波打っています。

僕が一番最初に到着しました。先端は柵がしてありますが、手前の岩に登ると360度丸い海が見えます。青い海と山々の緑のコントラストが目に焼きつきます。

セルフィをとりたいのですが、三脚ではうまく上からとれなさそうです。誰か来ないかなとまつと5分ほどしたら男性が1人で来たのでお願いして上からとってもらいました。満足です。お互い撮りあっこしました。

戻り道も数人とすれ違った程度、この時期で朝の時間帯なのでこんなものなのでしょう。おかげで人がうつらないいい写真が撮れました。

次に目指すは積丹半島第2の岬、積丹岬です。とうちゃくすると、そこにはゲートか。

「熊が出たので当面の間閉鎖します」

残念。そのかわり、横のトンネルを抜けると積丹岬の方向は見えたのでそれで満足しました。

さて次は第3の岬、黄金岬です。

その前に朝食を取りたいのですが、この土砂降りで積丹の僻地です。なんとか見つけたセイコーマートの近くに東屋があったのでそこでパンとコーヒーを買って食べました。セイコーマートは本当に安くてコスパがいいですね。すっかり気に入りました。

近づきましたがどこからアクセスするかわからず。工事現場があったので、作業員の方に伺ってみると、トンネルを抜けた先に入り口があるそう。なんとまた徒歩15分とのこと。もちろん行きます。

入り口を見つけてカッパのまま先端に向かいます。神社の鳥居があり神威岬のように神がかった雰囲気。階段を上りあとは稜線沿いに歩くだけだったのでそれほど苦ではありませんでした。

こういうところでは山登りみたいに誰か前からきたら「こんにちは」と交わします。山登りは遭難予防の意味もあるのですが、こういうところでは慣例的なのでしょう。一人旅なのでちょっと挨拶するだけで嬉しいものです。

そういえば昔は北海道でライダーがすれ違うとかならずピースを交わしたものですが、最近はお辞儀をしても30%の確率で帰ってくるかどうか。寂しいなと思ってたら、さっき手を上げてくるライダーがいて、なるほどこれかと思い真似をすると返答率が上がったような気がします。どうせダメ元なので積極的に手をあげるようにします。

余談でしたが黄金岬には立派な展望台が立っていました。上ってセルフィをパシャリ。神威岬ほどの迫力ではありませんが、いい運動になりました。

海岸線をトレースして日本一周しているせいか、岬ハンターみたいになってる気がします。地図を見て細かい岬も行けないかなと探るクセになってしまいました。

そんなこんなで積丹半島を周り切ると、到着するのは余市の街。ニッカウヰスキーの蒸留所で有名な街です。そこから小樽へ直接海岸線を回って行っても良かったのですが、手持ちのツーリングマップルに、ニセコパノラマラインがおすすめとあったので、ちょっと寄り道して内陸部のニセコに寄ってみることにしました。

余市の街から国道5号線を南下、倶知安町にたどり着きます。そこから見えるのは蝦夷富士と称される綺麗な形をした羊蹄山。

県道にはいり羊蹄山の周りをぐるっと回ります。山の頂上は雲がかかりかき氷のような風体をしていました。雨は降ったり止んだりです。それでも形ははっきりとわかる程度だったのでよしとしましょう。

羊蹄山を回り切ると再び国道5号線。ここを北上して今度は西側のニセコに入ります。

入り口は、まさにリゾート地。ホテルや別荘が並びます。目の前にはスキー場の刈り込んだ斜面が見えます。冬には活気のある観光地なのでしょう。

街中を抜けニセコパノラマラインに入ります。ツーリングマップルおすすめのツーリングコースです。

緩いワインディングが走りやすく気持ちの良いライディングを楽しめます。今日は霧が立ち込めて幻想的な雰囲気。それでも最後の岩内に降りる道は霧が晴れて、街並みとその奥の積丹半島の迫力のある景色が楽しめました。

余市の町に戻りました。さて、海岸沿いトレースです。

途中、竜ヶ崎という岬がありました。バイクで近寄ってみたのですが行き止まり。でも徒歩で獣道がついています。恐る恐る進んでみると、突然視界が開けて断崖絶壁の横に出ました。30cm足をずらしたら崖下へドロップです。慎重に林を抜けると、、、ありました、竜ヶ崎です。短いかなと思ってカッパのままでいったので汗だく異なりましたが、神威岬に迫る迫力の岬に立てて大満足でした。

