トランシーバーアプリZelloのPTTスイッチを自作してiPhoneを自転車バイクのインカムにする方法
ダイソーのシャッタースイッチとBluetoothイヤホンを使ってiPhoneを自転車やバイクのインカムトランシーバーにする方法を解説します。
ZelloはiPhoneとAndroidに対応したトランシーバーアプリの定番です。LINEやFacetimeオーディオで繋ぎっぱなしでもいいのですが、例えば自転車やバイクのツーリングや二人乗りの時などは長時間つなぐとパケットやバッテリーが消費して不便です。またツーリングが多人数の場合は対応できません。そこでZelloのような半二重通話ができるトランシーバーアプリを使うわけです。
ところがこのZello、イベントなどで携帯の画面に触われる場合は良いのですが、自転車やバイクツーリングなど携帯画面に触われない場合、専用スイッチを持った高価なヘッドセットが必要になってきます。
そこでここでは、安価なマイク付きBluetoothイヤホンとダイソーで買えるスイッチでそれを自作する方法と設定を説明します。
必要なもの
必要なものはダイソーのリモートシャッターとマイク付きBluetoothイヤホンだけ。これだけでバイクや自転車用インカムとトランシーバーが完成してしまいます。
手順
まずiPhoneのイヤホンジャックにリモートシャッターを差し込みます。iPhone7以上の場合はイヤホンジャックが無いのですが、付属のLightningケーブルアダプタを使えば差し込むことができます。
ちなみに本来リモートシャッターは自撮り用でiPhone6までしか対応が書いてありませんが、実はiPhone7以降でもこのLightningアダプタを使えばiPhone6以前と同様にシャッターとして使えます。自撮り棒も同じく使えるという裏技です。
Zello側の設定
次にZello側の設定をします。設定からPTTボタンを選んでください。
「新しいデバイスを追加」をタップしたらボタン待機状態になります。本来ならここでBluetoothのヘッドセットのボタン登録をするのですが、残念ながら市販のほとんどのBluetoothイヤホン・インカムは対応しておらず無反応です。高価な専用ヘッドセット用というわけですね。
今回はここでダイソーのリモートシャッターを押します。押し続ける必要はなく、カチッと一回だけ押してください。
PTTボタン画面に「音量を上げる」が追加されれば成功です。なんで「音量を上げる」なの?と思うかも知れませんが、リモートシャッターの仕組みというのは、iPhoneの横の音量を上げるボタンを押すのと同じ信号を送ることで、シャッターを切る事だからです。
もし電子工作の知識があれば、マイクの信号線をグランドに落とすことで同じ信号が得られますのでスイッチを自作することも可能です。多分100円以上はかかりますけどね(笑)
Zelloの画面で音声を送る場合は本物のトランシーバーの様に押しながらしゃべるのですが、残念ながらこのリモートシャッター方式の場合は押して通話開始・もう一度おして通話終了しかできません。先程の通り、マイクの信号線を使ってるのでこれは仕方ありません。
「音量を上げる」項目を選んで、「ボタンを押して発信を開始/終了」を選択しておいてください。また、「ボタンのマッピング」で話したい相手やチャンネルを選んでおくのもお忘れなく。
また、イヤホン端子がふさがっている以上、iPhoneはイヤホンがささってると認識しているのでスマホからは音は出ません。そこでマイク付きBluetoothイヤホンをペアリングしておきます。「設定」の「スピーカー」からBluetoothイヤホンを選んでおきましょう。
ZelloとダイソーPTTスイッチのテスト
自分の声が返ってくるechoにマッピングしてテストします。ボタンを押すと・・・ちゃんと反応しました!
Bluetoothの場合は、ボタンを押して少し待って「ピッ」となってから話し始めないと頭が途切れますので注意しましょう。
本番で使う前にechoで練習すると良いと思います。
バイクや自転車に取り付け
さて、バイクや自転車のインカムとして使う為にスイッチを取り付けます。非常に軽いスイッチなのでベルクロで十分です。これもダイソーで手に入ります。
ちなみにこの「ベルクロ」や「マジックテープ」は商標で正式名称は「面ファスナー」なのだとか。
まず「面ファスナー」の硬い方を少し切ってダイソースイッチの裏に貼り付けます。硬い方をこちらに使うのは、例えば服などにも付けられるようにです。
次に柔らかいほうをバイクや自転車に貼り付けます。写真ではバイクですが自転車でもハンドルの空きスペースを利用できます。
このダイソーのシャッタースイッチ、なぜか金属リボンではなく面ファスナーリボンがついてきますので、捨てずに利用しましょう。長さを調整する時、とても便利です。
完成しました。わずか百円、Bluetoothヘッドフォンを含めても3000円程度でバイクや自転車用のインカムが出来てしまいました。
Zelloは発信時は起動させておかなければいけませんが、受信の時はバックグラウンドやロック状態でも使えます。画面を出してポケットにしまっておいても大丈夫ですが、写真のようにiPhoneをバイクマウントにつけておくと状態が確認できておすすめです。
バイクマウントはミノウラの物を使っています。いろいろな製品がありますがミノウラのスマホホルダーは振動に強く、国産で作りも頑丈なのでおすすめです。
iPhoneとBluetoothヘッドセットとダイソースイッチだけでできるスイッチ付きインカムトランシーバー。仲間でのツーリングやタンデムでの2人乗りの時にとても便利ですよ。