BOSS RC-1ルーパーのレビューとオーバーダブモード切り替えの方法
ルーパーというのは一種のマルチトラックレコーダーです。一般的なレコーダーとは異なり、パートごとに編集するというよりはその場の即興で音を重ねて一人で合奏するのが主な用途です。
Youtubeなどを探すとルーパーを使ったスーパープレイをいろいろ見ることが出来ます。
BOSS RC-1はローランドBOSSのループステーションシリーズの中でも最もシンプルなルーパーです。他の型番との違いはエフェクターの有無やループトラック数くらいなので、単純にルーパーだけほしい場合はRC-1がベストです。
RC-1がどれくらいシンプルかというと、なんと電源スイッチすらありません。操作はペダルと出力レベルの調整のつまみのみ。それではどうやって電源を入れるのかというとOUTPUTAの端子にプラグを挿入、それが電源スイッチ代わりとなっています。
こんなシンプルなRC-1ですが入出力はちゃんと2系統ずつ、ステレオにも対応しています。たとえば片方はベースで片方はギターやウクレレといった使い方が出来ます。INPUTBはステレオ対応なのでステレオ対応エフェクタを繋ぐことも可能です。
RC-1には設定モードがあります。設定モードへの入り方はペダルを押しながらOUTPUT Aにプラグを挿入(つまり電源オン)。インジケータが半円になれば設定モードに入っています。
設定モードで変えられるのは2つ。一つはペダルを一回押した時のオーバーダブの入り方の順番、もう一つはペダルを2回おした時の停止の振る舞いです。
まず、半円が赤の時、ここでペダルをダブルクリック(2回押す)と赤の半円が上下に切り替わります。
赤半円の方向 | ペダルを押した時の振る舞い |
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上 | 録音→オーバーダブ→再生→オーバーダブ・・ |
下 | 録音→再生→オーバーダブ→再生・・ |
ペダルをシングルクリック(1度押し)して今度は停止の設定です。半円は緑になります。同じくペダルをダブルクリックで緑の半円が上下に切り替わります。
緑半円の方向 | ペダルを二度押しした時の振る舞い |
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上 | すぐに停止 |
下 | 停止予約になりループが一巡りしたら停止 |
設定したらOUTPUTAのプラグを抜けば完了です。もう一度挿すと設定が反映されています。
さて、いよいよ使い方を見ていきましょう。
電源を入れて入出力を繋ぐとCHECKのLEDが光り準備完了。
この状態でペダルを踏むとすぐに録音開始します。もう一度押すと録音終了し今弾いたフレーズがループ再生されます。
ここで先程の赤半円上モードの場合はそのままオーバーダブで録音が開始されます。赤半円下モードの場合はループ再生のみ。
一呼吸おいてから音を重ねたい場合や、1トラックの伴奏だけで十分な場合はは赤半円下モードがおすすめです。
オーバーダブ中は一巡りしてもまたオーバーダブされるので止めたいときにはペダルを踏んでオーバーダブモードから再生モードにしましょう。
いずれの状態でもペダルをダブルクリックすると再生を停止します。先程の設定の緑下半円モードのときは停止は予約扱いになりLEDが点滅、一巡りしたタイミングで自動的に止まります。通常はこちらが使いやすいでしょう。緑上半円モードの時は2回めの押しで即停止されるので、そのタイミングに合わせるようにしましょう。
LEDは1回転で1ループです。1/4ごとにLED表示が切り変わるので今どの小節かの目安になります。
LED緑だけの場合はループ再生のみ、赤と緑の混合の場合は録音中を意味します。
データの消去は停止中に長押しです。また、再生中に長押しで直前の録音だけを消すことができます(アンドゥ)。アンドゥした状態でもう一度長押しで消した録音を復活させられます(リドゥ)
ちなみにこのRC-1、電池の位置はこんな所にあります。ペダルについているツマミを緩めれば簡単にアクセスできます。電池は9Vです。交換時は忘れずにケーブルを抜いておきましょう。
外部フットスイッチにも対応し、停止をショートカットすることができます。
このようなシンプル系ルーパーには他にもHOTONE WALLYやt.c.electronic DITTOなどがあります。
見てわかる通り、これらは残念ながら入出力1系統のみで外部ペダルにも対応していません。LEDもループポジションまではわかりません。
これらのシンプル系のルーパーの中でも便利なLED位置表示や複数入出力対応など充実した装備のRC-1。演奏の楽しみが倍増すること間違いなしです。