次の岬はちょっといけなさそうなので写真を撮って小樽市内に入ります。

とりあえず小樽運河の横にバイクをおいて写真をパチリ。

大阪から来た年配の方が日本一周看板をみて声をかけてくれました。なんども小樽へは来てるそうで、30年前と比べるとだいぶ様変わりしているなと言っていました。

小樽名物をしらべたら、あんかけ焼きそばが出てきたので、手近な駅前のショッピングセンターに入っているお店で食べてみました。からしと酢がきかせられてボリュームもありお腹一杯になりました。950円でした。このショッピングセンター、テナントで数件飲食店が入っているのですが全部ラーメン屋で面白かったです。

さて、今夜の野宿場所を探すかなと携帯を充電しようとしたら・・なんと持ってきた20000mAのモバイルバッテリーが全く充電されていませんん。さっき晴れ間に2時間くらい給電してたのに。どうやら寿命のようです。小樽にPCショップを探したらこれがなく、こまりました。携帯が充電できないと明日の走行に支障がでます。

そういえばさっき、あんかけやきそばを探している時声をかけてくれたスクーターのおじさんが、「うちのライダーハウスさがしてるの?」と聞いてくれました。思い立って調べたら、なんと駅のすぐそばのビルの中に「ライダーハウス小樽」という宿があるそうです。ライダーハウスって郊外にあるものですが、こんなビルの中に入っているとは。

目の前まで行くと中は真っ暗。おそるおそる戸を開くと鍵はかかっていないようで、奥に電話番号があります。ここに書ければいいのかな、とダイヤルしようとすると、奥からスーツの方が出てきて「ご利用ですか」と聞いてくれました。

どうも、この方(ミズさんというそうです)、オーナーのお友達で、仕事帰りにここに来るライダーと飲むのが趣味なのだとか。しばらくお話ししてオーナーに電話していただいて宿泊の許可をもらってくれました。「料金はそこの箱に入れておけばいいよ」と、楽なものです。銭湯の場所をおしえてもらったので久しぶりに入浴しに行くことにしました。

柳川湯の番台さんは、入ったらすぐに出たくなるくらい、見た目が強面。ですが喋ると優しい感じ。ゲインロス効果で好かれるタイプですね。昭和な感じでしぶい作りの柳川湯のお湯はずっと水シャワー生活だった体をポカポカに温めてくれました。

脱衣所にもどると、そとから強烈な雨音。天気予報では今夜は晴れのはずです。どうも外れたみたいです。つくづく雨男ですね。しかしモバイルバッテリーが壊れず、そのまま野宿していたらずぶ濡れになるところでした。なにが幸か不幸かは後になってみないとわからないですね。ひとまず今日はラッキーでした。

だだっぴろいライダーハウスに今日の客は僕一人。たった1500円ですが、なんだか贅沢な気分で夜を過ごしました。

今日の走行距離:276.9km(積算:1769.6km) 燃料代: 850円/4.89l(積算:3950円/22.25l) 食費:1474円(積算:5242円) 宿泊費:1500円 入浴代:450円 小計:4274円 総合積算:17979円

9月20日(7日目)

5時。ライダーハウスで目が覚めました。誰もいない部屋。客は結局僕1人だったみたいです。電気を消して戸締りをし、お菓子箱に料金を入れて出発します。

いつものテントと違って撤収がとてもスピーディーです。

さて、小樽から北に向かうのですが、その前にちょっと手前に高嶋岬と呼ばれる場所があり、ちょっと行ってみることにしました。

道路はちょっと複雑で迷いましたが、何とか灯台まで到着。親子連れが歩いていて、声をかけたら苫小牧からやってきてすぐ近くの旅館に泊まっているのだそう。写真を撮りっこしてもらいました。苫小牧は王子製紙が有名でなんでも、戦時中はそこが攻撃されてたとのこと。新聞情報しかない時代だったので情報戦術といったところでしょうか。

