北陸電力 新小松変電所と周辺探訪、そして能美川北線の謎
新小松変電所は小松市能美市と石川県加賀地方の鉄塔探訪の拠点とも言える変電所です。
場所は小松市千木野町。国道8号線の東山町ICを降りてすぐの場所にあります。
ブロックとしては北東側の154KVエリアと南西側の77KVエリアに別れているのが航空写真で確認できます。
IC側からまず目に入るのは77KVブロック側。
IC側の角に見えるのが加賀市との境に向かう粟津線(地図黄色)の1番なのですが、その先で4回線にまとまっています。上の回線をたどるとグルっと回って向こうの154KVブロック側に。第2福井火力線(地図緑色)です。
上部154KVx2下部77KVx2のパターンの経路ということですね。南金沢変電所からの「笠間線(154KV)/松任線(77KV)」のペアが思い出されます。
小松市の方にもう一つ伸びているのがその名も小松線。後述する小松駅前の小松変電所に77KVを流しています。(地図紫色)
山手の方に伸びている特徴ある鉄塔が箱宮線(地図オレンジ色)です。シングルテーパーの三角の支柱がユーモラスです。
さて、左手からグルっと回って154KVエリアに回りましょう。
写真右手、側面に沿って154KVを迂回して77KVに入っているのは久常線77KV(地図青色)です。
今回は紹介できませんでしたがこの久常線が接続される久常変電所は後ほど紹介する根上線の分岐点でもあります。北金沢変電所から「松任連絡線→松任変電所→松任久常線→久常変電所→久常線」という77KVの流れの一つです。
さて、その北金沢変電所からの77KVの流れの兄貴分とも言えるのがこの154KVの新小松線(地図赤色)です。
途中で南金沢変電所からの154kv笠間線とも接続されここに辿り着いています。
1導体で見た目には77KVと違いがわかりませんが、ガイシの数が多いのが特徴です。これで最終です。
ここからは第2福井火力線へのゲートから第2福井火力線(地図緑色)として154KVの流れが繋がります。
ここからはるか先の火力発電所まで繋がっていると思うと感慨深いものがあります。
さて、ついでに周辺の変電所に立ち寄ってみましょう。
小松変電所
小松変電所は小松駅前にあります。
先程の新小松変電所から小松線が終端されます。
12番。意外と短いですね。
ここからは小松空港の方に安宅線として出発です。
安宅変電所
安宅変電所は安宅線77KVが引き込まれるだけの配電用の変電所です。
隣接鉄塔は1つだけのシンプルな変電所ですね。
これが小松変電所からの最終鉄塔です。
18番。郊外を通っているので途中よく目にする送電経路です。
根上変電所
ついでに近くの根上変電所へ。これは久常変電所からの根上線が接続されています。
町の中にぽつっとある目立たない変電所です。
根上線は途中日本ガイシの工場のあたりで目立つ引き上げ鉄塔になっているので国道8号線を通るとよく目にする送電線です。
能美川北変電所
最後に能美川北変電所を紹介します。
この能美川北変電所、ちょっと謎な変電所で塔マップを見ても接続先が不明なのです。
とりあえず隣接する鉄塔は1系統のみ。その名も能美川北線です。
若番方向についている銘板1994年3月によれば1994年建設。
送電線は手取川の向こうに向かっている様です。
ところが塔マップを辿ってもその先に変電所らしきものはなく、あるのは工場のみ。ぐるっとまわって近くまで行ってみました。
番号を減らしていくとこの引き上げ鉄塔が1番ということになりますが・・ざんねんながら遠くから立ち入り禁止になっていてこれ以上情報がつかめませんでした。
一つ手前の鉄塔です。
確かに2番とありますので推測は間違いなさそうです。(地図赤の経路)
しかし上の1番鉄塔、更に奥に接続されています。(地図緑の経路)
0番というわけではなく、どこからかの送電経路のようです。
遠くて視認できませんが10番か18番に見えます。
塔マップによると北陸幹線(地図黄色)が横断していますが、まさか10や18の番号であるはずもなく、154kvなので直接接続もありえません。
航空写真をたどると、以前七ヶ用水を辿った時に見つけた鶴来第1線と接続されていそうです。そちらを起点に数えると接続部は鶴来第1線6番。そこを支線1と数えると上のは12番目、数が合いません。
航空写真を注意深く見ると鶴来変電所からの上の回線が使われてます。上の回線は能美線でした。
そう仮定して数えて見ると、、、、ぴったり18です!
どうやらここがその名の通り能美変電所の様です。先程の引き上げ鉄塔は能美川北線1番と能美線18番からの接続という事ですね。
変電所といっても工場への引き下げだけの様ですが、、、
なんとか謎は解けそうです。ただ、裏を取る為には和佐谷の山奥に入るしかなさそうですね。