ちゅうがくせいの時に読んでおきたかったお金持ちに成る方法

Wikipediaより

3つの持っているもの

「持っているもの」とはなんでしょう。手に持っているものだけでしょうか。狭い意味ではそうですが、広い意味ではそれだけではありません。例えば自分の家はそこにあるだけなのに「持っているもの」です。それではそれを借りている場合は?または、お金を借りてそれを買った場合はそれは「持っているもの」なのでしょうか。

まずは「持っているもの」について深く考えてみましょう。

3つのもの

管理しているもの(資産)

「管理しているもの」を「資産」といいます。

何でもいいから物を買ったとします。物を買うにはお金が必要ですね。

例えば100円と引き換えに消しゴムを買ったとしましょう。あなたの財布の100円は無くなりましたが、消しゴムが一つ手に入りました。それはそのまま100円で売れるとします。

あなたの「管理しているもの」全体としてはお金が100円減ったかわりに消しゴムが100円分増えました。差し引きゼロということです。

この「管理しているもの」全体のことを、まとめて資産とよびます。

消しゴムを買う

借りているもの(負債)

借りているものもまた「管理しているもの」であるので資産と言えます。別のときに太郎さんから、1個の消しゴムを借りたとします。

あなたの「管理しているもの」全体は1個の消しゴムが増えました。つまり資産が消しゴム1個分増えたということです。

ただし、借りた物は当然、返さなければいけません。

「借りているもの」を「負債」と言います。つまりこの消しゴムは資産であると共に負債でもあるということです。言い換えれば、負債というのは資産の一種とも言えます。

「借りているもの」は誰から借りたかが重要です。それも物の量と一緒に考えます。

消しゴムを借りる

損益(貰ったもの/あげたもの)

借りる以外に「管理しているもの」増やすことはできないのでしょうか。そう、貰えばいいですよね。

例えば花子さんから1本の物差しを貰ったとしましょう。これは「借りているもの」ではもちろんありません。

「貰ったもの」を「損益」と言います。そして「貰ったもの」は「管理しているもの」でもあります。つまり、損益というのもまた、資産の一種です。反対に「あげたもの」も「損益」として考えます。これについては後述します。

「損益」も「借りたもの」と同様に「原因」が重要です。ここでは花子が原因と考えます。

物差しを貰う

「損益」は貰ったものと述べましたが、「あげたもの」もまとめて考えます。その場合はマイナスをつけます。

特別な「損益」として「もとで」があります。これは、最初からある「もらったもの」です。自分自身から「もらったもの」と考えればいいでしょう。

「管理しているもの」=「借りているもの」+「損益」

「管理しているもの」は常に「借りているもの」と「損益」をあわせたものです。消しゴムを借りていて、「やっぱりそれをあげるよ」と言われた場合でも「管理しているもの」は全く変わりませんよね。「借りているもの」の一部が「貰ったもの(損益)」に変わっただけで全体は同じです。

借り物を貰う

例の消しゴムがすり減って100円の価値になったとしましょう。「借りているもの」が100円分減るのと同時に「管理しているもの」も100円分減ります。つまり上の式の左右は同じです。(ただしそれは、その消しゴムを貸してくれたひとが減った消しゴムの返却でもよい場合です。)

費用

それではお金を200円借りて200円の消しゴムを買い、消しゴムがすり減って100円になったとしましょう。この場合はどうでしょうか。消しゴムがすり減っても「借りているもの」である200円は変わりません。他方、「管理しているもの」である消しゴムは100円減っています。残りの100円がないと、上の式が成り立ちません。減った100円はどこから減るのでしょうか。

実はこの場合は、「損益」にマイナスでその100円をつけるのです。マイナスに貰う、つまり「あげた」ということです。すると「借りているもの」の200円はそのままで、「管理しているもの」が100円減った分、「損益」も100円減り全体として上の式が成り立ちます。この「マイナスの損益」の事を「費用」といいます。

管理しているものが減った分は損益

お気づきの通り、「損益」は全体でマイナスにも成り得ます。

なんだか不思議な感じですよね。「あげた」といっても誰にあげたというのでしょう。それは今の場合は「消しゴム」です。あなたの「管理するもの」を「消しゴム」にあげたということです。考え方的には「消しゴム損益」というマイナスの損益が増えたと考えます。そして消しゴムを全部使い切って0になった時、消しゴムという「管理しているもの」は無くなり、「消しゴム損益」という−200円の損益だけが残ります。