別れを告げて、石狩のほうに向かいます。今日はやることがたくさんあります。たまった、洗濯物の、洗濯、壊れたモバイルバッテリーの代わり購入、同じく破れたキャンプマットの代わり購入です。

石狩から国道を南下して札幌に入ります。ここに入れば何でも手に入ります。まずはコインランドリー。手で洗って乾燥だけしようかと思ったのですが、よく考えたら脱水した方は乾燥料金が安くなるので、300円でまず洗濯することにしました。その間にドンキホーテに行きます。薄型の携帯性の良いものがコールマンの半額で売っています。なんとフットポンプ内臓。4300円で購入決定です。ドン・キホーテなのでちょっと怪しいですけどね笑

そうしている間に洗濯が終わったので乾燥機にかけます。衣類はなるべくポリエステルで揃えているので、すぐに乾くのです。10分100円で完了です。

次はモバイルバッテリー。20000mA級のものは高価なのですが、パソコン工房のグリーンハウスの製品なら2000円で手に入ります。

札幌時計台を写真撮って、札幌の南へ。イオンタウンにお店があったので買って中身だけもらってきました。同じイオンタウンにダイソーがあったのでこの前の風でヒビが入ったパニアケースの補修にエポキシボンドを買ってきました。とりあえずヒビに流し込んで布テープで押さえます。旅の終わりまでもつと良いのですが。あと荷締めロープが足りなくなったので補充しておきました。ダイソーはどこにでもありますし何でも揃って便利ですね。

用事が済んだので、札幌市内を迂回して石狩に戻ります。日本海側に出ると強烈な風と寒さ。思わずダウンを着こみました。

途中、増毛の手前で国道が通行止め。なんでも落石事故みたいです。短い迂回道はなく、はるか内陸部まで入ってからかなり先の海岸線沿いに出なければいけません。

今回の旅の目的は、海岸のトレースなので、これは困りました。ダメ元で警備員さんに頼んでギリギリのところまでいかせてもらうと、そこの担当の人が、工事がもうすぐ終わるかもしれないと言っていました。1時間位だそうです。行ってみるものですね。

そこでぼーっと待ってると、スクーターのおばちゃんは声をかけてきました。「あんた増毛までいきたいんでしょ、迂回路を教えてあげるからついておいで」

いや、待ってますからと言うこともできず、とりあえずついていくことにしました。林道の入り口まで教えてもらって、この先へ行けば落石現場の奥に出るそうです。とりあえず行ってみることにしました。

最初は舗装された山路だったのですが、だんだん未舗装路に。かなりのロングダートです。まさかこの旅でここまでのダートを走ると思っていませんでした。かなりの時間をかけてようやく国道へ。

気になったので、ちょっと戻って警備員さんに聞いてみると、何でもたった今開通したそうです。結局待ってればよかったことになりますが、まぁ面白い経験をしたので良かったとしましょう。

そんなこんなで増毛へ。お目当てのチューオースーパーに行きます。ここには豚ジスカンと言うジンギスカンの豚版みたいな名物が置いてあります。冷凍なので水で溶かして持ってきたバーナーで焼いて食べたらとてもおいしかったです。

温度は15.1度。かなりの寒さです。さっきドンキホーテで買ったマットを使ってみました。フットポンプ付きとありますが、足で踏んでいたら明日の朝になりそうな位、空気が入るのが遅いです笑結局口で入れたほうが早かったです。それでも面積が広く設置間もないので気に入りました。

テントでブログを書いていると、外でドカンと音がしました。いつも愛用していた水シャワーが風で落ちて破裂した音でした。

この水シャワー、サーフィン用でなかなか手に入りません。Amazonならすぐ手に入るのですが。知人のアドバイスで遠方でもヤマトの営業所で受け取れるサービスを教えてもらいました。土曜日に到着との事なので、余裕を持って根室の営業所に送ってもらうことにしました。それまではダイソーの水タンクを改造して何とか凌ごうと思います。

なんでも、こうやって壊れるのが1番出費が大きいですね。どれも自分の不注意によるものなので、こうやって学習して注意して使うようになれるので、勉強代ですね。

今日の走行距離:236.8km(積算:2006.4km) 燃料代: 770円/4.38l(積算:4720円/26.63l) 食費:1299円(積算:6541円) 洗濯代:400円 用品:9698円(積算:10695円) 小計:13667円 総合積算:30046円

9月21日(8日目)

寒い!

