5を掛けたり5で割る計算が驚くほど簡単に暗算できる速算法「五算術」

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5は私達の指の本数で、とてもよく使う数字です。5人の人がいたとして、その右手の指の本数はというと、簡単ですよね。九九をつかって5x5で25本です。それでは例えば246人の右手の指の本数の合計はというと、ちょっと考えてしまいます。

通常は次の様にします。200x5で1000、40x5で200に6x5の30を足して1000+200+30=1230。桁ごとに5をかけると大変で、メモが無いと忘れてしまいそうです。

こんな計算を暗算で驚く程速くできてしまう方法が、ここで紹介する五算術です。

5を掛ける

5を掛ける時は、5を掛ける代わりに10倍してから半分にします。

10は5x2です。5をかけるということは、言い換えれば5x2をかけてから2で割って最初の2を相殺するのと同じです。つまり10をかけてから半分にすればいいということですね。

例えば最初の例の通り、246に5をかけてみましょう。

まず下の桁にゼロを加えます(10をかける)。2460ですね。それを半分にします。2で割るのは暗算で簡単にできますよね。簡単に答えの1230にたどり着けました。

桁が増えれば増えるほど効果が高くなります。

5で割る

5で割るときは10分の1してから倍にします。

10は5x2でしたね。5で割るということは5x2で割ってから2をかけて最初の2を相殺するのと同じです。つまり10でわってから倍にすればいいということですね。

例えば245を5で割ってみましょう。

通常は次の様にします。24/5=4あまり4、45/5=9、40+7=49。各桁の商を覚えておかなければいけないのでメモが無いと大変ですね。

五算術だとこんなに簡単になります。

まず一桁右にずらします。24.5です。それを倍にします。倍にするのは暗算で比較的簡単にできますよね。簡単に49にたどりつけました。

割り算の場合も、桁が増えれば増えるほど効果が高くなります。

5の累乗をかける

1に5をかけたら5です。それに5をかけたら25、もう一度5をかけたら125、さらに5をかけたら・・・少し考えて625なのがわかります。それではその次はなんでしょう?ちょっと暗算では難しそうですね。

五算術を使いましょう。625を一つ桁をずらして6250。それを半分にして・・3125です。さらに進めると以下の様な結果になります。

5をかける回数 結果
1 5
2 25
3 125
4 625
5 3125
6 15625
7 78125
8 390625

1回目以外の最後の桁が必ず25になっていることに気づきます。これは前の手順の一番下の桁が5でその半分だから2.5、また下の桁が5なので次は2.5・・・が続いているからです。

この表は覚えておくと便利です。それは次の項でわかります。

5の累乗で割る

1を5で割ったら、なにになるでしょうか。0.2ですね。ではそれをさらに5で割ったら。計算機を叩くと0.04の様です。そしてそれを5で割った答えは0.008です。それを5で割ったら0.0016。なにか気づきませんか? そう、一番下の桁が倍々になっています。そして桁が1つづつ増えている様です。それで行くと、次に5で割った答えは0.00032になりそうです、そして実際に計算機の答えもそうなります。

どうしてかは、上の5で割る五算術を考えればすぐにわかります。5で割るというのは桁を一つ右にずらして倍にするということでしたね。2回5で割るにはそれを2回、桁を1つ右にずらして倍にした後、さらに桁を1つ右にずらして倍にします。桁ずらしと倍はまとめてしまっても大丈夫です(交換法則)。つまり桁を2つ右にずらして2回倍にすればOKです。

そして3回5で割るには桁を3つずらして3回倍にするのと同じ、4回5で割るには桁を4つずらして4回倍にするのと同じです。

ここから5で複数回割るということは、桁をその回数右にずらして、その回数倍にするのと同じだということがわかります。(数式で書くと5^-n=10^-n x 2^nです。)

この法則を使えば、5の累乗での割り算、例えば25分の1や125分の1、625分の1、3125分の1、15625分の1が簡単に出来る様になります。この数値は前項の5の累乗の表で出てきましたね。ある程度、この表を覚えておけば、ぴったりで無いときでも近い値として近似値を暗算できます。たとえば632分の1は計算が大変ですが、625分の1は上記の方法で簡単にできますので近い値として概算することができます。

2の累乗で割る

今度は2の累乗で割ってみましょう。1を2で割ったら0.5、簡単です。続けましょう、それを2で割ったら0.25、それを2で割ったら0.125、その次は0.0625、そして次は・・・0.03125。どこかでみたことありませんか?そう、前の5の累乗の表です。

2で割るというのは2x5で割ったものに5をかけたのと同じです。2x5は10ですね。つまり桁を一つ下げて5をかけるということです。5をかけるという操作は前述の5の累乗の項と同じです。

ゆえに複数回2で割るということは、桁をその回数下げてから5をその回数累乗したものをかけるということになり、上の様に5の累乗が現れることになるのです。

5を掛けるよりはそのまま2で割るほうが暗算では簡単なので、そのままでは役に立ちませんが、反対に、この数値は何回か倍にすると10の累乗になるなという推測には使えます。例えば625は4回倍にしたら10000になるなという具合です。

2と5の累乗表

前項から、2の累乗と5の累乗をペアで覚えておくと便利なことに気づきます。

乗数 2の累乗 5の累乗
1 2 5
2 4 25
3 8 125
4 16 625
5 32 3125
6 64 15625
7 128 78125
8 256 390625

例えば1000000円(ゼロが6つ)は6回半分にしたら64分の1で15625円であるといった使いかたです。また反対に15625円前後であれば6回倍にすれば64倍で大体1000000円になることもすぐにわかります。

どうして2と5なのか

速算法である五算術においては2と5の累乗を使います。どうして2と5なのでしょうか。

それは私達が普段、使っている10進法では10の累乗の掛け算が非常に速くできるからです。例えば213に100(10の2乗)を掛けるとゼロを二つ足して21300ですよね。100で割るのも二桁右にずらして2.13と簡単に計算できます。

そして、次に簡単なのが2を掛割する計算。倍にするのと半分にする計算です。暗算でも比較的、簡単にできますよね。

そこで、その10と2の掛割計算が簡単にできることを応用して計算が厄介な5の掛割を10と2で表現したのが五算術というわけです。

これはあくまで10進法だけの話で例えば16進法においては213は0xd5で100である0x64を掛けても0x5334と表記的には関係の無い値になります。

拡張して、n進法のnが2の倍数だった場合はその商であるn/2を上記の5と読み替えれば、n算術が完成します。例えば16進数だと16は2x8なので八算術が可能です。0x246に0x8を掛けるには0x10を掛けて0x2で割るのと同じという様にです。0x2460/0x2=0x1230と16進数でも簡単に暗算ができるのがわかります。

おまけの九算術と三算術

9を掛けることも簡単にできます。9を掛ける場合は「10倍してからその数を引く」です。でも割る場合は・・残念ながらそんなに簡単な方法はありません。

一般的にn進法の場合、n-1を掛けることは、桁をずらしてその数を引けば完成します。16進数の場合は0xfを掛けることがそれに該当します。

ちなみに3を掛けるのも簡単にできます。3を掛ける場合は「2倍してからその数を足す」です。これは基数によらず使えます。が、同じく割り算では使えません。

割り算というのはかけ算と比べて比較的暗算では難しいものです。簡単に速算するには工夫が必要です。これはまた別の機会に。

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