夏を代表する味覚 スイカの家庭菜園

ポイント

植え付け準備(4/20~25)

連作を嫌うのでウリ科の作物(キュウリ、カボチャ、メロン等)を過去5年以上作ったことがない畑を選ぶか、接ぎ木苗を使います。植え付け20日ほど前に苦土石灰80g/平方メートル、エコ堆肥2kg/平方メートルをまき耕し、10日ほど前に畝の中央を掘り1平方メートル当たりエコ堆肥1kgと過燐酸石灰10gを入れます。次に全面に基肥として1平方メートル当たり固形30号100g、骨粉40g、菜種油粕60g、燐硝安加里604号20g、溶燐20g(または〔15・15・15〕の同15g、〔8・8・8〕の化成肥料130g、骨粉40g、菜種油粕60g、溶燐20g)を散布し、耕してエコ堆肥を入れた溝をうめます。

5日ほど前に高さ20cm、幅300cm程度のかもぼこ形の畝を作ります。畝作りの後、マルチング(農業用資材として市販)をすると栽培しやすくなります。植え付け準備は一度に行わないことが大切です。いっときで行ってしまうと、あとあと結果がよくありません。

苗選び(4/25~30)

葉数5枚程度の苗で、無病で茎が太く、節間が短く、がっちりした生育の良い苗を選びます。「苗八分作」といわれる言葉の意味をかみしめて、苗選びは慎重にします。植え付け前日に液肥400倍でかん水しておきます。

植え付け(5/5~10)

地温が12度を越えないと発根しないので地温を確認し植え急ぎません。浅植えを心がけ接ぎ木苗の場合接ぎ木部分が埋まらないよう気をつけます。株間は100cm程度。ダイシストン粒剤1~2gを周りにまいておくと害虫の被害が少なくなります。

保温対策として農ポリでトンネルかテントをつくります。

保温管理(5/10~25)

植え付け後7~10日は密閉します。晴天時の葉やけを防ぐため、かん水をしてポリを曇らせるか、苗の真上に当たる所に新聞紙などであらかじめ日よけを作っておきます。その後は、風下側に直径10㎝程の穴をあけ、換気します。以降5日間隔で穴の数を増し、35度を超えないようにします。あるいは裾の開閉ができるトンネルをつくり、こまめに換気しながら管理をします。植え付け後、2週間は気を抜けない毎日が続きます。

しきわら、追肥(5/20~)

第1回はトンネルまたはテント除去の5~7日前に、化成肥料(サンフルーツ化成989号30g/平方メートル)をつる先に施し耕したあと敷きわらをします。

摘心、整枝(5/20~)

子つるの整枝はしきわら後に行います。親つるはそのまま伸ばし、子つるを2~3本仕立てます。それ以外の子つる(株元近くの生育の悪いもの)は整枝しますが、一度に切ると草勢が落ちてしまいます。これを防ぐには余分な子つるといえども1~2本は残して、草勢が回復してから切り取ります。着果するまで親つる1本に子つる2本以上とします。

9節前後に着果させた一番果は途中で取り除く予定です。着果後は株元の葉を5~6株取り除きます。

着果後は葉が混み合わないよう、つるを配置するか摘葉します。

人工授粉、札入れ、玉直し(7/1~20)

収穫用の果実は15~18節目に着果させるのが理想的です。着果を確実にするため、開花問もない午前中に人工交配をします。

花の下の子房が丸くなっているのが雌花です。

人工受粉は雄花の花粉を雌花の柱頭にすりつけます。午前10時までが効果があります。低節位(8~9節)に着果させた1番果は空洞果や変形果になりやすいので摘果します。

果実がピンポン球大の頃、着果札をたて収穫予定日を記入します。玉直しとして収穫1週間前に設置部分を日に当てておくと着色が均一になります。

着果後は混み合うところをはさみで間引きます。特に株元はすっきりさせておきます。

第2回の追肥は着果確認後、第1回と同じものを同じように行います。この追肥後土寄せをし畝幅3mに仕上げます。第3回は一番果が肥大する時期に、第1、2回と同じように行います。肥料のやりすぎはツルボケになるので草勢をみながらひかえ気味に施します。追肥と同時に中耕し除草、しきわらします。

6月に着果したものは40日程、7月に着果したものは35日程で収穫適期となります。小玉種はこれより5~7日早く収穫します。収穫期が近づいたらカラスよけのためわらをかぶせて隠すか、防鳥ネットを張ります。

収穫期(8/1~15)

判断は、果実が着いている節の巻きひげが半分以上黄色くなったときが目安です。他に打音が濁音である、縞の濃淡がくっきりする、肩部が盛り上がるなどありますが、試し採りをして確かめます。

尻が黄色くなるのも収穫期のしるしです。

病害虫対策と注意点

排水をよくして敷きわらを十分にすることが大切です。薬剤防除は早めに定期的に行います。ダコニール600倍液にDDVP1000倍を加えて散布します。このあと薬剤の種類を変えて10日ごとに定期的に行います。

7月の平均気温が高い年は豊作で、雨の多い年は不作であるといわれています。高温乾燥には強いが多湿や日照不足に弱い作物です。

苗の定植が遅れ成熟期が9月中旬以降になると、温度が不足し糖分がのらず品質が落ちます。

収穫後、2、3日おいて熟させてから食べたほうが、果肉がしまり甘みも多くなります。

梅雨期には長雨・強雨が予想されます。そのため泥はね過湿などで病気の発生を助長します。特にウリ類は株元が多湿になると、つる割れ病などの細菌による病気が発生しやすくなりますので、雨よけによる予防は効果が大きいといえます。

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