あまりの冷えに目が覚めてしまいました。時刻は午前3時。外の温度計を見ると11.5度。昨日の晩は15度はあったのでさらに4度近く気温が下がったことになります。

まだ稚内までは200km以上あるのにこの寒さ。まだ9月なのに今後耐えられるのか心配です。

寝ないと走行に支障が出るので、ダウンジャケットを寝袋にいれて丸まって寝ました。

5時。次に目覚めた時刻です。そろそろ出発しましょう。幸い雨は降らなかったみたいです。濡れてないので撤収は簡単です。昨日パンクしたシャワーバッグが痛々しいです。根室でAmazonからの送付を受け取るまで耐えるしかありません。

出発です。昨日立ち寄って戻った増毛の朝の静かな街を抜けて海沿いの道へ進みます。

しばらく進むと留萌の街がありました。特に用事もないのでそのまま突き抜けます。

途中、セイコーマートでまた朝食を買って食べました。朝はなるべく早く動くのがポリシーなので絶対に自炊することはないでしょう。この時間やってるお店はセイコーマートくらいなので、また都市部へ戻るまではしばらくはお世話になりそうです。

やがて三毛という街にはいりました。巨大な熊のモニュメントがあったので写真をとっていると、市の職員さんに声をかけられました。なんでも今日から交通安全週間でのぼりをたてているとのこと。日本一周している人はこの辺りでは珍しくないのだとか。さすが稚内への道です。この辺りに何かありますか?と聞くと、三毛ヒクマ事件の展示館や再現現場を教えてもらえました。展示館は10時からなのでまだまだ開かないので、現場の方へ行ってみます。

この事件、聞いたことはあって大正時代に村人が冬眠に失敗した飢えたヒグマに次々に殺された凄惨な話です。まさかここにその現場があったとは。興味深いです。

海道沿いの道を外れること20km強、ベアロードと名付けられたその道を進んだ先のダートの奥に、その現場はありました。

古い藁葺きの民家と巨大な熊のモニュメント2つ。木についた熊の爪痕が生々しいです。話を知らないとなんてことない小公園なのですが、Wikipediaなどで調べてみるとその壮絶な話を知ることができ、いつ3匹目の熊が出てくるのではと冷や冷やしながら再現物を眺めます。案内板に書かれた子供が楽しそうに散策しているのが印象にのこりました。

すぐ帰り道には神社があり、そこに亡くなった7人の名前が刻まれていました。一人は妊婦で熊に「お腹裂かないで、喉を食って」と必死に自分の胎児をまもろうとしたという先ほどの場所に書かれていた逸話が頭をよぎります。

今はなんてことない農村で、ところどころにヒグマがシンボルのように使われている平和そのものの街です。過去にはそんな出来事があったとは信じがたいですね。

さて、海沿いの道に戻りました。次に行きたいのは、羽幌というところの炭鉱跡。こちらも20kmくらい内陸にはいったところです。さきほどの事件現場もそうですが、軽く寄り道するだけで往復40km!です。ちょっとした1日ドライブの距離ですよね。稚内も200kmの案内がみえて「もうすぐだな」という気分になりました。まったく北海道にいると感覚が狂います。

炭鉱跡は案内看板に従えば簡単にいけました。ポイントポイントに紹介が書いてあるのでその時代の建物かどうか見分けをつけるのは簡単です。

まず最初についた選別所の巨大な廃墟に圧倒されました。いつ崩れてもおかしくない建物ですが、廃墟マニアでしょう、獣道のように往来したあとがあります。さすがにそこまでは怖いので入りませんが、その雰囲気に飲み込まれそうになりました。

その先には病院跡やアパートの跡があり、当時の生活感が伝わってきます。当時炭鉱職はとても福利厚生のきいた職業で、一般企業の3倍も従業員への還元があったそうです。またお風呂も完備され、出退勤は一般のサラリーマンと同じ格好で出入りしてたのだとか。ちなみに前述のアパートは築造後1年で、炭鉱が廃鉱になったため使わられなくなったそう。もったいないですね。