消しゴムを使い切った

お金持ちってなんだろう

たくさん「借りているもの」を増やして「管理しているもの」を増やすこともできます。

たくさん「貰ったもの(損益)」を増やして「管理しているもの」を増やすこともできます。

お金持ちと一言で言いますが、一体どちらがお金持ちなのでしょうか。

借金だらけで豪邸高級車を持って贅沢な暮らしをしている人は沢山います。もちろん借金なく優雅な生活を送っている人もいれば、一見質素な暮らしをしていながら「管理しているもの」が莫大にある人もいます。

いったいどれがお金持ちと言えるのでしょうか。その答えははっきりしません。一般的にはどんな形であれ「管理しているもの」が多いとお金持ちと言われていそうです。ただ、自分がなるとすれば「貰ったもの」が多いほうがいいですよね。

どちらがお金持ち?

はたから見てお金持ちかどうかはわかりませんが浪費家かどうかは判断できそうです。

「代金」の考え方

ローンで持ち家は本当に得?

アパート暮らしでは何も残らないから自分の物にできる持ち家をローンで買った方が得だ、なんて聞いた事ありませんか。はたして本当にそうなのでしょうか。

資産を買う時には「代金」が必要です。5000万円の家を買うには5000万円のお金の「代金」と交換します。あるときは別の家と交換かもしれません。その時は交換する家がその資産の「代金」となります。

購入した資産は日々価値が変化します。そして大抵は刻一刻と価値が下がっていきます。家はだいたい年に5%、車はだいたい年に10%価値を下げます。ほっておくだけで劣化したり、古くさくなったりするからです。だれだって新しいものの方がいいですからね。(アンティークで価値が増える場合もありますがこれは後述します)

5000万円の家を買って10年経ったとしましょう(ここでは建物のみとします)。10年経って家の価値は今や約3000万円しかありません。しかし「代金」は当然、変わりません。

「代金」が5000万円のまま関わらず、残念ながら「管理しているもの」である家の価値はもう3000万円しかありません。そしてこの差はどんどん広がっていきます。

家が時間がたって壊れてきたら治します。治す時は修理屋さんにお金を払います。治すと少し家は価値を戻します。この治すための修理費用は、言い換えれば「代金」が増えたのと同じことです。例えば上の家を1000万円かけて治したとしましょう。それは、その家を最初から1000万円増し、つまり6000万円で買ったのと同じことです。

「代金」が6000万円になったにも関わらず、残念ながら「管理しているもの」である家の価値はもう5000万円もありません。そしてこの差はどんどん広がっていきます。

さらに「借りているもの」には大抵、対価(金利)が求められます。借りているものに対して対価を払うということは、裏を返せば、それで買ったものの「代金」が上がったのと同じ事です。上の家をローンでお金を借りて買ったとしましょう。そしてその「借りているもの」に対して金利を500万円払ったとします。これは、その家を最初から500万円多く、つまり5500万円で買ったのと同じことです。

「代金」が5500万円になったにも関わらず、残念ながら「管理しているもの」である家の価値はもう5000万円もありません。そしてこの差はどんどん広がっていきます。

「管理しているもの」=「借りているもの」+「貰ったもの(損益)」の式を思い出してください。

家の価値が下がった場合、その分、「家損益」のマイナス分を増やし、釣り合いをとるのでしたね。上の家が3000万円になったら「家損益」を-2000万円にしてバランスをとります。 古くなって価値が減ったのは分は費用

修理した場合はどうでしょうか。まず「もとで」として1000万円の現金を持っているとします。上の例でいうと1000万円かけて修理した時、まず「管理しているもの」全体から現金1000万円無くなります。そして家の価値が増えます。この時500万円増えたとしましょう。そして残りの500万円は「家損益」のマイナス分を増やし釣り合いがとられます。

修理すると価値は戻るが費用は増え代金が増えたのと同じ

お金を借りて家を建てた場合は、金利を払わなければいけません。でも金利500万円を払っても、家の価値は1円も増えませんよね。そう、この「管理しているもの」から減った500万円のバランスはやはり「家損益」のマイナス分を増やし釣り合いがとられます。

