炊飯器対決シャープヘルシオvs象印圧力羽釜どちらがおいしいのか炊いて比較してみた
全体の造りの比較
実売価格は似た2機種、それでも定価はシャープの方が高く設定されているだけあって、そちらは全体の造りに高級感があります。
蓋のオープンボタンを押すと「プシュ」と空気の抜ける音がして静かに開く様は高級オーディオを思い出させられます。
釜にはめずらしい取っ手がついています。釜を炊飯器から取り出す時は隙間に指を入れる必要があったり、洗米した水を捨てる時に持つ部分が狭いと指に力が必要だったりします。取っ手があるととても安定してそれらを行えます。
これが売りの回転ユニットです。写真だと耐久性に不安がありましたが、実際に見てみるとしっかりとした素材で作られています。これ自体、別売りで入手可能です。通販で6000円から7000円程度でした。
対して象印BA10はその売りである釜を囲む様に羽がついておりこの部分に関しては高級感があります。
オープンボタンを押しても空気の抜ける音はせず、ちょっと遅れる感じで勢いよく開きます。それだけなら良いのですがその勢いで最大まで開かれ、炊飯器自体が揺れるくらいにストッパーにあたります。
全体的な造りに関してはシャープと比べるといまひとつの印象です。
ヘルシオの自動洗米
自動洗米といっても完全に自動というわけではなく、水を捨てる作業は自分でする必要があります。
流れとしては以下の通りです。
- 米を釜に入れる
- 水をたっぷりいれ、さっとひと混ぜして米の表面の糠をながす
- もう一度水を入れる。今度はだいたい米に対する分量の通り
- 洗米ボタンを押して開始。30秒ほどで終わる。
- この水を捨てた後に水を分量ぴったりにいれて炊飯開始します。
水を捨ては2回でいいの?と思いますが、美味しさの観点ではこれがベストの様です。確かに研ぎすぎると美味しくなくなるといいますよね。
条件
- 水の量はぴったり目盛り通り
- 炊飯量は3合
- コースはどちらも標準的なコース
- 洗米はシャープは自動洗米。象印はシャープに合わせ同時間、手洗米
- 炊き上がり後すぐに軽く攪拌、時間をおかずに試食
ヘルシオ
炊飯中の回転ユニットの状態は液晶画面にでるので面白いです。給水・炊飯の過程では棒を伸ばし攪拌しながら効率よく水を吸わせ、ムラなく加温します。
最後の炊き上げ工程ではユニットが折りたたまれ、沸騰した泡をつぶし、温度を下げない様にします。他のメーカーではこの過程では吹きこぼれないように温度を下げます。地味に見えますが、この過程が一番味を左右している感じがします。
炊飯中は回転ユニットの音が随時聞こえます。圧力釜の「ブシュブシュ」音ではなく「ウィンウィン」といったモーター音です。決して静かではありません。圧力もそうですが、静かさを求めるのであれば圧力でないIHを選ぶべきです。
炊き上がり時間は象印とくらべるとやや長めです。終わると保温時間が表示されます。
炊き上がってオープンボタンを押すと例の「プシュー」音が気分を盛り上げてくれます。圧力釜ではないので気圧の差ではなく、密閉された釜が負圧になって音をだすのでしょうがプラシーボ効果はありそうです。
強烈な、おねばの香りが立ち込めます。釜に付着した膜がガス釜のそれを思い出させられます。米と米との間の空間が広く、お米が立っています。攪拌が効いているのでしょうか。
食感は標準水量だとしゃっきり系といえるでしょう。噛めば噛むほど甘みがでるのがわかります。柔らかめが好きな人は1ミリくらい水を多めにするとよいでしょう。ふわっとした食感になります。香りの強さはどちらも素晴らしいものがあります。
象印
象印は一般的な釜と同じく手洗米です。釜はプラチナコーティングされているので、米の甘みをまします。コーティングを傷つけないように専用の洗米棒を使うとよいでしょう。
炊飯時間の短さはさすが圧力といったところでしょう。標準コースでも40分台で炊き上げることができます。コースの豊富さも象印の利点です。圧力調整により水加減をしなくても炊き上がりの食感を変えることができます。
炊飯中の音は「ブシューブシュー」と圧力独特のサウンド。吹き出る蒸気に美味しそうなお米の香りが混じって食欲をかきたてられます。
炊き上がり。米の立ち方はヘルシオのほうがやや上でしょうか。香りもよい香りですがやや控えめな印象。
炊いたご飯は圧力ならではのもちもち感があり、噛めば噛むほど甘みがでます。
メンテナンス
炊飯後の洗浄は買う時はあまり気にしませんが重要な要素です。
一見複雑そうなヘルシオの機構は以外とシンプル。回転ユニットはワンタッチで外すことができ、丸ごと水洗いできます。炊飯後はかならず汚れますので毎回洗うとよいでしょう。
釜も取っ手がついているので取り出しやすく洗いやすいです。
難点は、保温の解除。蓋を開けた状態では保温解除できないので、どうしても一度閉じる必要があります。流れ的にご飯を空にしてすぐに保温解除したいので、この点はいまひとつでした。
圧力機構の象印の上ぶたはやや複雑。圧力調整用のボールが入っており、洗浄にはスポンジではなくブラシが必要そうです。羽釜が重いのを心配しましたが、見た目とは反して以外と軽く洗うことには支障ありませんでした。コーディングをはがさない様に丁寧に洗いましょう。
まとめ
項目 | シャープヘルシオ | 象印圧力羽釜 |
---|---|---|
炊き上がり時間の早さ | ☆☆ | ☆☆☆ |
洗いやすさ | ☆☆☆ | ☆☆ |
洗米のしやすさ | ☆☆☆ | ☆☆ |
全体的な高級感 | ☆☆☆ | ☆☆ |
保温解除のしやすさ | ☆ | ☆☆☆ |
メニューの豊富さ | ☆☆ | ☆☆☆ |
音の静かさ | ☆☆ | ☆☆ |
米の間の隙間 | ☆☆☆ | ☆☆ |
甘み | ☆☆☆ | ☆☆☆ |
香り | ☆☆☆ | ☆☆ |
おねばの量 | ☆☆☆ | ☆☆ |