再び海沿いの道へ戻ります。安易にショートカットしないのが海岸トレーサーの責務です。

初山別というところに岬があったのでバイクと一緒に写真を撮りました。隣には海岸線を一望できるとても見晴らしの良いキャンプ場が用意されていました。今回はタイミングがあいませんでしたが、ぜひ利用して朝の風景をみてみたいですね。

稚内へ近づき、放牧された牛や大量の風車、巻藁など、いかにも北海道という風景が目に入り、都度都度バイクを降りて写真を撮ってしまいました。左手には利尻島の形の良い利尻山と礼文島の影が見えます。

ガソリンスタンドがなくちょっとギリギリになりましたがなんとか稚内の手前、ノシャップ岬につきました。外国人の方が自分の自転車の写真を撮ろうとしていたので声をかけてとりあっこしてもらいました。なんでも成田から入って東北を通ってここまでたどり着いたのだとか。たたでさえ自転車ですごいのに、外国からだと荷物の用意も大変だろうに感心しました。僕と同じく利尻島礼文島へ渡る予定らしいのですがテントの破損で2日くらい稚内にいるそうです。道具のトラブルで悩むのは旅人の共通事ですね。

ノシャップ岬から稚内市に到着。ガソリンはもうメーターの最後まできていました。危なかったです。

稚内市役所で宗谷岬で一緒に写真を撮る到達証明と利尻島礼文島のパンフレットをもらいます。時刻は3時。まだ利尻島への船に間に合いそうです。今夜は稚内に泊まって明日の朝わたるつもりだったのですが、時間を節約するために今日利尻島に渡ってしまうことにしました。カウンターで受付して札をもらいバイクにくくりつけます。セイコーマートで明日の朝と今食べる食事を手早く買って、船の中で食べました。2時間の短いクルーズです。中には作業スペースもあり人も少なく寛げました。

甲板にでてみると夕陽に映える利尻山がとても印象的でした。

「乗り物の方は下に降りてください」

いよいよ到着です。まだ明るければ夕日の丘に行こうかなと思うももう真っ暗。そのまま近くのキャンプ場に行きます。チェックインは19時まで、520円でした。バイクもサイト近くに停められるいいキャンプ場です。

あまりに寒いので持ってきてめんどくさいので使っていなかったフライシートを出してみました。少しは寒さがましになるといいのですが。

正面に温泉があったので用意してから行ってみました。露天風呂は地元の人の談笑の場になっていました。聞いているとなんでもこの地区では子供は現在3人しかいなく将来が心配だ、昔は100人はいたんだがな、という内容でした。切実な少子化ですね。

外国人の方が一人で入浴していたので声をかけたらスイスから来ていて今日利尻山を踏破してきたとのこと。僕も登ろうかと思ったのですが標高差1500mでコースタイムが11時間なので断念した山です。彼はそこをなんと7時間で踏破したのだとか。さすが山岳王国、スイスですね。前に世界一周した時、天候でスイスはあまり時間が取れなかった話をすると、いろんなおすすめの場所をWhatsupで送ってくれました。またぜひ行きたいですね。

風呂から上がると、なんと持ってきたボディソープが盗まれてなくなっていました。ドラッグストアで買えばいいだけなのでダメージは少ないですが気は抜けませんね。

明日は早起きして利尻島をまわりますよ!

今日の走行距離:306.6km(積算:2313km) 燃料代: 958円/5.21l(積算:5678円/31.84l) 食費:1583円(積算:8034円) フェリー代:6170円(積算:10410円) 入浴:500円(積算:950円) 宿泊:520円(積算:2020円) 小計:8711円 総合積算:38757円

9月22日(9日目)

寒い!

時刻は午前2時55分。いくらなんでも早すぎです。

すこしでも寒さがマシになればとフライシートも使いましたが結局寒くて起きてしまいました。さすが日本北端の島、利尻島です。

とはいえ、今日は午前中、次の礼文島に行くフェリーが9時代なので早く動きたい、というのはあります。

無理やりあと1時間だけ寝て4時に支度を始めました。フライシートの裏は夜露でべちゃべちゃになっています。グランドシートもかなりの濡れ。雨が降らなくても気温が寒いだけでここまで水がつくのですね。

朝食も今日は昨日買ってあったパンと缶コーヒーをテントの中で食べました。そんなこんなでバイクにエンジンをかけたのは午前5時。結局1時間準備にかかったことになります。

