石川とり白菜鍋の双璧 さぶろべい食堂(石川県かほく市高松/金沢市藤江)
とり野菜といえば石川県を代表する郷土料理です。正確には「とり野菜」と「とり白菜」に区別され、前者はみそスープ、後者は醤油ダレにつけて食べます。石川県民であれば一度は、とり野菜派ととり白菜派かで語りあった経験があるものです。
鍋というと高価な印象ですが、とり野菜系はとても安価で普段から地元の方々に親しまれています。ちなみに、とり野菜の「とり」は鳥ではなく「摂り」であり、野菜を摂るという意味だそうです。
そしてとり野菜の聖地ともいえる石川県かほく市には、とり野菜の代表である「レストランまつや」、そして今回紹介する、とり白菜の代表店である「さぶろべい食堂」が店を構えます。
さぶろべい食堂はなんと創業50年。名の通り三郎平という方が起したお店だそうです。とり白菜の要である醤油ダレは三郎平さんの秘伝の味です。
メニューにはとり白菜以外にも豚白菜などバリエーションがならびます。どれも安価で焼き肉などと異なり、人数分頼めば十分な量があります。初めての場合は、まずとり白菜をオーダーしましょう。
すぐに給仕される鍋には山盛りの白菜。中が見えません。箸でのぞくとその底には一般的な鍋物のようにスープはなく、下味がつけられた鶏肉がならんでいるのみ。そう、とり白菜のスープは白菜からでるエキスのみなのです。
一緒に出てくる秘伝だれには生卵が浮かびます。すこしタレを舐めてみるとほんのり甘みの利いた味わい深いしょうゆ味。これだけご飯にかけて食べたくなるくらいなので、ぜひライスも一緒に注文しておくこともおすすめです。
ちなみにとり白菜以外の人気メニューは「かわ」。とても柔らかく煮込んだ鶏かわをたっぷり和からしで食べます。かなりの量で値段はなんと280円(2014年現在)。テーブルに置いてある一味もよくあいます。
しばらくすると白菜が縮小し、まさに「鍋」になってきます。底にはほんのり黄色みがかった白菜から抜け出たエキスがたっぷりと鶏肉を覆います。
鍋の後のうどん玉も定番です。元々スープレスの鍋なので、うどん玉の方にはたっぷりとスープに浸されています。単なるうどんではなく、コシが強めの、それだけでうどん専門店レベルのものです。量は鍋2人前に対して1玉くらいで十分だと思います。
余談ですが、このさぶろべい食堂、ここかほく市と金沢市藤江の他に白山市にも同名のとり白菜の店がありますが、そちらは別経営で名前が漢字なのが違いだそうです。ただし、秘伝タレ自体はこちらの本家からおろされており、味は同じなのでご安心を。
項目 | 三段階 |
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混雑度 | ☆☆ |
給仕速度 | ☆☆☆ |
秘伝ダレ | ☆☆☆ |
価格満足度 | ☆☆☆ |
定休日 | 火曜日 |
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TEL | 076-281-0529 |