ローン金利も代金が増えたのと同じ

今の家の価値から「家損益」を引いたのを「代金」と考えます。例えば今の家が3000万円の価値で「家損益」が-2000万円だったら、「代金」は5000万円です。

5000万円で買った家を1000万円で修理して、500万円の金利を払って、40年。古くなって価値が無くなって0になったとします。この時、家は0円で「家損益」は-6500万円になっています。この「家損益」を40年の月で割ってみると月約13万5000円。40年間、13万5000円のアパートに住んでいたのと同じことだということです。これを安いと思いますか、高いと思いますか。

費用のみが残る

このように費用(マイナス損益)の中でも特に、ほっておくだけで減っていく(価値が落ちていく)費用を「減価償却費用(げんかしょうきゃくひよう)」といいます。上の年に5%の費用がそれです。

修繕する為の費用は「維持費」といいます。毎年かかる税金も「維持費」です。

修繕も税金も「代金」が増えたのと同じと考えます。

実際の家は土地と建物とは別で、土地の価値は残ることが多いです。また人から見て価値がなくても住めるという意味では無いよりはいいものです。人生を左右する買い物。よく考えて判断しましょう。

プラスの損益

「代金」は増える一方なのでしょうか。例えば家を貸した場合は賃料を貰えます。文字通り「貰ったもの」です。

5000万円の家で100万円の賃料を貰ったとしましょう。「管理しているもの」に現金100万円を加えます。「管理しているもの」=「借りているもの」+「貰ったもの(損益)」の式に従い、「貰ったもの」も100万円増えます。貰ったものの何を増やすべきなのでしょうか。そう「家損益」ですね。費用の場合はマイナスをつけましたが、利益の場合はプラスにつけます。つまり「家損益」が100万円になって釣り合いがとれるというわけです。

「代金」は、その「管理しているもの」の価値から、それを原因とする「損益」を引いたものでしたね。今の場合は家の価値は変わらず5000万円、「家損益」は100万円なのでそれを引いて「代金」は4900万円です。つまりこの家を4900万円で安く買ったのと同じということです。

家賃を貰ったのは安く買ったのと同じ

こんな風に、「損益」はその原因に対して増えたり減ったりし、「代金」もそれによって増減すると考えます。

管理しているものの種類

ゼロ資産

「損益」には「原因」があると上で述べました。そして「原因」は「管理しているもの」である場合が多いです。そして「管理しているもの」には0円の価値のないものもあり得ます。

「資格」はその代表ともいえるでしょう。資格を得る為に学校へ行くには当然代金が必要になります。しかしながら、それで得た資格はそれにより利益を生み出します。そして資格は人に売り渡す事は出来ず、その市場価値は0です。

その「ゼロ資産」を得たり維持するのにのにどれくらいの費用がかかったか、その「ゼロ資産」からどれくらいの利益が得られたかを、その「ゼロ資産」を「原因」とする「損益」として増減させます。

「資格」の例に戻りましょう。ある時、「資格A」という資格を学校に通い200万円の費用で取得したとしましょう。「管理しているもの」に「資格A」がゼロ価値で加わります。そして損益として「資格A」を原因とする費用、-200万円をつけます。その後、その資格を用いて資格手当が月1万円得られ10年勤務してやめたとします。年間12万円で10年で120万円。これをプラス損益として原因「資格A」につけます。−200万円に120万円を加算して-80万円。これが「資格A」の「代金」となります。どうやらこの「資格A」の取得は損益的にいえば、マイナスだったようです。

消耗品

「ゼロ資産」の中でも、特に利益を生み出さないものを「消耗品」と呼びます。食べ物などがそれに該当します。先ほど例にあげましたが、消しゴムなんかは使ってしまうと売ることは実際はできないので、これらも本来は消耗品と考えます。

食べ物や消しゴムをいちいち「管理しているもの」として管理するのは大変ですし、意味も薄いです。これらの購入はまとめて「損益」の「消耗品」という原因にマイナス損益として加えておきます。