今日まず行きたいのは利尻山の3合目にある甘露名水と呼ばれる湧水。登山口はキャンプ場からでて真っ直ぐ北に進めば突き当たって見つかりました。そこからコップをもって300m歩きます。真っ暗な夜道ですが、利尻島にはヒグマはいないはず、だって泳いでこれないから。多分。

ヘッドライトを頼りにしばらく歩くと湧水がみつかりました。特にコップなどは用意されておらず、地面から湧いているスタイルです。コップを持ってきてよかったです。

甘露名水は無味無臭の不思議な水でした。大抵の水はなにかしら味がするものですがこれはまったくそれが感じられませんでした。クセがなくて登山にはちょうどよさそうですね。

名水を飲み終わったらフェリーターミナルの近くまでおりて「夕陽の見える丘」にいってみました。夕日と言うより今は朝日でしかもまだ太陽は登っていないのですが、空は明るんでいて、昨日とは異なり天気は晴れていて利尻山も頂上まではっきりと見えます。丘といってもなかなかの高さでした。

時計回りのルールに従って島を左回りに回ります。チャリダーが2人走っているのを追い越しました。実はこのチャリダー、あとで礼文島で再開することになります。

まずは姫沼。沼と言っても池で奥に朝日に染まった利尻山が見えてきれいでした。外側の道路からは往復4kmくらい。

続いても沼です。オタトマリ沼。こちらは波が立っておらず、利尻山がちょうど逆さまに写ってとても美しいです。すでに写真を撮っている人がいたのですが、こちらはスマホ写真なのでお先にどうぞと譲って頂けました。

白い恋人の丘はその名のお菓子のパッケージの絵の角度の利尻山。意識してみたことはなかったのですが、北海道にいるうちにみることもあるでしょう。

北の離島にきたら生ウニ丼を食べたいなと思っていたのですが、ちょうど利尻島の南端におみせがありました、が、残念ながら開くのは8時からとのこと。あまりタイトにしたくないのでここでは諦めました。価格は3000円とかいてありました。あとで知ったのですが、利尻島のウニはもう時期が終わっていて仮に開いていても食べられなかったみたいです。

島の西側にまわります。ポン山とよばれる小高い丘?が利尻山のよこに点々としているのがみえました。

時間はすぐに立ち、時刻は午前8時前。そろそろフェリーターミナルに行った方がいいでしょう。

ターミナルの待合室はとても快適で次の利尻島のガイドを見ながら計画を立てていました。と、突然騒がしくなりたくさんの人が入ってきました。どうやら前の便の稚内行きの搭乗が開始したようです。

人混みの中に、昨日のスイス人の旅行者の姿がありました。風呂で会ったので装備は始めてみたのですが、気で作った自作スティックにリュックサックひとつ。これだけの装備でマレーシアから日本、韓国と山登りキャンプを連続するとは、とても感心しました。記念に二人でセルフィをとって、お互い良い旅をと別れを告げました。

利尻島から礼文島行きのフェリーはバスのように短いです。乗り場で一緒になった大型バイクの方と行先などを喋っていたら搭乗時間になりました。一時間ほどですが話し相手ができて暇をすることがなかったです。川崎の方とのことで、その辺りに行った時のアドバイスwおもらいました。

やがて礼文島に到着。大型バイクさんに別れを告げて、一路向かうは日本最北端の山、礼文岳。ここから10kmくらいです。

トラックログにフェリーの航路も記録するようにしていたのですが、今回は失念していました。あとで手動で作ります。

15分ほど走ると、ありました。礼文岳登山口です。すでにレンタサイクルが2つありました。頂上で一緒になれば写真を撮ってもらおうと期待します。

礼文岳の登山道は最初はかなり平坦。林の中を山歩きといった雰囲気です。ヒグマは利尻と同じ理由でいないでしょう・・多分。

獲得標高はなかなか上がりませんが距離はかなり進みました。ここから上りが急になります。すぐに視界がひらけて海や先ほどの利尻山の美しい姿が目に入るようになりました。

わずが300m登っただけなのですが周りは高山植物。まるで本土の2000mクラスの山に登っている気分でお得です。

登り返し1回だけがあり、無事頂上につきました。予想通りご夫婦がさきにいらっしゃったので写真を撮りっこしました。360度海のパノラマ絶景です。離島登山ならではですね。お二人はなんでも稚内の地元だそう。こんないい場所が地学にあるなんて羨ましいです。

程なくして男性2人組も上がってきて写真をお願いしてくれました。快諾してバシャパシャとります。いろいろなポーズで嬉しそう。北見から来られたそうで、このお二人とは帰り道一緒に歩いて、話し相手になっていただきました。すぐに時間が過ぎ、ふもとに到着。バイクのプレートの後ろのツイッターをフォローしてもらいました。

初めて気付いたのですが、IDがインスタなのかツイッターなのかわからないみたいで、自分も改めて気付きました。早速マスキングテープで「Twitter」と書き、IDの横に貼り付けておきました。

ちなみにこのお二人、朝利尻島ですれ違ったそうで、日本一周プレートで覚えてくれていたそうです。役に立つプレートです。

フェリー時間は17時、現在13時すぎ。島を回る時間は十分あります。まずは北側手前のスカイ岬へ。ここに生ウニ丼があることは調査済み。値段は2000円程度とネットに書いてあったのですが、今見たら4000円。たかっ。でも背に腹は変えられないのでオーダーしました。

脂のたっぷりのったウニ丼は旨味たっぷりでとっても美味しかったです。食後に中のおじちゃんからきいたのですが、もうウニの時期は終わる直前で、利尻では9/15に終了、礼文でも9月いっぱいだったのだとか。ぎりぎりに食べられてラッキーでした。

マリン岬をみてから最北端のスコトン岬へ。本当、変わった名前の岬が多いですねw。画家のおじさんがずっと座って絵を描いていました。他に観光客がいなかったのでやむなくお願いしたら、冗談をいいながら写真を撮ってもらえました。こんなきれいなところで1日絵を書ける生活なんて羨ましいですね。

最北端からは内陸の丘の上を通る岬回りルートに入ります。ここは車1台分しかない峠道なのですが、低い草の丘を練るように走るのはジェットコースターのようで爽快。景色もずっとWindowsXPの壁紙のようでした。このルートは礼文島にこられたら絶対おすすめです。

港に戻ってきたらあと1時間ほどあったので、島の南の道や、唯一のトンネルを通って奇石をみたりしていました。戻ったらちょうどフェリーの受付時刻でした。完璧です。

受付を済ませて今日の宿を考えます。稚内に、みどり湯と呼ばれる銭湯併設のライダーハウスがあるのを聞いていたので、電話したらおばちゃんがOKをくれました。ネット情報によれば彼女がオーナーさんのようです。人気のある宿なので賑やからしいのですが、どんなところかドキドキします。聞いたら最終フェリーの場合は到着が8時くらいになって真っ暗になるので気をつけて、とのことです。

その前に、昨日風呂場で紛失したボディーソープを稚内でかわなければいけません。これ一本でシャンプー、身体、洗濯とマルチに使えていたので、これの紛失は痛いです。ニベアボディーソープという製品です。

フェリーはもう4回目なので乗りなれたものです。今回は2等船室のコンセントの横が空いていたので電気をもらいながら、レシートの整理とブログ書きをして短い船旅をすごしました。

さて、稚内に到着しました。今日の目的地は、みどり湯という場所。どう見ても銭湯の名前なのですが、これが有名なライダーハウス。

銭湯に併設したライダーハウスで、ドミトリー式で雑魚寝ではなくベッドで寝ることができます。

談話室は23時までで地元やはるばる福岡から来られたライダー達と談笑を楽しめました。ライダーハウスは9月いっぱいの営業とのこと。

明日はいよいよ宗谷岬に向かいますよ!旅もこれで1/4です!