消耗品損益は文字通り、減る一方で戻ってくることはありません。

資産家の人が「時計は高級ブランドを買った方が得だよ。飽きたら売れるから」と言っているのを聞いた事があります。同じ時計でも、そのメーカーによって、また売れるかどうかが変わるということです。1000円のブランドなしの中古時計はおそらく売ってほしいという人はいないでしょう。他方、200万円の高級ブランドの時計は、沢山の人が売ってほしいといいます。前者は「消耗品」、後者は次に述べる「減価品」に該当します。なるほど、1000円の時計は使った瞬間に-1000円の消耗品損益なのに200万円の時計は、消耗品でないのでまた売る事ができます。しかし、はたして本当にそちらの方が得なのでしょうか。

減価品

高級時計はまた売る事ができます。しかしながら、大抵の場合は買った「代金」以上で売る事は難しいでしょう。

「減価償却費」を思い出してください。機械は消耗していくので年々価値が減っていきます。価値が減った分は「費用」としてマイナス損益をつけるのでしたね。 また高級時計は大抵は定期的にメンテナンスをしないと壊れてしまいます。「維持費」としてやはりマイナス損益が増えます。

200万円で時計を買って10年。メンテナンス代を年に1万円で価値が100万円になって売ったとしたら、その「損益」は合計-110万円。はたして1000円の消耗品時計を買うのと比べてどちらが得なのでしょうか。時計には満足感などもありますのでよく考えて買い物をしましょう。

この様に、売る事は出来るが、利益は生み出さず費用が年々増えていく資産を「減価品」と呼びます。

増価品

年々価値が減る「減価品」に対し、世の中には年々価値が増えるものもあります。特に古くて希少なものは、だんだん価値が上がっていく場合があります。また高級時計を例にしましょう。古く生産量も少ないが有名な時計があったとします。減価償却はしますが、とても古いのでその変化率はわずか、むしろ年々残存数が減少し価値が上がっていきます。上記同様にメンテナンス費用は年間1万円かかりますが、その価値は年間5%増加していくとします。これを200万円で買って10年で手放したとしましょう。10年後の価値は1.05の10乗で約1.6倍、320万円になっています。増えた分はプラス損益としてつけるのでしたね。+120万円です。メンテナンス代は10年で12万円なので差し引き108万円のプラスです。なんと使っているのにさらに利益まで出てしまいました。あの資産家が言っていた高級時計とはこの様なものを差していたのかもしれませんね。

銀行に預けている預金も増価品といえます。例えば利息が0.1%つくとしたら100万円が10年後には1.001の10乗で1.01で10年で1万円増える計算です。この一万円も「預金」を原因とするプラス損益です。人にお金を貸している場合も預金とほぼ同じです。利息によりその権利は増価していきます。

それならみんな、そんな増価品を買うのではと思いましたか。でも実際はそうではありません。高級時計は壊れるかもしれませんし。人に貸しているお金は返ってこないかも知れません。これらの可能性を「リスク」といいます。増価品を購入するときは単なる損得だけではなく、この様なリスクを考えて慎重に決めるようにしましょう。

ちなみに銀行預金は銀行が倒産しても国が保証してくれます。それでも国自身が倒産する可能性もないことはありません。また、預金をしている事でもっと条件の良い増価品を買いのがす可能性もあります。これらも「リスク」の一つと言えるでしょう。

投資品

株というものがあります。これらは形あるものではありません。誰かが「この権利はこの人にあるよ」と保証しているだけの権利でしかありません。

実は、これらは「増価品」である人に貸しているお金(債権)とほぼ同じものです。ただし決定的に違うのは「返さなくていい」ということです。返さなくていい借金というのに疑問を感じるかもしれません。 そんなの貸すわけがないと思うでしょう。でもみんなが欲しがります。どうしてでしょう。

それは「配当」と「信用」があるからです。株を持っている人にはその企業の業績に応じて配当、つまり利息が支払われます。銀行に預けていたら年に0.1%、株だと年に1%と10倍だったら、ちょっと株として持っていてもいいかなと思いませんか。ただし上記の通りその企業が倒産したら貸したお金は返ってきませんが、まず潰れる事は無いだろうと、ちょっと思いませんか。それが「信用」です。

株は売り買いすることができます。その価格は上の配当や信用により増減します。ある時、配当が1%から10倍の10%になったとしたら、みんな欲しがりますよね。みんなが欲しがると高い値段でも買いたい人が増えますからその取引価格は上がります。取引価格があがると、同じ配当額でもその割合は下がります。ある価格で10%の配当でも10倍の価格で買った人から見れば、1%でしかありません。こんな風に株価は配当に応じて自然と変化し、配当率はどの株もだいたい同じ値になっていきます。(無配当でも株価が上がる場合もありますがそれはまた別の機会に説明します)