今日の走行距離:165.9km(積算:2478.9km) 燃料代:494円/2.41l(積算:6172円/34.25l) 食費:4320円(積算:12194円) フェリー代:9190円(積算:19600円) 入浴:480円(積算:1430円) 宿泊:1800円(積算:3820円) 日用品:547円 小計:16811円 総合積算:55588円

9月23日(10日目)

パチ

気持ちよく目が覚めました。時刻は午前5時。丁度良い時刻です。やはり暖房は快適です。

このライダーハウスの駐輪場は朝早く出るバイクを手前にして、奥のバイクの邪魔にならないようにしなければいけません。昨日、自分が早く出るからと豪語して手前に入れ替えさせてもらっていたので心配だったのですが、どうやら僕が一番のようです。よかった。

朝日の中、最北端の地、宗谷岬に向かいます。湾内は波も無く空が映り込んで美しいです。

宗谷岬は誰もいませんでした。写真を撮って欲しいのにこれは誤算です。三脚じゃ低すぎていまいちです。

また張り込みしていると、近くの旅館に泊られたという方が散歩に来られたので写真をお願いしました。よかったです。手にはもちろん到達証明書。これは合わせ絵になっていて四つ合わせると一枚の証書が完成するのです。

宗谷岬の上には宗谷丘陵が広がっておりバイクで走れます。また高原のような景色を楽しみました。途中、白の道と呼ばれる文字通り真っ白な砂利道があり面白い写真が撮れました。牛もたくさん放牧されており、北海道らしい巨大な農機とすれ違うなど印象に残る道でした。気に入ったで往復したくらいです。

さて、最北端ですのでここからは南下するのみです。海は日本海から太平洋オホーツク海に変わり、波は穏やかです。

猿払村のセイコーマートで朝食を食べていたら漁師の人に声をかけられ、「地元のものだからあげるよ」と猿払産のホタテバターをもらいました。嬉しいですね。もうプレート元取れた気がします。冷凍だったのでセイコーマートのレンジを借り、ありがたく頂きました。

クッチャロ湖畔のキャンプ場が綺麗と聞いたので寄ってみました。確かに湖畔に山が映りこみ優雅に過ごせそうです。しかしまだ時刻は午前10時なので残念ながら先に進むことにしました。

実は北海道には神威岬がもう一つあります。浜頓別の北見神威岬です。国道のコーナーから歩いて灯台までいけるので、近くで写真を撮っておきました。

少し過ぎて枝幸というところに北緯45度広場という場所がありました。GPSを見るとたしかに丁度45。北極と赤道の丁度中間地点です。

やがて中規模な町、紋別市にたどり着きます。ここの巨大なカニバサミのオブジェは有名なので立ち寄ってみました。最初は海上にあったのだとか。きっと海の中に大きなカニがいるようにみえたでしょうね。

湧別町の道の駅遊園地の観覧車を見ながら進むとやがて今日の目的地、サロマ湖です。ここのキャンプ場は僕が昔、生まれて初めて北海道に来た時に初めて泊まった場所です。朝小樽にフェリーで降りて一日中走って一気にここまで来たのを思い出します。

食堂はないので、セイコーマートで、昨日地元ライダーにうかがった「焼きそば弁当」を買ってみました。変わった名前の焼きそばで、茹で汁を使って中華スープも楽しめるといったものです。茹で汁の油がスープのコクになるのでしょう。

さて、サロマ湖のキャンプ場につきました。サロマ湖のキャンプ場は2つあるのですが、湖面の夕陽が綺麗だった覚えがあったので西側が開けているキムアネップ岬のキャンプ場に特定しました。

テントを張って沈む夕陽をみると以前来た時のことが思い出されます。

コインシャワーは残念ながら故障中だったので頭だけを水道で洗いました。思えば出発してから身体を洗わない日は初めてです。携帯シャワーが故障中なので仕方ないですね。

蚊がまだ多かったので例の防虫防水スプレーをテントにかけたらいなくなりました。確かに効果あるようです。スプレーはもう空になりました。またどこかで買います。

今日は時間に余裕があったのでのんびり景色を眺めてから焼きそば弁当に買ってきたチキンをのせて頂きました。

そう言えばバイクの後ろタイヤがスリップサインまで1ミリくらいになっていました。どこかで交換の必要がありそうです。

明日は知床半島、できればカムイワッカの滝登りに挑戦を狙っています。例によってタイトスケジュールですが頑張りますよ!

今日の走行距離:308.2km(積算:2787.1km) 燃料代:796円/4.32l(積算:6968円/38.57l) 食費:1237円(積算:13431円) 小計:2033円 総合積算:57074円

つづく

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