前の章で説明した家などの不動産も投資品としてとらえることも出来ます。人に貸すと賃料としてプラス損益が得られるからです。不動産の場合は、建物は減価償却して行き固定資産税などの経費もかかります。また土地は、様々な要因により価値を上げ下げします。それらの費用を綿密に計算し、ちゃんと損益がプラスになる賃料を設定することが大切です。

単位と価値

もう一度最初の消しゴムの話に戻りましょう。

最初に消しゴムを買った時は、現金を100円減らした代わりに消しゴム100円分を増やしました。

消しゴムを買う

また別の時、消しゴムを借りた時は消しゴムを「1消しゴム」増やしました。

消しゴムを借りる

消しゴム100円分増やすことと、消しゴムを1個増やすことはどう違うのでしょうか。

価値の変化

前の章で説明したように、物の価値は日々変化していきます。消しゴムは使えば減っていき50円の価値になることもあるでしょう。(消しゴムは消耗品なのですが、ここでは中古消しゴムを50円で買う人がいるものとします)

消しゴムを「100円分」として管理した場合はそれが50円になったときは「消しゴム損益」として−50円するのでしたね。

他方、消しゴムを「1消しゴム」として管理した場合はその時点では「消しゴム損益」は出ません。「1消しゴム」として扱った場合は消耗して使い切った時に「消しゴム損益」として-1消しゴムがつきます。

前者は常に「円」で考える為、損益の把握がしやすいという利点があります。後者はいちいち価値評価をしないので手間がかからない分、正確な損益が把握しにくいという欠点があります。

特に株式や債券の場合は常に価格が変動します。もしコンピューターで計算できるのであれば後者の個々の単位で管理し、必要に応じて評価することが理想です。

単位の変換

また消しゴムを買う話に戻ります。先ほどは現金を100円減らした代わりに消しゴム100円分を増やしましたが、今度は現金を100円減らす代わりに消しゴムを1個(1消しゴム)増やすとします。

単純に「管理しているもの」から現金を減らして消しゴムを増やしては、「管理しているもの」=「借りているもの」+「貰ったもの(損益)」の式が成り立たなくなります。どうしたらいいのでしょう。

単位の変換

答えは一旦「損益」から「消しゴム損益」として−100円を考え、別に「消しゴム損益」として+1消しゴムをつけるのです。そうすれば100円(資産)−100円(損益)+1消しゴム(資産)-1消しゴム(損益)で釣り合いがとれますよね。

100円で消しゴムを1個買う

損益に着目すると「消しゴム損益」としては「−100円+1消しゴム」です。つまりある時点で消しゴムが100円を上回る、例えば150円になったら合計で50円の利益、反対に消しゴムが200円を下回る、例えば50円になったら50円の損、と判断できるわけです。

結びに

ここで紹介した「持っているもの」の考え方、管理記帳の仕方は「UBS(Unit oriented Balance Sheet」といいます。筆者が個人的に作成したアプリケーションに基づき紙や表計算ソフトでも使える様に方法だけををまとめたものです。会計の世界では貸借対照表(BS)という記帳方法が使われています。通貨(日本だと円)を単位としての会計方法で、会社などの資産/負債/資本の状態がはっきりわかるようになっており、世界でも標準的な方法です。しかしながら、個々の物の価値は常に変化するので、リアルタイム性に欠ける欠点があります。UBS方式はそのリアルタイム性に対する一つの解決手段です。

小遣い帳をつけたことがある方も多いと思います。小遣い帳は使った分を後から振り返るにはとてもよいのですが、使ったお金で買った「持っているもの」や「借りているもの」、そしてそれらの「原因」を把握するには不足です。小遣い帳のような使った分だけ管理する方法を「単式簿記」、上記の貸借対照表やUBSの様な「持っているもの」も管理する方法を「複式簿記」といいます。

このような会計は会社だけでなく、個々人の生活にもとても役に立ちます。特にお金をかりて買う高額な品物はその人の人生スタイルを左右します。この記事を見て少しでも簿記会計の”楽しさ”を感じ、興味を持って頂ける方がいらっしゃれば幸いです。

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